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新作ホイール60種と26台の車両が並んだ「レイズ ワールドツアー」レポート
スープラやGT-Rからテスラ、ハリアー、RAV4、ジムニーまで多彩な車種が集結
2020年8月21日 00:00
- 2020年8月10日 開催
日本のアルミホイールメーカー「レイズ」は8月10日、2020年モデルの新作ホイールなどを展示するイベント「RAYS WORLD TOUR IN JAPAN(レイズ ワールドツアー イン ジャパン)」を富士スピードウェイにて開催した。イベント自体は無観客で行なわれたが、Car Watchはメディアとして現場取材をすることができたのでその模様をお伝えしたい。
レイズ ワールドツアーは例年、主に海外市場に向けて新製品を発表するためのイベントとして日本国外で開催していたものだが、今年は新型コロナウイルスの世界的流行という世情を考慮して開催地を日本の富士スピードウェイとした。さらに例年では取引先やユーザーを会場に招くスタイルを取っていたが、これを無観客とした。ただ、その代わりとしてレイズのYouTubeチャンネルとFacebookにて生配信を行なった。生配信のアーカイブされたものがアップされているので現在も視聴可能である。
イベント前日にはSUPER GT第2戦が開催されていた。そこでレーシングチーム協力のもと、コントロールタワー横のパドックにはレイズ製ホイールを履くSUPER GTマシンや、新作ホイールを装着した協力ショップのデモカーが展示されていた。
レイズのホイールといえば日産自動車の「GT-R」を始め自動車メーカーに純正採用されているが、やはりチューニングカーやカスタムカーへの装着が“らしい姿”である。そんなことから新作ホイールを装着する展示車は、パーツメーカーや専門店が所有するデモカーが使用されていた。
パドックの展示とは別に、富士スピードウェイピット棟2Fにあるクリスタルルームにはプレゼンテーション用のステージと60種類の新作ホイール単体展示が用意されていた。
イベントはレイズの三根社長によるあいさつから始められた。三根社長によれば、レイズは創業以来、ホイール作りにおいて高強度、軽量、高剛性といった項目を重視しているのが特徴であり、世界の市場において“メイド・イン・ジャパン”であることを前面に出したPRを行なっているとのこと。また、現在は“The Concept is racing.”という企業理念の元、F1やWEC、SUPER GTなどハイレベルなカテゴリーでも通用する高性能なレース用ホイールの開発を行ない、そこから生み出される新しい技術を、市販ホイールへフィードバックしていく体勢を取っているとのことだった。
そして現在のトピックとして語られたのは、ホイール開発においての解析技術について。アフター向けのスポーツホイールの性能向上に活用するのはもちろん、純正装着されるホイールなどではクルマの特性にあわせた性能を持たせることも可能になっているとのこと。また、こうした技術はSUPER GTのチームに供給しているホイールにも採用されているということだ。
さて、市販アルミホイールでは「デザインがいい」ことも重要になるが、レイズが追求する「軽量」や「剛性」などアルミホイールにおいての「高性能」という部分をデザインで表現することは難しい。そこで始めたのがRAYS ADVANCED MACHINING TECHNOLOGY(以下A.M.T.)」や「REDOT(アール・イー・ドット)」という高度な切削技術だ。
三根社長によると、A.M.T.は従来ステッカーなどで表現していたロゴなどをマシニングセンターによる文字彫刻で行なう技術とのこと。また、同じくレイズならではの高度な技術として「REDOT」があり、こちらはA.M.T.の技術に合わせてアクセント用としてホイール自体とは異なる色を注文していくものだ。
こうした新しい技術をホイールのデザインに盛りこむことで、「高性能」をレイズしかできない独自の表現で表しているのだという。なお、A.M.T.やREDOTはレイズが特許を取得しているので、類似の表現はできないようになっている。
プレゼンテーションが終わると、占有されたレーシングコースを使用してレーシングドライバーの助手席での同乗走行などが行なわれた。そこでSUPER GT GT300クラスの30号車 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTをドライブする織戸選手からレイズホイールについてのコメントを頂いたので、その内容を紹介しよう。
織戸選手はSUPER GT参戦ドライバーの中でもベテランの域に入るドライバーだけに、過去にはいろいろなホイールを履いてレースをしてきた。その織戸選手からは「ホイールごとにそれほど差はないと思う方もいるでしょうけど、けっこう違うんですよ。僕は複数のホイールをテストさせてもらったこともありますが、同じマシン、同じサイズであってもドライブフィーリングはそれぞれ特徴があります。いま、僕らのマシンはレイズのホイールを履いていますが、非常に剛性が高くステアリングを切った瞬間から違いを感じます。これを剛性が高いと表現しますが、もっと分かりやすくいうと、クルマの動きに対してサスペンションやタイヤは動きますがホイールでは何も起きません。ただ単に硬いというだけでなくて適切なしなやかさもあるのですが、それが変な動きではないのがレイズのホイールの特徴です」というコメントを頂いた。
以上が「RAYS WORLDTOUR IN JAPAN」の主な内容だ。繰り返しになるがイベントの模様はレイズのYouTubeチャンネルとFacebookで見られるので、興味のある方はそちらも見て頂きたい。
最後に、当日会場に展示されていた2020年モデルの新作ホイールをすべて写真で紹介したい。スポーツカー向けの鍛造ホイールからSUVや4WD向けモデル、ハイエース用などもあるので、自分の愛車に似合うホイールがないかチェックしていただれば幸いだ。