イベントレポート
【東京モーターショー 2019】無人ショベルカーを遠隔操作し、レースマシンのタイヤ装着も体験できる「Out of KidZania in TMS2019」
クルマに特化した11のアクティビティで職業体験できる
2019年10月25日 18:01
- 2019年10月23日 開幕
- 2019年10月25日 プレビューデー
- 2019年10月25日~11月4日 一般公開日
10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回 東京モーターショー 2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。
青海エリアの青海展示棟では、人気の職業体験型施設「キッザニア」とコラボレーションした職業体験プログラム「Out of KidZania in TMS2019」を実施。モーターショーとギッザニアのコラボレーションは世界初。カーデザイナーやメカニックといったクルマの開発に携わる仕事から、遠隔操作オペレーター、金型磨き職人など、さまざまな職業を子供たちが楽しみながら体験できるプログラムとなっている。
体験プログラムは一部を除いて小学校1年生~6年生が対象で、予約が必要となる。事前予約は、東京モーターショー 2019公式ホームページの公式オンラインチケットサービス(こども向けの職業体験 「Out of KidZania in TMS2019」参加券付き入場券の購入)から、プログラム参加券付き入場券の購入とともに、参加希望日時の枠を予約する。すでに入場券持っている場合は、東京モーターショー2019公式ホームページの公式オンラインチケットサービスから参加を希望する時間枠を予約(こども向けの職業体験 「Out of KidZania in TMS2019」当日予約受付)すればいい。予約は当日設定されている各参加時間枠の開始3時間前から30分前まで受け付けている。予約枠がなくなり次第終了となる。
予約後の体験参加は、参加時間枠の30分前が集合時間。Out of KidZania in TMS2019総合受付でチケット購入画面のQRコードを提示する。体験開始時間15分前を過ぎるとキャンセル扱いになってしまうので注意が必要だ。総合受付で入場パスを受け取り、エリア内の各企業ブースで仕事体験を予約できる。企業ブースごとに人数の制限があるので、人気のブースは早めに予約をしたい。アクティビティ所要時間は30分で、保護者の同伴が必要。仕事体験を終了すると特別なチケットが渡され、仕事体験をしたメーカーの車両展示ブースで特典と引き換えることができる。
10月23日の開催初日はプレスツアーが企画され、開会式では主催者である日本自動車工業会 モーターショー特別委員会 委員長 長田准氏が登壇。「いろいろな産業で、クルマに限らず楽しい未来を提供したい。今回の主役は子供と家族。今回、初めて高校生以下を無料(東京モーターショーの入場料)にした。とにかく来て、主役である子供に楽しんでもらいたいというのが一番の思い」とあいさつした。
続いて登壇したキッザニアを企画運営するKCJグループの代表取締役副社長 圓谷道成氏は、「KCJグループは昨年10月にKDDIと資本業務提携を行ない、キッザニアのセカンドステージに向けて歩み出している。その1つとして、キッザニアの街を飛び出し、地方自治体や地方の企業と連携して、地方での職業社会体験ができる『Out of KidZania』という事業を展開し、強化している。このたび、東京モーターショーとのコラボレーションの話があり、われわれとしてもクルマに特化した職業社会体験にチャレンジしたいと思い協力した。今回はクルマに関わる10社、11種類のアクティビティを提供している。ものづくりの素晴らしさやメンテナンスの重要性、ドライビングの楽しさなど、子供たちに楽しみながら学んでいただき、その体験を通じて新たな“気付き”を持ち帰ってほしい」と語った。
本田技研工業「レーシングドライバーの仕事」
まずは赤いレーシングスーツを着て、モニターを使って講座を実施。講座はレーシングドライバーの魅力や辛さ、レーシングドライバーになるためにどうすればいいのかという内容を説明する。その後、実際のスーパーフォーミュラのマシンに乗って写真撮影。レーシングシミュレーターでは、鈴鹿サーキット 国際レーシングコースを1周5分の目標タイムに向かってチャレンジする。最後は、ライセンスカードにそのタイムと写真を挟んだものが記念品としてもらえる。
スバル「クルマをメンテナンスする仕事」
クルマを安心・安全に走らせるために必要な点検、整備、修理について学び、工具を使ってクルマにタイヤとホイールの取り付ける体験ができる。そのクルマというのが、2019年のニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝した実際の車両「88号車 SUBARU WRX STI」というところがポイント。ホイールはあらかじめ取り付けられているものの、ボルトがまだ緩んでいる状態。インパクトレンチやトルクレンチを使ってホイールナットの締め付けを体験。最後はエアゲージでタイヤの空気圧を計測する。
トヨタ「月面探査車プログラミングをするエンジニアの仕事」
トヨタ自動車では2つのアクティビティが用意され、プログラミングはその1つ。
月の資源を探しに行く月面探査車の自動運転プログラミングを体験する。トヨタは現在、JAXAと協力して2029年に月面探査車を月に打ち上げる計画を進めている。その月面探査車の自動運転をプログラミングしてもらおうというのがこのブースでの体験となる。小学校では今年からプログラミングの授業が始まっているが、コンピューターを使ったプログラミングは敷居が高いため、カードを組み合わせて読み込ませ、命令を実行させるミニチュアをソニーと協力して製作。これを使ったプログラミング体験となる。
トヨタ「クルマを組み立てるメカニックの仕事」
気持ちよく安全にクルマを走らせるために、大切な役割を持っているサスペンションやタイヤを取ち付けるメカニック体験。クルマのメンテナンス業務として、実際にはディーラーでの整備の体験といったところ。実際のクルマでは車体が大きくカバーされている部分も多くて構造が分かりにくいので、教育用に作られたクルマを用いて仕組みを理解できるように体験する。
また、予約が必要なアクティビティとは別に、3歳以上の未就学児(年少、年中、年長児)を対象としたタイヤ交換をするメカニック体験プログラムもあり、キッザニアの予約のない人も参加できる。所要時間は約10分で、各回2名、先着順での体験となる。
トヨタ「おもちゃ病院」
さらにトヨタのブースには「おもちゃ病院」が設置され、無料でおもちゃの修理を受け付けている。物理的な破損から電気的なトラブルまであらゆる修理を受け付けており、紛失したパーツなどは3Dプリンターを使って製作するという。
おもちゃ病院
開催日:10月26日~27日、11月2日~4日
開催時間:10時~18時
受付時間:午前の部 10時~先着20名、午後の部 13時~先着20名
ジェイテクト「クルマに欠かせない部品を組み立てる仕事」
ジェイテクトは、主にパワーステアリングのサプライヤー。動力を伝える駆動系の部品も手がけており、今回はパワーステリングではなく、スポーツカーや4WD車に使われる特殊仕様のLSDの一種、トルセン(差動制限装置)の組み立てを用意する。トルセンはコーナーリング時に左右のタイヤの回転差を生じさせることによって旋回性能を向上させるもの。樹脂で作られているトルセンの分解と組み立てを行なう。
また、3歳以上の未就学児(年少、年中、年長児)向け体験プログラムとして、「動く小型スケルトンモデル」の鑑賞、未来の小型モビリティコンセプトカーの搭乗体験(記念撮影も可能)も用意される。所要時間は5~10分で各回1名。
KDDI「遠隔操作による災害復旧の仕事」
KDDIのブースでは、新しい通信環境(5G)を想定してショベルカーを遠隔操作。安全・迅速な復旧作業を体験できる。無人ショベルカーの遠隔操作シミュレーションにより、未来の災害復旧をイメージした内容となる。
日産「コンセプトカーデザイナーの仕事」
未来のコンセプトカーをデザインする体験。先輩社員からカーデザイナーの仕事について説明を受け、ねんどでコンセプトカーを製作する。完成したコンセプトカーを3Dスキャンすると、大型モニターで自分が作ったコンセプトカーが走り始める。
日野自動車「トラックをプロデュースする仕事」
商用車について知り、模型などを使いながらユーザーのオーダーに適したトラックを3人1組で作っていく。どのような形状、どのような大きさの車体やパーツを組み合わせればいいのかを考えながらトラックをプロデュースしていく。