写真で見る三菱「タウンボックス キャンパー」


 三菱自動車工業の軽乗用車「タウンボックス」をベースに、三菱自動車カーライフプロダクツが車中泊向けに架装し、8月5日に発売した特装車が「タウンボックス キャンパー」だ。

 ベース車と同様の4名乗車を確保しながら、荷室スペースにフロアボードを敷き、フラットなスペースを確保。さらに後席を折りたたみ、荷室と後席スペースに付属のベッドマットを敷き詰めることで、2名分の就寝スペースが完成する。このベッドマットはフロア形状に合わせてあるだけでなく、荷室部と後席折りたたみ部のわずかな段差も吸収するように厚みを調整してあり、フルフラットな就寝スペースを確保できる。ベッドマットのサイズは1830×1300mm(長さ×幅)。オプションのギャレーやテーブルカウンターをつけた場合、一部幅が狭くなり880mmとなる。ベッドマットは分割折りたたみ式のため、後席乗車時も荷室に収納しておくことが可能だ。

 荷室スペースに設置されるギャレー&シンクとテーブルカウンターはオプション設定。ギャレー&シンクはコンパクトな設計ながら、一般的なキャンピングカーと同様、給排水各10Lのタンクを内蔵する。上部には蓋付き収納や12V8Wの蛍光灯を備える。さらにサブバッテリーとサブバッテリーチャージャーも装備。電源に余裕が生まれ、また走行中にサブバッテリーを充電することもできる。電気系統では、ほかに100Vの電源が利用できる300Wのインバーターも持つ。正弦派タイプなので、さまざまな家電製品を使うことが可能だ。そのほか、オートキャンプ場などで、外部から電源を供給できる外部電源用コンセントも用意される。

 テーブルカウンターは折りたたみ式。位置も調整でき、リアゲートからもアクセスしやすい後端や、車内で使いやすい中央よりに設置できる。マットを敷いている状態でも展開可能だ。その他、上段に蓋付き収納、下段にも収納ボックスを備える。

 ポップアップルーフ仕様車に装着されるポップアップルーフは、ガスダンパーを備え手動で簡単に開閉できる。ルーフ部の開口は1425×700mm(長さ×幅)。室内高は最大2170mmとなり、車内で立ったまま着替えをすることなどができる。開閉可能な小窓も設けられており、採光や風通しもよくなる。ただしポップアップルーフ内での就寝はできない。

 車内就寝で問題になるのが断熱やプライバシーの配慮。タウンボックス キャンパーには吸盤で窓に貼り付けられるシェードカーテンセットが標準で付属する。すべての窓に装着可能で、もちろん形状も窓の形に合わせられている。また、オプションで窓枠にはめられる防虫ネットもある。フロントドア用とスライドドア用でネットをつけたまま窓の開閉もできる。夏場のキャンプなどでは役だってくれるハズだ。

グレード駆動方式仕様価格
LX2WD(FR)※4WD車は12万6000円高標準ルーフ138万6500円
ポップアップルーフ180万6500円
RX標準ルーフ160万7000円
ポップアップルーフ202万7000円

タウンボックス キャンパー LX ポップアップルーフ車ベース車と同様4名乗車が可能。シートベルトなど安全装備もベース車のままだ
後部荷室スペースはフラットなフロアに。撮影車はオプションのギャレー&シンク、カウンターテーブルを装備していたベッドマットを敷けばフラットな就寝スペースが完成
オプションのギャレー&シンク。下段の棚には給排水タンクやサブバッテリーなどが収まる100Vコンセントが2つ。1つはインバーター、1つは外部電源。さらに12V電源もあるリアゲートに設けられた外部電源コネクター
カウンターテーブルは前後2個所で展開可能上段の蓋付き収納スペース
ポップアップルーフ展開時ポップアップルーフ部には小窓もある
断熱とプライバシー確保にも役立つシェードカーテン。全窓に用意されるオプションの防虫ネット。夏場には重宝する

(瀬戸 学 /Photo:安田 剛 )
2010年 8月 16日