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日産ゴーンCEOが会見、「三菱、ルノー、日産アライアンスは世界トップ3の自動車グループ」

共同最高経営責任者に西川廣人氏が就任

2016年10月20日 発表

 日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン氏は10月20日、三菱自動車の次期会長候補に選出されたことを受けて記者会見を実施した。

 今回の三菱自動車とのアライアンスについて、ゴーン氏は「三菱自動車がアライアンスに加わることで、グローバルの販売台数は2016年度に1000万台に達する見込みで、世界でトップ3の自動車グループとなります」と述べるとともに、今後については、両社による共同購買、現地サプライヤーの拡大、生産拠点の共用、共通プラットフォーム開発、新技術の開発分担や成長市場や新興市場でのプレゼンス拡大などで協力していく考えを示した。

 同会見では、三菱自動車との資本提携による日産側のシナジーも示され、2017年度に240億円を創出し、2018年度以降は年間600億円まで拡大すると予測。このシナジーにより、2017年度には1株当たり利益として4円、2018年度には10円の増加を見込む。

 ゴーン氏は「日産自動車と三菱自動車は、今後より大きなシナジー効果をもたらす体制が整った。将来的にはより好位置につけ、さらなるシナジー効果をルノーと創出していく」との考えを示した。

 また、ゴーン氏は引き続き日産自動車の取締役会長兼社長も兼務するが、現在チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)を務める西川廣人氏が共同最高経営責任者に就任する11月1日付けの役員体制が発表された。西川氏を共同最高経営責任者に据えて、三菱自動車の支援に向けて体制強化を図る。

 記者会見でゴーン氏は「三菱自動車が潜在的な能力を100%発揮できるよう、まずは燃費問題で大きく損なわれたお客様への信頼回復に向けた取り組みをサポートする。燃費不正問題に関しては2つの選択肢があった。三菱自動車との関係を断ち切るか、あるいは出資をして同社の評判の回復を後押しするか。当社は再生の道を選びました」などと語り、三菱自動車再生に向けた意気込みを示した。

 今回、日産が発表した役員人事では、西川氏の後任として現在アライアンスEVPとして購買を統括する山内康裕氏がCCOに就任。山内氏の後任として、ヴェロニク・サラデポ氏がアライアンスEVPとして購買を担当するとともに、ルノー日産共同購買組織を統括。内田誠氏が日産自動車の購買を統括して、サラデポ氏をサポートする体制となる。

 一方、三菱自動車の要請により、日産のチーフパフォーマンスオフィサー(CPO)であるトレバー・マン氏が、三菱自動車の最高執行責任者(COO)に就任予定。マン氏の後任として、ホセ・ムニョス氏が現在担当する日産自動車の北米事業に加え、チーフパフォーマンスオフィサー(CPO)に就任する。