イベントレポート
【東京モーターショー 2019】モーターでも内燃機関でもない「空気エンジン」搭載車など展示の豊田自動織機ブース
圧縮技術と電動車の電源活用の2つが焦点
2019年10月24日 20:54
- 2019年10月23日 開幕
- 2019年10月25日 プレビューデー
- 2019年10月25日~11月4日 一般公開日
10月23日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で「第46回東京モーターショー2019」が開幕した。10月25日はプレビューデー、10月25日~11月4日が一般公開日となる。
トヨタグループの本家にあたる豊田自動織機のブースは東京ビッグサイト 西4ホール(W4203)にある。10月24日に行なわれたプレスカンファレンスでは同社の大西朗社長が登壇。「豊田佐吉が発明した自動織機を製造するため、初代社長の豊田利三郎が1926年に設立したのが豊田自動織機。現在は原点である繊維機械だけでなく、自動車の一部生産や、コンプレッサーをはじめとする自動車部品の開発・生産、フォークリフトや無人搬送車の開発、販売などを行なっています。今回の東京モーターショーでは、自動車関連事業向けの製品を『圧縮技術』と『電動車の電源活用』の2つのテーマに分けて展示しました」とあいさつした。
クルマのパワートレーンに採用される圧縮技術は、内燃機関であるエンジンのほか、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、FCV(燃料電池車)などの電動車まで、クルマが力強く走ったり、室内空間を快適に保ったりするためにさまざまなものが採用されている。豊田自動織機が今回紹介する圧縮技術は、省燃費と高出力を両立するためにターボチャージャーを組み合わせた「環境に優しいエンジン」、同社が世界トップのシェアを誇る「カーエアコン用コンプレッサー」、必要な空気を吸引・圧縮してFCVの発電用に使う「酸素供給エアコンプレッサー」などで、その仕組みや役割を紹介する形で展示された。
ブースに展示された空気エンジン車の「KU:RIN」は、電気でも内燃機関でもない新しい動力として、カーエアコン用コンプレッサーの技術を応用したスクロールタイプの空気エンジンを搭載したものだ。
もう一方の電動車の電源活用については、東日本大震災などの非常時に、クルマのバッテリーから取り出した直流電流を家庭用の交流電流に変換して電源として活用する取り組みが注目されたことから、それを受けた展示内容とした。具体的には、電動車を6台接続して生み出された高出力の電力を、エレベーターなどの設備に供給することができる「ACインバーター結合機」や、FCバスなどが持つ大電力の供給能力を活用する「外部給電機(V2L)」で、開発中の製品を含めた活用技術として紹介された。
このほかにも自動運転技術に関連し、豊田自動織機が開発した産業用車両の自動運転や自律搬送技術、ロボティクス技術などで未来の物流の一端を紹介した。