カーグッズ・ミニレビュー

暗い道でも明るく映し出すベロフジャパンの「ナイトビジョン・ドライブレコーダー・デジタルミラー」

「ナイトビジョン・ドライブレコーダー・デジタルミラー」の後方映像。夜間でもクリアな映像を映し出す

 LED、HIDなどライトまわりのカスタマイズパーツでおなじみのベロフジャパンが発売している「ナイトビジョン・ドライブレコーダー・デジタルミラー」(以下ナイトビジョンドラレコ)を紹介しよう。

 ベロフジャパンでは2019年に車載用暗視モニターを発売。翌年の2020年にフルカラー液晶の車載用暗視モニター「ナイトビジョンシステム」の発売を開始した。

 ナイトビジョンシステムは街灯の少ない道の夜間走行や視界が悪化する豪雨、霧などの状況であっても約300m先まではっきりとした視界をモニターに映すことができる便利なアイテムではあるが、ダッシュボードに据え置き型なので置き場が確保できない車種には装備できない面もあった。

 そこでベロフジャパンはナイトビジョンシステムの暗視性能を幅広いユーザーに活用してもらうことを目的に、フロントおよびリアに低輝度カメラを採用したルームミラー型の「ナイトビジョン・ドライブレコーダー・デジタルミラー」の発売を開始。さらに2021年12月にリアカメラの性能を向上させるマイナーチェンジを行なって、現在もその仕様が発売されている。

ベロフジャパンが発売している「ナイトビジョン・ドライブレコーダー・デジタルミラー」。フロントカメラを組み込んだデジタルルームミラーと別体のリアカメラがセット。価格は4万2900円
2020年に発売されたナイトビジョンシステム。ダッシュボードに置くタイプでミラーとカメラが一体。ドライブレコーダー機能もあり、オプションでリアミラーもある。ライト点灯を避けたい星空鑑賞の現場やキャンプ場でのクルマの移動などでも使われているという

 ナイトビジョンドラレコに使用しているフロントカメラのスペックは以下のとおり。映像素子に1/2.8インチ 370万画素のCOMSイメージセンサを使用。記録画素数は約370万画素のWQHD(2560×1440)。フレームレートは25fps。録画の画角は水平120度、垂直64度、対角140度でF値は1.6となっている。

 リアカメラは1/2.8インチ200万画素 カラーCOMSイメージセンサを使用していて、画角は水平90度、垂直60度、対角120度。F値は1.8で記録画素数は200万画素のFHD(1920×1080)、フレームレートは25fpsという数値になっている。なお、リアカメラは室内に取り付けるタイプと車外に取り付けるタイプの2種類が用意されている(2種類のカメラが同梱されているのではなく、それぞれ別のパッケージでの販売)。

 また、前後カメラとも逆光や明暗差が激しい場所であっても「白飛び」や「黒つぶれ」の発生を抑える逆光補正機能(HDR/WDR)を備えている。

 これらカメラの映像を表示するモニターは対角11.88インチのタッチパネル式で録画再生、表示切り替え、明るさ調整および各種設定などが行なえる。本体サイズは290×12×72mm(幅×奥行き×高さ)で、フロントカメラは横にスライドできるので純正フロントカメラなどを画角からよけることも可能。電源は付属配線を使い、車体側配線から取る方式でアースも車体側へ落とす方式。

 価格はフロントカメラを組み込んだデジタルルームミラーと別体のリアカメラのセットで、リアカメラの室内型、車外取り付け型ともに4万2900円だ。

純正ミラーへは付属のゴムバンドで固定する
純正のような取り付けとなる車種専用ブラケットも一部車種に用意されている。衝撃吸収試験認証済みで車検対応品だ
市販のデジタルミラーには本体から複数の配線が出ているものもあるが、ナイトビジョンドラレコの配線は1本なので引きまわししやすく見た目にもスッキリする
純正のフロントカメラのサイズによってはナイトビジョンドラレコのカメラの画角に純正カメラの内側カバーが映り込んでしまうこともあるので、フロントカメラはスライドが可能になっている
モニター(ミラー)はIPS式なので斜めから見ても表示が読める。操作はタッチパネル。表示されているのは設定画面だ
GPSとGセンサを内蔵。表示はGPSの受信状態を確認する画面
2画面表示対応なのでフロントカメラとリアカメラの映像を映すことができる
録画したデータを表示。タッチ操作で映像を選んで再生することも可能
駐車監視機能付き。駐車監視機能では常時バッテリの電気を消費する。そこで電圧が設定値以下になると電気の供給を止める監視ユニットをオプションで設定。ディップスイッチの操作により4種類の電圧監視と6種類の電源供給時間が設定できる
付属のリアカメラ。室内取り付け型
カメラの取り付け位置は後続車のライト光軸から外れた位置が望ましい。室内取り付け型がいいか、外付けがいいかを迷ったらその視点を選択基準に入れてみては
取材対応いただいたベロフジャパン 企画開発部 部長の奈良創氏。ナイトビジョンドラレコは海外メーカーが製造しているが、日本に導入するにあたってベロフジャパンの指示によりパネルのタッチ操作の向きを右ハンドル向きにするといった使い勝手を向上させる仕様変更がされている。また、入荷した製品はすべて電源を入れての検品を行なっているという

ナイトビジョンドラレコの映像を体験してみた

 ナイトビジョンドラレコに使用する低照度カメラは海外製だが、この分野は技術的な内容が非公開となっていることが多いため、ナイトビジョンドラレコもカメラや映像処理技術に関しては公開されていない。ただ、詳しい技術はどうあれ暗視性能には自信を持って販売している製品とのことなので、今回はナイトビジョンドラレコを装着しているベロフジャパンのクルマを借り出して暗所や夜道がどう映るのかを試してみることにした。

 まずは街灯の明かりがほとんど届かず、場内にも照明がない有料駐車場にクルマを止める。クルマの電源を落とした状態での通常のミラー状態では後方の様子はほとんど見えない。次にナイトビジョンドラレコの電源が入った状態で後方を見ると、塀や杭の位置がはっきり分かる。しかもライトで照らしたときのように「一部だけ」ではなく、ミラー画角すべてで見えるようになっている。高感度で映像処理しているだけに映像にノイズ(粒子感)は出ているが、もとの暗さを考えると十分に実用範囲と感じた。

明かりがない有料駐車場にナイトビジョンドラレコが装着されているデモカーを止める。明るめに映っているが肉眼ではもう少し暗い感じ
ナイトビジョンドラレコのリアカメラからの映像。暗いところを明るくデータ処理するゆえにノイズは出ているが状況は分かる
スモールライト点灯。テールランプが付いただけでさらにハッキリ見えるようになっている

 駐車場を出て夜の住宅街を走る。住宅は多いが夜は静かなエリアであり、加えて夜間営業している店舗がない道を選んだので明かりは道路の両サイドにある街灯のみ。ふつうに安心して歩くことができるくらいの明るさはあるという状況だ。

 ここでもフロントガラス越しに見える外の暗さに対してミラーに映る外の状況はあきらかに違った。かなり遠くまでハッキリ見えているし、街灯の明かりがあまり届かない歩道もしっかり見えている。真っ暗の場所のときにようにノイズで荒れている感じもない(デジタル的にノイズ除去処理をした印象はある)。見え方は走行中であってもほぼ同じ。画像が崩れたりコマ飛びしたりしているような印象はなかった。

 試走をしてみると、昼間はもちろんのこと、夜間の映像の明るさは十分と言えるもので、明かりの少ない道を行く夜間走行でも状況がしっかり見えた。

 このナイトビジョンドラレコは大手カー用品店で扱いがあり、店舗によっては展示機による性能体験もできるようなので、実物を見たい人はベロフジャパンに展示機のある店舗がどこにあるか問い合わせてみてほしい。

リアカメラの映像。道の両脇に建物が少なく街灯の明かりでこれだけ映る
フロントカメラの映像。ガラス越しに見える明るさとの違いが分かる
フロント(左)、リア(右)の2画面表示。リア画面の上部に映っている赤い光はハイマウントブレーキランプのもの
輝度調整はモニター右側を指先で上下して変える。最大輝度の状態
こちらは一番暗くした状態。夜間は輝度を下げた方がいい。明るすぎると運転中に気になるし後続車がいるとまぶしさを感じることもあったが、指先だけで調整できるのですぐに対処できた
昼間の見え方。走行中の後席から撮影
深田昌之