写真で見るフォルクスワーゲン「ゴルフ トゥーラン」


 コンパクトカーのベンチマークとして高い人気を誇るフォルクスワーゲン「ゴルフ」。これをベースに7名乗車のミニバンとしたのが「ゴルフ トゥーラン」だ。

 日本への輸入が開始されたのは2004年。2007年にはモデルチェンジが行われ、発売から約6年半で2万5000台あまりが販売されている。今回、内外装を一新するとともにエンジンを改良。グレード構成はエントリーモデルとなる「TSIコンフォートライン」、装備を充実させた上位グレードとなる「TSIハイライン」の2モデルに改められ、2011年1月から販売が開始されることになった。

 新型ではパワートレーンを一新した。エンジンは従来と同様、ターボ&スーパーチャージャーを組み合わせた1.4リッターのTSIユニットだが、従来はグレードによって異なっていたエンジンのスペックを、最高出力103KW(140PS)/5600rpm、最大トルク220Nm(22.5kgm)/1250-4000rpmに統一。組み合わされるトランスミッションも、従来の湿式の6速デュアルクラッチトランスミッション「DSG」から乾式7速のDSGに変更した。

 このパワーユニットは、新たに日本の排出ガス規制へのマッチングが図られており、平成17年排出ガス規制75%低減レベルを取得するとともに、平成22年度燃費基準+25%を達成。エコカー減税対象モデルとなっている。駆動方式はこれまでどおり2WD(FF)のみとなっている。

 エクステリアは、ドアパネル以外はすべて一新。全高、全幅は変わらないが、全長が15mm短縮されている。フロントフェイスは同社の新デザインDNAとなる水平基調のグリルでまとめたほか、リアまわりも横長2分割のコンビネーションランプの採用などにより水平ラインを強調したものとなった。

TSIハイライン
 装備を充実させた上級モデル。エクステリアはバイキセノンヘッドライトやフォグランプを装備するほか、サイドモールディングやルーフレールがクローム(シルバー)となることで、華やかな印象になっている。

 インテリアはアルカンターラの表皮を採用したシートやアルミニウム製のデコラティブパネルなどにより上質感がアップしている。

 ステアリングから手を離さずにシフトチェンジが可能なシフトパドルや、センサーにより障害物を感知し音とディスプレイで警告してくれるパークディスタンスコントロールなどが標準装備となる。価格は339万円。撮影車両のボディーカラーはワイルドチェリーメタリック。

全長を15mm短縮するなどスタイリングを一新。フロントとリアまわりの意匠は、新世代のイメージに改められている

 

TSIハイラインのヘッドライトはバイキセノン。ユニットにはLEDのポジションランプが組み込まれる。ステアリングの切れ角によって最大15度まで角度を変えるダイナミックコーナリングライトのほか、低速時に作動するスタティックコーナーリングライトを内蔵。ハイトコントロールは自動。TSIハイラインは、フォグランプとヘッドライトウォッシャーも標準装備となる
リアコンビランプはボディーサイドとテールゲートの2分割式に。高速走行時の急ブレーキでブレーキランプが自動的に点滅するエマージェンシーストップシグナル機能を装備サイドミラーにはLEDターンシグナルを内蔵
TSIハイラインには205/55 R16タイヤとアルミホイールが組み合わされるテールゲートには車名とTSIのエンブレム。グレードを示すものはないテールゲート上部はハイマウントストップランプを内蔵したスポイラー風造形
TSIハイラインはルーフレールがシルバーカラーに、サイドモールもクロームになるワイパーはフラットタイプを採用
リアバンパーには標準装備となるパークディスタンスコントロール用のセンサーが埋め込まれる給油口は右側。リッドを開けるのは手動ではなく運転席のドアに設けられたスイッチで行うルーフ後部に配置されるアンテナは小型のもの
1.4リッターのTSIエンジンはツインチャージャー式を採用。総重量では2t近くなるトゥーランをストレスなく走らせることが可能だ。また、平成17年排出ガス規制75%低減レベルを取得するとともに平成22年度燃費基準+25%を達成しているツインチャージャーならではのトルク特性により1.4リッターの排気量とボディーサイズを感じさせない走りが可能だ
インパネまわりの雰囲気は最近のゴルフやポロと共通したもの。TSIハイラインはグローブボックス上などのデコラティブパネルがアルミとなるタコメーターとスピードメーターの中央にマルチファンクションインジケーターを配置。インジケーターには時刻のほか瞬間/平均燃費、走行距離、平均速度などが表示される
ステアリングはスポーク部にオーディオ操作を配置。背面にはマニュアル操作でシフトアップ/ダウンが可能なパドルシフトもエアコンは運転席/助手席で独立調整可能。内気循環/外気導入自動切換え機能のほかエアフィルターも備える
オーディオはCDプレーヤーのほかMP3/WMA再生、AM/FMチューナー、8スピーカーを備えるRCD310システムが標準アームレスト下には標準で外部入力を備えるほか、iPodやUSBデバイスの接続を可能にするMEDIA-IN(オプション/写真はコンフォートライン)を用意シートはサイドサポートが強化されたスポーツタイプ。表皮はアルカンターラとファブリックのコンビネーション。レザーシートもオプション設定されている
運転席、助手席ともシート下部にはアンダートレーが用意されている2列目は3席すべてが独立してスライド&リクライニング、取り外しが可能。シートベルトも全席3点式だ

 

TSIコンフォートライン
 トゥーランのエントリーモデル。ハイラインとの違いは、ヘッドライトがハロゲンに、ルーフレールがブラックになるなど。インテリアではシートマテリアルなどが目立つポイント。パワートレーンや安全装備は同一。価格は293万円。撮影車両のボディーカラーはナイトブルーメタリック。


TSIコンフォートラインはフォグランプが装着されないヘッドライトはハロゲンとなり、ハイトコントロールはマニュアルとなる
ルーフレールはブラックに、サイドモールがボディー同色となるほか、パークディスタンスコントロールも装着されない
タイヤサイズはTSIハイラインと同一だが、ホイールはフルホイールキャップ付のスチールになるオーディオ(オプション)やエアコンが異なるものの、運転席からの眺めはTSIハイラインと大きな違いはないステアリングはTSIハイラインと同じくレザーの3本スポークだが、スポーク部にスイッチがないタイプ
TSIハイラインではカラーだったマルチファンクションインジケーターは、モノクロ表示になるエアコンはシンプルなマニュアルタイプを装着
標準ではハイラインと同じくRCD310システムが装着されるが、撮影車両にはHDDナビや地デジチューナを備えたオプションのRNS510システムが装着されていた5ポジション+マニュアルポジションを備えるシフトセレクター。シフトノブはレザータイプシフトセレクター前方には小物入れが用意されるとともにESPなどのスイッチパネルも
運転席と助手席の間に用意されるアームレストは前後調節が可能アームレスト下部にはオーディオの外部入力など。その前方にはカップホルダーもダッシュボード上部中央にはフタ付のアッパーボックスを用意
ルーフにはサングラスなどの小物を収納するのに便利なシーリングトレーが用意されているシーリングトレー前方にはルームランプやマップランプのスイッチが配置されるルームランプは2列目、3列目にも用意されている
ファブリック表皮のコンフォートシートを採用。調整部分はリクライニングのほか高さ、ランバーサポートとハイラインと同様
運転席ドアにはパワーウインドー、ドアミラーの調整スイッチのほか、給油口のオープナーも。下部はドリンクホルダーを兼ねたポケットとなる
ステアリングコラム右下にも小銭などを入れるのに便利なフタ付小物入れを用意内部にエアコンの送風口が備わるグローブボックス。トビラ部分はテーブルとしても使えるフロントシート背面には引き起こすだけで使える簡単なシートバックテーブルが用意されている
センターコンソール後端には2列目中央席用のカップホルダーのほかDC12Vが使えるシガーソケットも3列目には2列目を1席畳んでアクセス3列目のサイド部分にもカップホルダー。左サイドにはフタ付の収納も用意されている
3列目にも3点式シートベルトが備わる3列目を倒してラゲッジスペースとする際に、荷物を隠すことが可能なスライディングカバーを標準装備。3列目使用時は最後部に装着しておける

 

1脚ずつ折りたたみ/取り外しが可能な2列目と、フォールディングタイプの3列目を組み合わせることで乗車人数と荷物に応じた様々なアレンジが可能
2列目にはシートを畳んだときに使用する金具が用意され、確実に固定しておくことができる2列目は個別に取り外しが可能。持ち運び用のハンドルが付いているが、けっこうな重量がある
3列目のシートキャッチは移動式のカバーを備えることで、ラゲッジの荷物などを傷つけないように配慮されている
最後部のフロア下には3列目使用時でも使える収納スペースが用意されている

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(安田 剛)
2010年 12月 20日