東京モーターショー2017
【東京モーターショー2017】横浜ゴム、ヘッドライトの光を反射してADASの精度向上を狙う「光るタイヤ。」参考出品
軽量化設計で質量を約25%低減した「BluEarth-air EF21」世界初公開
2017年10月27日 08:55
- 2017年10月25日 開幕
- 2017年10月27日 プレビューデー
- 2017年10月28日~11月5日 一般公開日
10月25日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第45回東京モーターショー2017」が開幕した。27日はプレビューデー、28日~11月5日は一般公開日となる。
東6ホール E6105にある横浜ゴムのブースでは、10月13日に創立100周年を迎えたことを記念して、日本初のコードタイヤ「ハマタウン」(1921年製造)を再現したタイヤをはじめ、同社で初となったラジアルタイヤ「G.T.スペシャル」(1967年発売)、スポーツラジアルという新しいカテゴリーを切り拓いた「ADVAN HF」(1978年発売)といった歴史的な製品を並べて展示。
さらに10月25日にWebサイト「ADVAN STYLISH COLLECTION」から販売を開始したヒストリックカー向けタイヤ「ADVAN HF Type D」、サーキット走行まで視野に入れたストリートスポーツタイヤ「ADVAN A052」などの最新モデルも合わせて展示することで、100年の歴史で受け継がれてきたチャレンジスピリッツを紹介している。
また、ブース奥には開発中の「光るタイヤ。」を参考出品。この「光るタイヤ。」ではストレートグルーブやショルダー部分などの路面に接地しない部分にガラス素材を使った反射材を塗布。夜間走行中に後続車のヘッドライトの光が当たったときに白く光るようになっている。これにより、夜間で雨が降っているときに路面にリアコンビネーションランプの光が反射しているようなシチュエーションで、搭載車両が増えているADAS(先進運転支援システム)のカメラなどが距離を誤認する確率を下げることが狙いとなる。
まだ研究開発の途上ということで、どうすれば狙った効果を高められるか、本当に思ったような効果を出せるかといった本質的な部分から、実際に生産する場合にどのように反射材をタイヤに塗布するのかなどクリアすべき課題は多いとのことだが、タイヤで交通の安全を高める取り組みとして今後も注力していくという。
このほかにも、10月24日に最新の軽量化設計技術の採用で一般的な質量のタイヤ(ADVAN dB V551)から質量を約25%低減したというライトウエイト低燃費タイヤ「BluEarth-air EF21」を世界初公開。展示スペースには比較用に同サイズのADVAN dB V551を並べ、デジタルスケールで重量を数値で比較できるほか、それぞれを自分の手で持ち上げて重さの違いを体感できるようになっている。
「GEOLANDAR X-MT」を日本でも2018年の夏ごろに発売予定
10月26日に実施されたプレスカンファレンスでは、横浜ゴム 代表取締役社長の山石昌孝氏がプレゼンテーションを実施。1917年に高性能な国産ゴムを生産すべく横浜で設立された横浜ゴムは、新しい物を作り出そうというチャレンジ精神から船舶などで使われる「防舷材」を開発して市場投入。1950年代当時はまだ鯨が緩衝材として利用されていたが、この置き換えに成功して「防舷材のことを橫浜と呼ぶこともあった」というエピソードを披露した。
そのような新しい物にチャレンジする精神は現在でも生かされており、2006年に中期経営計画「グランドデザイン100」を策定。さらに現在、2020年に向けた新しい中期経営計画の策定を進めているところで、消費財タイヤの分野では「プレミアムOEタイヤ開発の強化」「ウィンタータイヤ開発の強化」「クルマ趣味を満たすタイヤの充実」という3つの柱に沿って技術力を強化していると解説した。
「クルマ趣味を満たすタイヤの充実」の方策の1つとして、タイヤのサイドにまでブロックパターンを施して「道なき道をワイルドに駆け抜けること」を趣味とするユーザーに向けた「GEOLANDAR X-MT」を新開発。「究極のオフロードモデル」と位置付けるこのタイヤは、主に北米市場での販売をターゲットに開発された製品となっているが、山石氏は「2018年の夏には日本での販売も開始したい」との考えを明らかにした。
最後に山石氏は「今年の創立100周年を機に、私たちは“挑戦と先駆け”のスピリットを再確認して、次の100年に向けてスタートしました。今回の東京モーターショーのステートメント『クルマの本質とは、人を動かすもの、心を動かすもの』に我々は共感しています。クルマは便利な道具であると同時に楽しいものであってほしいと強く願っております。この先もモーターファンをはじめ、多くの人に感動や共感をしてもらえる『横浜らしいタイヤ造り』を目指していきたいと考えております」と締めくくった。