高橋敏也の新型「プリウス」買ってみた長期レビュー
最終回:エコタイヤとエコホイールで走り出す!


 先日、ちょっと嬉しいことがあった。今年の自動車税納税通知書が2通届いたのである。1通はポニョ嫁が乗っているガイアのもので、もう1通はもちろん新型プリウスのものだ。それを見て驚いたり、喜んだり。ガイアの税額が3万9500円、新型プリウスのものがジャスト2万円だったからだ! ガイアはいわゆる5ナンバーの乗用車、新型プリウスは3ナンバーである。しかしエコカー減税のお陰で、新型プリウスの税額は5ナンバーのガイアと比較して、約半分で済んだ訳だ。あらかじめ分かっていたことではあるが、やはり嬉しいものは嬉しい。

 この差額、約2万円をポニョ嫁に内緒でポケットに入れれば、新しいCPUの1つでも買えるだろう……などと思っていた私が甘かった。税額が下がった代わりという訳でもないのだが、ガソリン価格の上昇が続いているからだ。私が新型プリウスに初めて給油したときの価格は、レギュラーガソリン1Lで約119円(2009年6月16日)だった。それが今(2010年5月8日)では、133円になっているのだ。

 さらに過去のデータと比較しても、現在のガソリン価格はかなり高いと思う。新型プリウスに乗り換える前のデータ、2009年6月6日の給油データですら、ハイオク1Lが129円! 現在の価格は約1年前のハイオクを、軽く上回っているのである。ちなみに連載第1回目で私は、以下のようなシミュレーションデータを提示していた。

・現在(2009年7月)
1Lあたり:136円(ハイオク)
1Lあたりの走行距離:6.5km
1kmあたりの出費:約21円

・ハイブリッドカー(仮定)
1Lあたり:120円(レギュラー)
1Lあたりの走行距離:20km
1kmあたりの出費:6円

 新型プリウスへ乗り換えるきっかけの1つは、ガソリン価格の高騰だった。当時、ハイオク車に乗っていて「満タンで1万円を超えるようになったら、乗り換えよう」などと思っていて、あっさりそうなったのを憶えている。現在のレギュラーガソリンは、価格的に見ると1年前のハイオクガソリンとそう違わない。このガソリン高がいつまで続くか、投資家でもないただのおっさんには分かりかねる。だが、いずれにしてもシミュレーションを書き直す必要はありそうだ。現在のガソリン価格、そして最近の私の燃費データを反映させると、以下のようなシミュレーションとなるだろう。

・ハイオクガソリン車
1Lあたり:143円(ハイオク)
1Lあたりの走行距離:6.5km
1kmあたりの出費:22円
1万kmあたりの出費:22万円

・新型プリウス
1Lあたり:133円(レギュラー)
1Lあたりの走行距離:16.7km
1lkmあたりの出費:約8円
1万kmあたりの出費:8万円

 ガソリン価格は変動するものだし、暫定税率の扱いでさらに変動するかも知れない。しかし、それでも新型プリウスである。ハイオクからレギュラーへと油種が変化したことはもちろんだが、以前と比較して圧倒的に燃費がいい。1/3までは行かないが、それに近い程度のガソリン代となり、私個人の出費という点においては、かなりの節約が実現している。それでも、あれでも、これでも! ガソリン価格が高騰すれば、それなりに出費は増えていく。心機一転、ふんどしを締め直して新型プリウスの省燃費運転に励まなくては。まあ、実際にはふんどしなんか締めてないんですけどね。

燃費マネージャー大活躍!?
 さて、まずは前回取り付けたテクトムの「燃費マネージャー(FCM-2000W)」である。この燃費マネージャーが想像以上に大活躍というか、役立ってくれている。ハンドルのすぐ先という取り付け位置がよかったためか、運転のじゃまにならず、とにかく見やすい。基本的に私は燃費マネージャーで瞬間燃費を観察しているのだが、新型プリウスのメーターにも瞬間燃費の表示はある。速度表示の左にあるのだが、確認しようと思うと無視できない程度に視線が動く。

 それが燃費マネージャーだと、ほぼ目前にあるため、理想的なチラ見が可能なのだ。燃費マネージャーのアナログ表示では、「ネンピ」モードで平均燃費が数値で、そして瞬間燃費がグラフと数値で表示される。瞬間燃費のグラフは30km/Lまでなので、新型プリウス標準の40km/Lまでの表示よりはカバー範囲が狭い。しかし、数値表示の方は99.9km/Lまで表示することができるのだ。もちろんモーターのみで走行している際の表示は「99.9km/L」となり、実に気持ちがいい。

 ちなみにこの燃費マネージャー、取り付けた車両ごとに「補正作業」を行わなくてはならない。これは前回も書いたが、燃費マネージャーの場合、車両のコンピューターからデータを取得し、それを元にさまざまな計算を行っている。この際、燃料使用量として認識されるのはインジェクターが「どれだけの時間、燃料を吐出したか」である。インジェクターが時間あたりどれだけのガソリンを吐出するかは、車両やモデルによって異なる。このデータを設定するのが、「補正作業」という訳だ。

 といっても難しく考える必要はなく、テクトムのWebなどで公開されている係数を入力するか、満タン法の実燃費データ(給油量と走行距離)を入力するだけでいい。早速その補正作業を行ったところ、瞬間燃費のデータが燃費マネージャーと新型プリウスのメーター読みでほぼ一致するようになった。平均燃費に関しては、新型プリウスのデータと異なる結果となる。これは補正した際の走行状況と、走りが異なる場合が多かったためかも知れない。もともと新型プリウスの示す平均燃費に関しても、満タン法のデータとは差があるので、あまり気にはならないのだが。

 このほか燃費マネージャーでは、1回の走行ごとの燃費(エンジン停止ごとにクリアされる)を示す「今回燃費」、さらには燃料流量なども表示することができる。意外と便利なのは「回転数」の表示だ。新型プリウスにはタコメーターがないため、エンジンの回転数を把握できない。それを燃費マネージャーが表示してくれるのである。表示切り替えなどの操作は、4方向+プッシュ操作に対応した操作スィッチで行う。自動車での利用に配慮された高温度対応の液晶表示は大変見やすく、暗い環境ではバックライトで照らされるようになっている。

 取り付けに関しては前回、私が実際にやったように、誰でも簡単に行える。新型プリウスのメーターで大ざっぱにしか把握できなかった瞬間燃費がリニアに、そして細かく表示されるのは省燃費にとって悪いはずがない。燃費の向上はまず何より、自分の走りと燃費の関係を知ることにある。そういった意味でも、この燃費マネージャーは大いに役立ってくれるはずだ。

補正作業のため、操作スイッチ長押しでメインメニューを表示。「データ」を選択する今回は実際の走行距離と給油量を入力する「実値入力」で補正を行う。係数が入手できた場合は「係数入力」で補正する
燃費マネージャーを取り付けた際に走行距離をリセットし、満タン給油。それから375.4km走行し、給油したら22.4L入った(燃費的には16.76km/Lである)最後に「クリア」を実行し、補正作業は終了である。実際の走行距離と給油量を使用するため、満タン燃費計測に近い値を示してくれる
夜の燃費マネージャーの表示は、実に美しい。左側の表示がモーター走行の際には「99.9km/L」となるグラフ表示ではバー表示のスケールを「20km/L」と「40km/L」で切り替えることができる。写真は20km/Lスケールだが、プリウスの場合は40km/Lスケールの方がよさそうだ
細かいデータをチェックしたいときは「4行表示」に切り替える。ただし表記はカタカナになる2行表示で「瞬間燃費」と「平均燃費」を表示してみた。個人的にはグラフも見られる「アナログ表示」が好き

エコホイールとエコタイヤを新調しました!
 ディカプリオさんからスペシャルメッセージをもらうぐらいだから、ブリヂストンのエコタイヤ「ECOPIA EX10」は確かにエコなタイヤなのだろう……。まあそれはそれとして、最後の最後に大物パーツの交換に踏み切った。そう、タイヤとホイールである。まさに大物、最重要パーツの1つ、いや2つと言って異論が出るとは思えない。

 実は最初にホイールを交換してみないかという話があって、ならば一緒にタイヤも交換してみようということになったのだ。そしてホイールのほうがこれまたすごいもので、なんとレイズの製品というのである。レイズのホイールと言えば、確かF1で採用されていたりとか、高そうなカスタムカーを見ると、レイズのアルミホイール履いたりとか……それぐらいは私だって知っている。そのレイズが「ECO drive GEAR」シリーズとして「Super Eco 16/17inch」を販売しているのだ。

 16インチと17インチに対応するエコホイールですよ、あなた。こりゃあもう、新型を含むプリウスのためにあるようなもんでしょう? スタイリッシュで超軽量な鍛造1ピースホイールが、新型プリウスに対応しているのである。それを試せるというのだから、千載一遇のチャンス。さらにホイールを交換するんだったら、タイヤも新しいものにしてみましょうというのだから、盆と正月が手をつないでやってきたようなものである。最後の最後で、私にも運が巡ってきたようだ。

 さてまずホイール、レイズのSuper Eco 17inchだが、こちらはとにかく軽い! もうホイール単体で持ち上げたときに、その外観からは想像できないほどの軽さなのだ。ホイールが軽い=車重軽減=省燃費という図式は、もはや説明するまでもないだろう。さらにホイールの軽量化は、バネ下重量の軽減であり、路面への追従性を高めることになる。大げさに言ってしまえば、よりスポーティな走りが可能になる上、動力をより路面に伝えることができるのだ(多分)。

 あとはもう写真を見てもらえば一目瞭然なのだが、とにかくこのホイール「格好いい」。しかもお借りしたSuper Eco 17inchが、通常版より3150円アップのフォーミュラシルバーという色だったのだ。もう、届いた箱を開けた途端に気に入りましたよ。これは正直、自己満足というレベルを超えていると思う。デザインの好みは人それぞれだろうが、ほとんどの人がこのホイールのアピール度を認めると確信している。

レイズのSuper Eco 17inch、フォーミュラシルバー。届いたその日に引っ張り出して、しばらく部屋に飾った。それぐらい美しい。装着してなんぼのホイールだが、ずっと飾っておきたいほどの造形美である

 そしてお次はタイヤである。もともと新型プリウスは、エコ性能の高いタイヤを最初から履いている。例えば私のGツーリングだと、東洋ゴム工業のPROXES R30Aである。東洋ゴム工業ではこのモデルを「環境配慮タイヤ」と呼んでいるが、平たく言ってしまうとエコ性能の高いタイヤだ。転がり抵抗を抑えて燃費の向上に貢献しつつ、静粛性を高めたモデルなのだそうだ。走行距離はまだ1万kmにも届いていないし、このタイヤに不満はまったくない。というかタイヤノイズも小さく、大変満足している。だが、新しいタイヤと言われると、これがまた飛びついてしまうんですね……。

 そんな流れで入手したのがディカプリオさんからスペシャルメッセージをもらったエコタイヤ、ブリヂストンの新製品、ECOPIA EX10なのである。これは「低燃費と安全性を高次元で両立」したというモデルで、クラス的には「エコスタンダード」になるのだと言う。

エコタイヤの選択基準を示す「ラベリング制度」
 さて、そんなこんなでゲットしたニュータイヤだが、ラベルを見て不思議なことに気がついた。何かしらの基準を示すような表示が、製品ラベルに含まれているのだ。「低燃費タイヤ」と書かれたマークは、まあ理解できる。エコタイヤを選んだのだから、当然と言えば当然の話だろう。

 問題はその右隣にある2つのマークだ。上段に給油機の入ったマーク、そして下段に傘の入ったマーク。今回履いたECOPIA EX10の場合、上段のマークが「A」となっており、下段のマークが「b」となっている。実はこれ日本自動車タイヤ協会が定めた「ラベリング制度」に基づく表記なのである(「低燃費タイヤ等の普及促進に関する表示ガイドライン」なのだそうだ)。

 上段の給油機が入ったマークは転がり抵抗(RRC)に関して「AAA~C」の等級で示し、下段の傘が入ったマークはウェットグリップ性能(G)に関して「a~d」の等級で示しており、転がり抵抗性能に関しては「AAA」が、ウェットグリップ性能に関しては「a」が最高等級になる。そして左の「低燃費タイヤ」マークが入るのは、転がり抵抗性能の等級が「A」以上、ウェットグリップ性能の等級が「a」~「d」以上のタイヤである。このラベルを見れば、即座に「低燃費タイヤ」の基本的な性能が把握できるのである。

 ちなみに転がり抵抗というのはタイヤが回転する際に発生する抵抗力を言う。転がり抵抗の増大はエネルギーロスであり、燃費の悪化につながる。省燃費タイヤの判断基準として取り上げられたのはこのためである。当然、転がり抵抗は小さいほうがいい。しかし、タイヤの変形がその原因のほとんどを占めると言われる転がり抵抗を減少させるのは大変なのだと言う。一方のウェットグリップ性能は、実に分かりやすい判断基準だ。要するに濡れた路面における、タイヤのグリップ力を示すものだ。

 さて、ではなぜこの2つの性能を表示するのか? 実は転がり抵抗とウェットグリップ性能は、相反するものだからなのである。基本的には転がり抵抗を低減させると、ウェットグリップ性能が落ちる。逆もまたしかり。もっとも金に糸目をつけない(笑)となれば、この2つの性能を両立させたタイヤも実現可能だろうが。いずれにせよ相反するがタイヤにとって重要な2つの機能をランクで表示し、省燃費タイヤの普及に役立てようというのが「ラベリング制度」な訳だ。

ECOPIA EX10のラベル。上段右に、何やら見慣れないマークの羅列があるようだ……上段の転がり抵抗が「A」、下段のウェットグリップ性能が「b」、そして「低燃費タイヤ」マークが入っている。ECOPIA EX10はラベリング制度で公認されたエコタイヤという訳だ

実際に走ってみたら、感動ものでした
 タイヤが真の実力を発揮するのは、一皮剥けてから……というのは常識として考えてもいいだろう。では一皮剥けるまでどれぐらい走ればいいかというと、タイヤによっても違うだろうが、約500kmと私は考えている。単車に乗っていたときには、猛者が新しいタイヤを履いた際、高速道路で一気に500km以上走り「剥いてきた」などと言っていたのを記憶している。

 さて、中年の貧乏暇なし、すなわち私にはそんな時間はないので、地味に走行距離を稼いでいくしかない。しかし、走り始めのそのときから、新しいホイール+タイヤの性能を実感することが出来たのには驚いた。とにかく路面への追従性がいいのである! 細かいギャップにも機敏に反応しているのが体感でき、強いて言えばサスペンションをチューニングしたかのような感じだ。グリップ性能などに関しては、タイヤが一皮剥けてからでないと判断できないのではあるが……。

 タイヤの走行ノイズに関しては、多少減少したように感じた。これはタイヤが新しいことなども影響しているのだろう。もちろんタイヤ自身の性能、そしてタイヤからの振動を受けるホイールの性能もあると思う。

 だが何より、タイヤ+ホイールの重量が大幅に軽減したことによる、路面追従性の向上にはえらく感動した。標準ホイールとタイヤの組み合わせ(約9000km走行後)で1本20.4kgあった重量が、新ホイール+新タイヤでは約17kgになった。1本あたり3.4kgの軽量化、4本なら13.6kg、約14kgもの軽量化に成功したのである。それもバネ下で! 13.6kgと言えば2歳から3歳児1人ぐらいの重量だ。路面追従性がアップするのも当たり前、もちろん燃費にもよい影響がある。車重の軽量化は、燃費向上にとって基本の1つなのだから。

 ちなみにホイール+タイヤ交換は、東京トヨタ井草店の太田さん(私の担当営業)に相談したところ、「お持ち込みいただいても作業します」と嬉しい答えが返ってきた。そこでホイール、タイヤを持ち込んで交換作業を行ってもらった。

 ところが、井草店の工場にあるタイヤチェンジャー(タイヤを交換する機械)だと、交換作業自体は可能だが、何かあった場合ホイールに傷が入るかも知れないとのこと(工場の機械は基本的にトヨタ純正のパーツに対応している)。もちろん万に一つのことなのだが、そこはそれ東京トヨタである。万に一つを防ぐために急遽、餅は餅屋、タイヤはタイヤのプロに任せることとなった。

 そこでトヨタ井草店お勧めのダンロップ タイヤセレクト中野哲学堂へと移動し、そこでの交換作業を見学することに。まあ、私としては何もすることがないので、ヘーとかホーとか言いながらテキパキと進む作業を見守るだけなのだが。主任の秋月さんが解説をしながらテキパキと作業してくれたので、タイヤに関する知識がちょっと増えたのが嬉しかった。ちなみにタイヤとホイールのプロである秋月さんも、レイズのSuper Eco 17inchを手にした時は「おっ、軽いなあ」とつぶやいていた。

 しかしまあ、元々装着されていた東洋ゴム工業のタイヤをブリヂストンに交換するのを、ダンロップのお店でやってもらったというこの絶妙なコラボレーション。あとは私がミシェランや横浜ゴムのアクセサリーを、新型プリウスの車内に飾ればいい訳か。冗談は別として「タイヤ4本組替、ホイール持ち込み、バランス調整料含む」のお値段は、バルブ交換などの部品込みで1万368円だった。

東京トヨタ井草店の工場で、タイヤをすべて外されてしまった新型プリウス。やっぱり車はタイヤがあってなんぼの代物ですな……井草店にあるタイヤ交換用の機械は、基本的に純正ホイール対応である。お客さん(私)が持ち込んだホイールに万が一でも傷をつけてしまっては大変である。そこで作業を急遽、外部へ委託することにそこで向かったのがタイヤセレクト 中野哲学堂。タイヤ、ホイールなどのプロショップである
早速作業開始。さすがはプロ、なんのためらいもなく、流れるように作業は進むタイヤとホイールを密着させる際に、結構大きな音が「ボン」とする。事前に教えてもらったからよかったものの、何も知らないとかなり驚くだろう最後にバランスを計測し、必要に応じてウエイトを取り付けて1本出来上がり!
ふと思い立って秋月さんに「重さを測りたいんですが……」とお願いしたら、あっさりと体重計が出てきましたがな。やはり重量を気にするお客さんがいるので、常備しているそうだSuper Eco 17inchとECOPIA EX10を合わせて約17kg。このデータを憶えておこう東京トヨタ井草店に戻って、組み上がったホイール+タイヤを、新型プリウスに装着する
実に格好がいい。17インチというサイズは、新型プリウスのボディーボリュームにマッチしていると、勝手に考えている最後はもちろん工場スタッフのチェックがある。空気圧やナットの締め付けトルクなどを調べて作業終了
帰宅してからノーマルタイヤ、ノーマルホイールの重量を計測してみた新型プリウスのGツーリング純正17インチアルミホイールとタイヤの重量は約20.4kg
ちなみに我が家の老犬が6.8kg。シーズー犬約2匹分の軽量化に、ホイールとタイヤだけで成功したのである(?)
こうして見ると、当たり前の話ではあるが、2種類のタイヤでパターンもかなり異なっている純正とレイズのホイールの比較。いい意味で純正ホイールは「純正らしい」。Super Eco 17inchは足まわりが引き締まって見える……ような気がする

最後の燃費報告
 本連載も今回が最終回。飽きずに読んでくださった皆さん、そして関係各位にはこの場を借りて厚く御礼申し上げる。特に東京トヨタ井草店の皆さんには、本当に親切にしていただいた。もちろんこれからも新型プリウスに関しては面倒を見てもらうことになるので「これからもよろしくお願いします」ではあるのだが。

 そんな訳で最後の燃費報告である。

給油日走行距離給油量給油金額燃費備考
2009年6月16日38.66L4601円初回のため燃費算出せず
2009年6月26日355.5km20.41L2510円17.4km/L 
2009年6月26日223.2km10.16L1250円22.0km/L 
2009年7月19日663.7km39.59L4553円16.8km/L 
2009年8月15日658.3km36.17L4485円18.2km/L 
2009年9月9日692.4km38.71L4955円17.9km/L 
2009年10月5日713.6km38.16L4656円18.7km/L 
2009年10月17日369.7km23.13L2776円16.0km/L 
2009年11月8日630.9km37.79L4610円16.7km/L 
2009年11月26日625.7km38.64L4637円16.2km/L 
2009年12月17日570.1km38.38L4567円14.9km/L 
2010年1月8日546.7km37.8L4460円14.5km/L 
2010年1月10日51.5km3.37L394円15.3km/L 
2010年1月10日152.0km7.36L868円20.7km/L横須賀エコドライブ
2010年2月3日619.7km38.83L4931円16.0km/L 
2010年2月27日544.5km37L4921円14.7km/L謎のデータ
2010年3月16日641.4km38.93L4944円16.5km/L 
2010年3月31日375.4km22.38L2842円16.8km/L燃費マネージャー
データ補正のため給油
2010年4月5日108.8km8.25L1048円13.2km/Lホイールとタイヤを
交換したため給油
2010年5月8日606.1km32.5L4323円18.6km/L 

 気温が上昇し、ヒーターの負荷が軽くなったことも影響している。私自身、燃費を向上させる上で、ちょっとしたコツが分かったということもある。さらに超軽量ホイール、レイズのSuper Eco 17inch、そしてブリヂストンのECOPIA EX10も大きく影響している。いずれにしてもラストを飾るのに、ちょっとホッとするようなデータが得られた。606.1kmの走行で給油量が32.5L、満タン法の燃費計算で18.6km/Lだ。

 最近、燃費データが悪化していたので多少諦め気味だったが、ホイールとタイヤを新調したのがいい気分転換になった。燃費を「気にしすぎないよう」にしつつ、目前の燃費マネージャーをチェックしながら気軽に走るよう心がけた。目をつり上げて「燃費、燃費!」というのは、精神衛生上もよいとは言えないからである。おかげさまでなんとか最後に、1Lあたり18km走ることができた。

 もちろん目標は1Lあたり20km、20km/Lである。目標到達まで道のりは遠いが、昨年の夏と違い、こっちも多少は省燃費に関してスキルアップしている。長距離走行などを含めて、20km/L超えを連発したいものだ。なお約1年、新型プリウスを運転してきて自分なりに、これが一番燃費にいいと感じたのは「周囲の状況をよく把握しつつ、加速して目標スピードに到達し、定速走行を持続」である。

 話は簡単、周囲の状況にあわせて目標スピードを決め、まずそこまで加速する。急加速する必要はないが、比較的強めにアクセルを踏んで加速し、目標スピードに達したらアクセルを緩めて一定のスピードで走行する。加速中の短時間は燃料を多く消費するが、すぐに定速走行となり、燃料消費を抑えることができる。しかし、加速したはよいが周囲の状況ですぐに減速をしなくてはいけないとなると本末転倒。安全運転という点においても、周囲の状況把握は重要ということだ。

 そう、考えてみればマークIIブリットから新型プリウスへ乗り換えたのは約1年前。一番大きな理由は「燃費のいい車に乗りたい」だったが、ほかにも新型プリウスに乗り換えたことで得られたメリットがいろいろある。例えばボディーサイズが小さくなったため、取り回しや車庫入れが楽になったこと。静かなので早朝深夜に動かしても、あまり周囲を気にしなくてすむようになったことなどなど。ブリットもいい車だったが、新型プリウスも負けてはいない。

 最後に1つ、新型プリウスの魅力は何も「省燃費」だけではない。新型プリウスを運転する際には是非、安全な範囲でパワーモードも楽しんでもらいたい。例えばツーリングセレクションの場合、足まわりはスポーツタイプにはほど遠いにしても、かなりしっかりしている。パワーモードでモーターの有無を言わせぬ加速を活用すれば、新型プリウスはかなり機敏な動きを見せてくれる。新型プリウスに乗っていて、パワーモードを楽しまないのは損だと思っている。

 そう遠くない将来、私としては新型プリウスをほかの乗用車に乗り換えたいと思っている。プリウスのスポーツタイプか、あるいはワゴンタイプが登場したら、乗り換えを考える予定だ。出来るなら「プリウスのスポーツワゴン」というのが理想である。まあ、電気自動車って話になるかも知れないが……。いずれにしても皆さん、本当にありがとうございました。

<了>

(高橋敏也)
2010年 6月 9日