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写真で見る スズキ新型「ワゴンR スマイル」

スズキが新しく発売する「ワゴンR スマイル」。リアドアにスライドドアを採用する軽ワゴン車。全高はハイトワゴンのジャンルに収まっている

両側パワースライドドアを採用する“新しい軽ワゴン車”

 スズキは8月27日に新型軽ワゴン車「ワゴンRスマイル」を発表した。発売は9月10日を予定している。価格は129万6900円~171万6000円。

 グレードは「G」「HYBRID S」「HYBRID X」の3タイプで後席ドアにスライドドア(電動)を採用している。

 安全装備はデュアルカメラブレーキサポートをはじめとする「スズキ セーフティ サポート」を全車に搭載。また、HYBRID SとHYBRID Xには「セーフティプラスパッケージ」を設定し、こちらにはアダプティブクルーズコントロール、ヘッドアップディスプレイ、標識認識機能が付く。さらにHYBRID SとHYBRID Xには全方位モニター式カメラパッケージと全方位モニター付きメモリーナビゲーションがオプション設定されている。

 エンジンは排気量660cc水冷4サイクル直列3気筒 DOHC12バルブのR06D型を全車に搭載。最高出力は36kW(49PS)/6500rpm。最大トルクは58Nm(5.9kgfm)/5000rpm。なお、ワゴンRスマイルにターボモデルは設定されていない。

 HYBRID SとHYBRID Xには最高出力1.9kW(2.6PS)/1500rpm、最大トルク40Nm(4.1kgfm)/100rpmのISG(モーター機能付き発電機)を使ったマイルドハイブリッドシステムと専用のリチウムイオンバッテリーが使われる。トランスミッションは全車CVTで、駆動方式は全車にFFと4WDが設定されている。ボディカラーは2トーンカラーが8パターン、モノトーンが4色となっている。乗車定員は4名だ。

新型ワゴンR スマイル。撮影車はHYBRID X。ボディカラーはコーラルオレンジメタリック/アーバンブラウン2トーンルーフ。ボディサイズは3395×1475×1695mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2460mm
新型ワゴンRスマイル
後席ドアは左右ともスライドドア(電動)を採用する

 スズキでは「エブリィ」「ワゴンR」「スペーシア」「ハスラー」など多様な軽ワゴン車をラインアップしているが、そこに新たに加わったのがワゴンR スマイルだ。ただ、名称に“ワゴンR”と付いていても現行ワゴンRの派生車というわけではない。

 実はこのワゴンRスマイルはハードウエアとしてスペーシアをベースに開発されている。それだけに「スペーシア〇〇」でもいいのでないかと思うところだが、スペーシアはスーパーハイト系に属する車種であるから、ルーフが低いこのモデルはハイト系のワゴンRになるという説明であった。

 また、スペーシアが「子育てど真ん中」のファミリー層をターゲットにしていることに対して、ワゴンRスマイルは年齢層問わず「こだわりを持ったクルマ選びがしたい」と考える層に向けたクルマだ。これはスタイリングにも現れていて、全体が写っている画像を見てもらえば分かるように、ルーフをチョップしたような造形になっている。つまりルーフが低いのだ。これによりキャビンが小さく見えるので軽ワゴン車ながらスポーティなスタイルに仕上げられている。

 同時に、全体のイメージはシンプルにまとめているのだがここにも工夫がある。ワゴンR スマイルの開発者いわく、軽自動車でシンプルを意識して「つるん」としたデザインにしていくと、見た目に「弱さ」を感じることがあり、それをユーザーは「弱さ」から「怖さ」というように感じてしまうことがあるという。そこでスズキが軽自動車をデザインするときはボディに適度な凹凸などのアクセントを入れることで「弱く見えないこと」を意識しているとのことだった。

 こうしたことからワゴンR スマイルは、現行ワゴンRの派生でもなくスペーシアシリーズでもないまったく新しい軽ワゴン車と捉えたほうが本質に近いと言える。

シンプルで明快なデザインがテーマ。奇をてらわず、ヘッドライトやグリルなどあるべきものはあるべきところに配置された
ヘッドライトは大きめのベゼル付きとした。これは普遍的な「クルマらしさ」を狙ったもの
バンパー下部に設けてあるフォグランプも大きめのベゼルが付き、ヘッドライトとのバランスを取っている。ラジエターやコンデンサーに風を導入するロアグリル付近には小ぶりな別体バンパーを連想させるデザインを入れている
スペーシアの高いルーフを90mm下げている。ボディ自体は厚みがあるデザインなので、よりキャビンが小さく見える
ワイパーアームをボンネットから飛び出ないように配置することで広い視界を確保する
Aピラー部は特徴ある造形。ピラーに視界がジャマされにくいので車内から外を見たときに斜め方向の視認性がよくなっている
シンプルにまとめられたエクステリアデザインだが、シンプルにしすぎると視覚的に事故や衝撃などを受けたときに「弱そう」と感じてしまうこともあるという。そこでスズキではスッキリした面を多用しつつも「安心」を感じられるようなデザインを盛り込んでいる
前席ドアと後席ドアのノブ部分も凹みを設けて面の強さを出している
こちらはリアハッチのノブ。リアまわりはスッキリとしたデザインにしている
フューエルリッドは左側にある。燃料は無鉛レギュラーガソリンでタンク容量は軽ワゴン車として平均的な27L
アンテナはルーフ右側後ろ寄りに付いている。前方向への可倒式
スチールホイールにキャップ付き。タイヤサイズは155/65R14。ブレーキはフロントがベンチレーテッドディスク。リアがリーディング・トレーリング(ドラム)
ワゴンR スマイルのヘッドライト点灯パターン。消灯状態
LEDスモールランプ点灯時。愛着が持てるシグネチャー表現となっている
ウインカーはライトユニットの内側が点灯。ハザードランプも同様の場所が点灯
ロービーム点灯
ハイビーム点灯
フォグランプ点灯
ミラーにウインカーが埋めこまれている
リアコンビネーションランプ
スモール点灯時。LEDを使った特徴的な表現
ウインカーは3段に並ぶランプのうち、センターが点灯する
ブレーキを踏むとスモールランプ部と同じところがより明るくなる。バックランプは一番下が点灯
ハイマウントブレーキランプはリアハッチ上部に付く
エンジンは全車、排気量660cc水冷4サイクル直列3気筒 DOHC12バルブのR06D型を搭載。最高出力は36kW(49PS)/6500rpm。最大トルクは58Nm(5.9kgfm)/5000rpm。HYBRID SとHYBRID XにはISGモーターと専用リチウムイオンバッテリーのマイルドハイブリッドシステムを装備

シンプルながらもこだわって作り込まれたインテリアデザイン

 ワゴンR スマイルは物に溢れた時代のなかに生まれている「シンプル志向」のニーズに応えるために作られたクルマだが、ただシンプルにするのではなく「洗練」と「温かみ」を融合させた新しい価値感が感じられるように仕上げているのが特徴。それだけに「軽ワゴン車は便利ではあるけど所帯じみた印象のものには乗りたくない」と考えるユーザーに訴える作りになっているとのことだ。

 そのためインテリアもシンプルながら居心地のいい空間に仕上げている。エクステリアデザインに関して、ルーフをチョップしてキャビンをコンパクトに見せていると書いたが、これで天井が低く感じることはない。

 現行ワゴンRと比較したデータによると全高で45mm、室内高で65mm広くなっていて、ヘッドクリアランスも前席で13mm、後席は42mm(ともに頭の直上から天井まで)広くなっている。また、前席、後席とも頭の横から室内の内張りとのスペースも広くなっている。

 フロントからサイド、リアすべてのウィンドウは「360°プレミアムUV&IRカットガラス」となっているので、日差しが強い時期であっても窓から感じる熱や紫外線を低減させている。そのほかボディには不快な音や振動を低減する技術が盛り込まれているので静粛性の高い室内空間を実現しているとのことだ。

インテリアはシンプルだが各所にこだわりのポイントを作る。シートは左右セパレート式で、運転席のスライド範囲は前側に対して助手席よりワンノッチ多い。これはより多くの体型のユーザーに合うようにしたこと
シート表皮は明るい色だがそこにさらに黄色の糸を織り込むことで、ただ明るいだけでなく質のよさも作り出している。安全装備としては前席に6つのSRSエアバッグを装備する
前席の足下はウォークスルーなので左右どちらからの乗り降りも楽。自宅駐車場の事情で右寄せで駐めているような場合はとても便利
助手席座面下には大きめのシートアンダーボックスがある
後席ドアは左右とも電動スライドドア。リアシートは前後スライド&リクライニング機構付き。また、座面にはi-Size/ISOFIXチャイルドシート対応のチャイルドシートを設置可能
リアシートを下げた状態。足下には大人が乗っても余裕のスペースがある
リアシートを下げた状態でのラゲッジ。軽ワゴン車としては一般的な容量だろう
リアシートはセンター2分割で可倒できる
リアシートを倒した状態。かなり大きなラゲッジスペースができる
前席を倒すとフルフラットにすることができる。画像ではリアシートを前倒しにしているので前席と段差があるが、車中泊などで使用する場合は、そもそもラゲッジの床にクッションマットなどを敷いて利用するだろうが、生じた段差はマットとシートの高さ合わせに関してかえって使えるものでもある。リアシートに座って足を前に投げ出すようなシートアレンジではこの段差はなくなる
一般的にインパネまわりは黒色で統一にするところをステアリング周辺やシフトまわりのみをアイボリーとしている。加飾パネルと合わせて、複数の色を破綻することなく組み合わせることで内装デザインに深みを持たせたいという意図からの仕上げだ
左側のステアリングスイッチ。オーディオのモード変更、インフォメーション、ハンズフリー電話などのスイッチがある
右側のステアリングスイッチ。ACCなど運転支援系がある
黒色主体のダッシュパネルに対してアイボリーのパネルでまとまられたシフトとエアコン操作パネル。他のクルマにはあまり見られない配色
作りはシンプルだけど色やデザインで質感を高めたメーターデザイン。速度表示の外周、ちょうど120km/hのあたりにひし形のデザインが入っているが、これはあとで紹介する天井の内張のデザインに合わせたもの
メーター内ディスプレイの表示パターン
ヘッドアップディスプレイの表示パターン。視認性はよかった
ヘッドアップディスプレイの表示は投影位置の高さ調整が可能。上下に12段階あってそれぞれ最大値では姿勢を大幅に変えないと見られないほど。幅広くドライバーの身長、ドライビングポジションに合わせることができるだろう
スマートフォン連携9インチメモリーナビゲーション
ナビゲーション画面
ウィンドウは全面UV&IRカットガラス。ルーフが低く見えるがガラスエリアは広く視界は良好。死角になりやすいAピラーごしの視界もいい
左側ミラーには2面のアンダーミラーが付いている
全車に「スズキ セーフティ サポート」が付く
HYBRID SとXに設定されているセーフティプラスパッケージでは全方位モニターと合わせた駐車支援機能が充実。また、スズキ車としては初のすれ違い支援機能も搭載。約5km/h以下で狭い道をすれ違い走行時、自動でモニターに左側の映像を映す
アラウンドビューの画面。駐車枠に対して自車がどの位置にあるかが分かりやすい
クルマのまわりを1周映像として映してくれるのですべての面で周囲が確認できる
バックカメラとアラウンドビューの組み合わせ表示
全方位モニターや左右確認サポートの設定画面
遮音にも気を使っていてボディ各所に遮音を高める作りが施される。ボンネット裏にもエンジン音遮音用のフードサイレンサーを装備
ワゴンR スマイルはこだわりを持って選ぶ人に向けたクルマであり「このクルマが欲しい」と思ってもらうことを目指している。そこでインテリアにもあちこちに「こだわりの作り込み」がある。そこで天井にはひし形の縫い込みが施された内張が使われる。こうした作りは過去にアルトラパンでも行なっているとのこと
カラーパネルに加えてカッパーゴールドで塗られた縁取りが印象的。このカッパーゴールドという色も何種類もサンプルを作りイメージに合うものを探したという。またこの色は周辺の明るさによってイメージが変化。明るいところでは爽やかさがあり、暗いところではシックになるとのこと
運転席用のドリンクホルダーは大型対応。エアコン吹き出し口の横にあるスイッチはメーター内にあるマルチインフォメーションディスプレイのオド、トリップのスイッチとインフォメーションスイッチ
ステアリング下にも小物が置けるスペースが設けてある。右横にはETCを装備するためのスペースもある
グローブボックスの上部にも物入れがある
グローブボックスは広め
運転席にはアームレストが付く
アームレストは小物入れになっている
ルームランプ。ドア開閉連動と常時点灯、消灯が選択できる
運転席側サンバイザー。裏側にバニティミラー付き
助手席サンバイザー裏にもバニティミラー付き
ドアトリムにあるミラー操作系とパワーウィンドウ系スイッチ
リアスライドドアのパワーウィンドウスイッチ
運転席まわりのスイッチ類。エンジンスタートボタンはステアリングの右側
ステアリング左下にあるスイッチ類
シフトレバー下にはシートヒータースイッチとUSB電源端子
メモリーナビを装着すると音楽CDのほか、DVDビデオも再生できる。さらに音楽再生USBメモリーの端子も付く
運転席のシートバックには上部にポケット、そして折りたたみ式のパーソナルテーブルが付く
ドリンク用のホールは2か所。左に座る人も利用できる
助手席裏にはポケットが付く
後席乗り込み時に便利なアシストグリップが付く
後席スライドドア開閉用ノブ。電動式なので開閉に力は不要
リアドアペットボトルホルダー。左右に付いている