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“ドコモ イン カー コネクト”対応でエンタメ機能が大きく進化。新型「サイバーナビ」など2019 冬 カロッツェリア新商品発表会
「車内をもっと快適にすることがカロッツェリアらしいコネクテッドカー」
2019年10月3日 07:30
- 2019年10月2日 開催
パイオニアは10月2日、ベルサール秋葉原(東京都千代田区)において新型「サイバーナビ」を中心とした「2019 冬 カロッツェリア新商品発表会」を開催した。この発表会ではサイバーナビの2019年モデル8機種、車種専用モデル6機種、オーディオ性能を重視した「xシリーズ」2機種、「楽ナビ」6機種、さらにオーディオ製品などを含めて計35機種が発表された。
発表会ではまず、パイオニア 常務執行役員 モビリティプロダクトカンパニー CEOの髙島直人氏が登壇。現在、クルマの世界もオンライン化が進んでおり、それを背景に「カロッツェリアが何をすべきか、どうありたいか、そう考えたときにキーとして出てきたのがわれわれが提供し続けてきたエンターテインメントでありました」と説明。「オンラインのチカラで新たなコネクテッド、エンターテインメントを提供し、車内をもっと快適にすることがカロッツェリアらしいコネクテッドカーだ」と述べた。
新しいサイバーナビがコネクテッドにフォーカスした背景として、「自宅、交通機関、飲食店、宿泊施設など、さまざまなところでネットワークに繋がるのが当たり前」であり、クルマの中においても「オペーレータサービス、音声対応サービス、セキュリティ、ドライブ診断、緊急対応など安全安心、便利を中心にさまざまなコネクテッド機能が誕生している」と説明。その一方で、自動車メーカーが提案するコネクテッドサービスは安全安心に注力したものが多いことから、「われわれの得意とするエンターテインメント領域ではまだまだ開発の余地がある」と考えたという。
その実現にあたっては大容量の通信を行なうことが課題となったが、「NTTドコモとの協業によってその壁を打ち破った」。新たな通信インフラとなる「docomo in Car Connect(ドコモ イン カー コネクト)」は、LTE回線を使い放題とすることで車載向けの通信サービスを実現しており、クルマの中が「自宅のようなストレスフリーなオンライン空間」となる。これにより、スマホやタブレットなど好きなものを好きなだけ使うことができるほか、「ナビ本体を使用してさまざまなエンターテインメント機能を組み込むことができる」と述べた。
ここでNTTドコモ 法人ビジネス本部 コネクテッドカービジネス推進室長の深井秀一氏へとバトンタッチ。深井氏は、ドコモ イン カー コネクトについて「家の中の環境をそのままクルマの中に持って行くことをコンセプトに開発した」と説明。LTE高速回線を定額で使い放題としたほか、30日、1年、さらにドコモ初となる1日プランを設定したとコメント。dポイントがたまる、サイバーナビ購入特典として365日無料特典が付くといった点をアピールしたほか、今後5Gなどもっと高速にシフトしていく点にも含みを持たせた。さらに申し込み方法にも触れ、「サイバーナビを購入」「QRコードを読み込む」「dアカウント認証」と、少ないステップで簡単にハードルなくできるようにコダワったと明かした。
最後に、商品企画を担当したパイオニア モビリティプロダクトカンパニー 市販事業統括グループ 商品企画部 企画1課 橋本岳樹氏が登壇し、「今まで以上に突き抜けたカロッツェリアらしいモノに仕上がっている」と語るとともに、「ネットワークを使ってクルマをオンライン化し、楽しみ尽くせないほどのエンターテインメントで次世代のカーライフへつなぐ、まったく新しいカーナビになりました」と新型サイバーナビについてコメントした。
さらに「クルマをオンライン化することで、カーナビを進化させるだけでなくカーライフそのものを大きく革新」「普段楽しんでいるコンテンツをクルマの中でもオンデマンドで楽しめる真のエンターテインメントを実現」の2点をこれまでのカーナビと異なる点として挙げ、「サイバーナビがあればクルマの中なのに家にいるかのように、アクティブで快適に過ごすことができます」と概要を説明した。
その後、詳しい機能解説として「ストリーミングビデオ」「レコーダーアクセス」「アクセスポイントモード」の3つのオンデマンド機能に付いて説明。ウェブブラウズ機能を使ってナビ画面で直接コンテンツを選ぶことができるダビングやムーブが不要で、自宅のレコーダーから直接ストリーミング再生できるといったメリットを紹介。
こうした機能を実現するために開発したのが、スマホを使った新しいペアリング手法。それがデジオンとの協業により生まれた専用アプリ「DiXiM Play for carrozzeria」で、開発にはさまざまな課題があったものの、「家のレコーダーがクルマの中でも見られる、快適に使える。これまでにない映像の楽しみ方を世の中に広めていきたい」との思いで解決してきたと説明。さらに、こうした機能の実現にはレコーダーメーカーの協力が必要不可欠となるが、通信環境面での課題を解決したことで共感を得ることができ、パナソニック、シャープ、東芝、IOデータ、バッファローとの協業が実現したとの経緯も明かした。
また、通信機能は地図更新にも活用しており、「ナビが直接サーバーからダウンロードし、裏でナビが地図更新を行なってくれます」と、ラクに地図更新ができることをアピール。さらに3年無償プラスMapFanスマートメンバーズに加入すれば1年延長プレゼントがあり、「合計最大4年間、カーナビではもっとも長い無償(地図更新)期間が付いている」と、購入時のメリットを挙げた。
デザイン面では、デザイン性と操作性を追求してハードキーを廃止することでフルフラット化を果たしたほか、メニューなどのユーザーインターフェイスも刷新。「シンプルでありながらもしっかりと個性がある、近未来のエンターテインメントを感じさせるデザインとした」という。さらに、背景アニメーションには同社が市販GPSカーナビを発売した6月21日など、特別な日に専用パターンを用意する遊び心を盛り込んでいると話した。
そのほか、「全画面サイズでハイビジョン描画を実現するとともに徹底的なチューニングを実施」、17および18サイバーから採用している市販カーナビとして最も高いS/N比123dBを誇る、バーブラウン製電流出力型DAコンバータを引き続き搭載するなど、サイバーナビならではの高画質、高音質にもコダわっているとした。また、オプションで車種別専用エキスパートチューニングデータを用意しており、純正スピーカー用、カロッツェリアスピーカー用の2種類を収録していることから、「ぜひスピーカーを交換して音質をグレードアップしていただきたい」とコメントした。