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写真で見る ホンダ「NSX Type S」(2代目最終モデル)

2021年9月2日 購入受付開始

2022年7月 発売予定

2794万円

2代目NSXの最終モデルとなるNSX Type S

ダイナミクス性能とデザインが見直された最終モデル

 本田技研工業が誇るスーパースポーツ「NSX」。現行モデルは2016年8月に発表された2代目で、初代モデルが提案した「人間中心のスーパースポーツ」というコンセプトを継承。独自の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)」の搭載により、高いレベルでレスポンスとハンドリング性能を融合。誰もが快適に操れるスポーツカーを実現した。

 その後、2019年モデルでサスペンションまわりを中心とした見直しを図った後、新色「インディイエロー・パールII」を追加した2020年モデルを発売。同モデルは2021年3月に販売終了となり、この8月に2022年12月で2代目NSXを生産完了する旨が発表された。そのトリを飾るべくリリースされるのが「NSX Type S)」だ。Type Sは2代目NSXの集大成とするべく、ダイナミクス性能とデザインの見直しが実施された。

 まず、パワートレーンでは核となるV型6気筒DOHC 3.5リッター直噴ツインターボエンジンにメスを入れ、ターボチャージャーの過給圧アップやインジェクターの噴射流量アップ、インタークーラーの放熱量アップなどによりパワーを追求。最高出力は389kW(529PS)/6500-6850rpm、最大トルクは600Nm(61.2kgm)/2300-6000rpmと、2020年モデルよりそれぞれ16kW(22PS)、50Nm(5.1kgm)の向上を果たした。モーターまわりにおいてもバッテリー出力および使用可能容量を拡大しており、システム全体では最高出力610PS、最大トルク667Nmを発生。また、減速時などに1段ごとではなく瞬時に適切なギヤにシフトダウン可能な「パドルホールド・ダウンシフト」を同社として初採用。走行シーンに応じてモード切替が可能な「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」においても、Type S専用の制御や駆動配分が採用されている。

 足まわりではNSX専用となるピレリ製「P-ZERO」を採用したほか、新デザインの専用鍛造アルミホイールによりトレッドをフロント10mm、リア20mm拡大。グリップおよび限界性能を高めるとともにコントロール性能の向上が図られている。

 外観は新デザインの前後バンパーにより、空力と冷却性能を合次元で両立。内装は専用のカラーコーディネートやロゴを採用することで、従来モデルとの差別化が図られた。

 ボディカラーはホンダ車初採用となるマットカラー「カーボンマットグレー・メタリック」など全10色、インテリアカラーは「レッド」「オーキッド」「エボニー」の3色が用意される。価格は2794万円。全世界で350台が販売され、そのうち日本国内には30台のデリバリーが予定されている。

 ここでは最終モデルとなるTyps Sの詳細を2019年モデルとの比較も交えながら、写真で確認していく。

撮影車両のボディカラーはカーボンマットグレー・メタリック
スポーティさを強烈に印象づけるフロントまわり。ノーズ部分が延長されるとともに中央の開口部を大型化することでワイド&ローのイメージを強調する
サイド開口部はラジエターの冷却効率をアップ。コーナー部分はリアエアインテーク(インタークーラー)への空力効果を狙った形状
サイドステップまわりもボリュームのある造形
リア上部は2020年モデルを踏襲
下部はワイド感を強調するデザインを採用するとともにカーボンディフューザー形状を大きく変更。マフラー出口のエキゾーストフィニッシャーもブラック化された
ヘッドライトおよびテールライトは内部をブラック化

2019年モデルとの外観比較

 撮影時には2019年モデルもあり、前後バンパーの形状をはじめ、細部の違いを確認できた。

フロントバンパーはアグレッシブかつワイド&ローなイメージに
リアバンパーもワイド感を強調するデザインを新たに造形
低重心なイメージを強調するためにヘッドライト中央のエクステンションを大型化。同時にボンネットに付けていた「H」エンブレムを小型化してフロントバンパーへと移動している
タイヤはコンチネンタル「スポーツコンタクト6」からピレリ「P-ZERO」に変更。サイズは変わらず
ドアミラーはピアノブラック化
ドアハンドルもピアノブラック化された
エンジンセンターカバーはレッドになり、カスタムオーダーのドライカーボン製エンジンカバーはクリアコーティング仕様となる

Type S専用デザインも多数採用

 リアタイヤ前とグローブボックス前に配置された「Typs S」のロゴや、リフレクターの色、ヘッドレストの刺繍、エンジンカバーなど、Typs S専用となるデザインや設定が施されている。

リアタイヤ前に専用デカールを配置
リアタイヤ上部のリフレクターはレッドからクリアに
エンジンカバーにシリアルナンバープレートが装着される
フロントフード下にはツインモーターユニットなどが収まる。見た目には大きな変更はない
アクティブダンパーシステムは減衰力特性が見直された
タイヤは専用チューニングが施されたピレリP-ZERO。フロントのタイヤサイズは245/35ZR19
リアタイヤのサイズは305/30ZR20
カスタムオーダーアイテムとなるカーボンセラミックブレーキ。キャリパーカラーは写真のレッドのほかオレンジ、シルバー、エボニーが選択可能
内装は専用カラーコーディネートを採用。撮影車両のカラーはオーキッド
カーボンを配したステアリングはカスタムオーダーアイテム
メーターパネルは従来通り
カーボンタイプのメーターバイザーもカスタムオーダーによるもの
ギヤセレクターまわり
ペダルまわり
運転席ドアトリム
シート表皮はセミアニリンフルレザーとアルカンターラのコンビネーション。セミアニリンフルレザーのみとなるタイプも用意
Type Sはヘッドレスト部にNSXロゴが入る
グローブボックス部には刺繍でロゴが入る
キーレスエントリーも専用になる
初代NSXでは1997年2月のマイチェンで、エアコンなどの快適装備はそのままに、約45kgの軽量化、専用サスペンションチューニング、専用デザインのステアリングホイールやシフトノブなどにより、ワインディングロードなどでのスポーツドライビングの楽しさを際立たせたモデルとしてType Sが追加された。今回展示されていたType Sは後期型の2004年モデル。ボディカラーはセブリングシルバーメタリック