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横浜ゴム、「東京モーターショー 2019」でタイヤのIoT化技術や面ファスナーを用いた将来技術を紹介

カーカス構造による剛性の違いやウェット路面でのグリップ力の違いを比較できるコーナーも

2019年10月25日~11月4日 開催

横浜ゴムのブースイメージ

 横浜ゴムは、東京ビッグサイト(東京都江東区)などで開催される「第46回 東京モーターショー 2019」(一般公開日:10月25日~11月4日)の出展概要を発表。大変革が予想される未来のモビリティを見据えた将来技術コーナーと、すでに採用している先進技術の体験を通して理解を深めるコーナーを設け、“優れた技術開発力”を全面でアピールする。

 将来技術コーナーでは、今後急速な進展が見込まれるCASE対応技術およびサステナブル社会の実現に貢献する環境技術を展示。CASE対応技術では、タイヤのIoT化技術「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」をはじめ、自動運転・無人運転に対応する走行持続性技術「Self Seal Concept Tire」、次世代車向けタイヤノイズ低減技術「Silent Foam 面ファスナー Concept Tire」の3つの新技術を紹介。また、環境技術ではタイヤの大幅な軽量化技術を用いた「Ultra Lightweight Concept Tire」を初披露するほか、バイオマスから合成ゴムを生成する技術やリサイクル可能な熱可逆性ゴムなどを紹介する。

 既存の先進技術体感コーナーでは、グローバル・フラグシップタイヤ「ADVAN Sport V105」の「マトリックス・ボディ・プライ」を紹介し、カーカス構造の違いによる剛性の違いを模型によって体感するコーナーを設置する。また、国内タイヤラベリング制度のウェットグリップ性能最高グレード「a」を業界初の344サイズ(2019年9月時点)で獲得しているウェットグリップ技術を訴求するとともに、ウェット路面でのグリップ力の違いを比較体験できるコーナーも設置する。

 なお、東京モーターショー特設サイトを10月16日~11月4日までの予定で開設。開催日以降はブースの展示内容を紹介する動画などをアップロードする予定で、来場が難しい人にも情報を届けるコンテンツの提供を計画している。

新技術の概要

YOKOHAMA Intelligent Tire Concept

 タイヤに取り付けたセンサーから取得するデータをクラウドに繋げ、タイヤと車両、ドライバーの通信端末、ロードサービス会社、ヨコハマタイヤ系列店などを連携させるタイヤのIoT化技術のコンセプト。

Self Seal Concept Tire

 新技術のSelf Seal Concept Tireは、パンク時のタイヤ交換が難しいカーシェアリングや自動運転車両の運行を止めずに一定距離を走れる機能。タイヤ内部にジェル状のシーリング材を配置し、くぎなどが刺さった際に穴をシーリング材が塞ぎ、空気漏れを抑制する。また、すでに発売中の「Z・P・S(Zero Pressure System)」も紹介。

Silent Foam 面ファスナー Concept Tire

 電気自動車といった走行音の静かな次世代車では車内騒音の低減が開発テーマの1つとなっており、Silent Foam 面ファスナー Concept Tireではタイヤ内部の共鳴音を低減する吸音材を面ファスナーで固定する新しい技術を採用。直付け技術では難しいパンク修理剤の使用や、吸音材の後付けなどを可能とした。また、将来的にはタイヤ内部に必要となるさまざまな機能部品を取り付けることもできる。

Ultra Lightweight Concept Tire

 Ultra Lightweight Concept Tireは、タイヤの省資源化や車両の燃費向上に貢献するため、約25%の軽量化を実現したライトウェイト低燃費タイヤ「BluEarth-air EF21」(2017年発売)の技術を進化させ、約50%の軽量化を目指した。同時に、採用する車両やタイヤが受ける空気抵抗を解析し、車両全体の走行抵抗の低減に貢献するタイヤのエアロダイナミクス技術も紹介する。