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写真で見る ダイハツ「ムーヴ キャンバス」

新開発プラットフォーム「DNGA」や最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用した新型「ムーヴ キャンバス」。価格は149万6000円~191万9500円

 ダイハツ工業から、「タント」「ロッキー」「タフト」「アトレー」に続いて、新開発プラットフォーム「DNGA」や最新の予防安全機能「スマートアシスト」を採用した新型「ムーヴ キャンバス」が7月5日に発表され、7月13日より全国一斉発売されることになった。

 今回発表された新型ムーヴ キャンバスはシリーズ2代目となるモデル。初代ムーヴ キャンバスは2016年に発売されて以来、女性ユーザーを中心に人気となり、軽ワゴン車の売れ筋でもあるターボエンジン搭載車がない展開でありながら、累計生産台数は38万台を超えるヒット作となった。

 ただ、ムーヴ キャンバスの人気は価格や装備のよさが牽引したわけではなく、デザインやコンセプトが受け入れられてのこと。それだけに同じ名前を使う新型車を作るうえでは、初代のイメージをどう引き継ぐかが重要だった。

 そこで新型ムーヴ キャンバスではエクステリアデザインは初代のイメージを継承し、インテリアは新たな視点からデザインするという方法が取られた。

“スマイルフェイス”と呼ぶフロントまわりのデザインに、全体的に丸みを帯びたボディライン、そしてボディが長く見えるロングシルエットは初代によく似ているが、これはただ似せるようデザインしたのでなくて「初代のデザインをベースにいまの時代らしいシンプルさを持たせた仕上げ」となった。

 また、ムーヴ キャンバスといえばルーフ、ボンネット、フロントグリル、ボディ下部を塗り分ける「ストライプスカラー」が特徴だったが、新型でもこのカラーリングを設定。カラーバリエーションは「シャイニングホワイトパール」を共通色として「スムースグレーマイカメタリック」「レイクブルーメタリック」「レーザーブルークリスタルシャイン」「サンドベージュメタリック」「ファインミントメタリック」「ファイヤークォーツレッドメタリック」そして新規開発の「アプリコットピンクメタリック」「シトラスイエロークリスタルシャイン」を入れた全8色の展開。なお、ストライプスカラーを採用したグレードは「ストライブス」という名称になっている。

新型ムーヴ キャンバス ストライプス。グレードはG ターボ。ボディカラーはシャイニングホワイトパール×レイクブルーメタリック
ボディサイズは3395×1475×1655mm(全長×全幅×全高)で、4WD車は全高が1675mmとなる
ストライプスグレードはボディの上下に配色されるシャイニングホワイトパールで主要色をサンドイッチする「ストライプスカラー」が採用される
初代のデザインをベースに現代風にリメイクしたスマイルフェイス。フロントマスクを構成する各パーツがそれぞれシンプルなラインで仕上げたデザインになったことで、初代とよく似た顔つきながら、新型ではあっさりとした雰囲気になった
初代はムーヴ キャンバスのエンブレムが付いていたが新型はロゴになった。しかも初代は英小文字の「canbus」だったのが大文字の「CANBUS」に変更されている
初代はテールゲート部にナンバープレートが付いたが、新型はバンパー部に変更されている

 さらに新型ムーヴ キャンバスでは男性ユーザーも意識したモノトーンカラーを採用したバリエーションもあり、こちらは「セオリー」というグレード名。設定される色は「レーザーブルークリスタルシャイン」「ファイヤークォーツレッドメタリック」「スムースグレーマイカメタリック」「ブラックマイカメタリック」「サンドベージュメタリック」「レイクブルーメタリック」「シャイニングホワイトパール」の全7色。さらにアクセントとして、ボディサイドなどにメッキ加飾を取り入れることで、シックな雰囲気のなかに上質さを演出している。なおセオリーではインテリアも落ち着いたブラウン系の配色を採用。また、ステアリングやシフトノブに本革を使い、シート表皮には深みのあるネイビー色を採用する。

新型ムーヴ キャンバス セオリー。グレードはG ターボ。ボディカラーはレーザーブルーメタリック
モノトーンカラーになるとスマイルフェイスも落ち着いた印象になる
サイズはストライプスと同一だがホイールキャップの配色を変えている。カラーはシルバー×グレー

 新型ムーヴ キャンバスのトピックといえば、待望のターボエンジンが搭載されたことだ。初代は主に女性がターゲットであり、そのテーマのなかでも「母と娘」が共用で所有することをイメージしていたので、パワーという魅力は不要と考えられた。そういった理由からターボエンジン搭載は見送られたそうだが、新型ムーヴ キャンバスでは家族のクルマとして選ばれることも意識。父親など男性も乗るとなるとターボエンジン搭載車はあったほうがいいということから、定評のあるKF型水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボエンジン搭載モデルが設定された。

 KF型ターボエンジンのスペックは最高出力47kW(64PS)/6400rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/3600rpmを発生。KF型自然吸気エンジンは最高出力38kW(52PS)/6900rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpmを発生する。

 これらエンジンに組み合わせるトランスミッションはどちらもCVTとなるが、ターボ車のみ、金属ベルト駆動であるCVTにギヤ駆動の機構を組み合わせて幅広い変速レンジを持つダイハツ独自のCVT「D-CVT」を組み合わせている。

撮影車はストライプス、セオリーともにターボグレード。KF型ターボエンジンのスペックは最高出力47kW(64PS)/6400rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/3600rpm。なお、KF自然吸気エンジンは最高出力38kW(52PS)/6900rpm、最大トルク60Nm(6.1kgfm)/3600rpmという数値だ。どちらもトランスミッションはCVTとなるが、ターボエンジン搭載車は「D-CVT」が組み合わされる
エンジンフード裏にはエンジンの音を遮音するためのインシュレーターが付いている
インタークーラーのダクトには「TURBO INTERCOOLER」の文字が入る。いまどきはこういった主張は省略されがちだが、男ゴコロとしてはあったほうがいい気がする
フロントグリルからターボチャージャーが見える。登坂路や高速道路走行が多い、人を多く乗せるといった乗り方であれば、低中回転域のトルクが太いターボエンジン搭載グレードが向いている
タイヤサイズは155/65R14で全車共通。ストライプスにはシルバー×パールホワイトのフルホイールキャップが付く
G ターボのヘッドライトはフルLEDヘッドライト(クリアランスランプ、オートレベリング機能、オートライト付)を採用。Xグレードがマルチリフレクターハロゲンヘッドライト(マニュアルレベリング機能、オートライト付)となる。ヘッドライト自動消灯システムは全車に装備
G ターボのライト点灯パターン。クリアランスランプ(スモールランプ)点灯。“C”のデザインが浮かび上がる
ヘッドライト&ロービーム
ヘッドライト&ハイビーム
ウインカー(ハザードランプ)点滅
メッキガーニッシュ付きのLEDフォグランプも装備する
リアは全車LEDリアコンビネーションランプ(LEDストップランプ)、ハイマウントLEDストップランプ付きとなる
クリアランスランプ(スモールランプ)点灯
ブレーキランプ点灯
ウインカー(ハザードランプ)点
バックランプ点灯(ブレーキも踏んでいる)
すべて点灯
隠れキャラ的にヘッドライトリフレクター部に入れられたCANBUSロゴ
リアコンビネーションランプにもCANBUSのロゴが入っている
フューエルリッドは左面にある。使用燃料は無鉛レギュラーガソリンでタンク容量は30L

 続いて、インテリアの紹介。乗車定員は4名でフロントシートは「フロントコンフォートシート」と呼ぶタイプ。座面、背面ともサイズがたっぷりで男性が座っても窮屈さはない。フロントセンターにはアームレストも装備される。シートの表皮はフルファブリックでストライプスはライトグレー+シートパイピングでセオリーはネイビー(シートパイピング付き)だ。

ストライプス Gターボの前席シート。形状はフロントコンフォートシートでカラーはライトグレー(シートパイピング付き)。表皮はファブリック
シートスライドほか、シートリフターも装備。これは一番下げた状態
シートリフターでシート高をもっとも上げた状態。助手席は標準位置なので比較してほしい
ストライプス、セオリーともにフロントシートの背面にはユーティリティフックが装備される
ストライプス、セオリーともに助手席のシート背面のみポケットが付く
後席も表皮はファブリックで、カラーはライトグレー(シートパイピング付き)。後席は左右分割ロングスライド(240mm)、左右分割リクライニング・可倒式。画像はもっとも後ろに下げた状態
スライド量の真ん中くらいで固定。足下には十分なスペースがある
一番前までスライドした状態
新型ムーヴ キャンバス セオリーの前席。表皮のカラーはネイビー(シートパイピング付き)だ。座面の横は手触りのよい柔らかい生地が採用されている
新型ムーヴ キャンバス セオリーの後席。表皮のカラーは同じくネイビー(シートパイピング付き)
ラゲッジスペース。シートバックを起こした状態。シート位置はもっとも前に出している
左右分割リクライニング・可倒式。リクライニングの角度は初代より増やされている
シートバックを前倒しした状態。ラゲッジスペースとシートバックには段差ができる
ラゲッジスペースのフロア。ボードを跳ね上げると小物類の収納スペースがある

 初代ムーヴ キャンバスのイメージを受け継ぐエクステリアに対して、インテリアは新たな視点を盛りこんでデザインされているが、初代で好評だった「両側パワースライドドア」や「置きラクボックス」は継承。なお、後席シート下に装備される置きラクボックスでは、ボックスをスライドさせた状態で先端に折りたたみ式のついたてが展開できる「バスケットモード」を新採用。ボックスに高さのある買い物袋などを入れても動きにくくなった。

初代で好評だった両側パワースライドドアは継承
後席下に装備される「置きラクボックス」。左右にある
置きラクボックス引き出して使用する
折りたたみ式のついたてを出すと「バスケットモード」になる
ふたの部分がフロアに接地するよう作られているので、荷物を載せても引き出しが前下がりになったりしない。真っすぐ引き出した状態がキープできるので荷物がこぼれにくいのと同時にボックスのスライドもやりやすい

 新型ムーヴ キャンバスでは女性が居心地よく感じる空間にすることもテーマとなった。そこで、コンフォートシートの採用に加えてホワイト(セオリーはブラウン色)のインパネ、同色のドアトリムで運転席を取り囲むようなデザインを採用して質感を向上。また、インパネの形状も小物を置きやすい造形を多く取り入れているのと同時に、保温機能付きの「ホッとカップホルダー」が新たに装備された。これはスイッチで保温機能のON/OFFができ、ONにした場合は車室内温度が25℃前後の場合、ホルダーに入れた飲み物を2時間の間、約42℃でキープできる能力がある。

新型ムーヴ キャンバス ストライプスのインパネまわり
新型ムーヴ キャンバス ストライプスのドアトリム
新型ムーヴ キャンバス セオリーのインパネまわり
新型ムーヴ キャンバスのステアリングまわり。センターパットもインパネ色と同色になる
新型ムーヴ キャンバス セオリーのステアリングまわり
セオリーは上質感のある内装とするため、ステアリングとシフトノブが本革巻きになる
ステアリングスイッチ左側
ステアリングスイッチ右側
メーター部。他モデルと共用ではなく新型ムーヴ キャンバス用に書体から新たに作ったもの。ストライプスとセオリーではパネル色を変えている。こちらはストライプス
こちらはセオリーのメーターまわり
電源ONで液晶モニターに「HALLO」の文字が表示される。これも新型ムーヴ キャンバス独自のもの
運転席右側のスイッチ類。スタートボタンもここにある
ステアリングコラム下には小物入れがある。ステアリングはチルト機能付き
エアコン操作パネル、シフトまわり。つやのある仕上げでなく落ち着いた仕上げのパネル表面となっている
シフトパネル下にはシートヒーターのスイッチがある
さらに下に12V 120Wの電源が取れるアクセサリーソケットが装備される
フロア付近には開閉式で深さのあるボックスがある
保温機能付きの「ホッとカップホルダー」。保温機能のON/OFFができ、ONにした場合は車室内温度が25℃前後の場合、ホルダーに入れた飲み物を約42℃で2時間キープできる能力がある。スイッチはホルダーの運転席寄りにある
保温状態のときはスイッチが点灯する
助手席側にもホッとカップホルダーが装備される
撮影車にはダイハツ初となる10インチスタイリッシュメモリーナビが装着されている
メーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレイオーディオを選択すると、音声によるエアコン操作やメーターの一部情報、そして鳴った警告音がどの機能のものかを確認できる。また、インパネのフラットスペースにワイヤレス充電機能の「Qi(チー)」も装備される
助手席前のグローブボックス。車検証や取扱説明書は収納できそう
ルームミラーは液晶モニターではなく一般的なタイプ。フロントパーソナルランプは左右に付く
サンバイザーは縦の長さがあるので天井高が高くても日よけ効果はありそう。サンバイザー裏にはミラーがある

 最後になったが、予防安全機能は最新のスマートアシストが搭載された。まずは新型ステレオカメラの搭載により、衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能を夜間歩行者検知と追従二輪車検知に対応させるとともに、検知距離と対応速度の向上を実現。さらに、ブレーキ制御付誤発進抑制機能の採用により、万が一の踏み間違い時に急発進を抑制するほか、一部グレードではACC(アダプティブクルーズコントロール)を採用し、長距離運転や高速走行時の運転負荷軽減に寄与するようになった。

 また、運転支援機能としてはパノラマモニター、スマートパノラマパーキングアシスト、コーナーセンサー(フロント2個、リア4個)をメーカーオプションで設定。さらに9月中旬ごろの予定でブラインドスポットモニター(BSM)とブラスサポートシステム(急アクセル加速抑制)がディーラーオプションで用意される。

新型ステレオカメラの搭載により、衝突警報機能や衝突回避支援ブレーキ機能を夜間歩行者検知と追従二輪車検知に対応させるとともに、検知距離、対応速度を向上
運転支援機能としてはパノラマモニター、スマートパノラマパーキングアシストがメーカーオプションで用意され、選択をするとフロントグリルにカメラが追加される
ミラーに埋めこまれたカメラ
こちらは左側。9月中旬ごろには斜め後方から近づくクルマがあることを警告するBSMがディーラーオプションで用意される
機械に頼るだけでなく、フロントピラー部に見切りを向上させるウィンドウを設けるなど、運転しやすさも追求している
スライドドアを開けた際は、ドアが全幅より飛び出る。ヒンジドアと比べると飛び出る量は少ないが、横を抜ける自転車などに対して、スライドドアを開けたときに見える面にリフレクターシールを貼っている。こうした気遣いはうれしい