スタッドレスの性能がますます長続き!? スタパ斎藤が「WINTER MAXX 02」の進化におどろいた!!【前編】

またもや大進化を遂げた最新「WINTER MAXX」!

ダンロップの新型スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」

はいはいはい、去年の冬から「WINTER MAXX 01(ウインターマックス ゼロワン)」ユーザーとなったワタクシが通りますよ〜、はいソコすいませんね、おっと氷結路面も全然滑りませんよ〜、はいはいは……なななナニっ? また新型が登場したってか!

そうなんです、もはや完成形かと思われた最強スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 01」だったんですけど、その性能をさらに高めた新型が出ちゃったんです。その名も「WINTER MAXX 02(ウインターマックス ゼロツー)」。名前は「01」か「02」の違いですが、「WINTER MAXX 02」は十分体感できるほどの高性能を獲得しているそうですヨ」♪

……でも、今まで履いてきた従来型となる「WINTER MAXX 01」ですが、これでも全然問題ナシって気がしております。じつは、試しに去年冬から今年夏そして現在まで履きっぱなしなんですけど、まず冬場はザクザク雪道でもコチコチ氷結路でもシッカリ確実なグリップ力で安心して走れちゃいます。

埼玉県〜群馬県あたりの、秩父の山々を越えてのドライブによく行きますけど、冬場のあのあたりの雪道、けっこーヤバげに積雪してたり凍ってたり、横見るとガードレール無しで断崖だったりして、怖いんです。が、「WINTER MAXX 01」を履いていれば「滑る気がしねえ!」みたいな気分で、怖さミニマム、リラックスして冬のドライブを楽しめる感覚です。ホント、信頼しているタイヤ。


  • WM02の文字が新型の証

  • トレッドパターンは従来と同様インアウト指定の左右非対称パターン

冬場のグリップ性能に加え、ドライ路面やウェット路面でも快適。独自のゴムおよびグリップパターンにより、走行時の「足元シッカリ感」がありつつ「濡れた路面でも安定走行」できるんです。「スタッドレスタイヤは冬場のもの」と思いがちですが、タイヤ剛性があって「シッカリ安定した走行感」なので通年履いても違和感がありません。冬のシャーベット的ウェット路面でも梅雨時の水浸しウェット路面でも、安心感を伴って走行できるってわけです。

てなコトを、「WINTER MAXX 01」履きっぱなしのこの1年間で実感し、「スタッドレスはWINTER MAXX 01でキマリだろう!」と確定項にしていたわけですが、そこに新型。もちろん性能UPの新型。てか、その新型、どのあたりがよくなったの?

というわけで、以降、新型「WINTER MAXX 02」についてアレコレと探ってみました。今回は新型「WINTER MAXX 02」を北海道の雪道で試用することもできたので、そのレポートもお送りします〜♪

WINTER MAXX 02発売とのことで、一足早く北海道のテストコースで話を聞いてきました

さらに長持ちになった「WINTER MAXX 02」

現在履いている「WINTER MAXX 01」は、スタッドレスタイヤとしてトップクラスの性能を誇る最強に強まったタイヤなんですけど、ライフ性能も充実しています。つまり摩耗しにくい長持ちタイヤ。以前に「3シーズン目のWINTER MAXX 01と新品を比較」を行いました(該当記事はこちら→前編後編)が、使い古しも新品も「性能差がわかんねぇ〜!」てな結果に。3シーズンくらい余裕で持っちゃうロングライフタイヤなんですよね。

で、新型「WINTER MAXX 02」ですが、従来型の「摩耗しにくさ」を継承しつつ、さらに「効きの長持ち性能」がガツンとUP。具体的には、ゴム自体の経年劣化が起きにくくなったとのこと。

結論から言えば、新型「WINTER MAXX 02」は「スタッドレスタイヤとしての性能が長持ち」するようになりました。これはタイヤの成分として新軟化剤「しなやか成分」が配合されたため。タイヤの柔軟さが長期間保持され、経年劣化を抑制。スタッドレスタイヤとしての各種性能をより長期間維持できるようになっています。どういうコト?

オイルの代わりとなる「しなやか成分」を開発した、住友ゴム工業 材料開発本部 材料第一部 課長の上坂憲市さん(写真左)と、材料開発本部 材料企画部の竹中美夏子さん

一般的に、タイヤには原料のひとつとしてオイルが入っています。これはタイヤの柔軟さを生む要素のひとつですが、オイルは時間とともに抜け出しちゃいます。よく、夏の間とかに、スタッドレスタイヤをダンボールの上に置いて保管していると、ダンボールに油っぽいシミが付きますよね? アレはタイヤから抜け出たオイル。また、走行中にもタイヤからオイルが抜けていきます。こういう「経年劣化」により、タイヤは徐々に柔らかさを失って硬くなり、本来の性能も低下していくというわけです。

ですが新型「WINTER MAXX 02」の場合、従来のオイルの代わりとして一部に「しなやか成分」を配合。この成分はオイルと同様にタイヤの柔らかさを生みますが、同時にタイヤ内部のポリマーと強く結合するため、従来のオイルより「抜け出しにくい」そうです。結果、タイヤが硬くなりにくく、タイヤ本来の性能(たとえばグリップ性能)がより長期間持続する、というメカニズム。

タイヤの柔らかさがより長期間続くようになったということは、総じてグリップ力が長続きするということに直結。関東圏などの非降雪地域だと、年に数回しかスタッドレスタイヤを使わなかったりしつつ、何年か経っちゃって、「まだ溝が減ってないのにタイヤのゴム自体が硬くなっちゃったから、このスタッドレスもう寿命〜」みたいな悲しい現実がアリガチ。「しなやか成分」によるタイヤの柔軟性維持は、そういう残念感も減らしてくれる、ヒッジョーに有り難い新技術です。

ちなみにこの新軟化剤「しなやか成分」、100%石油外天然資源タイヤ「エナセーブ100」の開発で培ったバイオマス技術から生まれたものだそうです。前述のとおり経年劣化が少ない=買い替え頻度も抑えられます。ライフ性能が優れている「WINTER MAXX 01」に増してさらに効きの長持ち性能が高まった「WINTER MAXX 02」は、環境にもおサイフにもやさしいタイヤなんですネ♪

オイルの代わりにしなやか成分としたことで、オイルが抜けることによるゴムの硬化を低減。つまり古くなってもゴムがしなやかで効きが長持ちするっていうこと!

  • 経年による氷上ブレーキ性能の比較グラフ。なんとしなやか成分配合だと、4年経っても従来コンパウンドの1年後と同程度の性能ということがわかる。これはスゴイ!!

  • 先々代のモデル「DSX-2」より1.5倍のライフ性能だったWINTER MAXX 01、それよりも更にライフ性能がアップ!

氷上性能大幅UP!ダンロップ史上No.1

WINTER MAXX 02開発の中心となった住友ゴム工業 タイヤ技術本部 第一技術部 中島 翔さんがWINTER MAXX 02のさらなる魅力を教えてくれた

長〜く使えるようになった「WINTER MAXX 02」。これからスタッドレスタイヤを買おっかナ〜、と思っている方はまずこの長持ち性能=効きの長持ち+減りにくい=長い目で見ると低コストという点で買うべきタイヤってコトになります。が、まだまだあります、新型「WINTER MAXX 02」の強力な魅力が。

そのひとつが、ググッと高まった「氷上性能」です。従来型「WINTER MAXX 01」と比べると、「WINTER MAXX 02」は氷上ブレーキ性能で12%向上、氷上コーナリング性能で3%向上しています。

氷上での制動距離の比較で、従来品のWINTER MAXX 01と比べて12%も短い距離で止まれるWINTER MAXX 02

とりわけ、この「氷上ブレーキ性能12%UP」ってスゴいです! 従来型「WINTER MAXX 01」でもダントツ級の氷上ブレーキ性能がありました。アイスバーンの上でもガッツリと制動。スケートリンクの上だと氷をゴリゴリと削るように静止。「マジかこのタイヤ!」と驚けるレベルの制動能力を発揮してくれました。

それに上乗せして、新型「WINTER MAXX 02」は、12%も氷上ブレーキ性能が向上。実際に履き比べての試走をしても、「あっホントだ、新型のほうがよく止まる!」とわかるくらい性能UPを果たしています。……けど、どうやって?

まずひとつ、ダンロップ独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」により開発された「超密着ナノフィットゴム」の採用です。氷の凸凹に対し、さらに密着度が高くなったゴムが使われているとのこと。

従来型「WINTER MAXX 01」でも、ゴムへのシリカ配合を独自技術で行うことで、きめ細かな「シリカのネットワーク構造」を作っていたそうです。このネットワーク構造はタイヤの剛性を高めつつ凍結路面への密着をさせるもの。一般的なスタッドレスタイヤによく見られる「柔らか過ぎる感じ」「コシの無さ」をなくし、「足元シッカリ感」「走行時の安定感」を実現する大きな要素です。

新型「WINTER MAXX 02」では、このシリカネットワーク構造をより綿密にすることに成功。シリカの分散性を高める新ポリマーを配合し、従来よりもきめ細かく綿密なシリカネットワーク構造を実現したそうです。これにより、タイヤ表面と路面表面がより緻密に密着するようになり、ブレーキ性能の大幅向上につながったとのこと。

「超密着ナノフィットゴム」は、シリカの分散性を上げることで、よりきめ細やかな構造に

シリカが分散したことでより細かな凹凸にも密着でき、グリップ力を向上するとのこと

もうひとつ、タイヤ表面の新しい溝のパターンも、ブレーキ性能向上を支えています。新開発「MAXXグリップパターン」によりエッジ成分を17%増量するなど、凍結路面へのグリップ力を向上。具体的には、ランド比(sea land ratio;タイヤの接地面と溝の面積比)を2%アップさせつつ、サイプのエッジ数も増加させています。コレ、タイヤ表面を見比べると「あっナルホド」とわかりますヨ♪

たとえば従来型「WINTER MAXX 01」と新型「WINTER MAXX 02」のグリップパターンを見比べると、新型「WINTER MAXX 02」のほうが溝が細く、凸部分上のスジが細かくなっています。接地面が増えていて、さらに「氷をひっかいて制動力を高める要素」となる「路面に当たるエッジ」も増えています。こういった要素により、「WINTER MAXX 02」には「さらに強いグリップ力」と「より高い制動能力」が加わったというわけです。

ランド比、つまりトレッドパターンを見たときの溝と接地面の比率で、接地面の比率をアップ。さらにその接地面に刻まれるサイプの数も増やすことで、凍結路面でのグリップを向上している

WINTER MAXX 02のトレッドパターン。左右非対称なのは01同様だが、サイプがより細かくなり、このエッジ効果がアイス性能に効く

これら「超密着ナノフィットゴム」や「MAXXグリップパターン」といった要素は、誰でも「あっホントだ!」と体感できる新型「WINTER MAXX 02」の氷上性能のポイント。「WINTER MAXX 02」を履いたら、知人友人にその性能を体感していただき、おもむろに「オレのWINTER MAXX 02はさぁ〜、素材が超密着ナノフィットゴムだし、表面はホラ、見てこのエッジの多さ、MAXXグリップパターンになってるでしょ、だから最高に氷上性能が高いんだよね〜」などとドヤ顔で解説なさるのも一興かもしれません。

雪上性能やウェット性能、ドライ性能も向上!

ゴムの柔軟さが長期間維持されるようになりつつ、氷上性能の大幅UPも果たした新型「WINTER MAXX 02」。より長〜い期間使えて、しかもその長い間、氷上ブレーキ性能やコーナリング性能がしっかり効果を発揮しているんですから、もう新型「WINTER MAXX 02」購入意欲が絶賛炸裂中のワタクシです。

しかし、まだありました。新型「WINTER MAXX 02」のよさ。雪上性能、ウェット性能、ドライ性能まで向上しているんでした!

まず雪上性能。積もった雪の上、雪をガッチリと掴む(そして溝から落とす)性能ですが、前述の「MAXXグリップパターン」によって性能UPを果たしました。接地面と溝の面積比であるランド比が増え、つまり溝が狭くはなりましたが、そこはダンロップの独自技術。溝の角や交差を増やすことで「雪を掴んで固める力」を高め、結果、雪上での「タイヤが地面を蹴る力」つまりトラクション性能が上がっています。雪道でもグイグイ進むという♪

日々進化するシミュレーション技術により、ランド比を上げつつも雪柱せん断力の高いトレッドパターンで従来以上の雪上性能を実現

また、タイヤの接地面積も増え、乾いた路面の操縦安定性を示すドライ性能も向上。さらに、タイヤ表面主溝が大容量となって排水性が高まったので、濡れた路面やシャーベット路面でのブレーキ・排水性能を示すウェット性能も向上しました。晴れても降っても乾いていても濡れていてもOK、みたいな♪

  • ハンドルを切った状態でもWINTER MAXX 01以上の接地面積を確保。ドライ路面での性能を確保

  • 溝が細くなりつつも主溝は大容積とすることでウエット性能はWINTER MAXX 01比で4%向上

つまりは「全性能がUP」した新型「WINTER MAXX 02」。さすが「ダンロップ史上 最高傑作スタッドレス」と言うだけのことはあります。いや〜それにしても新型になるほどグイグイと性能UPしまくりですな〜「WINTER MAXX」シリーズは。ともあれ、今買うなら絶対、新型「WINTER MAXX 02」。これから買うのでも、買い替えでも、新型「WINTER MAXX 02」をゼヒ、チェックしてみてください。

って、タイヤのチェックって難しいですよね。見たり触ったりしても、タイヤはタイヤで、ゴムだし、性能まではわからないですよネ。というわけで、次回は実際に新型「WINTER MAXX 02」を履いての北海道雪道試走のレポートをお送りしますので、お楽しみに〜♪

※記事内の従来品との比較数値についての詳細はダンロップのホームページ・カタログにてご参照ください。

後編では実際に北海道の街中で走ったレビューをお届けします!!

後編はこちら