試乗記
注目の光岡「M55」の世界観に触れた! 古きよき時代のデザインエッセンスを再現した相棒にしたくなる1台
2026年5月1日 08:00
アメ車に憧れた日本車のデザインを、今の時代に合わせて再デザイン
2023年11月、光岡自動車は創業55年を記念したモデル「M55 CONCEPT(エムダブルファイブ コンセプト)」を公開した。その後、2025年には6速MTの「M55 Zero Edition(ゼロエディション)」を限定100台で販売。2026年にはハイブリッドモデルのAT仕様「M55 1st Edition(ファーストエディション)」を予定販売台数250台で販売。さらに直近では6速MTの「M55 RS(アールエス)」を予定販売台数55台で販売することを発表した。
それら反響はかなりのもので、当初販売した「M55 Zero Edition」は応募者数上限の350名に達してしまい抽選が行なわれたほど。「M55 1st Edition」も、2025年末の時点で約150台の予約が入っていたほどの人気がうかがえる。
少量生産だから数字としては少ないが、実はクルマの調達がなかなか大変だったらしい。「M55」はホンダの現行シビックをベースとしているが、そのクルマは一度、光岡自動車名義で新規登録をすることが供給条件。
納車時には中古新規登録となるため、車検が新車にも関わらず2年になってしまうところが注意ポイントだ。始めは100台を一括で買わなければならなかったが、「M55 1st Edition」以降はホンダから都度納入してもらう体制が整った。直近の「M55 RS」については調達交渉を重ねた結果、なんとか確保できたのが55台だったようだ。
今回はそんな貴重な「M55」の「1st Edition」をお借りすることができた。ベースとなるのはシビックe:HEV EXのもちろんAT仕様だ。実車を目の当たりにすると、どこか懐かしくもある雰囲気だ。
アメリカンマッスルカーの“ダッチチャレンジャー”をモチーフにしたのだと思ってはいたのだが、“ケンメリスカイライン”や“セリカリフトバック”のようでもある。エクステリアデザイン担当者はかつて「アメ車に憧れてデザインされた日本車のデザインを、今の時代に合わせて再デザインしてみようと思った」と語っていたのもうなずける仕上がり。リアガラスルーバーもオプション装着されており、1970年代のエネルギッシュな世界観がよみがえってくる。
このデザインバランスを成立させるためにサイズもベースのシビックとは異なる。ボディサイズはシビックが4560×1800×1415mm(全長×全幅×全高)、M55が4735×1805×1415mm(同)となる。特徴的なのはやはり全長が175mmも伸びたことだろうか。
ラゲッジを開ければその差は一目瞭然というくらい、フロントまわりも、リアバンパーまわりも延長されていることがうかがえる。オーバーハングはもちろん伸びるわけで、取りまわしもしにくくなるのは間違いないが、この独自の世界観があるのなら許せる。対して全幅は無理に広げなかったところが好感触。これなら1970年代の縦横比に近いかな、なぁ~んて感じるところが満載だ。
インテリアもまた懐かしさに溢れている。オプションではあるが専用のレザーシートにはエアホールが与えられるほか、光岡自動車のエンブレムや車名も刻み込まれている。座り心地はベースモデルよりも硬質に感じるが、その感覚もまた古きよき時代を感じさせてくれるいいスパイスだ。
思わず笑顔になれる、光岡らしいクルマ
ここまでヒストリックな世界観に溢れてはいるが、走り出せばもちろん現代車だ。e:HEVは静かにモーター駆動で動き出し、とてもスムーズに速度を重ねていく。e:HEVだからアクセルを深く踏み込めばエンジンはステップシフトしていくのだが、日常域はいたって平和だ。
これがミスマッチかと思いきや、コレはコレでアリと思えてくる。もしそれじゃ物足りないという人には、RSのMTモデルも準備されているとはさすがの体制だ。前後オーバーハングの大きさもカメラがあればそれほど苦にならないし、フロントは逆に見切りがいいかもなんて思えるところもある。
また、オプションのガラスルーバーもルームミラーから見れば視界はほとんど妨げられていない絶妙な角度をキープしているところもさすがだ。実用性ありつつデザインだけで楽しむ、それもまたクルマの楽しみ方のひとつだろう。思わず笑顔になれる、実に光岡自動車らしいクルマだった。






























