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ホンダ、1万3000台の事前受注のあった新型「フリード」「フリード+」発表会

CMに出演する蛯原友里さんと徳井義実さんも登場

2016年9月16日 発売

フリード:188万円~272万8200円

フリード+:190万円~274万8200円

 本田技研工業は9月16日、新型「フリード」「フリード+」を発表。同日より発売を開始した。この発売に伴ってホンダ青山ビルにあるウエルカムプラザ青山において「新型フリード/フリード+発表会」が開催されたので、その模様をレポートしよう。

 フリードは乗車定員6または7人の3列シート車、フリード+が乗車定員5名の2列シート車。エンジンとトランスミッションの組み合わせは、ガソリン車が直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴エンジンとCVT。ハイブリッド車が直列4気筒DOHC 1.5リッターアトキンソンサイクルエンジンと高出力モーター内蔵7速DCT。価格は188万円~274万8000円(福祉車両は除く)となっている。

ホンダ青山ビルにあるウエルカムプラザ青山にて「新型フリード/フリード+発表会」を開催
ブルーの車体は3列シート仕様のフリード。イエローが2列シート仕様のフリード+。外観は同じだ

開発コンセプトは“7デイズ ワンダフル モビリティ”

 発表会で最初にステージに登壇したのは、新型フリードの開発責任者である本田技術研究所 四輪R&Dセンターの田辺正氏。

新型フリードの開発責任者、株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンターの田辺正氏

「2008年に発売された先代フリード、フリードスパイクはおおくのお客様に愛されて参りました。2001年にコンパクトミニバンのカテゴリーを創出したモビリオを起点とし、ちょうどいいをキーワードにそのデザイン、居住性、走りのよさに好評を頂いてきました。今回フルモデルチェンジにあたり“ちょうどいい”の進化をスタイリングでも表現するため、全タイプでワンスタイリングとしました」

2001年に登場したモビリオはコンパクトミニバンのカテゴリーを作り出し、続く先代フリードでさらに人気を高めた。新型フリード/フリード+のエクステリアはワンスタイルでインテリアを作り分けている

「開発コンセプトは“7デイズ ワンダフル モビリティ”。いつでもどこでも誰でも、1週間通して様々なライフスタイルのお客様すべてを笑顔に毎日を気持ちよく豊かに過ごしてもらいたいという思いをカタチにしたクルマです。この“いつでも”とはクルマを1人で使う平日から、家族みんなで楽しむ休日まで、1台のクルマで使えて、遊べて、大活躍することを指していて、“どこでも”とは街中から郊外、日本全国どこでも快適に楽しく走れることです。そして“誰でも”とはシングルからファミリーまで、世代を超えてすべての人に選んでもらえること。3列シート車のフリード、2列シート車のフリード+、また福祉車両はすべてのタイプで用意しました」と、クルマの概要について紹介した。

 続いて、特徴の説明があったが、ここからはスライドの画面と合わせて見てほしい。

プレゼンテーションで示された主な特徴

新型フリード/フリード+のコンセプトと“ちょうどいい”を実現するシートバリエーション
新型フリードでは先代に比べて1列目から3列目までのすべての座席において、前後距離間を90mm拡大しているので、大人が快適に過ごせるスペースになっている
キャプテンシート仕様は360mmという前後へのロングスライドを実現している。そのため2列目の居住性はステップワゴンに匹敵するという
ウォークスルー幅は先代モデルより1列目で50mm、2列目で25mm拡大していて、室内高も40mm高めてあるので車内での移動がより楽になっているという。スライドドアは開口部の高さ、幅、ステップ地上高などを見直し、より快適な乗降性を実現している
明るく運転しやすい視界にもこだわったという。運転席に座ってまず気がつくのが、このクルマのアイデンティティでもあるウィンドウラインによる視界の広さ。さらに大型の三角窓も備えているので、斜め前方の界も向上している。これらによって運転時の安全性向上と開放感を高めることを実現している
今度はフリード+のパッケージについて。最大の特徴は先代のフリードスパイクから185mmも低床にした驚きの荷室。重い荷物や背の高い荷物をラクに積むことができる
フリードスパイクユーザーが重視する車中泊機能もさらに進化させている。軽量、高強度のユーティリティボードを使用することで、セミダブルサイズのマットレスが敷けるフラットスペースを作ることが可能だ。ボードの下は床下収納としても使用できる
フリードのインテリアは本物の木目のような質感のあるパネルや心地よいファブリックでナチュラルな空間を表現している。フリード+はハイコントラストのメタル調パネルで、モノトーンを基調としたイメージにし、内装を引き締め、タフで使えるツールのイメージをブロック柄のファブリックで強調している
エクステリは躍動感を表現。ミニバンっぽくない1人で乗っても様になるというデザインを追求したという。ボディカラーは全9色。フリードのイメージカラーはブルーホライズン・メタリック。フリード+はシトロンドロップで、どちらも新色となっている
パワートレーンはご覧のとおりのラインアップ。どちらのエンジンも多人数乗車に適した特性に仕上げてあるという。燃費に関してはJC08モードで、ガソリン車で19.0km/L(FF)、ハイブリッドではミニバントップレベルの27.2km/L(FF)となっている
ハイブリッド車用のモーターは世界初の重希土類完全フリーのネオジム磁石を採用
先代フリードでは3列シート下に配置されていたインテリジェントパワーユニットを、新型では小型化し1列シート下に移動することで3列シート下にスペースを生み出した。これによってハイブリッド4WDやハイブリッド車いす仕様が実現した
シャシーまわりでは多人数が乗ってもドライビングの楽しさや安心を感じてもらうため、高剛性のサスペンションやリアには液封入コンプライアンスブッシュを採用。ステアリングギヤレシオもクイック化されている。遮音性も向上しているとのことだ
快適ドライブのための機能紹介。信号情報活用運転支援システムをアコードに次いで採用している
コンパクトミニバン初搭載になる先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」もオプションで用意。先行受注分でもこのオプションの選択率は高いという
使い勝手を実践した映像も流れた

8年ぶりのフルモデルチェンジ

本田技研工業株式会社の執行役員 日本本部長の寺谷公良氏

 つぎに登壇したのは本田技研工業の執行役員 日本本部長の寺谷公良氏。寺谷氏からは新型フリード/フリード+の営業展開についての説明があった。

「ホンダは軽自動車、スモール、ミニバンを国内販売における重要な3本柱と位置づけています。現在、ホンダのミニバンはオデッセイ、ステップワゴン、そしてフリードとおかげさまで販売は堅調に推移をしています。本日発表するフリードは先代の発表から8年が経過しモデルチェンジを迎えました。先代は“ちょうどいい”をキーワードに多くのお客様に支持され、シリーズ累計販売台数は58万台というホンダの主力に成長するとともにコンパクトミニバン市場を切り開いて参りました」

「私はホンダに入社以来、国内ひと筋でやって参りましたが、販売会社社長を愛媛、横浜、東京の3社で経験させて頂きました。これまで日本全国の販売現場をまわるなかで、フリードが実現してきた“ちょうどいい”のコンセプトはコンパクトミニバンというクラスを超えた価値を提供し、幅広いお客様に選ばれているクルマだな、ということを実感して参りました。今回、お客様にさらなるニーズに耳を傾け、ホンダのノウハウを磨き上げ、開発、生産、販売の力をここに結集を致しました。自信を持ってお勧めするクルマであります。新型フリード/フリード+はお求めやすい価格に設定し、月販6000台を目標にしています。2016年度の販売台数は68万5000台の実現を確実なものとして行きたいと考えております。なお、事前受注と致しまして、昨日の段階で1万3000台と大変多くの受注を頂いています」

「このフリード/フリード+を加えたミニバン、軽、スモールの国内3本柱に加え、先日発表致しました新型NSX、そして今後、日本でも販売を予定しているシビックという商品力の高いグローバルモデルの投入によって国内のラインナップを充実させ、日本のホンダをさらに元気にして参ります」というように述べ、新型フリード/フリード+に対する期待の高さを語った。

日本国内の販売で重要なポジションであるミニバン。先代フリードは累計で58万台を販売した
ホンダのノウハウを磨き上げ、開発、生産、販売の力をここに結集した自信を持ってお勧めするクルマとのこと。新型フリード/フリード+は価格設定も買いやすくしたという
国内販売における重要な3本柱は軽、ミニバン、スモール。この大事なところに投入する新型フリード/フリード+は月販6000台が目標

CMに蛯原友里さんと徳井義実さんを起用

 つぎは日本での商品企画と宣伝販促を担当している、本田技研工業 執行役員 日本本部営業企画部長の鈴木麻子氏が壇上に立った。鈴木氏は4月にこのポストに就任したとのこと。

本田技研工業株式会社 執行役員 日本本部営業企画部長の鈴木麻子氏

 そこで「新型NSX、フリードシリーズを皮切りに宣伝販促領域のスタッフも新しいアプローチを進めてまいります。さて、今回のプロモーションでは新型フリード/フリード+の魅力をより分かりやすくするために、様々な世代や家族構成のお客様から、新型フリード/フリード+を体験して頂いたリアルな声を表現したビジュアルを展開しています。また、家族の中心で仕事や育児、趣味など、日々アクティブに活躍する女性を新型フリード/フリード+で応援したいとの思いから、こういった女性が集う、東京の二子玉川を情報発信源とし、集中的な広告展開を実施する予定です」

「さらにTVコマーシャルでは軽快な新型フリード/フリード+のイメージにピッタリな蛯原友里さんと徳井義実さんに登場して頂きます。アップテンポなTVコマーシャルを通じ、キャッチコピーの“知るほど!乗るほど!フリード!”とともに、お客様のリアルな声、そして様々な魅力を日本全国にお届けして参ります」というスピーチだった。

 鈴木氏のスピーチのあとはCMに登場する蛯原友里さんと徳井義実さんがステージに登場。新型フリード/フリード+に乗りこみ使い勝手のよさなどを実演した。

様々な世代や家族構成のお客から、新型フリード/フリード+を体験したリアルな声を表現したビジュアルとキャッチコピー
質疑応答ではトヨタのシエンタとの競合について質問が何点かあったが新型フリード/フリード+はシエンタの市場に食い込むよりも、先代フリードユーザーに向けた乗り換えてほしいクルマという認識とのこと
CMに登場する蛯原友里さんと徳井義実さん。衣装はCMで着用しているものという
蛯原友里さんからは「撮影現場で感じたことは、外見はコンパクトなのに車内がすごく広くてステキだなと思いました」というコメント
徳井義実さんは「運転席まわりの質感はいいし、シートのアレンジがすごいパターンがあって、無限に荷物が入るようなパターンもあるし、ファーストクラスみたいになるパターンもあるので使いやすそうだし、乗っていて楽しそうという感じはしましたね」とのこと
フリードの使い勝手のよさなどをステージで実演