トピック

まるも亜希子の20年目のツインリンクもてぎを体験してみた

子供が楽しい迷路から、大人がうれしいジェラートまで。レースがなくても楽しめる!!

 あれは1997年。栃木県に国際格式のサーキットが誕生する! と聞いて、オープン前の取材会に参加した日のことを、今も鮮明に覚えている。

 ロードとオーバルの2つのレーシングコースにはじまり、翌年には部屋からそのコースが見える立派なホテルもオープン。緑いっぱいのキャンプ場、クルマ好き大興奮のホンダコレクションホールや、子供も遊べるファンファンラボなど、ここは丸1日いても、いや1週間いても飽きないかもしれない、夢のような場所だと感じた。

 思いかえせば、初めてのアメリカンモータースポーツ、インディカーシリーズを観戦させてもらったのも、ダートトラックでのレースを体験したのも、二輪の世界最高峰MotoGPの迫力に絶叫したり、目の前で見るトライアルの迫力に驚愕したのも、みんなツインリンクもてぎだった。

 ツインリンクもてぎができたことで、クルマ好き、モータースポーツ好きの人たちの世界がどれほど広がったことだろう。初観戦も初体験も、ツインリンクもてぎが叶えてくれたという人は、私を含め、とても多いに違いない。

 また、ツインリンクもてぎはモータースポーツ以外でも、様々なイベントやアトラクションを用意してきた。ロードコース真上にあがる花火を楽しむ「花火の祭典」をはじめ、森の中でたくさんの生き物や草花に触れ、遊びやものづくりができるハローウッズ。0歳児から同乗、3歳児から自分で運転できる乗り物が集まる、モビパーク。ここ数年ではハローウッズからロードコースまでを繋ぐラインで空中散歩ができる「メガジップラインつばさ」も大人気だ。

 そんなツインリンクもてぎが、今年で20周年を迎えるのだとか。それを機にさらに魅力アップすると聞いて、さっそく体験取材に出かけてきたので、その模様をお届けします。

新登場の立体迷路で森の生態系を体験!

 まず目玉となるのが、なんと5階建ての立体迷路「迷宮森殿 ITADAKI(イタダキ)」。単なる迷路ではなく、森の生態系ピラミッドをモデルとしてフロアごとにさまざまなオブジェを設置。ゴールを探しながらフロアをクリアしていくことで食物連鎖が体感できるという、子供が遊びながら学べる迷路になっています。さらに、スタンプラリーや、クイズポイントもあって、答えを間違えるとゲームオーバー! なんていうドキドキの仕掛けも。

新アトラクションの立体迷路「迷宮森殿 ITADAKI(イタダキ)」は5階建ての大型迷路

 中学生以上の同伴者がいれば3歳から入ることができ、小学生以上は1人で入れるこの迷路。取材日には招待された家族連れも参加者も来ていて、入口付近ではワイワイと楽しそうな声。目標タイムは25分と知り、過去に別の迷路で2時間近くさまよった私はちょっと不安がよぎりつつも、スタンプを集める「冒険者の証」をもらって突入!

プレイベントとして招待されたファミリー。子供たちはすでに興奮気味?
冒険の証をもらってまるも亜希子もチャレンジします
入口を入ってスタート時刻を打刻。いったい何分で出られるのやら

 真新しい木造の建物は、閉塞感があるのかと思ったら、意外にも明るくてびっくり。単なる迷路ではなくて、穴をくぐったり、正しい手順を踏まないと開けられない扉があったりとパズル的な要素も。1階では、食物連鎖の「分解者等~地中・土壌生物」がテーマの障害物やスタンプラリーがそこかしこに。選択するルートによって、出会うものは変わるようで、私が遭遇したのはかなりビッグなオカダンゴムシのボール。そのリアルさにちょっと背筋がゾクッとしたが、子供たちはキャッキャと飛び乗って嬉しそうに駆け抜けて行った。ほかにも、オオクロアリなど地中の生き物や、フトミミズを踏まないように渡る吊り橋があるんだとか。

 2階に登ると、今度は「生産者等~植物・地表の生き物」が待ち構える。巨大ドングリをかわしながら進み、キキョウの群生とその蜜を餌にする蜂や蝶に驚き、見たこともないほど細長い松ぼっくりにたどり着くと、「ニホンリスが食べたあとは、松ぼっくりがこんな形になるんですよ」とスタッフが教えてくれた。

 さらに3階では「一次消費者~昆虫・小動物」、4階の「二次消費者~肉食動物」を抜けるころには、なんだか、自分が小人になって森にまぎれ込み、そうした生き物たちの日常を覗き見ているような気分になってくる。

外光が入って思ったより明るい迷路内は、もぐったり登ったり、謎の扉の秘密を解いたり……
ダンゴムシのボールはちょっとリアル(汗)
子供たちは大はしゃぎ。迷路というよりアスレチック?
フロアごとに隠されたスタンプ。めざせコンプリート!
松ぼっくりのボールの横には大きなニホンリス。まるで小人になったみたい!
変な形の松ぼっくりだな~と思ったら、ニホンリスが食べたあとなんですって
クモの巣のように障害物が行く手を遮る。ただの迷路ではありません

 最後は「高次消費者~猛禽類」。生態系の頂点として4階の生物たちに襲いかかろうとするオオタカをかわし、ロープネットを登ってようやく到着した5階の、なんと気持ちのいいことだろう。

 ゴールの鐘を鳴らし、オオタカのスタンプをカードに押すと、予想以上の達成感。途中登ったりくぐったりする箇所もあって、一緒に回った編集者は汗だくになっていたけど、遊び盛りの子供にはちょうどいいのかも。

 かかった時間は24分。大人が必死で挑んでこの時間だから、子供にとってはかなり挑戦しがいがあるはず。家族で来たら、いろんな障害物で生き物について学び、クイズやスタンプラリーで遊びながら、もっとのんびり楽しむのもよさそうだ。

パズルのような扉を抜け、こわ~いコウモリやヘビの脇を抜け、ゴールを目指す
上に見えるのはオオタカの足。ゴールは目前♪
ゴールの時刻を刻印。スタンプはあまり集められなかったけど24分でクリア
結構いい運動にもなって、大人でもゴールした達成感はなかなかのもの

 迷路からの退出は、専用の退出路を使ってもいいが、5階から1階まで一気に滑るスライダーも用意されている。大柄な人にはちょっと窮屈そうなチューブに身を投じると、なかなかのスピードでグルグルと回りながらポンッと地上に飛び出した。やや目が回ったが、最後にもうひと興奮したい人にはオススメ。

最後はスライダーで1階まで。けっこう目がまわります

2つの人気のジェラート店を一度に楽しめる!!

 迷路でいい汗をかいた後にぜひ立ち寄りたいのが、迷路からすぐ近く、中央エントランス横にニューオープンした「森のジェラテリア ROCCO」。カフェとしてゆったりくつろげるROCCOでいただけるジェラートは、栃木県の人気ジェラート店2店舗とコラボした特別なフレーバーが並ぶ。

中央エントランス横に新規オープンした「森のジェラテリア ROCCO」

 2015年のジェラートマエストロコンテストで全国3位の実力を持つ「ジェラート マスモ」は、栃木県産のいちごやミルクなど、地元の食材にこだわったジェラートが人気で、ROCCOでは「とちおとめミルク」や「ブルーベリー フロマージュ・ブラン」などを用意。

 加えて、約100年の歴史を持つ黒田養蜂園が手がける「ドルチェ ミエーレ」によるジェラートは、厳選されたハチミツを使った「ハニーリッチミルク」や「ハニー桜ミルク」など4つのフレーバーをそろえる。試食した「ハニー甘酒ミルク」は、益子町の酒蔵、外池酒造の酒粕を贅沢に使ったジェラートで、ふんわりした香りと濃厚な甘酒の風味がとても美味。また、イノシシの子供・うりんぼをイメージした、ツインリンクもてぎ限定のジェラート、「ウリンボチョコレート」のお味も絶品だった。

2つの人気ジェラート店の味が一度に楽しめる

 このROCCOのオープンにあわせて、期間限定で楽しめるのが「森のふくろうRoom」。これはROCCOに隣接するふくろうと一緒に過ごせる空間。なでたり眺めたり、その愛らしさに触れる貴重な時間を過ごすことができる。3月18日~4月9日に開催しているイベント「春のいただきまつり」期間中の土日祝日に開催。加えて3月26日にはそのふくろうやタカによる「森のバードショー」も開催される。

「春のいただきまつり」期間中の土日祝日に開催される「森のふくろうRoom」。かわいいメンフクロウやかっこいいワシミミズク、迷路のゴール前にもいたオオタカの姿も

「春のいただきまつり」からホテルの新メニューまで

 さて、「春のいただきまつり」はほかにもイベントが盛りだくさん。ハローウッズでは、リニューアルして手軽にトライできる冒険プログラム「どんぐりの森 冒険指令書」をはじめ、地上18mの高さから森の世界を体感できる樹冠タワーで森林浴、森の中を動物になった気分で楽しめるウリンボ迷路もリニューアルオープン。

 また、日本唯一のBBQ芸人・たけだバーベキュー氏による「BBQ教室」や、たけだバーベキュー氏イチオシメニューを家族や仲間と楽しむ「お手軽バーベキュー!」、そして旬の山菜を選んでその場で天ぷらに揚げてくれる「森の天ぷらやさん」もオープン。森の中でしか味わえない、たくさんの春グルメを堪能できる、ツインリンクもてぎならではのイベントとなっている(※開催日、場所は各イベントでツインリンクもてぎのWebサイトhttp://www.twinring.jp/spring_m/で)。

 グルメを楽しむなら、もう1つオススメなのがホテルツインリンク内にある「森のレストラン MARCHERANT(マルシェラン)」。栃木県の食材をふんだんに使った春限定のランチメニューが登場し、中でも「ツインリンクもてぎ20周年記念プレートランチ(第1弾)」は、ツインリンクもてぎオープン当初から愛され続けてきた本格四川料理が味わえる2017年限定のランチメニュー。

 また、17時30分からスタートするディナービュッフェにも、春休み特別メニューが登場する。栃木県の名産魚「ヤシオマス」の竜田揚げに、香りが楽しめるシェフこだわりのソース3種と地場野菜が添えられたメニューや、栃木県産銘柄牛と茂木町「自然農園 空土ファーム」直送野菜のポトフ、お子様限定のツイン苺のストーンアイスがとくにオススメだそうだが、ほかにも目移りするほど豊富なメニューが並ぶ。

ホテルツインリンクの1階にある「森のレストラン MARCHERANT(マルシェラン)」
17時30分からはディナービュッフェが楽しめる
チョコレートフォンデュに子供も大人もテンションアップ
春休み特別メニューのヤシオマスの竜田揚げのほか、シェフが目の前で調理している石焼ピザやローストビーフ、そして食後のスイーツも

人気のグランピングに新サイトオープン

 お腹がふくれた幸福感とともに、最後に見学したのが、今話題の「森と星のキャンプヴィレッジ」。

 開設以来キャンセル待ちが出るほどの人気で、今回サイト数を増やすのだとか。新たに誕生した4つのサイトは、既存のグランピングサイトの約2倍の面積で、最大6名まで泊まれる「グランピング・ワイド」。異国情緒あふれるコットン製のグランピングテントの中には、ふかふかのベッドやソファ、冷蔵庫や電気ポットなどがあり、非日常を楽しみながらも快適に過ごせそう。

大人気の「森と星のキャンプヴィレッジ」はエリアを拡大してサイト数を増加。新しいサイトは従来の倍の広さで最大6名まで対応

 サイト内にはハンモックやファイヤーピットなども置かれ、ここに寝転がって見る星空はさぞかし雄大だろうとワクワクする。敷地内に水洗トイレや温水シャワー、洗濯・乾燥機、売店もあり、全エリアでWi-Fiも使用できる。火おこしや食材の用意、後片付けまでやってくれる「らくらくBBQプラン」もあるから、アウトドア初心者や小さな子供のいるファミリーでも手軽に楽しめるのがいい。

 また、冬に実施されている「森と星空のナイトツアー宿泊プラン」は、夜の国際レーシングコース走行と、星空観察がセットになった宿泊プラン。これこそ、ツインリンクもてぎでしかできない貴重な体験となるはず。

従来より広くなったグランピングワイドのテントにはソファや常設ベッドのほか、エアベッドや冷蔵庫、ポット、サーキュレーター、ホットカーペットなどが常備される
バーベキューグリルやテーブル、ハンモック、電源も用意
食材まで用意されているから手軽に家族や仲間とキャンプが楽しめる

4月1日~2日はスーパー耐久と86/BRZレースが開催

 さて、開業20周年を迎えるにあたり、あらゆる遊びの聖地としてパワーアップしたツインリンクもてぎですが、「せっかく行くならやっぱりレースも見たいなぁ」という人もいるのでは? そんな人にオススメなのが、ちょうど春休みイベント「春のいただきまつり」期間中の4月1日~2日に開催されるレース、「スーパー耐久シリーズ」。

 現役トップドライバーの本山哲選手をはじめ、星野一樹選手、荒聖治選手など豪華な顔ぶれが壮絶なバトルを繰り広げるほか、サポートレースの「86/BRZ Race」には脇阪寿一選手、服部尚貴選手などレジェンドドライバーたちの名前も。走って、食べて、遊んで、ツインリンクもてぎをまるかじりすれば、かけがえのない思い出ができるはず!

協力:株式会社モビリティランド

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。

Photo:政木 桂

Photo:瀬戸 学