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ダンロップ、氷上ブレーキ性能12%アップの新型スタッドレスタイヤ「ウインター マックス 02」発表会&試走会
スケートリンクでの氷上走行で“密着度20%向上”を体感
2016年7月5日 20:49
- 2016年7月4日 開催
ダンロップ(住友ゴム工業)は、8月1日から順次発売する新型スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02(ウインター マックス ゼロツー)」の記者発表会を東京都立川市のパレスホテル立川で開催。続いて新しいウインター マックス 02が持つ氷上性能を体感できる試走会を東京都東大和市の東大和スケートセンターで実施した。
新しいウインター マックス 02は、2012年に発売されたウインター マックス 01から始まるウインター マックスシリーズが共通して持つ高い氷上性能とロングライフ性能に加え、新しく「スタッドレスタイヤとしての性能」を長期間にわたって保つ「効きの長持ち」を製品特性にプラス。ロングライフ性能と効きの長持ちを組み合わせ、新たに「ロングパフォーマンス」を製品キーワードとしてアピールしている。
発売サイズは91サイズで、価格はオープンプライス。詳細なサイズ表などは製品発表時の関連記事を参照していただきたい。
新採用した2つの特許技術で“ダンロップ史上最高傑作スタッドレス”を実現
パレスホテル立川で開催された記者発表会では、まず、住友ゴム工業 代表取締役 専務執行役員の西実氏が登壇。
「私どもは1982年からスタッドレスタイヤの販売を開始しております。冬の性能、とくに氷上性能について向上を図ってまいりました。そして2012年に“ダンロップ史上最高の氷上性能”と、お客さまが大変重視されているライフ、長持ち性能の両立を果たした『ウインター マックス 01』を上市いたしました。おかげさまで大変好調に推移して4年が経過しました。この『ウインター マックス 02』は、01をさらに超えるべく、冬性能、氷上性能を向上させ、そして新しい長持ちの概念として、ライフだけでなく冬性能も長持ちするというコンセプトで開発しました。この理由については技術陣が解説いたしますが、私自身、非常に満足できる仕上がりとなっていますので、午後からのスケートリンクでの試乗で十分に御体感いただければと思います」と語った。
新商品の技術解説は、住友ゴム工業 第一技術部の中島翔氏が担当。中島氏は2012年にデビューしたウインター マックス 01に続き、SUV用の「ウインター マックス SJ8」、商用車用の「ウインター マックス SV 01」、タクシー用の「ウインター マックス TS-01」などをラインアップするウインター マックスシリーズの歴史について紹介したあと、ウインター マックスシリーズが氷上性能に加えてロングライフ性能という特徴を持つことを再アピール。また、幅広い車種に対応してユーザーから好評を得たと語った。
新製品であるウインター マックス 02の開発にあたり、ユーザーニーズを探るため市場調査を実施。その結果、「氷上性能が高いこと」「ゴムが減りにくいこと」「氷上性能が落ちにくいこと」「雪上性能が高いこと」といった4点が重視されるポイントとしてクローズアップされ、このなかでウインター マックス 01がまだ持っていない、凍結路面から積雪路まで高性能が長く持続するタイヤに進化することが望まれていると分析して、そんな声に応えるために生み出されたのが“ダンロップ史上最高傑作スタッドレスタイヤ”のウインター マックス 02であるとした。
ユーザーが求める4要素を高いレベルで実現したウインター マックス 02では、新たに追加した「効きの長持ち」を表現するため、ロングライフ性能と合わせて「ロングパフォーマンス」というアイコンを新設した。
ウインター マックス 02が持つ4要素を実現するキー技術として、中島氏は独自の特許技術である「超密着ナノフィットゴム」「MAXXグリップパターン」の2つを紹介。超密着ナノフィットゴムでは、従来品のウインター マックス 01から使っているシリカをゴム内部にさらに分散させるため新ポリマーを採用。凍結路面の表面にある目視では判別できないほど微細な凹凸にゴムが柔軟に対応して、路面とゴムが密着するポイントを増やして路面上の水分を押し出し、微細領域での密着度をウインター マックス 01から20%向上させている。
MAXXグリップパターンでは、ウインター マックス 01にも採用している「MAXXシャープエッジ」のサイピングを17%増やし、トレッド面のランド比を2%アップ。タイヤに荷重が加えられて変形したときに氷をひっかくエッジ成分を増加させて凍結路面でのグリップ力を高めている。
これにより、氷上性能では、ブレーキ性能でウインター マックス 01と比較して12%短い制動距離となり、社内テストでは20km/hからのフルブレーキングで約1.5m手前で停車する結果になったという。さらにコーナーリングでも、直径8.5mのRで旋回したときのタイム差でウインター マックス 01比で3%の向上となっているというデータが紹介された。これにより、さらに止まりやすく、コーナーリングでもふくらみにくいことでユーザーにさらなる安全を提供できると説明している。
こうした新品時の性能強化に加え、ウインター マックス 02で新たに加わった効きの長持ちという性能は、スタッドレスタイヤの特徴であるゴムの柔らかさが低下しないよう維持し続けることで実現。タイヤのゴムが硬くなるのはコンパウンドに含まれている軟化剤のオイルが走行時の熱や圧力の影響でゴム内部から抜け出てしまうことが原因であるという。こうした経年変化を抑制するため、ウインター マックス 02では新しい軟化剤である「しなやか成分」を採用。2015年に発表した「エナセーブ 100」の開発中に培ったバイオマス技術で生み出した高性能バイオマス材料であるしなやか成分は、コンパウンド内のポリマーと結合することで走行時に熱や圧力が加えられてもタイヤ内に止まり、使用年数が経過していってもゴムの柔軟性を保ってくれる。
この効果により、12%向上したというウインター マックス 02の氷上ブレーキ性能が、約2年の経過後(社内テストでは劣化促進で再現)にも使用開始時のウインター マックス 01以上のレベルで維持されるとしている。
このほか、MAXXグリップパターンは雪上走行時の「雪柱せん断力分布」(溝が雪を掴んで踏み固める力)を、角や交差点部分を増やして高める効果も生み出している。
一定したステアリングの手応えと高まるエンジン音で氷上性能の向上を体感
東大和スケートセンターに会場を移して実施された試走会では、同仕様のフォルクスワーゲン「ゴルフ」2台にウインター マックス 01とウインター マックス 02をそれぞれ装着。スケートリンク上に設定された直線コースでの「発進・ブレーキ体感」、左折から切り返し走行を行なう「スラローム体感」の2種類で氷上性能の違いをチェックすることができた。
どちらも3周を走り、ウインター マックス 01装着車でも必要十分と感じるほどしっかりと加速し、ABSを効かせて停車し、右に左にステアリングを操作していけることを確認したが、続いて乗り替えたウインター マックス 02装着車は、スタート位置までのほんのちょっとした移動でもステアリングの手応えに変化を感じる。ウインター マックス 01は切り始めの最初で手応えが軽い瞬間があったが、ウインター マックス 02になると力の入れ始めから一定の手応えがステアリングから伝わってくる。発進でもウインター マックス 02はタイヤが空転する感覚があまりないので、自然とアクセルを踏み込んでいってエンジン音が高まる感覚が耳に残った。
スラロームでも乗り比べて体感すると、ウインター マックス 01はステアリングの切り始めで直進方向に進んでいく傾向を感じて、ついステアリングの操作量が増えすぎてしまうが、ウインター マックス 02ではていねいな操作を心がけていれば、ステアリングに一定の手応えを感じつつパイロンで設定されたコースの中央を走り続けられる。もちろん、気を抜いてスパッとステアリングを動かすと、とたんにアンダーステアになるのは低μ路のセオリーどおりだが、緩やかな速度と操作を維持しているとウインター マックス 02は運転していて不安を感じる瞬間がほとんどないことが印象的だった。
試走する前後にもほかの取材陣の運転を見学していたが、同じように発進でタイヤが空転している状態でも、ウインター マックス 02は空転する速さがゆっくりで、滑ってから次にグリップするまでが短く、粘り強く凍結路面を捉えているように感じた。なお、ウインター マックス 02の大きな進化ポイントとなっている氷上ブレーキ性能や氷上コーナーリングについては、会場で撮影した動画でも紹介する予定なので、こちらでもご確認いただきたい。