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【MotoGP日本グランプリ】予選リポート、バレンティーノ・ロッシ選手がポールポジション獲得

2番手マルク・マルケス選手、3番手ホルヘ・ロレンソ選手が追う決勝は10月16日14時スタート

2016年10月15日 開催

 10月15日、「2016 FIM MotoGP 世界選手権シリーズ第15戦 MOTUL 日本グランプリ」(MotoGP日本グランプリ)の公式予選がツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町、全長4.801km)で行なわれ、1分43秒954のトップタイムをマークしたバレンティーノ・ロッシ選手(Movistar Yamaha MotoGP)がポールポジションを獲得した。JSB1000や鈴鹿8時間耐久レースで活躍するワイルドカード参戦の中須賀克行選手(Yamalube Yamaha Factory Racing)は16番手発進となった。

 MotoGPの決勝レースは10月16日14時スタート。Moto2クラスは12時20分、Moto3クラスは11時00分にそれぞれスタートとなる。

ポールポジションを獲得したロッシ選手

ペドロサ選手欠場。ロッシ選手はここ数年来の日本GPとの相性のよさを見せる

フリー走行中のペドロサ選手。金曜日2回目のフリー走行中に転倒し、鎖骨を骨折。治療のため帰国した

 MotoGPの公式予選は15分ずつの「予選1」と「予選2」に分かれ、それまでのフリー走行で11位以下のタイムを記録したライダーが予選1に出場する。その予選1の結果、上位2番手までに入ったライダーと、フリー走行の上位10人の計12人が予選2を戦う。MotoGPクラス予選時の気温は25度、路面温度は35度で、1日を通じてドライコンディションだった。

 予選1で登場した日本人ライダーは、JSB1000でチャンピオンシップを独走する中須賀選手と、テストライダーの青山博一選手(Repsol Honda Team)。中須賀選手は、予選終了間際のラストチャンスに賭けたもののタイムを思ったように伸ばせずこの組6番手、予選全体では16番手で通過。青山選手は、前日金曜日のフリー走行で転倒し鎖骨を骨折して帰国したダニ・ペドロサ選手の代役として急きょ起用されたものの、土曜日予選直前のフリー走行で青山選手自らも転倒するなど振るわず、この組12番手、予選全体では22番手(最後尾)となった。

“日本人最速”の中須賀選手は16番手発進
決勝レースは22番手スタートで、厳しい戦いを迫られる代役の青山選手

 予選2では、開始直後からマルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)がいきなり1分44秒台前半でラップし他を圧倒するが、残り時間30秒を切ったところでロッシ選手が1分43秒954を叩き出し、今シーズン3回目、トータル64回目、9戦ぶりのポールポジションを獲得した。マルケス選手も同じ周、そのロッシ選手の背後を追いかける形で、それまでの自らのトップタイムを更新するペースで攻めていたものの、最後のセクション、90度コーナーでブレーキミスしたのが響き、2番手に終わった。

 3番手にはホルヘ・ロレンソ選手(Movistar Yamaha MotoGP)が入った。同日午前中に行なわれたフリー走行で激しく転倒し、精密検査のためドクターヘリで病院に搬送されていたものの、午後のフリー走行には早くも元気な姿を見せ、予選でも転倒の影響を全く感じさせない力走を見せた。

ロッシ選手を上回るペースだっただけに、90度コーナーでのミスが悔やまれるマルケス選手
ロレンソ選手は午前中のクラッシュで怪我が心配されたが、3番手に入りファンの不安を吹き飛ばした

 Moto2クラスでは、表彰台の期待がかかる中上貴晶選手(IDEMITSU Honda Team Asia)が健闘及ばず7番手。Moto3では、フル参戦する日本人ライダーの尾野弘樹選手(Honda Team Asia)が見事ファステストラップを記録したが、金曜日のフリー走行時のスロー走行によるペナルティが課せられ、3グリッド降格で4番手発進となる。女性ライダーの岡崎静夏選手(UQ & TELURU KOHARA RT)は34番手だった。

健闘及ばず予選7番手に終わった中上選手
Moto3の尾野選手は、自身初の予選ファステスト。しかしながら、フリー走行時のペナルティでセカンドローからのスタートとなる
岡崎選手の走り。予選は34番手
MotoGPクラス公式予選の結果順位表

1位:バレンティーノ・ロッシ選手(Movistar Yamaha MotoGP)
2位:マルク・マルケス選手(Repsol Honda Team)
3位:ホルヘ・ロレンソ選手(Movistar Yamaha MotoGP)
4位:アンドレア・ドヴィツィオーゾ選手(Ducati Team)
5位:カル・クラッチロー選手(LCR Honda)
6位:アレイシ・エスパルガロ選手(Team SUZUKI ECSTAR)
7位:マーベリック・ビニャーレス選手(Team SUZUKI ECSTAR)
8位:ヘクトル・バルベラ選手(Ducati Team)
9位:ポル・エスパルガロ選手(Monster Yamaha Tech 3)
10位:ダニーロ・ペトルッチ選手(OCTO Pramac Yakhnich)
16位:中須賀克行選手(Yamalube Yamaha Factory Racing)
22位:青山博一選手(Repsol Honda Team)

バレンティーノ・ロッシ選手のコメント

 ポールポジションを取った時というのはいつも特別。特に今回は(風邪を引いて体調がよくなく)昨日のフリー走行からずっときつかった。今朝もいいセッティングが見つからず心配していたが、最後のフリー走行でバランスをつかむことができて、ポジティブに感じられた。ポールを獲得したのはこれ以上になくうれしい。

 レースペースについては、マルケス、ロレンソとラップタイムが近いが、本番では気温が高い方がありがたい。体調が100%ではないので、レースでどうなるかは分からないが、今日は長く走ってプッシュしていると息苦しいことがあった。もてぎはハードブレーキの多いトラックで体力も使うので、それを乗り越えて明日のレースは頑張りたい。

マルク・マルケス選手のコメント

 今朝からバイクに満足している。昨日よりもバイクの状態はよい。2回目に選んだタイヤで失敗したけれど、バイクには問題はない。サーキットとバイクとの相性について心配しているところもあったが、パフォーマンスがよくて安心している。フロントロー獲得はもとからの目標だった。

 レースペースはタイヤマネジメントが重要になる。最初、ニュータイヤだとブレーキポイント見つけるのに時間がかかっていたが、今は把握できている。僕らは気温が低くても有利に走れるだろう。レースではフロントタイヤはミディアム、リアタイヤはソフトでいこうと考えている。

ホルヘ・ロレンソ選手のコメント

 大クラッシュでびっくりしている。身体が全体的に打撲で痛いし、特に左足が心配で、念のため病院に行ったところでは問題がなかった。病院から戻ってバイクに乗ったら、どんどんタイムを縮められてパフォーマンスにも影響がなくて安心した。明日のレースでは優勝を目指して頑張りたい。

Moto2のポールシッター、ヨハン・ザルコ選手のコメント

 とてもうれしい。最近は結果がよくなく苦しい時期があり、チーム、僕自身、バイクのセッティングについて考え直していたところでもあったが、もてぎは大好きなサーキットだし、落ち着いて予選に臨めた。予選の最初はたくさん走って様子を見ていたが、その後ニュータイヤに変えていいラップタイムが出て自信につながった。明日はトップを目指して頑張りたいが、ポディウムのどこかにいられればいい。

Moto3でファステストラップを獲得した尾野弘樹選手のコメント

 ファステストラップは初めてで、とてもハッピー。セッティングを変えてライディングスタイルも変える必要があったけれども、後半にはなじんできて、ファステストを獲得できてよかった。ペナルティは残念だけど、セカンドローからスタートした方がリラックスできる(笑)。

記者会見では、コメントしている尾野選手に他の選手が見守るような視線を送っていたのが印象的だった
MotoGP/Moto2/Moto3でポールポジション・ファステストラップを獲得した3人に、Tissotと元格闘家・須藤元気さんのダンスパフォーマンスユニット「WORLD ORDER」がコラボした腕時計が贈られた
須藤元気さんの手でロッシ選手らに贈呈
ケースはヘルメット型
MotoGPのポールシッター ロッシ選手に贈られた時計
Moto2のポールシッター ザルコ選手に贈られた時計
Moto3のファステストラップを獲得した尾野選手に贈られた時計