知人友人から「純正じゃないカーナビゲーションシステム(以下、カーナビ)を使いたいんだけど、何かオススメある?」と聞かれたら、私は真っ先にパイオニアのサイバーナビシリーズをオススメする。サイバーナビは私が唯一使い込んだ純正以外のカーナビであり、高性能であることは私が身をもって体験している。安心して人に勧められるカーナビだと私は確信している。

が、しかし。時の流れは残酷なもので、諸事情あってサイバーナビから離れて数年。もちろんCar Watchの記事はチェックしているし、たまにデモカーなどで使ったりもするがそれだけだ。果たして今の、最新のサイバーナビはどうなっているのか? そのあたりはやはり実際に使って体感したいものである。

いやいや実はですね、そろそろCar Watchから連絡が入ることは分かっていたのですよ。まずはこちらの記事(パイオニア、新型サイバーナビや新型ドラレコを発表した「2018 カロッツェリア新商品説明会」)をご覧ください。

そう、2018年の新製品説明会があって、そこで新型のサイバーナビも発表されたのだ。新型が登場したということは、誰かがそれをレポートすることになる。そしてサイバーナビと言えばあなた、やはり私でしょう! ということでしばらく待っていたら来ましたよ、Car Watchから連絡が! もちろん内容は新しいサイバーナビに関してである。これは楽しいことになって来ましたよ……。

スマートフォンアプリとシームレスな連携!

しらす丼です、しらす丼! Car Watchからの用件はもちろんのこと新サイバーナビに関して。これを実際に使ってみて、その上でレポートを書いて欲しいというもの。私にとっては願ったり叶ったりの仕事な訳で、二つ返事で引き受ける。もちろんカーナビの試用なのでちょっとした小旅行の雰囲気で、新サイバーナビを搭載したデモカーを走らせる。と、ここまではいい。では実際にどこへ行くのかというと「しらす丼を食べに行く!」というのだ。しらす丼?

何でも静岡県静岡市にそれはもう美味しいしらす丼(漁があれば生しらす丼、なければ釜揚げしたしらす丼が食べられるらしい)を出してくれるお店があるそうな。Car Watch営業氏(きしめん一杯を6口で平らげる食いしん坊)のイチオシらしく、距離的にもいい感じなのでそこが最初の目的地となったらしい。ならばよろしい! そのイチオシ生しらす丼を食べに行こうではないか! という感じで試乗当日、デモカーのあるパイオニアではなく、まずは千代田区神保町にあるインプレスに集合する。

さて、ここで新サイバーナビの特長その1が登場する。MapFanと言えば日本を代表する地図サービスだが新サイバーナビは「MapFanAssist」というスマホ(iPhone含む)用アプリ、あるいはWebサービスのMapFanサイトと高度な連携が可能なのである。

つまり、今回のようにクルマが離れた場所にあるような場合であっても、手元のスマホを使って目的地を探したり、設定したりできるというわけだ。新サイバーナビではこのMapFanAssistとの連携機能を「MapFanコネクト」と呼んでいる。

例えば今回の小旅行では生しらす丼を食べに、静岡県静岡市駿河区高松にある「ヒシダイ大石商店」さんへ向かう。Car Watch営業氏はGoogleマップやWebページをスマホで私に見せながら、いかに生しらす丼が素晴らしいものであるかを熱弁する。

明らかに表情が作り物ですね。スマホの「MapFanAssist」を見ながら、生しらす丼計画の打ち合わせ中です

そしてこの時がスマホアプリのMapFanAssistの出番。クルマに乗ることなく、インプレスにいながらにしてパイオニアに置いてあるデモカーの目的地設定ができるのだ。

目的地は近くのスポットなどをMapFanAssist自体で検索することもできるし、スマホのブラウザーで検索したWebサイトのURLや、SNSなどに登場した名称、住所などを簡単操作でMapFanAssistに送ることもできる。探し出したスポットは「目的地予約」や「ブックマーク」として登録することでクラウド上にアップされ、次回、新サイバーナビを起動した時に、通信で自動的にサイバーナビへと転送される。「目的地予約」してあればそのまま目的地として設定されるし、ブックマークしたスポットは、サイバーナビの中の「スポットフォルダ」へと登録される。「スポットフォルダ」は開くたびに最新の状態に更新されるので、例えば運転中であっても、同乗者がMapFanAssistで検索したブックマークを送るといった使い方もできる。

最初の目的地である「ヒシダイ大石商店」さんをブックマーク登録する。もちろん登録内容は新サイバーナビに転送される

「おでかけプラン」をスマホで作成、新サイバーナビに転送して使うことも可能

もっと具体的にスマホのスクショで見ていこう。まずは「生しらす丼 静岡」をGoogleマップで検索。「大石しらす店」を発見、星4つとは高評価、よし、ここに行こう!

ホームページを見ると、ますます行きたくなる。正式名称は「ヒシダイ大石商店」だと判明

 

ここでメニューから「共有」を実行する

共有の中に「MapFanAssist」を発見、ここに登録するとMapFanコネクトを介して新サイバーナビと共有される

 

MapFanAssist上で見る。目的地予約、あるいはブックマークできる

目的地予約してみた

今回の場合は、そのまますぐに目的地として出発したが、例えばMapFanAssistで今週末のドライブプランなどを事前に組んでおくことも可能だ。このドライブプランもよくできていて、例えば目的地に到着したい時刻から、予想される渋滞も踏まえての出発すべき時刻を調べることができる。たとえば友達を何人かピックアップして旅行に出かける時などに便利な機能だろう。もちろん組み立てたドライブプランはクラウド経由で新サイバーナビに送ることが可能だ。

話を元に戻そう。目的地は決まった。ならば出発しようということで、新サイバーナビが搭載されたデモカーのあるパイオニア本社へ向かう。

が、インプレスから外へ出て多少困惑する。夜半から降り続いてた雨が、どんどんひどくなっているのだ。パイオニア本社に到着しても雨は勢いを増すばかり。Car Watch営業氏が皆を元気づけるために言う「昼からは晴れますから! 西から晴れますから!」という言葉が虚しく響く。

それでも小旅行はスタートするのである。目的地を設定したスマホを手にデモカーであるトヨタのハリアー(タイヤが太いこと太いこと)を始動すると、スマホから目的地が新サイバーナビに転送された! 最近のサイバーナビはクラウドを使ったルート探索ができる。カロッツェリア独自のサーバーにアクセス、数千を超えるルートから、ドライバーの理想に近い6つのルートを提案する。それが「スーパールート探索」、もちろん今回はそのトップのオススメルートを選んでみる。

新サイバーナビのHOMEメニュー画面。この画面も自分好みにカスタマイズできる

初めてこの機能を見た時は、かなり感動する。スマホで設定した目的地が自動的に読み込まれているのだ

表示されたルート。もちろんスーパールート探索(後述)で行く!

発進! 無理矢理笑顔のおっさん!(理由、大雨)

スーパールート探索の勝利! そして生しらす丼は……

私が他人にサイバーナビを勧める理由、その第一が「ルート探索の確かさ」である。今まで純正、純正以外、さまざまなカーナビを使ってきたが、ルート探索に関して言えばサイバーナビは最高レベルにある。サイバーナビで探索されたルートを走って後悔したことはほとんどないし「しまった! これじゃない!」と思ったルートであっても、後から考えると「あれが正解だったんだ」と思い直したこともあった。

サイバーナビというかカロッツェリアにはスマートループ、そしてプローブにより10年以上に渡って蓄積された膨大なデータがある。天候や曜日、時間によって変化する渋滞の傾向と、それに加えてリアルタイムな交通情報はまさにビッグデータそのもの、そこにアクセスしてカーナビ単体では実現不可能なデータ解析と演算を行ってルート探索をする。しかもETCの時間帯による割引も踏まえて、コストと時間のバランスを取った効率のよいルートを提案してくれるのだ。しかもそういった作業は新サイバーナビが自動でやってくれるので、ドライバーは提案されたルートから自分に合っているものを選べばいいだけだ。

もちろんサーバーにアクセスして行うルート探索は、ネット接続が前提となる。ネット接続がない場合は新サイバーナビ単体でのルート探索となるが、それでもローカルで持っている過去の渋滞の傾向などを考慮したドライバーニーズに応えるルートを提案してくれる。だが、ETCの料金を踏まえた探索などはできないし、やっぱりサーバーと通信を行うルート探索はスゴいのだ。

今回のロケでは、本当に偶然からスーパールート探索のスゴさを私自身体験することとなった。話はデモカーで出発するところまで遡る。スマホから目的地を受け取った新サイバーナビはサーバーにアクセス、6つのルートを提案してくる。ここでは1番目のオススメルートを選んだのだが、東京都心部から静岡方面となれば、仮にカーナビがなくても首都高を使って東名高速に入るというルートを思い浮かべる。もちろん新サイバーナビの提案するルートもそうだった。

ところがっ! 大雨の影響なのか首都高走行中に渋滞が発生、新サイバーナビはサーバーと通信をしながらリアルタイムにルート探索を行っている。前方に渋滞があるとなると時間、そして高速料金などのコストを勘案してバランスのよいルートを提案してくれる。大ざっぱに言ってしまうと、例えば「少しだけ割高になるけどこっちの方が早い」といったような提案がなされるのだ。

ちょうど首都高の渋谷出口手前まで来たデモカーだったが、前方に深刻な渋滞を発見した新サイバーナビは「首都高を降りて一般道を走行して渋滞回避、また首都高に乗りましょう」と提案してきたのだ! それも渋谷で降りて次の池尻入口で入るという、首都高わずか1区間のスルーである。うーん、なんて大胆スーパールート探索。でも面白い、そのとおりやってみましょうか。

我々は私とスタッフが乗車するデモカー、そしてカメラマンとスタッフが乗車する伴走車の2台で目的地を目指していた。伴走車は純正カーナビだったが、示したルートはほぼ同じ。しかも首都高では我々よりも少し前を走っていた。そこで伴走車に連絡を入れ、我々はスーパールート探索に従って渋谷で首都高を降りるが、そちらは降りずに首都高から東名高速というルートで走って欲しい。これでどちらが先に静岡IC(インターチェンジ)に到着するのか見てみようというのである。

結果、我々の方が早く静岡ICに到着した。なんのことはない首都高1区間で我々が伴走車を追い越し、後は両車両とも普通に走ったので順当に我々が先だったということ。首都高をいったん降りてまた乗り直すとコストはかかるが、それだけ早く目的地に到着する。この判断をズバリと決めたスーパールート探索、いや本当に驚かされた(スタッフ一同)。

パイオニア本社を出発、ナビの画面上ではこうなっている。左上の「SUPER」に注目、もちろんスーパールート探索という意味

渋谷~池尻で渋滞が発生!!

スーパールート探索が渋滞を考慮した新ルートを提案してくれる。渋谷~池尻間だけ一般道を走るという大胆なルートだがここはスーパールート探索を信じて新ルート

渋谷ランプで首都高を降りて……

降りた!

目指すは池尻ランプ! わずか1区間をパスする!

池尻で首都高に戻る!

これはカメラマンの乗る伴走車から撮影。後ろを走っていた我々が、あの一区間で先着してしまった

朝から降り続いた雨だったが、静岡が近づいてくると晴れ間も見え始め、やがて気持ちがいいぐらいの晴天となる。Car Watch営業氏が言ったことは正しかったようだ。高速を降りてゆっくり新サイバーナビの指示に従ってデモカーを走らせると、目的地であるヒシダイ大石商店さんの「どんぶり工房」が見えてきた。が、ここで驚愕の事実が……。

「生しらす丼が食べられるどんぶり工房さん、本日は休業!」

あー、やっぱり。夜半からの激しい雨だったのだから、漁に出られるはずもない。漁に出なければ生しらすはないし、朝からしばらく雨が続いたので休業にしたとのこと。朝から天気がよければ、もしかしたらゆでしらす丼、あるいはまぐろづけ丼(ゆでしらすとまぐろづけの二色丼)が食べられたかも知れないのに……残念!

到着、ヒシダイ大石商店さん! しらす! 桜えび!

隣接してどんぶり工房がある

店内でお土産を物色するおっさん

しらす! しらすがそこにっ!

しかし捨てる神あれば拾う神あり。我々を拾ってくれたのは大石商店さんの大将。せっかく取材に来たのだからと、ご厚意でゆでしらすとまぐろづけの二色丼(税込み700円)を作ってくれました。感謝感激雨あられ……雨はもういいです。その二色丼のなんと美味しいことか。ゆでしらす(釜揚げしらす)もまぐろづけも、生臭さなど一切なくしらすに関して言えば甘い。これは生しらす食べたくなるわ……今日はないけど。

我々のために急きょ二色丼を作ってくれた大将、ありがとうございました!

桜えびも少し盛ってもらったが、メインはゆでしらす(釜揚げしらす)とまぐろづけ。味噌汁もセットになる。最高です

幸せそうに見えますが、幸せです

ちなみに余談だが大石商店がなぜどんぶり工房を開いたかというと「美味しい生しらすを味わって欲しい」から。そもそも大石商店さんは駿河湾で捕れたしらす、桜えび、あじなどを加工して販売する商店。実際、リアルな店舗もあってズラリと美味しそうな乾物、釜揚げしらすなどが並んでいる(しらすと桜えびは特に)。そちらも店舗販売、通販共に大人気なのだが、せっかくなら生しらすを多くの人に味わって欲しいということなのだ。

さらにさらに余談(新サイバーナビどこいった)だが、大石商店さんはもともと漁師であり、その中にしらす漁も入っている。通常、しらす漁は2隻の漁船で網を引いて漁をし、漁がすべて終えてから帰港・水揚げする。だがこちらの場合は2隻プラス1隻の体制で出漁し、しらすが捕れたらすぐに残りの1隻で水揚げするのだという。これがどんぶり工場で新鮮な生しらす丼が出せて、しかもそれが別格の美味しさの訳なのだそうだ。そしてここだけの話、安い! あの鮮度が抜群な生しらす丼が600円というのは、やはり漁師さん直営だからなのだろう。

ヒシダイ大石商店さん、新サイバーナビにしっかりブックマークしてあります。今度必ず生しらす丼を食べに来ます。ありがとうございました!

時代はハイレゾ! でもまだハイレゾ音源あんまり持ってないし……

今回乗ったクルマはパイオニアのデモカー、サウンド環境に関してもキチンとセッティングされているのは当たり前。だが、例えば私が持ち込んだサウンドソースを再生するのは、あくまで新サイバーナビである。そこで楽しみにしていたのが、ハイレゾ音源への対応である。実は今回、これを試したくてまったく同じノラ・ジョーンズのアルバム、圧縮音源とハイレゾ音源を某メディアプレイヤーに仕込んで持ち込んだのだ。

おっさん、持ち込みのメディアプレイヤーを操作するの図。もちろんハイレゾ対応プレイヤーで、それをUSB経由で新サイバーナビに接続

メディアプレイヤーをUSBで新サイバーナビに接続、USBメモリメディアと認識させる。で、圧縮音源の方はMP3形式で192kbps、ハイレゾ音源の方はFLAC形式で192kHz/24bitというもの。同じアルバム、同じ楽曲を聴き比べてみる。ああ、あれだ、中年男性のモスキートノイズに鈍感になった耳でも一発で違いが分かるレベルである。

圧縮音源はMP3形式。それでも素晴らしいサウンドなのだが、圧縮音源をもっとクオリティ高く聴く方法がある(後述)

Hi-Res(ハイレゾ)マーク表示! 女性ボーカルの繊細さを感じられる音の解像度!(と、らしく書いてみた)

さて、気になるのは事前に聞いていた「CD音源や圧縮音源もハイレゾ化」という機能だ。「マスターサウンドリバイブ」という特許出願中の技術というのだが、これが結構スゴいのである。要するにCD音源や圧縮音源をリアルタイムで解析し、周波数帯域と量子化ビット深度を拡張、CD音源や圧縮音源を96kHz/24bitのハイレゾ音源相当で再生するのだという。

さっそくHi-Res試聴の時に試用したMP3の圧縮音源を再生し、「マスターサウンドリバイブ」の設定を変更する。「MODE1」はCD音源や圧縮率の低い音源用で、「MODE2」がMP3など圧縮率の高い音源用とのこと。まずは「OFF」の状態で聴いてから、「MODE2」を選んでみる……いや、これは確かに違う。念のため「MODE1」も使ってみたが、明らかに音が変化する。高圧縮音源では「MODE2」が適正なのだろうが、ここは両方のモードを聴き比べるのが面白いと思う。

「マスターサウンドリバイブ」の仕組み。なるほど……?……これは聴いてみた方が早いな……

CD音源や圧縮率の低い音源なら「MODE1」がオススメ。「MODE2」は圧縮率の高いMP3形式などに適している

なお、クルマでいい音を楽しむにはセッティングが重要になってくる。運転席重視なのか、前席重視なのか、はたまた全席重視なのか。その違いでタイムアライメントは変化するし、車内の状況によって、あるいは自分が聴きたい音楽のジャンルによってイコライザーのセッティングも変化する。そんなセッティングについても、プロでも納得の細かなセッティングができるのがサイバーナビのスゴいところ。

自分でセッティングを詰めて行くのも楽しい作業である

「セッティングって言われても……」とか思うあなたにオススメなのは「車種専用エキスパートチューニングデータ(MapFanオンラインストアで6月上旬発売予定)」の購入だ。これはカロッツェリアのプロフェッショナル「Expert Tuningチーム」が車種ごとに専用のセッティングを行ったデータ。これを新サイバーナビにインストールするだけで新サイバーナビのオーディオは「メーカーがあなたの車種専用にセットアップした」状態になる。運良くあなたのクルマ(車種)用データがあるなら、下記より購入することができる。また、車種が対応していない場合は、オプションのマイクを使って自動でセッティングしてくれる「オートタイムアライメント&オートイコライザー」もオススメだ。いい音のためのひと手間、これはぜひやってみて欲しい。

楽しい旅は楽しい音楽から!

都心から静岡県静岡市、駿河区高松にあるヒシダイ大石商店さんまで東名高速を使って約190km。途中休憩も入れると約3時間のドライブである。新サイバーナビを搭載したハリアーには私も含めておっさんが4人、新サイバーナビの話では盛り上がるものの、趣味趣向が分からない者同士ほかの話題がなかなか出ない。ある意味これは「初デートドライブのカップル現象」に近いのではなかろうか!(実際はおっさん4人ですが)

そんな時こそ、そんな時こそ! 「ミュージッククルーズチャンネル」の出番である! 「ミュージッククルーズチャンネル」というのは株式会社レコチョクの音楽ストリーミングサービス「レコチョク Best ライトプラン」からパイオニアが楽曲やチャンネルを入手、オリジナルに編成を行って提供しているものだ。基本的には「月額300円(税別)」の有料サービスだが、新サイバーナビを購入すると自動的に「レコチョク Best ライトプラン使用権最大3ヶ月分」がついているので、初回使用日から最大3ヶ月は無料で楽しめる(有効期限は2019年9月末)。

これがまあとにかく多機能で面白い存在なのだが、「ミュージッククルーズチャンネル」に用意されたチャンネルに注目して欲しい。各チャンネルにはそれぞれタイトルに合わせた楽曲が含まれているのだが、表示されるチャンネルは「AUTO」もしくは「MANUAL」で選択することになる。ただし基本的にはドライブ中の時間帯、目的地、クルマがどこにいるかを解析してチャンネルが用意されるのだ。

例えば試乗当日は4月25日(この日付重要)、午前中に激しく降っていた雨は嘘のように消え去り、素晴らしい晴天が広がった。で、チャンネルのタイトルを見ると「よく晴れた日に」というのがあり、そんな気分の楽曲を楽しむことができる……ちょっと待って、待って! リストの中に「LIVE 新入社員のファーストペイデー」っていうのがあるんですけど! 「本日は、うれしはずかし?初任給の日!」ってあるんですけど! GReeeeNの「ハイタッチ!!!!」とか楽曲入ってるんですけど! このチャンネル考えた人と小一時間ほど話がしたくなった高橋である。

「ミュージッククルーズチャンネル」の一例。午後から快晴になったので「よく晴れた日に」がある

ちょっと待てぇぇぇ! 「新入社員のファーストペイデー」ってなんですかぁぁぁ!

そりゃ初任給もらってハイタッチしたくなる気持ちも分かるのだけど……

以前、「ミュージッククルーズチャンネル」を初めて搭載したサイバーナビの説明会で、パイオニアの人が「この機能には新しい楽曲との出会いがあるんです」と言っていた。確かに「ミュージッククルーズチャンネル」ではチャンネルを選択する訳で、楽曲を選ぶのではない。なのでチャンネルの中には今まで聴いたことがないアーティスト、そして楽曲があるはずだ。「あ、この曲いいな」と思える瞬間が、新しい音楽との出会いだと思う。

このほかにも音楽だけでなくマルチメディアを楽しむ機能が新サイバーナビにはいろいろと用意されている。中でも面白いと思ったのは、歌詞をスマホなどに表示する機能。要するにスマホに歌詞を表示して、カラオケ感覚で熱唱しようという話だ。ロングドライブには格好の機能だが、状況によっては車内が阿鼻叫喚の地獄絵図になる可能性もある。

また、新サイバーナビでは「リアエンタテインメント」というテーマのもと、後部座席の同乗者もマルチメディアを楽しめる機能を提供している。まあ、リアモニターを追加してこその機能だが、家族でドライブといった時には絶対確実に役立つだろう(ヒマを持て余した子供に好きなアニメを見せるの術とか)。

ちなみにここでもスマホと連動する機能「リアスマートコマンダー」というのがある。これはスマホに専用アプリ「リアスマートコマンダー」をインストールすることで、リアシートから音楽や映像をコントロールできるようにするものだ。車内全体をエンタテインメント空間にしようというなら、リアモニターの導入もぜひ考えて欲しい。

歌詞をスマホに表示して歌えば、車内の雰囲気もグッと盛り上がるだろう。リアモニターを搭載した際には、そこに歌詞を表示することも可能だ

リアモニター(プライベートモニター)を新サイバーナビと連携させ「リアエンタテインメント」を実現する。ちなみに写真のモデルはTVM-PW1000。これがイルミネーション機能まで搭載した優れもの

温泉でひと休みしてから帰路につく

大将のご厚意で美味しい二色丼にもありつき大満足。ここで次の目的地である温泉へと向かうはずたったのに、突然何を思ったのかCar Watch編集氏が「海岸へ行こう」と言い出す。話を聞いてみると「海沿いに来た証拠写真、その海が荒れているという証拠写真が欲しい」とのこと。こちらとしては「はぁ?」な訳だが、スタッフの皆さんも面白がっているようなので仕方なく同意する。

この記事でもっとも需要のない写真。荒海をバックに、次の目的地を吟味するおっさん

どうも私を使って遊んでいるようにしか思えないのだが……。本当にこんな写真が必要か?

とりあえず荒れた海の写真は撮れたので(本当に大荒れ、到着した当初は海の色が茶色くなっていたほど)、次の目的地である「天下泰平の湯すんぷ夢ひろば-大江戸温泉物語(以下、大江戸温泉物語)」へと向かう。シミュレーションとしては朝に東京を出発して正午ぐらいにヒシダイ大石商店さんに到着、昼食に生しらす丼をいただく。そして近場にある温泉でゆっくりしてから東名高速が混雑する前に東京へ戻るという流れだ。

まあ取材なので先に目的地である温泉は決めていたのだが、シミュレーションということでMapFanAssistを使って検索した場合はどうなるかを紹介しておきたい。といっても話は簡単、周辺からカテゴリを選んで検索し、リストから任意のスポットを選べばいいだけなのだ。

検索の「周辺から探す」でカテゴリを選ぶ

表示された候補から任意のスポットを選ぶ。ここでは大江戸温泉物語を選んだとする

 

マップに表示されるので目的地予約、あるいはブックマークする

ここでは予約したのでこのようなメッセージが表示される。新サイバーナビが起動すると、この予約を自動的に受け取ってくれる

大江戸温泉物語は、静岡県静岡市駿河区古宿にある。ヒシダイ大石商店さんからはクルマで15分ほど、海岸線に沿って国道150号を走ることになる。そんなシチュエーションだと「ミュージッククルーズチャンネル」が活躍してくれそうだ。音楽を楽しみつつのんびりデモカーを走らせていると、すぐに大江戸温泉物語に到着する。クルマで来ることが前提の施設なため、駐車場はかなり広々している。

海沿いの国道をひた走るおっさん。といっても15分もあれば大江戸温泉物語に到着するのだが

ここの面白いところは温泉施設として入浴設備が充実しているのは当然なのだが、隣接して興味深いアクティビティがあること。施設外に飲食店があるというのも楽しいが、なんとすぐそばにサバイバルゲーム施設「Hot Springs」とレンタルカート場「Sunpu Marina Karting」があるのだ。

レンタルカートは広い駐車場に隣接しており、かなりスピードも出ていて楽しそうだった。サバイバルゲームの方は取材当日お休みだったのだが、スタッフさんのご厚意(今回の取材は皆さんのご厚意に助けられました)で中を見学させてもらった。通常、サバイバルゲームというとBB弾という樹脂などでできた弾をトイガンで撃ち合うものなのだが、こちらの場合は赤外線による撃ち合いになる。

このため装備も簡易なものでいいし、誰でも安全に楽しむことができるのだという。女性、子供大歓迎、屋外と室内にフィールド(戦場)があってサバイバルゲームを気軽に楽しめるようになっている。サバイバルゲームをプレイして一汗かいてから温泉、そして食事という流れは楽しそうだ。あるいは帰る前にレンタルカートでひとっ走りするとか。

駐車場にデモカーを駐め、赤い架け橋を渡った先に大江戸温泉物語のメイン施設がある。面白い造りだ

ま、お約束ということで(なんだか合成感あるな)

一般のお客さんもいるので浴場内の撮影は不可。という訳でお土産を物色しているおっさんの図

サバイバルゲーム施設発見! お休みの時もあるので、事前に営業日時を確認しておくといい

楽しめそうな雰囲気の野外フィールド。装備は全部レンタルできるので、身体一つで遊びに行ける

実はこの施設のトイガン、赤外線を使って当たり判定を行う。弾が出ないので安心安全、誰でもサバイバルゲームを楽しめるのだ

一部方面では絶大な人気を誇るP90にシステムが組み込まれている。室内フィールドも完備されていて雨が降っても遊べるようだ

さて、それじゃあ帰ろうか……という時、とんでもなく広い駐車場あるあるが「はて、どこに駐めたっけ?」。あるいは初めて訪れた観光地あるあるが「はて、そもそも駐車場どこだっけ?」。これね、これ。私はこれを初めて取材に行った都心部ビル街でやらかして半泣きになった苦い思い出がある。実はこれ、新サイバーナビとMapFanAssistのコンビがあれば、まったく心配ないのだ。

MapFanAssistには「マイカーシーク」という機能があって、クルマと自分の位置関係をマップ上で確認できる。なので東京ドーム数個分クラスの駐車場であっても、初めての観光地でもクルマの場所を見失うということはなくなる。駐車している時だけでなく、走行中もどこを走っているのか確認することができる。たとえば奥さんに迎えに来てもらう時など、いまどの辺まで来ているかが確認できるし、あるいは運悪くクルマが盗難にあったとしても、状況によっては場所を割り出したりすることができるのだ。

「マイカーシーク」を実際に使ってみた。ドライバーは大江戸温泉物語の施設内にいて、デモカーは橋を渡った先の駐車場にある

これはマイカーシーク機能をテストした際の画面。サイバーナビを搭載したデモカーが私のいるところに向かっていてあと2.3kmのところだということがわかる

インプレスの駐車場にデモカーが近づいてくる様子。サイバーナビの自車位置情報を使うためこんなにも高い精度で追跡できる

大江戸温泉物語を後にしたデモカーは一路東京を目指した訳だが、当然のようにコンビニやガソリンスタンドへ寄ったりする訳だ。そんな時も新サイバーナビは便利、近くにある施設としてそれらを探せるのはもうお馴染みの機能だろう。さらに営業時間が登録されているスポットに関しては、営業時間外だとアイコンにシャッターが降りたエフェクトが出て一目でわかるようになっている。さらに新サイバーナビでは地図上のアイコンで駐車場の有無まで分かるようになった。

近くの施設を検索、コンビニへ寄ろう

コンビニのアイコンをよく見ると「P」、すなわち駐車場の情報が追加されていることがわかる

車外では「スマホと新サイバーナビ」、車内では「新サイバーナビとスマホ」

最近は情報端末と言えばスマホ、スマホがあればほかは何もいらないという風潮が強い。確かにスマホは便利な存在だし、PC関連の人間である私も今やスマホは手放せない。調べる、見る、聴く、そしてコミュニケーション。そして「カーナビもスマホで充分」といった意見を耳にすることもある。

だが、ちょっと待って欲しい。情報端末の王者であるスマホにも弱点があるのだ。コンパクトなスマホは画面サイズも小さくなる。バッテリーだけでGPSや高度な機能を使い続けると、利用可能時間が短くなる(モバイルバッテリーという手もあるが)。そしてカーナビとして使用する場合には、自車の位置の把握がどうしてもカーナビよりは劣ってくる。トンネルなどでGPSを見失った時や、移動スピードの影響といったことだ。

なので私はカーナビゲーションはそれ専用のカーナビに任せた方がいいと思っている。蓄積された交通データを高度な演算処理で解析して提示されるルート、GPS精度は最高レベル、そしてクルマとの連動性。ナビゲーションという点において、カーナビは手放せない存在だと思う。さらに新サイバーナビの場合は、カーナビゲーションに加えてエンターテインメントという要素、主にオーディオが加わってくる。カロッツェリアという揺るぎないノウハウと技術が新サイバーナビには注ぎ込まれている。システムアップして行けば行くほど、そのサウンドは高い次元へと進化する。

さて、ここでもう一度「だが」を使わせてもらおう。だが、それでもスマホは便利だし手放せない情報端末だし、多くの人は好みの音源をスマホに入れているだろう。ならばスマホとカーナビを組み合わせてより便利に、より楽しく活用するのがベストではないか。これが今回、新サイバーナビを実際に使ってみて私がたどり着いた答えだ。

もしあなたがドライバーなら、普段持ち歩くスマホで「次はここに行きたい」とか「ここに興味がある」という情報をMapFanAssistにどんどん登録して行こう。あるいはLINEで仲間と会話をしていて「ここに行きたい」といったスポットもすぐに登録することができる。もう少し詳しく言うと仲間、家族との会話にMapFan公式アカウントを招待することで、会話に出てきた行きたい場所やルートをアプリの切り換えなしに共有できるのだ(詳しくは別記事参照 )。

新サイバーナビは揺るぎない高度なカーナビゲーション機能、そして高品質なオーディオ性能を誇っている。そこに機動性と柔軟性の高いスマホと対応アプリが加わることで、さらに機能が拡張される。ある意味、新サイバーナビとスマホ+アプリはベストパートナーと言っていいと思うのだが、いかがだろう?