トピック
8型、9型大画面モデルはHD高解像度に。ホンダアクセスの純正カーナビ「Gathers 2018年モデル」
10型モデルの追加や「リアカメラあんしんプラス」の強化も実施
- 提供:
- 株式会社ホンダアクセス
2018年3月29日 15:17
ホンダアクセスはホンダ車の純正オプションを販売するメーカーだ。販売している製品はそれこそフロアマットからホイール、スポイラーまでと幅広いが、おそらく多くのホンダユーザーにとって最も馴染みが深いのがディーラーオプションと呼ばれるディーラー(販売店)装着のカーナビゲーション「Gathers(ギャザズ)」シリーズではないだろうか。
Gathersナビの最大の特徴は純正品という特徴を活かして、車両の特性に合った設計が行なわれていたり、車両との高い統合性を活かして、市販のカーナビでは実現できない機能を実現していることにある。かつ最近のハイエンドモデルでは市販のカーナビを超える性能や機能を実現している製品も増えており、少しでもよい製品を買いたいというニーズにも応えるラインアップになっている。
本記事ではそうしたGathersシリーズの最新製品の特徴を、実際に走行してカーナビのルート品質を確認しつつ、開発者へのインタビューを交えながらお届けする。
単なる有料道路優先、コスト優先だけじゃないインターナビのルート検索のインテリジェンスに驚いた!
今回はインタビュー前にホンダアクセスの開発者のお2人(大坪氏、藤原氏)と、ホンダアクセスの本社がある埼玉県新座市から開発拠点の栃木研究所がある栃木県芳賀郡まで、DIATONE SOUNDと9.0型HD液晶モニターを採用したハイエンドモデル「VXM-187VFNi」を装備したホンダ「フリード Modulo X」でドライブすることになった。というのも、もう1人の開発者である近藤氏が栃木研究所にいるため、栃木研究所近くの会場でインタビューすることになったからだ。
フリード Modulo Xは、「フリード」をベースに専用フロントエアロバンパー、専用サスペンション、専用ホイールなどを装備したコンプリートカー。VXM-187VFNiのよさを実感するために筆者は助手席に座り、大坪氏に運転してもらいながら後席に座った藤原氏からレクチャーを受けつつカーナビを使うことにした。ちなみに、フリード Modulo Xに乗ってみて驚いたのは、サスペンションが驚くほどミニバンぽくないことだった。一般的なミニバンというとやや柔らかめなサスペンションでふわふわした乗り心地だと思っていたのだが、フリード Modulo Xはしっかりした乗り心地であるのに、段差などを乗り越えても衝撃をちゃんと吸収してくれる感じで、助手席でも快適だった。
さて、今回の主役であるカーナビだが、新座市から芳賀郡までのドライブに、VXM-187VFNiを利用してルートを引いて、カーナビに従って行ってみることにした。
ホンダ純正ナビの特徴と言えるのが独自のテレマティクス機能であるインターナビ。インターナビはプローブと呼ばれる契約車両からアップロードされる道路状況を利用した交通情報サービスを含んでおり、VICSなどの一般的な交通情報サービスよりも正確な渋滞情報が車両に対して提供される仕組みを持っている。
今回実際に使ってみて驚いたのは、インテリジェントなルートをお勧めされることだ。新座市から芳賀郡までドライブするなら、東京外かく環状道路を経由して東北自動車道に入り、そのまま東北道を北上して北関東自動車道に入り、宇都宮上三川IC(インターチェンジ)で高速道路を降りて芳賀郡へというのが一般的なルートだろう。
だが、インターナビのルート検索が勧めてきたのは驚きのルートで、外環道を経由して東北道に入るまでは一緒だったのだが、その後、久喜ICで東北道から圏央道に入り五霞ICで高速道路を降りて、国道4号のバイパスを走るルートだったのだ。確かにこのルートだと、高速道路料金は前者がETC料金で3340円(割引などは考慮に入れない金額)、後者が1760円(同)で、実に1580円も料金が異なる。
ホンダアクセスの大坪氏によれば、今回インターナビは時間と料金をバランスよく考慮する「スマートルート」で設定されており、さほど時間に差がなければ1800円お得な方がいいだろうという計算をサーバー側で行なっているそうで、その結果としてこういうルートが勧められるということ。
大坪氏によれば、実はこのルートを走り慣れているホンダアクセスの社員も五霞ICで高速道路を降りて国道4号のバイパスを走るルートを選ぶことが多いとのことだが、カーナビではこういうルートを引くのは非常に難しかったという。しかし、インターナビになりそうしたルートを指し示すことが可能になったということで、インテリジェントな検索ができるのはインターナビの大きなメリットだと感じた。
実際にこのルートを走って栃木県へ向かったが、全部高速道路を使った場合には約2時間という予想時間だったが、今回のルートでは途中トイレ休憩を入れても2時間半程度で到着した。その30分で1500円の節約ができることをどう考えるかは人それぞれだと思うが、クルマに乗る機会が多い家庭では家計に優しいと言えるだろう。
今回の目的地はホンダアクセスの栃木研究所近くにある「京料理とおばんざいの店 ひなた」という和食レストラン。そのレストランで同レストランが出す京料理を味わいながら、ホンダアクセスの開発者3名に新しいカーナビの特徴などについて聞くことにした。
画面の大型化と表示品質の改良、リアカメラあんしんプラスの強化、リアモニターのフルHD化
今回紹介するホンダアクセスのカーナビはイヤーモデル形式で製品が総称されていることをご存じだろうか? 基本は西暦の下2桁で紹介されており、通常xxモデルと呼ばれるイヤーモデルとして前年の秋ごろに発表、販売が開始され、その年を通じて販売されていく。2018年向けのモデルとなる18モデルも、2017年の秋に発表され、現在販売されている。ただし、毎年ではないのだがイヤーモデルの途中で新製品が追加される場合もあり、それらは西暦の下2桁の後に.5が追加されて「18.5モデル」などと呼ばれる仕組みになっている。ちょっとしたホンダアクセス製カーナビの「トリビア」だが覚えておいて損はないだろう。
逆に言えば、市販製品と同じように1年で、早ければ半年で新製品が投入されるというのが、Gathersナビの特徴と言える。つまり、市販製品と同じように新製品が早いサイクルで導入されるので、常に新機能だったり、新しい技術が利用された製品が投入される。標準装備のナビがフルモデルチェンジやマイナーモデルチェンジのタイミングでしか新しいカーナビが投入されないのに比べると、ここは明確なディーラーオプションナビのアドバンテージと言えるだろう。
ホンダアクセス 商品企画部 藤原公成氏によれば、先日発表された18.5モデルのテーマは「8.0型、9.0型といった大画面モデルのHD化と10型モデルの追加、リアカメラあんしんプラスの強化、リアモニターのフルHD化という3つ」だという。
衝突安全性や一体感を損なわずに10型化を実現するための努力
ホンダアクセス 商品企画部 大坪浩也氏によれば、18.5モデルの目玉の1つ目はフラグシップ製品となる大画面モデルのHD化と10型モデルの追加だ。
「市販品を中心に大画面化が進んでおり、弊社も8.0型や9.0型といった製品をラインアップしてきたが、HD化による高画質化を実現したいと考えていた。また、ステップワゴン向けにサードパーティ様から10型が投入されており、弊社としてもそこに純正製品が必要だと考えて、開発を続けて今回投入に至った」(大坪氏)と、大きく言ってHD化、そして大型化という2つの特徴があると述べた。
今回ホンダアクセスが18.5モデルとして投入したのは、「VXM-187VFNi」「VXM-187VFEi」、そしてステップワゴン専用モデルとして設定されている「VXU-187SWi」という3製品だ。いずれも三菱電機と共同開発した製品で、VXU-187SWiが10型、VXM-187VFNiが9.0型、VXM-187VFEiが8.0型のディスプレイを搭載している。
VXU-187SWi、VXM-187VFNi、VXM-187VFEiの主要なスペック
VXU-187SWi | VXM-187VFNi | VXM-187VFEi | |
---|---|---|---|
モニター | 10型HD(1280x720ドット)/IPS | 9.0型HD(1280x720ドット)/IPS | 8.0型HD(1280x720ドット)/IPS |
タッチ | 静電容量式マルチタッチ+ダイレクトボンディング | ||
内蔵ストレージ | 16GB+SDカード8GB(コンテンツ用) | ||
SDカードスロット | SDXC対応 | ||
Bluetooth | ● | ||
Bluetoothプロファイル | HPP/PBAP/A2DP/AVRCP/SPP | ||
Bluetoothペアリング登録台数 | 6台 | ||
インターナビ・リンクアップフリー | ● | ||
インターナビ・ルート/インターナビ交通情報/インターナビ・ウェザー/駐車場セレクト | ● | ||
無償地図データ更新 | 所定の時期に3回(毎年1回) | ||
Apple CarPlay | ● | ||
マルチビューカメラ表示 | ● | - | |
車種専用音響チューニング(tuned by DIATONE SOUND) | ● | ||
リアカメラオプション対応「リアカメラ de あんしんプラス2(ダブルビュー対応)」 | ● |
細かなところの違い(VXM-187VFEiはマルチビューカメラシステム装備のモデルに適用されていないため対応していないなど)はあるが、基本的にはディスプレイのサイズが最大の違いであって、それ以外は共通のモデルであると考えることができる。
ホンダアクセス 開発部 近藤正啓氏によれば、こうした大型のディスプレイを搭載する鍵は、スペースの有効活用にあったという。
「サードパーティ様が販売しているステップワゴン用の10型モデルでは、ディスプレイを前に出したり、逆にインパネ側を一部カットすることで実現している。しかし、我々は純正品として販売する以上、衝突安全性を損なったり、販売店様にインパネをカットすることなどを強いるのはどうかという議論があった。そこで、パネルのベンダーともお話をさせていただいて、パネルの裏側の形状を工夫することで、薄型化を実現している」と説明する。
10型のディスプレイはDINのサイズにはすでに収まらないサイズになっており、ステップワゴン用のVXU-187SWiもディスプレイが前面に来て本体よりも大きく、そこがちょうどステップワゴンのセンターコンソールにはまるような構造になっている。
こうした構造を実現するため、サードパーティ製のステップワゴン用10型ディスプレイ搭載カーナビでは、ディスプレイが室内側にはみ出したり、逆にそうしないためにパネル側を一部切り取ってはまるように設計されている。前者の場合はディスプレイが室内側にはみ出してしまうため見栄えがいまいちだったり、事故が発生したときの衝突安全性などに不安が残る。その逆にパネルを切り取るのは他のカーナビに買い換えるときの不安だったり、販売店で取り付けるときに作業が発生して工賃が上乗せになってしまうなどの課題がある。そこで、VXU-187SWiではディスプレイの構造に工夫を加えることでディスプレイが前にせり出さなくても、あるいはパネル側を切り取らなくても10型のディスプレイが取り付けられるように工夫されている。
かつ「従来の製品ではナビ画面上にタッチパネル式ボタンを置いていたのを、プッシュ式のハードウェアボタンを下部に置いている」(近藤氏)と使い勝手にも配慮して、ハードウェアのボタンをディスプレイの下に集中して置いており、ボタンに目をやらなくても操作できるという操作性のよさを実現していることも見逃せないメリットだ。
ソフトウェアも作り直してドットバイドットの高解像度化を実現
そしてVXU-187SWi、VXM-187VFNi、VXM-187VFEiという18.5モデルのディスプレイ周りでのもう1つの大きな改良点がディスプレイ解像度のHD(1280x720ドット)化だ。
解像度というのはディスプレイ表示の細かさを示す数値で、同じディスプレイのサイズであっても解像度が高い方がより画像を鮮明に表示することが可能になる。画像だけでなく、例えば文字のフォントなども解像度が高い方がよりギザギザ(ジャギーと呼ばれる)を少なくなめらかに表示することができるため、全体的に鮮明な表示が可能になる。
おそらく、今これを読まれている読者のノートPCやスマートフォンなどの多くはフルHD(1920x1080ドット)になっているのではないだろうか。それぐらいコンシューマ向けのIT機器のディスプレイの進化は速いのだが、それに比べると、カーナビのディスプレイはWVGA(800x480ドット)が主流で、あまり解像度は高くない製品が多かった。
それにはちゃんと理由があって、1つはカーナビで使われるディスプレイは7型などが主流で、カーナビのようにドライバーが離れた位置から見る製品の場合は解像度が低くても十分だと言えるからだ。このため、ディスプレイメーカーが用意している車載用のディスプレイは解像度が低いものが多い。しかし、それもディスプレイのサイズが8.0型、9.0型、10型と上がっていくと、状況が変わってくる。そろそろ高解像度が欲しいという声も高まってきていた。
そうした声に応えて解像度がHDに引き上げられたのだが、ひと言で言うほど簡単な事ではなかったと大坪氏は言い、「HDにすると画面のユーザーインターフェースなどは全て作り直しになる。また、画面の描画に必要な性能などが上がってしまうため、搭載しているCPUやGPUなどとの調整が必要になった」(大坪氏)とのこと。
というのも、今回の製品では地図の表示をドットバイドットと呼ばれる方式で描画している。簡単にいうと、ディスプレイというのはソフトウェアからみるとドットと呼ばれる単位で描画しているのだが、ドットバイドットではその全てが1つ1つ描画されるため、より繊細な映像が表示できる。同じHD解像度のパネルを採用した製品でもドットバイドットではない場合には、画面を引き延ばして表示しているのでぼやっとした表示になってしまうという課題がある。しかし、今回のGathersの18.5モデルではドットバイドットの表示方式を採用しており、HDの液晶パネルの実力を余すことなく生かせる。
ただし、ドットバイドットに対応するためソフトウェアに関しても大きく改修する必要があったそうだが、メーカーと協力してそれを行なったのだという。このため、その調整に時間がかかり、それこそ出荷直前まで調整を続けていたとのことだった。
視野角の広いIPS液晶を採用。タッチパネルもダイレクトボンディングとすることで鮮明な発色と見やすさを両立
今回の18.5モデルでは、ディスプレイパネルの選定にもこだわっているという。今回採用しているパネルはIPS(In Plane Switching)方式で、ダイレクトボンディングと呼ばれるタッチパネルの実装方法を採用したものとなっている。IPS方式とは最近の液晶パネルに増えている方式で、従来型のTN方式などに比べて視野角が広く、鮮明な発色などの特徴がある。このため、コントラスト比も向上しており、従来のモデルだと200:1とか300:1とかだったものが800:1になっているとのこと。これにより「動画などを再生すると、黒が締まった黒として表示されてはっきり見えるようになっている」(近藤氏)とのとおりで、車内でコンテンツを再生するユーザーにとっては嬉しい強化点と言える。
もう1つのダイレクトボンディングとは、タッチ操作を感知するタッチパネルを液晶パネルに貼り合わせる時の製造手法のことだ。従来の方式では、液晶パネルにタッチパネルを貼り合わせる時には必ずエアギャップという隙間を入れていた。しかし、ダイレクトボンディングではこのエアギャップをなくすことで、視差(ユーザーが触れてタッチセンサーが検知している位置と液晶パネル表示のずれ)をなくすメリットがあり、かつ太陽光の反射などを抑えるメリットがあるという。
それだけでなく、ディスプレイの表面処理にも工夫を入れている。「従来のモデルに比べてアンチグレアの処理を弱めて、白っぽくなることを軽減している」(大坪氏)とのとおりで、ARフィルムと呼ばれる表面処理の素材を利用して反射を抑えながらにじみを抑えているという。こうした処理により、「特に朝日の時間帯では、斜めから太陽光が入ってきて白っぽくなってしまう。ダイレクトボンディングを採用することで、反射を抑えることができるので白っぽくなるのを避けることができる」(大坪氏)と、従来のカーナビにとってつらい環境だった直射日光がディスプレイに当たる時間帯であっても、画面が見やすいという利点もある。
リアカメラ de あんしんプラスやリアモニターも強化されている
今回の18.5モデルでの特徴は本体だけではない。周辺機器に関してもいくつかの重要な更新が行なわれている。1つにはオプションで用意されているリアカメラ de あんしんプラスが強化されてリアカメラ de あんしんプラス2(ダブルビュー)になっていることだ。
リアカメラ de あんしんプラスは、MOPの「ナビ装着用スペシャルパッケージ」を選択すると装着されるリアカメラとカーナビ本体の間に設置されるオプションユニットとなる。今後ホンダ車は安全運転支援システムとして「Honda SENSING」が標準装備されていく。Honda SENSINGでは単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせで、自動車の前の状況を自動車が判断し、衝突を予測してブレーキをかけてくれたりする機能が用意されている。
リアカメラ de あんしんプラス2はそれとは逆に、後ろ方向を見ているリアカメラからの画像を利用して、車線をはみ出していること、後方から別の車両が近づいていることなどをドライバーに画面表示と音で教えてくれる機能となる。
ホンダアクセスの藤原氏によれば、リアカメラ de あんしんプラス2では、新たに後退駐車サポートの機能を追加。トップダウンビュー、ダイナミックガイドラインのダブルビューで、自車進路と駐車枠のずれをカーナビ画面で確認できるという。
従来のリアカメラ de あんしんプラスでも、後退出庫サポートや後方視界サポート、車線キープサポートといった機能の利用ができるようになっていた。技術的にはカメラから入力されている映像を、リアカメラ de あんしんプラスのユニット内でリアカメラからの映像から検知。ナビ画面へ警告表示を行なっていた。今回の新モデルでは処理能力を向上させ、リアルタイムに2つの画像(ノーマルビューとトップダウンビュー)を同時に生成できるようになったため、後退駐車サポートを追加。2つのビューを同時に表示し、ダイナミックガイドラインも同時に表示できるようになったのだ。
「これにより、バックにあまり慣れていない方でも両方を参考にしながらトライすれば、より容易に車庫入れできる効果を狙っている」(大坪氏)とのとおりで、実際に乗ってみると車庫入れがしやすいと感じた。
また、カーナビそのものの機能として、逆走したときにドライバーに音声と画面で通知する「高速道路逆走案内」という機能も入っている。「位置と方向で高速道路を逆走していることを検知している。導入路やパーキングエリアなど出口がはっきりしているところを逆走した場合にドライバーに対して通知する」(大坪氏)という。通常であればお世話になることはない機能だとは思うが、万が一の場合でもカーナビが教えてくれるという安心感は何ものにも代えられないのではないだろうか。
また、もう1つの周辺機器の更新としては、リアモニターの高解像度化が挙げられる。主にミニバンなど向けとなるが、ルーフに取り付けるかたちのVM-185ENという製品が追加されている。こちらは、解像度がWVGA(800x480ドット)からフルHD(1920x1080ドット)へと強化されている。大坪氏は「リアモニターの方はカーナビよりも寿命が長い製品となるので、最初からフルHD対応としている。ヘッドユニットとはHDMI端子で接続されるようになっており、CEC(Consumer Electronics Control)と呼ばれる仕組みを利用してヘッドユニットの操作も可能だ」とそのメリットを説明する。
CECはHDMIの規格で定められているリモートコントロールの規格で、TVからアンプやDVDプレイヤーなどを操作する規格として定められたものだ。VM-185ENの場合には付属のリモコンを利用すると、カーナビのTVチャンネルを操作したり、DVDの先送りなどが可能になる。つまり、運転中で前席がカーナビ画面になっていてTVのチャンネルなどを操作できない場合でも、VM-185ENのリモコンを利用して操作することができる。後席の子供たちにおとなしくTVやDVDなどを見ていてほしい子育て世代にとってはなかなか便利な機能と言えるだろう。
車両別にチューニングした音響設定や車両側のCANとの連携などディーラーオプションナビならではのメリット
最後にディーラーオプションナビならではのメリットということを紹介して、この記事のまとめとしたい。18.5モデルの三菱電機製のモデルでは「tuned by DIATONE SOUND」という機能が用意されている。「今回、三菱電機をパートナーに選んだ1つの理由として、DIATONEの音をGathersに取り込みたいということがあった。お客さまに弊社のハイグレードスピーカーシステムを装着いただければ、車種別にチューニングした設定を適用して車両に合ったよりよい音を楽しむことができる」(大坪氏)とのとおりで、純正品メーカーならではの設定を用意し、それをディーラーでの装着時に設定を適用することが可能になっている。
それだけではない。実はGathersのカーナビは車両からのCANデータを取得して、それをカーナビの機能として活用できるようにもなっている。例えばリアカメラ de あんしんプラス2では、バック時にダブルビュー表示にした時に表示される車両のハンドル位置の表示に、車両側のCANデータからステアリング舵角のデータをもらって表示している。「カーナビとしてほとんどの車両と接続できるようになっており、メーターなどとも連携するなど、純正メーカーならではの機能だと考えている」(大坪氏)との言葉のとおりで、このほかにも車両のメーター側の時計に、カーナビ側のGPSから時間データを渡して常に正確な時刻を維持することもしているそうだ。
このように、Gathersナビは単に最新の技術に対応しているだけでなく、純正メーカーとしての立場を生かした車両との高い連携性も大きなメリットであると言える。先進機能などの点でMOPのナビには満足できないけど、純正品としての高い品質や車両との連携性を重視したいホンダ車ユーザーであればGathersシリーズは真っ先に検討すべきカーナビではないだろうか。