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【2016 LAオートショー】マツダ、新型「CX-5」を世界初披露したプレスカンファレンス

IMSA参戦車「RT24-P」も初公開

2016年11月17日~19日(現地時間)開催

米国 ロサンゼルス・コンベンションセンター

 マツダは11月16日(現地時間)、「2016 ロサンゼルスオートショー」でプレスカンファレンスを実施。新型の「CX-5」を世界初公開するとともに、2017年シーズンのIMSAスポーツカーチャンピオンシップを戦う「RT24-P」のお披露目も行なった。

 新型CX-5は、すでに前日開催されたプレビューナイトの場でその姿を披露していたが、モーターショーでの公開はこの日が初となる。プレスカンファレンスは12時50分(現地時間)からスタートした。

マツダ株式会社 代表取締役 副社長執行役員 丸本明氏

 プレスカンファレンスでまずスピーチを行なったのは、マツダの代表取締役副社長で米州事業・企画領域統括を担当する丸本明氏。丸本氏は「マツダはこの4年間で、新世代技術『SKYACTIV TECHNOLOGY』とデザインテーマ『魂動』を反映した新世代商品を次々に導入し、すべての車種ラインアップを一新して、存在感を大きく様変わりさせてまいりました。一連の新世代商品群はグローバルに高く評価していただき、ブランドイメージの向上とマツダビジネスの成長へとつながっています。昨年度のグローバル販売台数は153万台となり、この4年間で24%増加しました」と語り、2012年に発売した現行CX-5から始まった新世代商品が支持されていることや好調な販売について触れた。

 続けてワールドプレミアされた新しいCX-5について「現行CX-5は、スカイアクティブ技術と魂動デザインを反映させた初めての商品として2012年に導入しました。以来、グローバルに毎年前年を上まわる販売を続けており、今やマツダのグローバル販売の4分の1を占める基幹車種となりました。新型CX-5は、そのモメンタムを加速してまいります。グローバル基幹車種として年間約40万台の販売を予定しており、その約4割がここ北米での販売となる予定です」と、メインマーケットとなる北米での販売が4割を占めるとした。

新型「CX-5」と登壇者のフォトセッション

 そして、2017年から販売を開始する新型CX-5のニュースとして、北米市場に初めてディーゼルエンジン搭載車を導入すると発表した。「新型CX-5は高効率のクリーンディーゼルエンジン『SKYACTIV-D 2.2』を搭載します。このエンジンはマツダブランドがお約束する、走る歓びと優れた環境性能をお届けいたします。北米市場でのディーゼルエンジンの導入実現には、考えていた以上の時間が掛かりました。マツダ車としてふさわしいパワーと排出ガス性能の両立を保証することが非常に重要だったからです」。

「このクルマを運転していただければ、お待たせしただけの価値があることに納得していただけると思います。ディーゼルエンジン車を米国へ導入するには厳しい時期であるということは十分承知しています。しかし、SUVセグメントでユニークな位置付けとなる優れた商品であれば、最新のディーゼルエンジン車のみが提供できる優れた燃費性能と走りの両立を求めるお客さまの潜在的なニーズを再び活性化させることができると信じています」と述べ、北米市場にクリーンディーゼルエンジン車を導入する経緯や狙いを説明した。

これまでガソリンエンジンのみを展開してきた米国市場にディーゼルエンジンを導入すると発表。世界でも群を抜いて排出ガスの規制が厳しいカリフォルニア州の基準に対応するため、NOxとPMの後処理に尿素を使うことになるという。詳細なスペックについては発表されなかったが、搭載されるのは現行のSKYACTIV-D 2.2の改良モデルになるようだ
フルモデルチェンジで2代目になる新型CX-5
外観は評判の高い現行CX-5を正常進化させた印象。フロントグリルやヘッドライトまわりのデザインが刷新されたことに注目が集まっているが、サイドパネルの陰影やライン、Aピラーの角度なども大きく異なり、より生命力や躍動感を表現するデザインに進化している
直線のラインを基調としたインテリアデザイン。Aピラーを35mm後方にずらしたことで前方の視認性を向上させている
3連メーターの右側に4.6インチのマルチインフォメーションディスプレイを設置
シートのホールド性やクッション性はかなり力を入れたポイントになるようで、適度な張りと包まれ感の高いシートは長距離を走っても疲れにくいそうだ。前席、後席ともに遮音性も上がっていて、車内の会話明瞭度も大幅に向上しているという
アクセルペダルは引き続きオルガンタイプを採用する
荷室容量は5L増加した505L。同クラスの標準的なサイズとなる
リアゲートは電動開閉式を採用した
マツダ株式会社 専務執行役員 毛籠勝弘氏

 丸本氏に続いて登壇したマツダ 専務執行役員の毛籠勝弘氏は、1968年からさまざまなカテゴリーに参戦してきたモータースポーツについて触れるとともに、来シーズンからIMSAスポーツカーチャンピオンシップで戦う「RT24-P」の発表を行なった。

「レースは決して挑戦を諦めないという我々のチャレンジングスピリットを表しています。モータースポーツは、お客様と強い感情的な絆を築くのにもってこいの方法と言えます。こういった意味合いからレーシング活動に携わってきて、現在では米国のレーストラックでどのブランドよりも多くのマツダ車が運転されています。なかでも『MX-5(日本名:ロードスター)』は、もっとも多くのレースで見受けられるクルマです。このことも、我々のすべての活動がマツダブランド全体をサポートすることにつながっているよい例の1つと言えます」と、モータースポーツに参戦する意義を語り、北米ではマツダ車がどのメーカーよりもレーストラックで走っていることをアピールした。

 CX-5は現行モデルでも多くの支持を受けており、グローバルでの販売台数の約4割を北米が占めているそうだ。新型CX-5とクリーンディーゼルエンジンの導入により、さらに販売台数を伸ばすことが予想される。

IMSAスポーツカーチャンピオンシップに参戦する「RT24-P」。ステアリングを握る4名のドライバーがアンベールと記念撮影に参加した
市販車のデザインを手掛けるマツダデザインチームがスタイリングを監修したRT24-Pは、RX-VISIONを彷彿とさせる魂動デザインを反映している。デビュー戦は2017年1月に開催されるデイトナ24時間レースになる
2人乗りのリトラクタブルハードトップモデル「MX-5 RF」
MX-5 RFの展示車両はイメージカラーの「マシーングレープレミアムメタリック」が使われることが多いが、今回は「ソウルレッドプレミアムメタリック」のRFが置かれていた