トピック
メルセデスAMG 45オーナー限定のドラスク「AMG 45 Driving Club」に参加してみた
SUPER GTドライバーの片岡龍也氏と蒲生尚弥氏が丁寧に教えてくれる半日講習会
- 提供:
- メルセデス・ベンツ日本株式会社
2018年3月14日 00:00
AMG 45シリーズオーナー限定のドライビングプログラム
メルセデスAMGが、AMG 45シリーズのオーナーを対象に3年前より実施しているドライビングプログラム「AMG 45 Driving Club」は、サーキットはまったく初めてという人でも楽しみながら学べる内容となっているのが特徴。その2018年の第1回が富士スピードウェイのショートサーキットで開催された。
好天に恵まれた当日の開会式では、まず主催者を代表してメルセデス・ベンツ日本の引頭氏が挨拶。AMG 45シリーズの購入への感謝を伝えるとともに、公道ではなかなか引き出す機会のないAMG 45の本来のパフォーマンスを、こうした機会にぜひ体感していただきたい旨を述べた。
この日アドバイザーを務めたのは、いずれも2017年にメルセデス AMG GT3を駆りSUPER GTで好成績を収めた、片岡龍也氏と蒲生尚弥氏。GT300クラスのシリーズチャンピオンに輝いた片岡氏は、AMG A45によるタイムアタック企画も担当しており、その様子はWebサイトでも公開されている。一方の蒲生氏も鈴鹿ともてぎで優勝し、同ランキング2位につけた。
まずは「セーフティブリーフィング(座学)」で基本的なことを学ぶ。サーキットを走るのはまったく初めてという参加者もいたが、そういう人も大歓迎なのが同イベントのよいところ。アドバイザーからも、決して速く走るのが目的ではなく、クルマを感じることが目的で、無理をするとクルマを感じられなくなるので無理をしないように、とのコメントがあった。
続いて参加者全員で準備体操。メルセデス・ベンツのサーキットイベントではスポーツ走行をする前には安全を考慮し、必ずストレッチを行なう。
次にアドバイザーより適切なドライビングポジションの取り方を教わる。「座面の前後スライドの目安は、ブレーキを踏んで膝に少し余裕があるぐらい。ステアリングは胸の前に自然に手を伸ばしたところで、一番手が遠くなる真上を持ったときに肘に少し余裕があるぐらい。肘が伸びたり、肩がシートから離れたりするようでは遠い。逆に近くて窮屈だと素早いステアリング操作やペダル操作がしにくくなるので、近すぎるのもよろしくない。また、普段と違ってヘルメットをかぶるわけだが、するとどうしても後頭部の厚みが増すので、あまり首が前に押し出されないよう、背もたれの角度を少し寝かせつつ、手も遠くならないように調整する。AMG 45シリーズは一体型だが、もしヘッドレストの位置が単独で調整できる場合は、そこで調整してもよい。ドライビングポジションというのは、すべてにおいてベストにはなかなかならないものだが、ここで挙げた注意点の最大の妥協点を見い出すべく調整するとよい」と片岡氏よりアドバイスがあった。AMG 45のシートは、スポーツドライビング向けに背もたれと座面のサイドサポートをそれぞれ電動で細やかに調整できるようになっているのも特徴だ。
まず基本的なトレーニングから
いよいよ走行開始。コースの一部を使ってブレーキングとパイロンスラロームという基本的なトレーニングを行なう「基礎ドライビングテクニック」から。ここでは、走行した直後にアドバイザーから無線で助言してもらえるので、今の自分の走りがどんな感じで、どうすればよいのかをすぐイメージできるのもありがたい。
ブレーキングは、アクセル全開で加速して、緑のパイロンの枠内に止めるというシンプルな内容だが、やってみると決して簡単ではない。ブレーキを調節しながら枠内に止めるのではなく、自分で判断したポイントでフルブレーキングしてABSをしっかり利かせながら短く止まるようにするのが課題なので、中には初期踏力が弱かったり枠内に収まらなかったりする参加者も見受けられたが、フル加速とフル減速を体験できたのはよい経験になったはずだ。
「大事なのは初期踏力。あとで行なうサーキット走行でもブレーキの踏み方を意識してほしい」と蒲生氏よりアドバイスがあった。AMG 45シリーズのオーナーは、やはり走ることが好きな人が多く、アドバイザーに盛んに質問していたのだが、もちろんそれも大歓迎だ。
スラロームでは、18m間隔で設置されたパイロンの間をぬって走る。担当した片岡氏からは、「ステアリングの切り方だけでなく、アクセルの踏み方でクルマの動きが変わることを意識して走ってほしい」との指導が。さらには、「アンダーステアの強いクルマならメリハリをつけたほうがよく、オーバーステアの強いクルマなら優しくON/OFFした方がよいといった具合に最適な走り方はクルマやタイヤの状態によっても変わってくるが、AMG 45シリーズの場合は、完全アクセルOFFにすると荷重が前に行き過ぎてギュッとノーズが入るので、アクセルはパーシャルの中で強弱をつけたほうがいい」とコメント。筆者の場合、後半がきつくなる傾向であることが指摘された。もっと上手くできるつもりだったのに、いざやってみるとキレイに走るのはなかなか難しいもんだね……(苦笑)。
楽しみながらタメになる
そして、いよいよメインイベントの「サーキット先導走行」へ。できるだけ前走車との車間を開けないようにし、先導車のライン取りを極力マネるよう心がけることはもちろん、富士のショートサーキットの特徴と走る上での注意点として、片岡氏より「メインストレートは下っていて、そのまま高速のS字につながり、その先は上りながらヘアピンを曲がってインフィールドに入っていき、比較的コンパクトでも、それなりにスピードが出る高速コーナーが連なり、最終コーナーでは一番高いところから曲がりながら一気に下るので、荷重が抜けて急にフロントタイヤが滑ったりしやすい。立ち上がりも思ったほど曲がらずアンダーステアが出やすい。そのとき無理やり曲げようとしてもバランスを崩しやすいので、もしコースの幅が足りないと感じたら、まずアクセルを緩めること。今回も難しいと思ったら先導車に無理をしてついてこないでOK。もしも自分のキャパを超えてコントロールを失った場合は、無理に立て直そうとせず、しっかりブレーキを踏んでとにかく減速すること。コントロールを失うと、なおさら大きな被害を生んでしまうので、そのようなことのないように」といった旨のアドバイスがあった。
いよいよ走行開始。アドバイザーの先導で、2~3人が隊列を組んで10分間を3本走行する。先導車の次に走る車両は、それぞれ入れ替わるので、必ず1度は先導車の直後で走ることができるし、コーナーの外側にはそれぞれブレーキング、クリッピング、立ち上がりの目安となるパイロンが置かれていて、初めての人でも不安なく走れる。筆者も久々のAMG 45シリーズ、久々の富士ショートコースを大いに楽しむことができた。
それにしてもAMG 45シリーズというのは、なかなか本格的なハイパフォーマンスカーだとあらためて感じた次第。クラス世界最強を誇るエンジン性能はもとより、より意のままに操れるように「4MATIC」に走行状況に応じて100:0から50:50まで最適に駆動力を可変配分する機構をいち早く取り入れたのも、実はAMG 45シリーズである。その走りは非常に刺激的で、ドライビングプレジャーに満ちている。
今回の参加者の皆さんももちろんそうだが、そんなAMG 45シリーズに魅せられた人は少なくないようで、“あのAMG”がこの値段で手に入ることに惹かれて購入した人も大勢いるし、2.0リッターで381PSというスペックに惚れて購入した人も大勢いる。実際にもエンジンの吹け上がりのよさや一体感のある走りには、ドライブしていて本当に楽しいと、みな大いに満足しているという。また、最近では中古車の流通量も増えてきて、それを購入したセカンドオーナーでこうしたドライビングプログラムに参加し、その価値の高さに気づいて、次はぜひ新車を買いたいと思っている人も少なくないそうだ。
最後に、片岡氏と蒲生氏のドライブで参加者が同乗してのサーキットタクシーを実施。
筆者も片岡氏の助手席に乗せてもらい、ESP ONで「S」モードと、参加者と同じ設定で走ってくれたのだが、とにかくすべてが極めてスムーズ。ターンインでのステアリングの切り始めやアクセルONのタイミングが早いことが印象的だった。聞けば、「クルマを前へ前へと進ませるよう、あまり横にGをかけて逃がさないように走った」とのことで、なるほど大いに納得である。
こうしてアドバイザーの的確な指導のもと、大きなトラブルもなく半日のプログラムを終えた。参加者の皆さんは愛車のパフォーマンスを楽しみながら、日ごろはなかなか経験できないことも体験し、運転技術の向上を図ることができたに違いない。そんな「AMG 45 Driving Club」に興味を持った方は、ぜひ公式サイトなどで次回以降の情報をご確認いただきたい。