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パイオニア、新型サイバーナビや新型ドラレコを発表した「2018 カロッツェリア新商品説明会」
「これまで培った全ての技術、ノウハウを惜しみなくつぎ込んだ」と蒲生社長
2018年4月19日 16:52
- 2018年4月18日 開催
パイオニアは4月18日、ベルサール秋葉原(東京都千代田区)において、「パイオニア 2018 カロッツェリア新商品説明会」を実施した。
今回お披露目となったのは、カーナビゲーション「サイバーナビ」の2018年モデルをはじめとした商品群。中でも大きなポイントとなるのが、新たなラインアップとなる「サイバーナビ Xシリーズ」だ。このモデルは同社のハイエンドカーオーディオ「Xシリーズ」および、ハイエンドホームオーディオ「TAD(Technical Audio Devices)」で培ってきた開発思想や音響技術などをベースに、シャシー構造の強化、高音質パーツの採用などにより忠実な原音再生を実現したモデルとなる。また、同時にこの1月に創業80周年を迎えたことを記念したモデルの限定発売が行なわれることも併せて発表された。各モデルの詳細はリリース記事を参照していただきたい。
説明会ではまず、パイオニア販売 代表取締役社長の蒲生宣親氏が登壇。冒頭で創業80周年を迎えたことに触れ、「スピーカー事業から始まった80年間は音を中心に多彩な領域でエンターテインメントを創造し続けた歴史」だとコメント。カーエレクトロニクス分野においては、1975年のコンポーネントカーステレオ発売以降、1986年にカロッツェリアブランドの誕生、そして1997年に発売したサイバーナビについては「高い技術開発力とユニークな発想を元に常に先進価値を提供し、カーナビゲーションの歴史を切り拓いてきた」と振り返った。
続けて「ミュージックサーバー」など歴代のサイバーナビが実現してきた機能を挙げつつ、こうしたバックボーンを元に誕生した新製品は「これまで培った全ての技術、ノウハウを惜しみなくつぎ込み、音質にさらなる磨きをかけ、エンターテインメントの幅をより一層広げた」モデルだと説明。「これぞサイバーナビ、感動と楽しさ、便利さ、ぜひそれを皆さまに感じていただけると自負しております」と締めくくった。
続いてパイオニア 市販事業部 事業企画部 市販企画部 マルチメディア企画1課の内田有喜氏が登壇、新商品の説明を行なった。
サイバーナビの開発に3年間携わってきたという内田氏は、サイバーナビならではの注力ポイントとして、「独自性ある機能や新提案で新たな発見や体験を提供したい」という想いで商品を開発してきたと前置き。2018年モデルは「ドライバーの行動範囲を広げて新しい体験を創出していきたい」「すべてのカーナビを超越した最高の音楽体験をお届けしたい」という2つのテーマを掲げて開発したと説明した。ただ、音に関しては「従来と同じ開発プロセスでは到底実現できない」こともあり、新たにハイエンドオーディオと呼ばれる領域のカーナビにすることを目標とした「Xシリーズ」を市場投入することにしたと明かした。
2018年モデルに共通する新提案として紹介を行なったのが、新しいコネクテッド機能。サイバーナビでは従来からスマートループをはじめとした通信により実現する機能を搭載していたが、新たにスマートフォンやパソコンを介して利用する「MapFanコネクト」に対応したと紹介。内田氏はこの機能について、カーナビを「クルマの中に入ってはじめて使うモノ」にしたくなかったと言い、「スマートフォンやパソコンと連携することで電車の中や家庭からもサイバーナビにアクセスできる手段」であると説明した。
1つ目は「スポットフォルダ」。これは施設やレストランなどをMapFanにブックマークすることで自動的にサイバーナビと同期、ナビメニューからも呼び出すことが可能になるもの。2つ目は「スポットリザーブ」。MapFanの地図上から目的地をセットすることで、自動的に目的地として設定される。休憩中に次の目的地をセットしておく、なんてシチュエーションで便利そうだ。また、この2つでは「LINE」アプリの「MapFan BOT」を使って会話感覚で目的地設定を行なうことができる。MapFan BOTについては別記事で詳細な紹介を行なっているので、そちらを参照していただきたい。3つ目の「ドライブプラン」は、事前に所要時間やルートといったプランを計画、それをサイバーナビに送信できる。最後の「マイカーシーク」は常に自分のクルマの位置をチェックできるもの。広い駐車場や家族に迎えに来てもらう、万が一の盗難といった際に便利な機能になる。
新登場となるサイバーナビ Xシリーズについては「全てを超える最高の音質を皆さまにお届けしたい」「単にいい音ではなく作り手の想いが詰まった感動の音を伝えていきたい」とのことから、「80周年の集大成として一切の妥協を排除した徹底的な音作り」を実現したと説明。「S/Nが高い」「全帯域フラット」「質感」「微細かつ繊細な明瞭感」「空間表現」と、同シリーズが持つ5つのポイントを挙げた。
こうしたパフォーマンスを実現するために行なわれたのが、ある意味物量作戦とも言える徹底的な専用パーツの採用だ。まず、シャーシを市販カーナビ初の銅メッキシャーシとするとともに、オーディオに重要なパーツが詰まっている左側面には通常のビス、右側にはノイズを集める効果を持つ銅メッキビスを利用することでノイズの流れをコントロール。さらに「お客さまに見えない中間のシャーシまで銅メッキにすることでオーディオ基板のノイズをコントロールし、これまでにできなかったS/N感、静寂感を表現している」と、その効果を説明。さらに静音タイプのファンを採用することで静音性と制振性の向上、国内市販カーナビ初となる「MUSESシリーズ」のオペアンプ6基(8920×4基、8820×2基)による低雑音、低歪率、高スルーレートの実現、フルカスタムオーディオ電源用アルミ電解コンデンサ、専用トロイダルコイル、低位相雑音特性を持つサウンドマスタークロックの採用など、細部にわたる高音質設計が行なわれていることを披露した。
また、冒頭にも書いたように2018年は同社が創業80周年を迎えることもあり、サイバーナビ Xシリーズに80周年記念モデルを設定。わずか80台限定となるが、ベースモデルと同額でスペシャルボックスやシリアルナンバープレートなど、「7~8万円相当のバリューがある」(内田氏)の付属品がセットになる。こちらは店頭での販売は行なわれず、同社の「パイオニア・カロッツェリア eショップ」での販売となる。
このほか、「Apple CarPlay」「Android Auto」に対応したディスプレイオーディオ、ハイレゾ音源再生に対応したエントリーラインのスピーカー、高感度対応のドライブレコーダーなどを紹介した。
説明会終了後には、ゲストとして同社サイト「カーライフに、スパイスを。」内のコンテンツ「小林可夢偉のクルマリノベーション!」に出演しているレーサーの小林可夢偉選手が登場。同企画でスピーカーやサブウーファー、カーナビを交換したことで、「最終的にはこれ以上ないんじゃないかというぐらい満足できる結果になった」とコメント。サイバーナビ Xシリーズ80周年記念モデルについても興味を持った様子。先日、150台限定で申し込みが開始されたトヨタ自動車「ヴィッツ GRMN」にも応募したものの400番以降だったと明かしつつ、こちらも競争率が高そうなので「(早い番号をゲットするために)応募開始前からコンピュータの前に張り付こうかな」と話した。
また、可夢偉選手が参戦する全日本スーパーフォーミュラ選手権では、今シーズンから同社が「carrozzeria Team KCMG」としてチームをサポート。「(同社の赤が)ワンポイント的で格好よくなった」と述べるとともに「赤い色が加わって見つけやすくなった」と会場に集まった報道陣を笑わせる一面も見せた。
説明会の後、実機の取材時間が設けられた。短時間ではあるものの触ることができたので紹介していきたい。
まず、2018年モデルに共通したポイントとなるMapFanコネクトについて。この機能はパソコンからも利用できるものの、やはりスマートフォン(Android、iPhone)に専用アプリ「MapFanAssist」をインストールして使うのが便利そう。これまでにも似た機能を持つカーナビはあったものの、サイバーナビの場合は通信機能を持っている(要通信モジュール)ため手間いらずなのが嬉しい。マイカーシークも「家族に最寄り駅までクルマで迎えに来てもらう」なんてシチュエーションでは便利そう。場所が知られるなんていうとプライバシーを心配する人が居そうだけれど、ナビ本体とMapFanの会員IDが紐付けられているため本人以外は見ることができないので安心だ。また、今回追加になった機能は2016年および2017年モデルでもアップデートにより利用可能になるという。対応モデルを持っている人はぜひ使ってみてもらいたい。