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カロッツェリアの10.1インチディスプレイオーディオ「DMH-SF900」実機検証 使ってみたらカロッツェリアの魅力が凝縮されていた!
- 提供:
- パイオニア株式会社
2025年12月22日 00:00
ここ最近、カーAV界隈で人気のアイテムといえばディスプレイオーディオ(DA)。これはスマホと連携することで各種アプリをクルマの中で楽しむことができるアイテムで、手軽に車内のエンタメ環境を充実することができるのがウリ。ただ、人気なだけに海外製の低価格なモノから、国産のハイレベルな製品まで玉石混交な状況にある。自分の愛車にも装着したいけれど、何を基準に選べばいいのか分からない、なんて人は少なくないハズだ。
ハズレを選んだとしてもモバイルバッテリのようなクリティカルな状況にはならないものの、クルマに乗っている間はずっと付き合うことになるし、昨今の経済状況を鑑みるに「安物買いの銭失い」は避けたいところ。
ということで、DAを選ぶ際に重要なポイントとなってくるのが「車内環境への対応」「音質」「使い勝手」。まず、車内の厳しい温度変化や走行中の振動は家庭用機器とは違った設計が必要になるし、狭くスピーカー位置も限られるといった環境への対応が必要。音質に関してもただ鳴ればいいのではなく、音楽として楽しめるクオリティを持っていることが重要になる。加えて、車内での操作が必要になることから安全に操作できることも重要だ。なんてことを考慮すると、たくさん候補はあるようだけれども、実はそれほど多くないということに気が付く。
その結果、真っ先に候補として挙げられるのがパイオニア・カロッツェリアのDA群。真夏や真冬のキビシイ温度、走行中の振動といった車内環境への対応は長年カーナビを作り続けてきたメーカーのノウハウあってこそだし、操作性に関しても同様だ。それにオーディオブランドならではの音質へのコダワリの数々はこれまでにリリースされたモデルで証明済みだ。
そして、実はラインアップが豊富なことにも注目したい。なにせ「DMH-SF900」(SF900、以下同様)を筆頭に「DMH-SF700」「DMH-SF600」「DMH-SZ700」「DMH-SZ500」「FH-8500DVS」と数多く用意されているから、妥協せず欲しい機能を持つモデルを選ぶことができるのだ。
各モデルの大まかな違いを書いておくと、昨今主流となっている大画面を有するのは型番に「SF」が付く3モデル。SF900はHD解像度(1280×720ピクセル)の10.1V型の画面を持ち「Apple CarPlay」「Android Auto」のワイヤレス接続が可能。SF600はSF900とほぼ同等の機能を持ちつつ、画面サイズは9V型で解像度もSVGA(1024×600ピクセル)になる。SF700は画面はHD解像度の9V型画面を持っており、加えてハイレゾ音源のネイティブ再生や「Amazon Alexa」に対応しているのが特徴となる。SZ700、SZ500はそれぞれSF系の画面を6.8V型とした2DIN一体型モデル、8500DVSは2DIN一体型でDVDやCDの再生も可能なモデルといった感じになる。
大画面が実現する見やすい地図と痒い所に手が届く使いやすさを両立
今回はフラグシップとなる1DメインユニットDAのSF900を装着し、実際の使い勝手などを検証してみた。
最初におどろくのが画面の大きさと表示の美しさ。画面サイズに関しては数字で分かってはいるのだけれども、やはり10.1V型は大きい。7V型の約2.2倍という数字以上のインパクトが感じられる。そのうえ、HD解像度だから文字表示はクッキリだし、高輝度LEDバックライトの採用で昼間でも見えづらくなることはなく鮮やかな映像が楽しめる。これだけの大きさの画面にも関わらず、グラつきを一切感じさせない剛性の高さも注目ポイントだ。
画面周囲には音量ボタンとミュートボタンのハードキーに加え、左サイドに静電タイプのフラットキーを配置。ホーム画面やナビアプリに直接移動することができるなど、カーナビライクな使い方を実現している。さらに国産各社のステアリングリモコンにも対応しており、ボリュームやソース切り替え、トラックアップ/ダウンなどが可能となるのは便利だ。
画面上部に配置された「ルミナスバー」にも注目。このSF900だけに用意されるギミックは、音楽にあわせてリズミカルに光ったり、ナビアプリによるルート案内中には右左折中に連動して点灯したりと、おもしろいだけでなく実用的な面も兼ね備えており、ドライブを盛り上げてくれる存在となっている。
DAをDAらしく使うにはスマホとBluetoothやUSBで接続することが必要になる。なお、今回はAndroidを使用しているので設定や操作感などはそれが基準になる。まぁ、iPhoneでも基本的にはそれほど変わらない。
いきなりナビアプリを使いたくなるけれど、その前にやっておきたいのがスマホ用アプリ「PxLink」との連携。スマホ側にショートカットキーを配置しての操作はもちろん、そのカスタマイズ、壁紙の設定、DAのアップデートまでできるスグレモノだ。DAとの接続はアプリの画面表示にしたがって進めていけばいい。うまくいかないときは機器登録のやり直しのほか、アプリの権限あたりをチェックしたい。その次はAndroid Autoの設定。USB接続ならUSBケーブルでスマホを接続、ワイヤレス接続ならBluetoothとWi-Fiの設定を行なう。これも画面表示に従っていくだけだ。
ということでGoogleマップを立ち上げてみる。ディスプレイが大きくHD解像度なので見やすさは抜群。当然ながら音声操作も可能だ。いまさらGoogleマップに言及するのもアレなのでレビュー終了……と、ならないのがDAのイイところ。ナビアプリは変更できるのだ。ってことで選んだのは、パイオニアがリリースしているカーナビアプリ「COCCHi(コッチ)」。
忖度しすぎだろうと思うかもしれないけれど、実際にカーナビとして使いやすいのだから仕方ない。Apple CarPlayやAndroid Autoで使う場合は「基本プラン」などの有料版(月額350円~/2026年1月26日から月額400円~に変更)が必要となるものの、地図の見た目やルート案内、渋滞表示など、フル機能ではないもののパイオニア製カーナビを使っている感覚を味わえる。常に最新地図に自動更新が行なわれるのもスマホアプリならでは。
実際にルート案内を試してみて意外と便利に感じられたのがSF900のみ装備しているルミナスバーによるガイド。曲がる方向に流れたり、バーの長さで交差点までの距離を教えてくれたりするのだ。とくに夜間は視覚的に分かりやすく、単なる光モノだと思っていたけれど侮れない機能だった。
しかも、冒頭に書いたようにSF900はAndroid Autoのワイヤレス接続に対応しているだけでなく、設定で自動接続を選ぶことができるから、クルマに乗り込んでエンジンをかけると自動的にナビアプリが立ち上がるなんてことも可能。同時にPxLinkもつながる。
仕事柄、DAが標準装着されたクルマに乗る機会が多いものの、ムダな作業に思えて「これはないな」と感じていたのがケーブルをつなぐこと。そこから解放されるのは大きい。非接触充電が利用できるならスマホのバッテリ残量も気にする必要もなく、まさにストレスフリーの環境を実現できるわけだ。
自動接続を使わない場合にはホーム画面からスタート。もちろん、自動接続していてもボタンタッチで呼び出せるけれど。ここには好みのアプリやソース、機能アイコンを最大8種類まで配置可能となっており、自分なりの使いやすさを追及することが可能。普段Android Autoを利用するならApple CarPlayを削除して別の機能を配置することができる。
加えて、左端には3つの画面を持ったショートカットキーを用意。こちらは楽曲の再生や停止をはじめイコライザー設定、FMラジオチャンネルなど、より細かな機能を割り当てられる。前述したように、ここはPxLinkとリンクしている部分なので、カスタマイズするにはPxLinkとの接続が必要。それさえしてしまえば、DAの画面上はもちろんスマホからでもOK。ステアリングリモコンなんてクルマに装備されてないよとか、ボリュームと前後スキップのボタンしかないよとか、標準だと微妙に使いづらい場合でも手元で各種操作ができるのはめちゃくちゃ便利だった。
DAの使い勝手を広げるのが「WebLink」で、画面上でさまざまな対応スマホアプリを楽しむことできる。「WebLink Host」アプリをインストールしたスマホとUSB+Bluetoothで接続することで利用できるようになる。対応アプリはスマホ画面をDA画面に表示して操作も可能な「WebLink Cast」、そして定番の「YouTube」、そのほか「Music Player」「Video Player」などなど。エンタメ重視なら活用したい機能だ。
高音質再生を実現する数々のチューニングとそれをサポートする豊富な調整機能を搭載
ナビゲーションを使いながらバックグラウンドでスマホやUSBメモリ内の音楽ファイル再生、もちろん音楽ストリーミングサービスのアプリも利用可能だ。おどろいたのがUSBメモリに記録したMP3ファイルを再生した時のこと。SF900には「アドバンスド・サウンドレトリバー」という音質補正技術が搭載されているので、モノは試しとばかりにそれを「モード1」にセットしてみた。これがおどろくほどにサウンドが一変。「パイオニアフルカスタム高性能48bitデュアルコアDSP」をはじめとした高音質パーツの後押しもあり、高音質なサウンドを楽しむことができたのだ。
さらにハイレゾ音源(FLAC)もチェック。こちらはダウンサンプリング再生となるものの、やはり圧縮オーディオとはひと味違うハイレゾならではの臨場感や躍動感がキッチリと表現されていた。
ベースの良さが分かったので好みに合わせてちょっとセッティングを変えてみた。まずはタイムアライメントの調整だ。もっとも、音のプロではないのでフロントとリアのスピーカーから自分の耳の位置までの距離をメジャーで大まかに測って入力するだけのカンタン調整。これだけでも定位がはっきりして臨場感がグッとアップする。ボーカルがフロントウィンドウの奥から聴こえるのは素直にイイ音だなと感動できる。もっと追い込むなら13バンドのイコライザーもある。車室内の形状などクルマの特性に合わせて調整すればより良いサウンドが楽しめるようになるハズ。難しいなら「Vocal」などのプリセットから選ぶだけでも十分だ。
そのほか、低音量時でも低音と高音を強調して聴きやすくする「3モード・セレクタブルラウドネス」、走行中に聴き取りづらくなる低音成分を増幅する「バスブースト」、周囲のノイズに応じて音量をリアルタイムで補正する「オートサウンドレベライザー」など、クルマ向けならではの機能も用意されている。
オーディオブランドならではの高音質パーツの投入やチューニング技術、そして黎明期からカーナビを作り続けているブランドならではの車内環境の補正機能の数々。世の中にはDAが数多くリリースされているが、クルマの中で音楽をとことん楽しめる製品となっているのはパイオニアならでは、なのだ。
ただ、メインユニットの性能が上がってしまったことで、いろいろと周辺環境に不満を感じるようになってしまった。というのも、少し前に開催された新商品説明会で、SF900とカスタムフィットスピーカー「Fシリーズ」などを装着したデモカーを視聴する機会があった。このデモカーはセパレート2ウェイスピーカー「TS-F1750S」と、パワードサブウーファー「TS-WX140DA」を組み合わせたシンプルな組み合わせだったものの、おどろくほど気持ちの良いサウンドが楽しめたのだ。
となれば、すでにメインユニットは装着しているので、あとは純正スピーカーをなんとかしたいところ。Fシリーズはエントリーモデルの位置づけなのでTS-F1750Sでも2万円前後。ドアにマウントするためのインナーバッフル「UD-K5312」が8800円(車種によって異なる)と、3万円も出せばひとまず満足できそうな感じがする。なんて、そろばんをはじいてみたけれど、次はデッドニングで、その次はサブウーファーで、それから……と、いわゆる“沼”にハマってしまいそうでちょっと怖い。
幅広い車種への装着が可能
なお、カロッツェリアは公式サイトで「車種別適合情報」を公開しており、それによると適合車種は392車種(2025年11月現在)もある。
実は今回、適合情報に掲載されていないCX-5(KE型)に装着している。DAの場合は本体が1DINサイズだし、カーナビのようにディスプレイ部を前に倒す(CDの挿入時など)必要がないのだから、物理的に収まるなら装着できるハズとあえてチャレンジしてみた。
SF900の場合、奥行が0/+20mm、高さが0/15/30/45/60mm、横方向が-30/0/+30mmと、ディスプレイ部の装着位置を細かく調整できることもあり無事に装着完了。GPSや車速センサー、パーキングブレーキ、さらにバックカメラやステアリングリモコンなんかも問題なく接続できていることが確認できた。今回は接続していないけれどHDMI入力端子、セカンドカメラ用RCA端子、外部アンプやサブウーファー接続用端子、リアモニター接続用端子なども備わっている。DAはあまり発展性がないと思われがちだけど、必要とあればシステムアップ可能なのもこのモデルの特徴だ。お約束ってことで蛇足ながら書いておくけれど、記載のないモデルに装着する際はあくまで自己責任で!
というわけで、SF900を装着したのが11月下旬。それから取材に出掛けるなど、2週間ほど使ってみた。上の方でも書いたけれど、やはりAndroid Autoがワイヤレスでつながるのは手間いらずで便利だし、アプリやソース切り替えなどの操作がしやすく、それらを含めて全体的なレスポンスも良いのが好印象。日々感じていた細かなストレスから解放された感じだ。大画面化と高音質化を一気に実現できたのもうれしいポイント。装着前はFM放送ばかり聞いていたのだけれども、最近では昔のMP3やWMAを引っ張り出してきて聴き直すのが運転時のマイブームだ。パイオニアならではのコダワリが随所に感じられるSF900は、最新モデルらしいパフォーマンスと使い勝手を存分に楽しめるアイテムだと実感した。
今回は装着したSF900以外にもパイオニア・カロッツェリアのDAはラインアップが豊富。装着車種や欲しい機能に応じて選ぶことが可能だからぜひチェックしていただきたい。どのモデルを選んでも愛車のドライブ環境をキッチリ改善してくれるハズだ。

















































