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ハーレーダビッドソン、新世代「ミルウォーキーエイト」エンジン搭載の新モデル説明会
107ci(1745cc)と114ci(1868cc)を設定。全9車種に展開
2016年9月29日 13:58
- 2016年9月27日 開催
ハーレーダビッドソン ジャパンは9月27日、北海道でプレス向け発表会および試乗会を開催し、新設計の「ミルウォーキーエイト」エンジンと、同エンジンを搭載した2017年モデルのTOURINGファミリーなどについて解説した。ここでは発表会の内容をお届けする。
シングルカム、大排気量、バランサー搭載の新エンジン
ミルウォーキーエイトは、1999年に登場したツインカムに続く新たな世代の大排気量Vツインエンジン。「モアパワー」「重厚なサウンド」「安定したアイドリング」を狙って開発され、それまでのカムシャフト2本(ツインカム)から1本の「シングルカム」へ変更された。また、バルブはシリンダー1つ当たり4つの計8個とし、ツインスパークプラグを採用、さらにカウンターバランサーやデュアルノックセンサーを搭載している。
これらによりトルクを従来より10%アップ。メカニカルノイズを大きく低減し、エンジン始動時の初期振動も従来比75%低下させたという。また、エギゾーストシステムの再設計を行ない、合わせてアイドリング時のエンジン回転数を約850rpmにすることで、エンジンから発生する熱を抑制した。低い回転数でありながら、新しい充電システムによってアイドル時の発電量を50%向上させることにも成功し、近年装着される例が増えてきたモバイル機器等の充電、使用にも余裕で耐えられるよう配慮している。
排気量は107ci(キュービックインチ、1745cc)と、114ci(1868cc)の2種類が用意。冷却方式は車種によりツインクール(液冷)とエアクール(空冷)のいずれかに分かれる。エンジンの詳細を解説した同社セールスマネージャー平田氏いわく「ハーレーらしい鼓動は残した」と、そのうえでさまざまな改善を施し、ライダーやパッセンジャーの快適性を大幅に高めたとしている。なお、ミルウォーキーエイトという名称は、ハーレーダビッドソン本社がある米ウィスコンシン州の都市名と、搭載しているバルブ数が由来となっている。
新エンジンはTOURINGファミリーなど9車種に展開
この新しいミルウォーキーエイトを搭載するのは、2017年モデルのTOURINGファミリー「ROAD KING」「STREET GLIDE SPECIAL」「ROAD GLIDE SPECIAL」「ROAD GLIDE ULTRA」「ULTRA LIMITED」「ULTRA LIMITED LOW」の全6モデルと、「CVO STREET GLIDE」「CVO LIMITED」の2モデル、そして3輪トライクの「FREEWHEELER」となる。
TOURINGファミリー全モデルは、107ciのミルウォーキーエイトを搭載。エンジンのパワーアップにともなってフレームも再設計され、フロントサスペンションにはSHOWA製の新型となるデュアルベンディングバルブフロントフォークを、リアサスペンションにもプリロード調整可能な新型のエマルジョン式大径リアショックをそれぞれ採用した。これにより制動力の向上と機敏なハンドリングを実現するとともに、幅広い重量に対応できるとしている。すでに9月半ばから顧客への納車を開始しており、価格は300万7600円(ROAD KING)から。
「CVO STREET GLIDE/CVO LIMITED」は、114ciのミルウォーキーエイトを搭載。限定生産、限定カラーのプレミアム感高いモデルで、キーレスイグニッション、オートクルーズ、タイヤ空気圧モニタリングシステムなど充実の機能を備える。顧客への納車は10月以降を予定。価格はCVO STREET GLIDEが445万7600円、CVO LIMITEDが525万7600円。
前1輪、後ろ2輪の3輪トライク「FREEWHEELER」も、107ciのミルウォーキーエイトを搭載する。運転には自動二輪免許は不要で、普通自動車免許さえあれば誰でも運転できるのが特徴。ヘルメットの装着も義務づけられない。2輪に近いスタイリング、操作性を、少ない転倒リスクで気軽に味わえるモデルだ。こちらも顧客への納車は10月以降。価格は357万2000円から。