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スズキ、「ソリオ」にEV走行可能なフルハイブリッド車追加。191万7000円から
マイルドハイブリッド仕様の最高燃費から4.2km/L増の32.0km/Lを達成
2016年11月29日 11:00
スズキは11月29日、小型乗用車「ソリオ」「ソリオ バンディット」にEV走行が可能なフルハイブリッド仕様車を追加して発売した。ソリオとして「HYBRID SX」「HYBRID SZ」、ソリオ バンディットとして「バンディット HYBRID SV」がフルハイブリッド仕様車に該当し、価格は「HYBRID SX」が191万7000円、「HYBRID SZ」が206万2800円、「バンディット HYBRID SV」が204万6600円。
ソリオシリーズラインアップ
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | JC08モード燃費 |
---|---|---|---|---|---|
G | 直列4気筒DOHC 1.2リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,454,760円 | 24.8km/L |
4WD | 1,581,120円 | 22.0km/L | |||
HYBRID MX | 直列4気筒DOHC 1.2リッター+モーター(WA05A) | 2WD(FF) | 1,695,600円 | 27.8km/L | |
4WD | 1,821,960円 | 23.8km/L | |||
HYBRID MZ | 2WD(FF) | 1,841,400円 | 27.8km/L | ||
4WD | 1,967,760円 | 23.8km/L | |||
HYBRID SX | 直列4気筒DOHC 1.2リッター+モーター(PB05A) | 5速AGS | 2WD(FF) | 1,917,000円 | 32.0km/L |
HYBRID SZ | 2,062,800円 | 32.0km/L | |||
バンディット HYBRID MV | 直列4気筒DOHC 1.2リッター+モーター(WA05A) | CVT | 2WD(FF) | 1,825,200円 | 27.8km/L |
4WD | 1,951,560円 | 23.8km/L | |||
バンディット HYBRID SV | 直列4気筒DOHC 1.2リッター+モーター(PB05A) | 5速AGS | 2WD(FF) | 2,046,600円 | 32.0km/L |
同社は2015年8月に「ソリオ」「ソリオ バンディット」をフルモデルチェンジ。直列4気筒DOHC 1.2リッター直噴エンジンを搭載するガソリンモデルとともに、同エンジンとWA05A型モーター、助手席下に設置したリチウムイオンバッテリー、モーターアシスト機能を持つ「ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター:モーター機能付発電機)」を組み合わせたマイルドハイブリッド仕様の「ハイブリッド MX」「ハイブリッド MZ」「バンディット ハイブリッド MV」を展開。マイルドハイブリッド仕様のJC08モード燃費は最高で27.8km/Lを実現していた。
そして今回、マイルドハイブリッド仕様も引き続き設定しつつ、EV走行を実現するフルハイブリッド仕様を投入した。商品ポイントは「EV走行を実現したスズキ独自のハイブリッドシステム」「『キビキビとした走り』と『燃費優先の走り』を使い分けられる2つの走行モード」「エコをイメージした専用エクステリアとインテリア」の3点。
まずハイブリッドシステムは、マイルドハイブリッド仕様で使われるCVTよりも軽量・コンパクトで伝達効率に優れるという5速AGS(オートギヤシフト)と、コンパクトなMGU(駆動用モーター/PB05A型)を組み合わせた独自のパラレル方式を採用。状況に応じて最高出力10kW/最大トルク30Nmの駆動用モーターがエンジン走行をアシストして燃費性能を向上させるとともに、アクセルを強く踏むとエンジン出力に駆動用モーターの出力を上乗せでアシスト。さらに低中速での一定速走行時などにはエンジンを停止し、駆動用モーターだけでEV走行を行なうこともできる。
EV走行に関しては、約60km/h以下でアクセルを一定に踏んでいる状況で行なえるが、道路状況などにより60km/h以上でも行なえる場合もあるとしている。また、バッテリーが満充電されている場合であれば時間にして最大約3分、距離にして最大2km程度のEV走行ができるという。
100Vの高電圧リチウムイオンバッテリー(440Wh)とインバーターを内蔵したパワーパックは、冷却システムなどとともにラゲッジ下のスペースにレイアウト。駆動用モーターに電力を供給するとともに、減速エネルギーを利用して駆動用モーターで発電した電気を充電する役割を担う。
なお、今回のフルハイブリッド仕様でもISGを採用するが、マイルドハイブリッド仕様では発進後や加速時に最長30秒間エンジンのアシストを行なうとともに、減速エネルギーを利用して発電し、専用鉛バッテリーと12Vリチウムイオンバッテリーに充電するのに対し、フルハイブリッド仕様でのISGはエンジンのアシストや減速エネルギーを利用した発電は行なわない(専用鉛バッテリーや12Vリチウムイオンバッテリーへの充電は行なう)。
このように、フルハイブリッド仕様はマイルドハイブリッド仕様と比べバッテリー容量とモーター出力を向上させ、EV走行や広範囲でのモーターアシストにより低燃費を実現。これに加え、徹底した軽量化などによってソリオ全車の車両重量を1000kg以下に抑え、JC08モード燃費はマイルドハイブリッド仕様の最高燃費から4.2km/L増(15%増)となる32.0km/Lを達成。エコカー減税の免税(100%減税)対象車となっている。
そのほか、フルハイブリッド仕様ではレスポンスよく駆動力が発生する「標準モード」と、駆動力の発生を抑えた緩やかな加速を実現する「エコモード」という2つの走行モードを設定。運転席右側に備わる「エコモードスイッチ」で切り替えが行なえる。
標準モードとエコモードの違い
加速感 | EV走行 | エコドライブのしやすさ | 空調設定 | |
---|---|---|---|---|
標準モード | ◎ | ○(一定速走行) | ○ | ○(3モード切り替え) |
エコモード | ○ | ◎(一定速走行、クリープ走行) | ◎ | - |
フルハイブリッド仕様のエクステリアでは、フロントグリルのスケルトン部分にブルーメッキを施すとともに、リアコンビネーションランプとバックランプのレンズをブルークリアタイプに変更。さらにバックドアと左右フェンダーに専用エンブレムを備えた。
フルハイブリッド仕様のインテリアでは、インパネのアッパーガーニッシュをシルバー塗装からブルーメタリック塗装に変更。さらにメーターレイアウトでは、マイルドハイブリッド仕様では左側にタコメーターが並ぶところ、フルハイブリッド仕様ではMGUの作動状態を表示するモーターパワーメーターを設置。タコメーター(およびギヤ段)表示はマルチインフォメーションディスプレイでの表示となった。そのほか、EV走行時やエンジン自動停止中はメーター内の「EV表示灯」が点灯するようになっている。
ソリオシリーズ主要諸元(抜粋)
HYBRID SZ | バンディット HYBRID SV | HYBRID MX | |
---|---|---|---|
駆動方式 | 2WD(FF) | 2WD(FF) | 4WD |
定員[名] | 5 | ||
全長×全幅×全高[mm] | 3,710×1,625×1,745 | ||
ホイールベース[mm] | 2,480 | ||
前/後トレッド[mm] | 1,435/1,440 | 1,435/1,430 | |
重量[kg] | 990 | 990 | 990 |
エンジン | 直列4気筒DOHC 1.2リッター「K12C」 | ||
最高出力[kW(PS)/rpm] | 67(91)/6000 | ||
最大トルク[Nm/rpm] | 118(12.0)/4400 | ||
トランスミッション | 5速AGS | 5速AGS | CVT |
モーター形式 | PB05A | WA05A | |
モーター最高出力[kW(PS)/rpm] | 10(13.6)/3,185-8,000 | 2.3(3.1)/1,000 | |
モーター最大トルク[Nm/rpm] | 30(3.1)/1,000-3,185 | 50(5.1)/100 | |
動力用主電池種類 | リチウムイオン電池 | ||
動力用主電池個数 | 28 | 5 | |
動力用主電池容量(Ah) | 4.4 | 3 | |
JC08モード燃費[km/L] | 32.0 | 23.8 | |
燃料/タンク容量[L] | 無鉛レギュラーガソリン/32 | 無鉛レギュラーガソリン/30 | |
前/後サスペンション | マクファーソンストラット/トーションビーム | マクファーソンストラット/I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク) | |
前/後ブレーキ | ベンチレーテッドディスク/リーディング・トレーリング | ||
前/後タイヤ | 165/65 R15 81S |