写真で見るマツダ「アテンザ」シリーズ


 2002年5月に誕生した初代アテンザは、現在も掲げられる同社のブランドメッセージ「Zoom-Zoom」(子供のときに感じた動くことへの感動)を象徴したミッドサイズモデルで、デザイン、パッケージング、ダイナミクスに焦点をあて、ボディーバリエーションにセダン(4ドア)、スポーツ(5ドア)、スポーツワゴン(ステーションワゴン)の3種類を設定。いずれのモデルも優れたドライビング性能とアスリートのようなスタイリングに加え、ユーティリティ性も兼ね揃えることで、ドライバーだけでなく家族のニーズも満たすという、高い完成度を誇った。

 2代目アテンザが登場したのは2008年1月で、「際立つデザイン」「抜群の機能性」「反応の優れたハンドリングと走行性能」を向上させるとともに、環境・安全面への配慮も進化させ、スポーティなデザイン、高速ロングツアラーとしての性能・装備にさらなる磨きをかけた。

 その2代目アテンザが、1月26日にマイナーチェンジし、デザイン、環境・安全性能、走行性能で一層の成熟を図った。

 大きなトピックとしては、新採用の2.0リッター直列4気筒 DOHC「MZR 2.0L DISI」を搭載し、「環境対応車普及促進税制」(エコカー減税)による減税措置に適合したことで、自動車取得税と自動車重量税が50%減税される。10・15モード燃費は15.0km/L。2.5リッター直列4気筒 DOHC「MZR2.5L」もラインアップし、トランスミッションはMZR 2.0L DISI搭載車には5速ATを、MZR2.5L搭載車には5速AT、6速AT、6速MTをそれぞれ用意する。

 MZR 2.0L DISIの最高出力は112kW(153PS)/6200rpm、最大トルクは189Nm(19.3kgm)/4500rpm。MZR2.5Lの最高出力は5速ATおよび6速MT搭載車が125kW(170PS)/6000rpm、最大トルクは226Nm(23.0kgm)/4000rpm。6速AT搭載車は最高出力122kW(166PS)/6000rpm、最大トルクは225Nm(22.9kgm)/4000rpm。

 走行性能面では、とくに足まわりの改良に力が入れられた。従来モデルは高速走行時の走行安定性に定評があったが、いっぽうで市街地などにおける中低速時に小刻みな振動や揺れがあったと言う。そこで、今回のマイナーチェンジではダンパーの特性、ブッシュの形状・特性の見直しなどを図り、フロアに入力してくるエネルギーを前後・上下方向ともに約30%低減することに成功したと言う。これにより、思いどおりに、そして快適にクルマを操る楽しさを洗練させ、安心感、快適性を向上させている。あわせて、ステアリングのアシスト特性にも手が加えられ、操舵フィールも高められている。

 デザイン面においては、ダイナミック&スポーティ感とプレミアム性を強化したと言う。フロントフェイスの塊感、シンプルな面構成による美しさや力強さなど、従来の特徴点を継承。エクステリアは5ポイントグリルを立体的に強調しながら、ロアグリル下端から左右のフォグランプベゼルに水平につながる造形とした。また、ヘッドランプのクロームメッキ部を拡大したほか、リアコンビランプにウイングモチーフのクロームメッキを採用する。

 そのほか、スポーツ、スポーツワゴンのフロントグリルは従来よりも大きなブランドマークを採用したほか、セダンはメッシュグリルとクロームメッキを組み合わせるなど、モデルによって異なる意匠になっている。

 インテリアではセンターパネル、ステアリングホイールにピアノブラック加飾を施し、さらに操作頻度の高い空調やオーディオのダイヤル、センターパネルのエアコンルーバーノブ、シフトノブ、パーキングブレーキボタン、インナードアハンドルにクロームメッキを採用するなど、質感の向上を図っている。

 価格はセダンが210万円~250万円、スポーツが245万円~275万円、スポーツワゴンが225万円~275万円。いずれのモデルも2WD(FF)と4WDをラインアップする。今回撮影した車両は、セダンが25EX、スポーツが25Z、スポーツワゴンが20S。

アテンザ セダン

今回のマイナーチェンジでは、ダイナミックでスポーティな印象をより際立たせるため、フロントビューをはじめ、細部にわたって質感の向上を図った。ボディーカラーには新色のクリアウォーターブルーメタリックとミッドナイトブロンズマイカを追加している。写真は25Xでカラーはミッドナイトブロンズマイカ。セダンのボディーサイズは4735×1795×1440mm(全長×全幅×全高)で、25Cのみ全高が1450mmとなる。写真は25EXで、車重は1430kg
フロントビューは流れるような躍動感と安定感を表現したと言う。セダンはメッシュグリルとクロームメッキの組み合わせにより、スポーティな演出がされたセダンには2.0リッターエンジンのMZR 2.0L DISIを搭載する20C、20Sと、2.5リッターエンジンのMZR2.5Lを搭載する25EX、25Cをラインアップセダンのリアコンビネーションランプはバルブタイプで、レッドレンズを採用した
「Atenza」のエンブレムはトランク右側に配置されるインテリアデザインは従来モデルの構成に捉われず、質感の向上にこだわったと言う。25EXはブラックの本革シートにグレー(ヘアライン)のインパネ装飾パネルが標準装備となるが、写真のようにミッドブラウンの本革シート(メーカーオプション)をセレクトすることもできる。デコレーションパネルは25EX、25Z、25S、20Sがフルグロス仕上げのグレー(ヘアライン)で、25C、20Cはマットシルバーメーターの中央下部に配置されるインフォメーションディスプレイに表示されるオドメーター/トリップメーターは、従来よりも天地方向に約1.2倍拡大し、視認性を高めた。この文字拡大に伴い、トリップメーターと並列配置されていた外気温表示は、インパネ中央のインフォメーションセンターディスプレイ内での表示となった
シフトゲート周辺のほか、オーディオパネルやエアコンパネル周辺はピアノブラックのパネルを採用。センターコンソールはグレーのデコレーションパネルを装着ステアリング右側のDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロールシステム)ボタンでON/OFF操作を行える。その下にあるAFS(アダプティブ・フロントライティング・システム)のON/OFF切り替えも可能運転席は8Wayパワーシートにシートメモリー機能付き
エアコンダイヤルには肌触りのよいクロームメッキ加飾を施す。その下には運転席・助手席のシートヒータースイッチが設けられ、2段階の温度調整が可能スライドアーム付きコンソールボックス内には12V電源ソケットや映像&音声の入力端子を設けるトランクは開口部がやや狭く感じるが、スペースは十分に広い
シートはメーカーオプションのミッドブラウンカラーの本革後席の肘掛けはドリンクホルダーが付属する

アテンザ スポーツワゴン

アテンザ スポーツワゴン(20S)のボディーサイズは4765×1795×1450mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2725mm。全高はグレードによって異なり、25EXは1490mm、25Sは1500mmとなる。20Sの車重は1450kg。写真は20Sでボディーカラーはクリアウォーターブルーマイカ2.0リッター直列4気筒 DOHC「MZR 2.0L DISI」はセダンとスポーツワゴンに設定される
20Sは16インチアルミホイール(16×6.5J)に205/60 R16サイズのタイヤを組み合わせる。20Cは同じ16インチながらスチールホイールで、サイズは16×6J、タイヤサイズは195/65 R16。25S、25EXは17×7Jサイズのアルミホイールに215/50 R17サイズのタイヤを組み合わせる20Sのシートはブラックで材質はフラットウーブン。これにグレー(ヘアライン)のインパネ装飾パネルの組み合わせステアリングベゼルにもピアノブラックの加飾を施す
4チューナー×4アンテナの地デジチューナー内蔵のMAZDA G-BOOK ALPHA対応ボイスコントロールHDDカーナビは、全車共通でメーカーオプション運転席はラチェットレバー式シートリフターがつく。電動シートは25EXのみ設定する
リアシートは6:4分割可倒式

アテンザ スポーツ

ハッチバックボディーのスポーツ。グレードは25Z(グラファイトマイカ)で、25Zのみトランスミッションは6速MTと5速ATを設定する。駆動方式は2WD(FF)のみ。ボディーカラーはグラファイトマイカ。ボディーサイズは4735×1795×1440mm(全長×全幅×全高)で、25Sのみ全高は1450mmとなる。25Zの車重は1460kgスポーツは全グレードとも2.5リッター直列4気筒 DOHC「MZR2.5L」エンジンを搭載する
フロントグリルは従来のものより一回り大きなブランドシンボルマークを採用した25Zはバイキセノンヘッドランプを標準装備するバンパー内蔵のフロントフォグランプはスポーツ全車標準装備
スポーツの25Zのみ18インチアルミホイールを装着。タイヤサイズは225/45 R18スポーツは全車クリアレンズを標準装着。ブレーキランプはLEDとしたリアのトランクはイージークロージャー機能つき。リアスポイラーは標準装備
スポーツは全モデル8Wayパワーシートにシートメモリー機能付き。リアシートは6:4分割可倒式アテンザシリーズで唯一6速MTを搭載する
アルミペダルがスポーティさを演出

マツダE&Tからはカスタムパーツも発売
 そのほか、今回のマイナーチェンジにあわせてマツダ車のカスタマイズ製品の開発・販売を行うマツダE&Tから「M's Custom(エムズカスタム)」「DAMD(ダムド)」「KENSTYLE(ケンスタイル)」のエアロパーツなどを中心に、専用のアフターパーツを発売した。個性を主張したいユーザーはぜひ参考にしていただきたい。

M's Custom

フロントアンダースポイラー、フロントグリル、サイドスカート、リアアンダースカートを装着

KENSTYLE

フロントアンダースポイラー、フロントグリル、リアアンダースカートを装着

DAMD

フロントアンダースポイラー、フロントグリル、サイドスカート、リアアンダースカートを装着

(編集部:小林 隆 / Photo:堤晋一)
2010年 2月 25日