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【2017 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ】車体開発の遅れを取り戻して参戦。25号車 名古屋工業大学「Horizon 17」

「ネットの活用で雲の動きを見られるようになった」と田中部長

2017年10月8日~15日(現地時間) 開催

25号車 名古屋工業大学ソーラーカー部「Horizon 17」。Horizon 17はカタマラン型のボディを採用する

 オーストラリアを舞台に10月8日~15日(現地時間)の期間開催される「2017 ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ」。開催前々日となる6日には、ダーウィン郊外のヒドゥンバレー レースウェイでサーキット走行や8の字走行確認などが行なわれていた。

 このヒドゥンバレー レースウェイで、日本から参加している25号車 名古屋工業大学ソーラーカー部「Horizon 17」を走らせている、名古屋工業大学ソーラーカー部 部長 田中宏樹氏、副顧問 羽藤正秋氏に話をうかがった。

 田中部長は同大学3年生の現役学生で、部長職のほかにHorizon 17の電気面も担当している。2017年のソーラーカー「Horizon 17」については、カタマラン型(双胴型)を採用するが、実は車体の仕上がりが遅れていたのだという。車体はカーボンで作られており、カーボン車体の各パーツができてきた(焼き上がってきた)のが春ごろとなり、そこからチームに加わった1年生が中心となって車体を仕上げることになったとのこと。毎日パーツを削り、仕上がった各パーツを接着して車体を無事組み上げることができた。

 そこからモーターや制御系となる電気系統を組み込み、なんとかソーラーカーとしての調整も終わり仕上がったのが「この一週間になる」(羽藤氏)という。ギリギリに仕上がったとのことだが、車体の仕上がりはきれいで、カタマラン型としては非常にオーソドックスな仕上がりに見えた。ただ、カタマラン型の場合、ドライバーが片方の車輪側に座ることになるので「ドライバーの体重によるバランスの調整が大変だった」(田中部長)とのこと。その調整を最後まで行なっていたという。

 2017年からの新たな取り組みとしては、「ネットの活用で雲の動きを見られるようになった」と語り、気象衛星「ひまわり8号」の高解像度画像を、日本の名古屋工業大学からPDFで送ってもらっているとのこと。この雲のデータを見ながら、サポートカーの指令車がソーラーカーのドライバーに走りを指示していくことになる。