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第46回 東京モーターショーは無料エリアや体験プログラムを増やし、「100万人規模のお祭り」を目指す

豊田章男氏の自工会会長の任期を2年間延長

2019年9月26日 開催

自工会は東京モーターショー 2019に関する説明会と定例会を開催。定例会には豊田章男会長が出席し、任期延長が報告された

 自工会(日本自動車工業会)は9月26日、第46回 東京モーターショー 2019(プレスデー:10月23日~24日、一般公開日:10月25日~11月4日)に関する説明会を実施。続けて定例会見を行ない、自工会 会長の豊田章男氏が東京モーターショー 2019の目標来場者数を100万人と述べた。

 東京モーターショー 2019は、未来のモビリティ社会への夢を感じられるイベントとして「OPEN FUTURE」をテーマに、東京ビッグサイトやメガウェブ、シンブルプロムナード公園といった、お台場臨海副都心エリアの複数会場で開催。エリアは青海と有明の2つに大きく分けられ、それぞれに入場無料の「FUTURE EXPO」「DRIVE PARK」が設けられるほか、2つのエリアを結ぶシンボルプロムナードは無料の「OPEN ROAD」として開放される。

 チケットは一般2000円(前売り1800円)、高校生以下無料。そのほかにも当日会場売りされる16時以降の入場券(1000円)や、新しく2DAYパス(3500円)、通期パス(6000円)も設定。また、臨海副都心エリアの複数会場での開催となることから、青海エリアと有明エリアを結ぶ無料シャトルバスを約3分に1本運行するとのこと。

東京モーターショー 2019の概要
The 46th Tokyo Motor Show 2019 PR Movie

 説明会では、自動車工業会 モーターショー特別委員会 委員長の長田准氏が東京モーターショー 2019の内容を説明。出展・参加企業/団体数は9月26日現在で187社と述べるとともに、「業界にとどまらずさまざまな業種や領域の方々と手を組み、オールインダストリーでの企画を実施する」と特徴を紹介した。

自動車工業会 モーターショー特別委員会 委員長 長田准氏
東京モーターショー 2019のコアコンセプト

第46回 東京モーターショー 2019の見どころ

FUTURE EXPO(メガウェブ/入場無料エリア)
入場無料エリアのFUTURE EXPO(メガウェブ)

 FUTURE EXPOは多様な業界が一同に会すことで、近未来の1日を体験してもらうというコンセプト。ただの展示ではなく、さまざまなエリアを通じて未来の日本に入国するような疑似体験をする構成となっている。

FUTURE EXPOに関する説明スライド

 未来への入国エリアでは、トンネルを抜けると入国管理さながらに、お笑い芸人が扮するバーチャルキャラクター「キャラトーカー」がお出迎え。このキャラトーカーは入国エリアだけでなく、各エリアに案内人としても登場。ユーモアを交えながら楽しく案内をしてくれるという。

 入国エリアを抜けた先の移動エリアでは、NECによる「空飛ぶクルマ」の試作機、トヨタ自動車が東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に専用開発した低速EV(電気自動車)「APM」も登場する。

 続けて都市エリアに入り、日産自動車のEVと家が繋がる「ニッサン エナジー シェア」や、パナソニックの「SPACE-L」などを展示。実際に車内に乗り込んでスクリーンに触れることができ、都市と未来のモビリティの融合を体感することができる。

入国エリア
移動エリア
都市エリア

 未来のスポーツ観戦エリアも設けられており、NTTの5G回線を使った新しいスポーツ観戦技術の調高臨場感通信技術「Kirari!」や、富士通による世界初の3Dセンシング技術を用いた採点の支援システムの体験、トヨタのAIバスケットボールロボット「CUE(キュー)」によるシューティングパフォーマンスの観戦などができる。

未来のスポーツ観戦エリア

 また、FUTURE EXPOの2階では、未来の水素社会や宇宙技術の体験といったコーナーが設けられ、月面探査車の模型やタイヤなどが展示される。

水素社会や宇宙技術の体験コーナーなども設置

 そのほかにも、ガンダムのプラモデルを搭載したG-SATELLITEの開発を記念したトークショーや、SAMURIZE from EXILE TRIBEによるLEDのダンスパフォーマンス、e-Motorsportレース大会、簡単に剥がすことができる体用の絵の具を使ったクルマへのペインティングなども実施予定。

そのほかにもさまざまなプログラムを用意
無人コンビニでの顔認証決済や、併設のライドワンでは自動運転車両の試乗体験もできる
The 46th TOKYO MOTOR SHOW 2019 FUTURE EXPO
AOMI EXHIBITION(青海展示棟)
AOMI EXHIBITION(青海展示棟/有料エリア)

 キッザニアと初めてのコラボレーションが実現。小学校1年生~6年生を対象に、メーカー10社が職業体験のブースを設け、クルマに関わるさまざまな仕事を体感できる。なお、キッザニアでの体感プログラムについては、事前ないしは当日会場での事前予約が必要。また、未就学児を対象にした予約不要の体験も現在検討を進めているとのこと。

子供が職業体験をできる「キッザニア」と初コラボ
DRIVE PARK(有明エリア)
DRIVE PARK(有明エリア/無料エリア)

 クルマとバイクの本来の楽しさを堪能できるコンテンツとして、最新車両や最新2輪車の試乗、同乗コンテンツを用意。さらに、初めての試みとして、モータースポーツジャパン、日本スーパーカー協会と連携して、普段あまり見ることのできないレーシングカーやスーパーカーなどを間近で見られるようにするとともに、東京オートサロンとも初連携して、カスタマイズカーを楽しめる展示を行なう。

 また、ピストン西沢氏や著名人が登場するステージのほか、FAI(国際航空連盟)公認のドローンレースを国内初開催。決勝大会ではドローンレースのアンバサダーを務める日向坂46とのコラボレーションも実現していきたいとした。

クルマとバイクの楽しさを体感できるコンテンツのほか、家族でも楽しめるプログラムを用意
OPEN ROAD(シンボルプロムナード公園)
OPEN ROAD(シンボルプロムナード公園/無料エリア)

 有明エリアと、新設された青海エリアをつなぐ全長1.5kmのシンボルロード。夢の広場に基点となるステーションを設置して、電動キックボードや超小型モビリティといった近未来を感じるようなモビリティを多数用意。来場者は希望するモビリティを選んで会場間を移動できるようにした。

 加えて、普段見ることのできない“レアモビリティ”やキッズカートなども用意。雨の日にはカラフルなレンタル傘の用意も予定されている。

OPEN ROADで展開されるプログラム

日本のさまざまな産業が集まり、楽しい未来を作ろうというのが今回の“お祭り”

 東京モーターショー 2019の説明会に続けて自工会定例記者会見が行なわれ、会長の豊田氏のほか、副会長の神子柴寿昭氏、副会長の丸本明氏、副会長・専務理事の永塚誠一氏が出席。長塚氏から豊田氏の自工会会長としての任期を2年間延長することが報告された。

左から、自工会定例記者会見に出席した日本自動車工業会 副会長・専務理事 永塚誠一氏、副会長 神子柴寿昭氏、会長 豊田章男氏、副会長 丸本明氏

 長塚氏からの報告の後、豊田氏があいさつを実施。「来期も日本自動車工業会会長を務めさせていただくことになりました。自工会会員各社の皆さまとも力を合わせながら、多くの方々に笑顔になっていただけるようなモビリティの未来づくりに、引き続き尽力してまいります」と任期延長について述べた。

2021年度まで自工会会長を務めることとなった豊田氏

 また、東京モーターショーについて「東京モーターショーは出展社数も来場者数も会を追うごとに減少してまいりました。来場者は2013年が90万人、2015年が80万人、2017年は80万人を下まわる実績でした。出展者数も前回は34ブランドだったものが、今回は輸入車メーカー不参加のニュースもありましたが、23に止まっております。私自身も1メーカーの目線で考えると、デジタルが発達し、お客さまに直に情報をお届けできるようになった今、クルマを展示して見に来ていただくというスタイルはどこまで効率的なのかと考えてしまうのも事実であります。販売促進の手段として、モーターショーの未来はかなり薄れてきたのだと思います」。

「クルマが今までの延長線上にない未来に向かっていく中、われわれはその未来の姿を多くの方々に知っていただきたいと考えるようになりました。しかし、それをモーターショーというクルマ単体の場で伝えていくことは大変難しく、CESのように生活全体の未来が示される場で、一緒に未来をつくろうというさまざまな産業と共につなげていくというやり方に変わってきているのだと思います。東京モーターショーもそういった場にモデルチェンジしていかないといけません。そうでなければ、いわゆる“ジリ貧”のまま、東京モーターショー自体が終わっていってしまうのではないかとさえ感じております」と語った。

 続けて「未来をテーマにするなら、未来の主役であるお子さまたちに来てもらいたい。キッザニアとのコラボや高校生以下無料などは、そうして実現に至った企画だと思います。実はまだまだ本当に実現できるかというアイデアも出てきており、今現在でも各社へ調整中というものもございます。だた、それもきっと多くの方に喜んでいただけるものと思っておりますので、残り1か月、最後まで実現に向けて調整を進めてまいりたいと思います」と、子供向けの体験プログラムに力を入れ、今後もプログラムを増やす検討をしていることを紹介。

 また、来場者数について「とにかく1人でも多くのお客さまにご来場いただきたいというのが私の心からの願いです。あえて目標を申し上げれば、100万人です。100万人という数字に緻密な理屈はございませんが、箱根駅伝、甲子園、高知のよさこい、徳島の阿波踊り、こうした誰もが知るイベントは、いずれも100万人規模となっております。誰もが知るという1つの目安が、100万人なのかなとも思います。自動車をはじめ、日本のさまざまな産業が集まり、楽しい未来を作ろうというのが今回のお祭りです。ですから、誰もが知るお祭りになってほしいとわれわれは願っております」と述べ、100万人規模の“お祭り”にしたいという気持ちを語った。