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レイズのモータースポーツブランド「gramLIGHTS(グラムライツ)」、SUV向けホイールを積極展開する理由とは【後編】

「gramLIGHTS(グラムライツ)」の最新ホイールを紹介

 レイズのホイールブランド「gramLIGHTS(グラムライツ)」は鋳造製法の限界を攻め、極限のパフォーマンスを獲得したスポーツブランドと掲げるモータースポーツ由来のアルミホイールで、ドリフト競技やラリーなどで採用され、人気を集めている。そして今、SUV向けのラインアップを強化している。

 グラムライツがSUVに注力している詳しい理由は前編を参照していただきたいが、モータースポーツに由来しつつユーザーの乗るクルマがSUVになっても“スポーツテイスト”であることに変わりはなく、ニーズに合わせてSUV向けのラインアップも拡大している。

 グラムライツのSUV向けラインアップは、単にP.C.D.やボルト穴数をSUV向けにするだけでなく、P.C.D.や穴数に合わせて全体のバランスを整え直したデザインや、SUVならではディティールを取り込んだデザインとしていることが特徴となる。本稿ではそうしたグラムライツのSUV向け最新ラインアップを一挙に紹介する。

レイズのモータースポーツブランド「gramLIGHTS(グラムライツ)」、SUV向けホイールを積極展開する理由とは【前編】

https://car.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1347074.html

ドリフトシーンで活躍中の57XRをSUV用にアレンジした「57XR-X」

ドリフトシーンで活躍中の「57XR」をSUV向けとしたラージP.C.D.(139.7)で6穴の「57XR-X」

 フランジまでスリムなスポークが伸びる全体デザインに、大きくコンケイブしたスポークのスポークサイドにレイズのロゴを刻み込み、ドリフトシーンで活躍中の「57XR」。その57XRをラージP.C.D.としてSUV向けにアレンジしたホイールが「57XR-X」となる。単にP.C.D.サイズを139.7にしてボルト穴を6としただけでなく、SUV向けのリムデザイン「SPEED BRICK RIM type-1」を採用するとともに、ホイール外周の駄肉を削り、強度を高めるイメージをデザインした。

リムは「SPEED BRICK RIM type-1」を採用し、肉抜きしながらブロックタイヤなどとのデザイン上の相性も考慮している
コンケイブしたスポークサイドの“RAYS”エンボスロゴ

 細いスポークを採用しながら、JWLと商用車向けホイールのより厳しいJWL-T規格に適合し、商用車登録のSUVにも安心して使用できるようにするばかりでなく、タイヤとホイールの位置ずれも抑制するビードシート部のローレット加工を採用するなど、重量級のSUVでも安心して使える設計となっている。

トヨタ ハイラックスに57XR-X(ブラックグラファイト)を装着。商用車登録のビックアップトラックにも適合し、安心して使うことができる
トヨタ ランドクルーザー プラドに57XR-X(ダークブロンズ)をセット。ブロックタイヤにも細いスポークのデザインが絶妙にマッチ

6本スポークホイールをSUV向けに仕立てた57DR-X/57DR-X2

レイズ伝統の6本スポークをSUV向けとした「57DR-X」では、ジムニー用サイズ(16×5 1/2J、5穴)を先行リリースした「2122 LIMITED EDITION」をラインアップ。オフロード系で流行となっているロービジカラー「アームズグレー」を採用しており、付属のハイビジカラーのステッカーを貼り付け、コントラストを楽しむことも可能

 レイズ伝統の6本スポークを採用し、ドリフトシーンで支持を集める「57DR」をベースにラージP.C.D.化(139.7)したのが「57DR-X」。さらにスモールP.C.D.のSUV向けとした「57DR-X2」も用意される。

 57DR-Xでは、ソリッド系のロービジ(低視認性)カラーである「アームズグレー」を用いた「2122 LIMITED EDITION」も用意。こちらはジムニーサイズを先行リリースしていたが、新たに通常色で設定のある全サイズへ拡充し、ハイエースやランドクルーザー プラドなどに纏うことを可能にした。ロービジカラーは主張しないため、どのようなボディカラーにも違和感なくマッチする。

57DR-X 2122 LIMITED EDITIONでは6穴タイプの16インチ(16×6 1/2J)、18インチ(18×8J、18×9J)もあり、ハイエースやランドクルーザー プラドなどにも対応する

 一方、P.C.D.が114.3、5穴仕様の57DR-X2は、ベースの57DRをSUV対応として各部を見直したもの。ビードシート部のローレット加工で低圧での走行時に起こる可能性のあるタイヤとホイールの回転方向のズレを抑制する。さらに、小径のセンターキャップを付属として佇まいも考慮した。カラーは57DRとは趣きを変え、57XR-Xと同じダークブロンズとブラックグラファイトを用意する。

6本スポークデザインでスモールP.C.D.のSUV向けとしたモデルが57DR-X2。小径のセンターキャップを付属し、装着時の雰囲気を整え、ダークブロンズとブラックグラファイトの2カラーを用意した。サイズは16×7Jを設定
57DR-X2、カラーはダークブロンズ
57DR-X2、カラーはブラックグラファイト
小径のセンターキャップが付属
スポークにはレイズのロゴ刻まれる
57DR-X 2122 Limited Editionを装着したスズキ ジムニー
スモールP.C.D.用の57DR-X2。もともとシンプルな6本スポークのデザインだが、オフロードイメージの強い三菱自動車「デリカ D:5」にもマッチ

人気の5本スポークデザインにSPEED BRICK RIM type-2を採用した「57CR-X2」

5本スポークデザインのシンプルなデザインに、リムを「SPEED BRICK RIM type-2」デザインとした「57CR-X2」。こちらはジムニー向けのラージP.C.D.の5穴タイプ

 人気の5本スポークデザインの「57CR」をベースに、リムに「SPEED BRICK RIM type-2」のデザインを組み合わせてSUV向けとしたホイールが「57CR-X2」となる。

 SPEED BRICK RIM type-2はウェル部でスポークが完結しているデザインに対応するリムデザイン。type-1のリムを削って肉抜きをして表現する方法とは異なり、リムの天面部分をマットなシルバーとし、途中スリットを入れてディスクローターのスリット感を出してスポーツであることを印象付けた。

リムは「SPEED BRICK RIM type-2」デザインを採用。ディスクブレーキのイメージで、マットなシルバーとブラックは、オンにもオフにもマッチするようにしたもの

 このような加工をする理由は、グラムライツにスポーツ感はマストだから。5本スポークのシンプルなデザインだが、ブロックタイヤを履いた場合にリム部のデザインによってタイヤとホイールのデザインを連続性あるものにしている点は見事だ。

57CR-X2を装着したジムニーシエラ(JB74)

SAVコンセプトのグラムライツ・アズール

Y字スポークデザインの「57BNX」。ラージP.C.D.(139.7)、ボルト穴が6個ということでY字スポークを6本とする2×6デザインを採用。リム部には「SPEED BRICK RIM type-1」のデザインを施し、ブロックタイヤなどとの繋がりを表現した。6穴仕様では18×8Jをラインアップ

 SAV(Sports Avctivity Vehicle)の考えにフォーカスしたシリーズが「グラムライツ AZURE(アズール)」。グラムライツのスポーツイメージと軽量化や車両形状に合わせたドレスアップのデザインを取り入れた新シリーズで、スポーツをコアとしたシーンをスマートに楽しむアクティビティギアとしてのクルマのカスタムを彩るホイールシリーズとなる。

 なかでも「57BNX」は、モータースポーツ向けの「57FXZ」をSUV用にデザインし直したもの。57FXZはシャープなY字スポークによる軽量化や高剛性に加えて造形美にもこだわったホイールだが、57BNXはY字スポークをSUV向けにアレンジし、ブロックタイヤとのマッチングも考慮してリム部分に「SPEED BRICK RIM type-1」リムを採用した。

ホルト穴の数に合わせてY字のスポークは6本

 Y字スポークを6本持つ6穴のラージP.C.D.タイプは、ラージP.C.D.ながら小径のセンターキャップとしたもので、センターに向けて落ち込んでいく見事なコンケイブラインを実現している。

センターに向けて落ち込んでいくコンケイブライン
トヨタ ランドクルーザー プラドに装着した57BNX。ブロックタイヤとのマッチングも見事

 パッセンジャー向けの5穴タイプでは元の57FXZとは異なる2×7のスポークを採用。ベースの57FXZとは違い、5つのボルト穴に対して7本のスポークを配置した理由はメッシュ風のデザインを表現するため。7本とスポークは多くなるが、Y字スポークの根本にはウエイトレスホールを設け、デザイン性と軽量性を創出している。

Y字スポークが7本の2×7デザインとなるスモールP.C.D.(114.3)用の57BNX。5穴仕様は17×7Jを設定
スバル フォレスターに装着した57BNXのP.C.D.114.3/5穴タイプ

SUV向けのラインアップが続々登場、まずはサイズを探してみては

 グラムライツのSUV向けラインアップは現在も強化中。SUV向けホイールといえばオフロード然としたものもあるなか、スポーツをイメージし、シンプルなデザインをベースにしたラインアップはSUVをこれまでと違った印象に仕立てることも可能だ。

 モータースポーツに興味があったり、もっとスマートにSUVに乗ったりしたいなら、グラムライツの最新ラインアップに注目してみてはいかがだろうか。

Photo:安田 剛