イベントレポート
【東京モーターショー 2019】NTTドコモ、5Gで横須賀にあるクルマを遠隔運転するデモを公開
次世代モビリティやシェアリングなどをテーマに展示
2019年10月25日 09:36
- 2019年10月23日 開幕
- 2019年10月25日 プレビューデー
- 2019年10月25日~11月4日 一般公開日
10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回 東京モーターショー 2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。
東京ビッグサイト 西展示棟4階(W4114)のNTTドコモブースでは、5G(第5世代移動通信方式)による遠隔運転といった先進的なデモンストレーションを行なったほか、車内向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connnect」など、ドコモのモビリティサービスについて展示した。
クルマ業界の方々といろいろなサービスを作り上げていく
プレスカンファレンスでは、NTTドコモの5Gイノベーション推進室 室長の中村武宏氏が5Gへの取り組みとブースの展示内容を説明した。
中村氏は5Gが9月にプレサービスを開始、2020年春に商用サービス開始を目指しているとに触れ、「クルマ業界の方々とクルマ関係でいろいろなサービスを作り上げていくことは非常に重要なこと」と指摘した。
ドコモによる5Gのプレサービスは、すでに3つの周波数帯すべてについて開始していることを強調。「3.7GHz帯でも従来より5倍の帯域をもって高速化が図れる。さらに、ミリ波はかなり高速な通信ができると期待している」と高速化に自信を見せた。
また、ドコモのモビリティ分野に関係する取り組みで、注力分野は3種類。「あんしん・安全」「快適な車内空間」「シームレスな移動(MaaS)」とし、5Gの遠隔運転は「あんしん・安全」に属している。
中村氏は5G遠隔運転について「5Gの低遅延性、高速大容量性を活かすユースケースだと思っている。不測の事態は遠隔運転でサポートすることが必要。遠隔運転には映像が必要で低遅延で操作できなければいけないので、5Gが非常に適している」と評価した。
5Gで横須賀にあるクルマを遠隔運転
5G遠隔運転のデモは、ヴァレオの「DRIVE 4U Remote」を5Gで接続して行なった。このDRIVE 4U Remoteは自動運転中の突発的な事態に対応するソリューションとなる。
今回のデモでは障害物にさしかかった時点で車両が停車し、手動運転が求められるというシナリオ。手動運転を5Gの通信によって遠隔で実施することで、ドライバーが実際にクルマに乗っていない状態でも、障害物回避といった人の手が必要な場面に対応できることを実証した。
遠隔運転のクルマは神奈川県横須賀市のYRP(横須賀リサーチパーク)にある駐車場を締め切って走行。安全のためにスタッフが運転席に座っているが、自動運転と遠隔運転を行なっているため、基本的には手を出さない。
自動運転の車両は、駐車場内に設定した障害物にさしかかると停車。画面に「Control Requested」と表示されて遠隔運転が求められ、東京モーターショーの会場から運転操作を開始する。遠隔運転では会場側のステアリング操作に合わせ、実車のステアリングが動いている様子がモニターに映し出される。5Gとはいえ見た目に完全に同期しているというほどではないが、ステアリングがスムーズに動いている様子が確認できた。
テスラ「モデル 3」と日産自動車「スカイライン」を展示
ドコモブースでは2台のクルマが展示されていた。テスラの「モデル 3」はドコモのカーシェアサービス「dカーシェア」で試乗を受け付ける予定のクルマで、dカーシェアのサービス紹介が合わせて行なわれていた。
日産自動車の「スカイライン」は、車内向けインターネットサービスとして行なわれているdocomo in Car Connnectのデモ用に展示された。docomo in Car Connnectでは対応車両や対応カーナビをインターネット接続のルータとして動作させ、定額の支払いで期間内はデータ通信が使い放題となる。スカイラインの車内にはスマートフォンのほかに後部座席向けとして2台のタブレットが設置してあり、動画配信などのインターネットコンテンツを楽しむことができる。
そのほか、騒音に強いという日本語音声認識の「AIインフォテイメントサービス」や、インターネットを経由してSIMの内容を書き込む「eSIM」を活用して、ユーザーが車載デバイスに通信回線を追加することが容易になることを紹介する展示も行なっている。