【東京モーターショー 2019】生サメ肌塗装を間近で。本物にこだわるスバル、ニュル24時間クラス優勝車でホイール交換

「Out of KidZania」にホイール交換体験のために置かれたニュルブルク24時間クラス優勝車 88号車 SUBARU WRX STI。株式会社SUBARU 国内営業本部 マーケティング推進部長 小島敦氏（中央）は、「スバルは本物にこだわる」という

　10月23日、東京ビッグサイト（東京都江東区有明）で「第46回 東京モーターショー2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日～11月4日が一般公開日となる。

　青海展示棟 Bホール（AP01）のスバルブースでは「レヴォーグ プロトタイプ」が華やかに世界初公開されているが、注目したいのが同じ青海展示棟のAホールにある「Out of KidZania」コーナー。ここは、あらかじめ登録することで子供が職業体験できるコーナーで、各社がさまざまな工夫をこらした体験を用意している。

　このスバルピットで体験できるのが、スバル車のホイール交換。そのホイール交換に使われているクルマが、ニュルブルクリンク 24時間レースをクラス優勝した88号車 SUBARU WRX STI（山内英輝/井口卓人/ ティム・シュリック/ カルロ・ヴァンダム組）そのものなのだ。

子供がホイール交換する車両のため、最初に見たときはよくできたレプリカと思ってしまった。しかし、細部を見ると本物感が爆発していた

　最初はピットに飾って職業体験するクルマなので、かっこいいレーシングカーのレプリカを選んだのだと思ったが、ボディの各部を見るとウィング類などがしっかり作り込まれている。レプリカ車では、ウィング類が分厚いものが多いのだが、このクルマは薄く、さらに飛散防止用のケーブル類もしっかり張られている。

　さらにボディの塗装も空気抵抗を低減するというマット塗装、通称サメ肌塗装になっており、スバルのサメ肌塗装の工夫でもあるサメ肌の荒れ具合も各部によって異なっている。しかも、左フロントフェンダーは本物同様（本物なのだが）に戦いの跡が刻み込まれている。

本物ポイントは、このサメ肌塗装。マットで微少な突起のある塗装は高価かつメンテナンスの手間がかかるため、一般に使われることが少ない。F1マシンなどでもマット塗装が増えている

　その場にいたスバルの小島氏に聞いてみると、「このクルマは、ニュルブルクリンク24時間レースでクラス優勝したクルマそのものです」とのこと。ホイール交換などをすると、ねじの取り扱いにミスした場合ハブのスタッドボルトなどをなめてしまいそうだが、「それはきちんとお子さまに交換方法を伝えればよいことです。スバルは本物にこだわります。本物にこだわるのがスバルです」と力強く語ってくれた。

ルーバー部は、ほかよりも荒いサメ肌塗装が行なわれている。これは空気の剥離部に当たるため、より効果を狙った塗装にしたため

ルーフは空気をスムーズに後部に流すため、線状の突起が設けてある

本物感抜群のリアまわり（本物です）。チラリと見えるリアサスペンションアームの作り込みが美しい

全国各地のスバルディーラーメカニックが88号車 SUBARU WRX STIのニュル参戦を支えた。リアフェンダーには、2019年の参加ディーラーの名前が刻まれる

　スバルにとって挑戦し続け、勝ち続けるクルマの象徴であるSUBARU WRX STIでホイール交換が体験できるだけに、子供連れの場合はぜひコンテンツを楽しんでほしいし、そうでなくてもリアルに24時間を圧倒的な強さで戦い抜いたクルマの持つ迫力は身近によることでヒシヒシと感じられる。市販車に採用されていないサメ肌塗装の仕上がりも注目ポイントだ。

　この88号車 SUBARU WRX STIは、空力にこだわって各部が作り込まれており、フェンダーのエッジ部分、ルーフ上面、ミラーまわりなど、その工夫が随所に見て取れる。ニュルブルクリンク 24時間レースをクラス2連覇、そして2019年は圧倒的な強さでクラス優勝したクルマを堪能していただきたい。