高橋敏也の新型「プリウス」買ってみた長期レビュー 第3回:新型プリウスの燃費が見えてきました |
我が家の新型「プリウス」が、初回点検を迎えた。納車されてから初めての点検だから、初回点検。大変ストレートなネーミングだが、別にウケを狙っている訳ではないだろうし、それはそれでいいと思う。まあ、点検結果に関しても感動的な何か、衝撃の真実が出てくる訳もなく、担当営業の太田さんと雑談をしているうちにあっさり終わってしまった。
初回点検時の記念撮影。顔がしょぼしょぼしているのは、気のせいでしょう |
基本的に初回点検は、車両の各所が正常に機能していることを確認するものだ。主要なネジがきちんと締まっているか、オイルなどが正常に流れているか、電気系統に異常はないかなどなど。もちろん出荷段階でそういったことは確認されているのだが、ユーザーの手元に渡って走り始めてからが勝負である。実際に動いてから、そして細かな振動などにさらされてどうなるか? それをチェックするのが初回点検という訳だ。
通常、初回点検は納車1カ月後に行われる。実はこの時、多くのお客さんが「初回点検と一緒に行ってくれる洗車」を目的で来るのだそうだ。かくいう私もそれが主な目的だったりするのだが、同時にハイブリッドカーの情報を集めたりもする。結果として出てきた話が「SAI(サイ)」である。
すでにご存じの方もいるとは思うが、SAIはレクサスのハイブリッド専用車、「HS250h」のトヨタブランド版である。内装はレクサスバージョンよりシンプルになるのだろうが、新型プリウスより高級車に近いポジションとなるのだろう。新型プリウスとはしっかりすみ分けが出来そうなので、「やられたぁぁぁ!」とか、「こっちが先に出てればぁぁぁ!」とか、そういった気にはならない。
まあ、2.4リッターエンジンが妬ましかったりしても、カタログスペックの燃費が23.0km/L前後だろうというウワサを聞いて優越感を持ったりもする。このSAIに限らずトヨタからは、今後もどんどんハイブリッドカーが登場すると思う。そんな新しいハイブリッドカー情報を聞くたびに、赤くなったり青くなったりして楽しむつもりである。いや、個人的には高級車寄りのハイブリッドより、小型車寄りのほうが気になるんですけど……。
初回点検で東京トヨタ井草店のピットに収まった新型プリウス。結果はもちろん、まったくの正常で健康 | 今月のムームー。「こっち向いて!」って、聞いちゃいないし |
■「まるで電車のよう」な、新型プリウスのトルク
先日、友人から電話があった。私が新型プリウスに買い替えたのを知って、どんなものか知りたいと思ったらしい。やはり話題の中心は燃費である。実際に走ってみて、燃費はどれくらいになるのか、どういったときに燃費がよくなるのか、またわるくなるのか? そういったことを根掘り葉掘り聞いてくる。
燃費の話が終わると、今度はドライブフィーリングである。従来モデルの1.5リッターエンジンに対して、新型プリウスは1.8リッターエンジンを搭載している。また、トヨタのアナウンスだと新型プリウスは「2.4リッター車相当」のパワーを確保していると言う。これが実際の走りに、どう影響するかを知りたいという訳だ。
私は乗用車の“走り”に関して語るほど、高いスキルを持ち合わせていない。今まで10年ほど、数種類の乗用車を運転してきたが、自分の経験の範囲内で判断するしかないのである。だが、その範疇で語ったとしても、新型プリウスの“走り”には、異質な部分が存在する。その代表格が、パワーモードだろう。
話はややそれるが、先ほどふれたとおりトヨタでは新型プリウスのパワーに関して「2.4リッター車並のパワー」としている。カタログにも堂々と書いてあることだが、この根拠は一体どこにあるのか? というのも新型プリウスのシステム出力、すなわちエンジン+モーターの総合的なパワーは、100kW(136PS)なのである。
私の以前の愛車、マークIIブリットはノンターボの2.5リッターなので、それと比較してみよう。マークIIブリットの4WDモデルが搭載するエンジン、BEAMS 1JZ-GE VVT-iの最高出力は、144kW(196PS)となっている。ややスポーツ寄りの車両でノンターボ、2.4リッターや2.5リッターとなれば、200PS前後は確保しているのが普通だ。これだと新型プリウスの100kW(136PS)とかなりの差が生じる。ではなぜ新型プリウスは「2.4リッター車並のパワー」なのか?
新型プリウス、パワーの秘密はそのトルクにある。上記、マークIIブリットのエンジンは、最大トルクが255Nm(26.0kgm)である。一方の新型プリウスは、エンジンの最大トルクこそ142Nm(14.5kgm)だが、一方のモーターは207Nm(21.1kgm)という最大トルクを誇っているのである。システム出力としてのトルクが2.4リッター車並に達するということだ。
しかもモーターは、始動時から最大トルクを出せる特徴を持っている。もちろん乗用車の場合、アクセルを踏み込んだ途端に最大トルク発生というのでは、運転しづらくて仕方ないだろう。だが、エンジンのように回転数を上げなくても、手軽に大きなトルクを得られるというのはモーターを使うハイブリッド車にとって、大きなメリットとなってくれるのだ。
瞬時に最大トルクを出せるモーターの特徴は、そのまま新型プリウスでも活かされている。「パワーモード」がそれだ。シフトレバー左上、非常点滅灯スイッチの上部にある3つのボタンから「PWR MODE」を選んで押すと、新型プリウスはパワーモードに入る。同時にセンターメーター内に「PWR MODE」という表示が点灯するのだが、同じボタンをもう一度押すことで、モードを解除することができる。
非常点滅灯スイッチの上に並ぶ、3つのボタン。左からパワーモード、エコドライブモード、EVドライブモードのボタンとなる。EVモードに関しては次回詳しく取り上げたい | センターメーター、速度表示の上あたりに、ドライブモードの表示が行われる。左が通常時、右がパワードライブモードに入ったときの表示。もう一度、パワーモードボタンを押せば解除となる |
さて、このパワーモードに入った途端、新型プリウスはアクセル操作に対して敏感に反応するようになる。とくに発進時、このパワーモードに入っていると、ちょっとアクセルを踏んだだけで車体が、有無を言わせずグッと持って行かれる。「エンジンの回転数が上がるのと同時に、パワーが湧いてくる」というのではなく、瞬時にパワー(トルク)が発生するのだ。この雰囲気、どこかで感じたような気がする……。
そう、パワーモードの新型プリウス発進は、電車に乗っているときの感覚に共通するものがあるのだ。電車に乗っているとき、とくに発進時のグイッという加速感に近いもの、それが新型プリウスのパワーモードなのだ。回転数とか、車両重量とかに関係のない、スイッチオンで発生する加速感。ハイブリッドカーである新型プリウスの、電気自動車的な面が如実に現れるシーンと言えるだろう。
しかも新型プリウスではそのカタログで語られているとおり、アクセル操作に対するレスポンスがいい、というかよすぎる。パワーモード発進時は、アクセル操作に気をつけなければならないほどだ。「坂道やワインディングロードなど」で、俊敏な走りを楽しめるとカタログにはあるのだが、私には活用する機会があまりないだろう。
また、パワーモードのすごさを体感するのは、車速が遅いときである。高速道路を走行中などに、追い越しをかけたいからといってパワーモードにしても、発進時ほどの圧倒的な加速が得られる訳ではない。低速時のトルク特性が優れているのがモーターであり、高速走行時はエンジンとモーターの共同作業になっている。というか高速走行時は、新型プリウスも普通の1.8リッター車に近いフィーリングなのである。
それでもアクセルを踏めば加速するし、そもそも高速走行時に爆発的な加速が欲しいというなら、ハイブリッドカーではなくターボ車を選ぶべきだ。新型プリウスが勝負をかけるのはエコ、省燃費というジャンルなのだから。
■最新の燃費は18.2km/Lでした
その燃費である。先程の友人もそうだが、新型プリウスの話で避けて通れないのこの燃費。先日など商用でやってきた台湾からのお客さんですら、新型プリウスの燃費を気にしていた。そんな時、私はあくまで個人データとして「1Lあたり18km前後」と答えている。もちろんこの値は実測、実際に走って計測したデータだ。
では18km/Lという燃費、世間的にはどうなのだろう? インターネットだけでなく、東京トヨタへ行った際にもいろいろ聞き込みをした結果、新型プリウスの18km/Lという燃費は、自慢できるものではないらしい。わるくはないが決してよいとは言えず、新型プリウスで良好な燃費を追求するなら、オーバー20km/Lが目標となるらしいのだ。
しかし、こと個人的な意見としては、自分で自分をほめてあげたい。単純な話、今までは燃費が6km/L前後を行ったり来たりしていた人間にとって、18km/Lというのはほとんど夢のような世界なのだから。あなた、普通に運転して燃費が3倍に伸びたんですよ。1Lのガソリンで3倍の距離を走ることができるんですよ! これはもう女体の神秘ならぬ、車体の神秘(ちょっと苦しいか)と言っても過言ではない。
神秘は神秘のままにしておくとして、まずは新型プリウス、燃費の最新情報である。ちょっと話はそれるが、とにかく給油回数が減ってしまった。以前は1カ月で最低でも2回、多いときは4回も給油していたのにが、新型プリウスに乗り替えてからは1回ペース、多くて2回である。8月は1回のみ給油、そのデータを追加したのがこれだ。
給油日 | 走行距離 | 給油量 | 給油金額 | 燃費 |
2009年6月16日 | - | 38.66L | 4601円 | - |
2009年6月26日 | 355.5km | 20.41L | 2510円 | 17.4km/L |
2009年6月26日 | 223.2km | 10.16L | 1250円 | 22.0km/L |
2009年7月19日 | 663.7km | 39.59L | 4553円 | 16.8km/L |
2009年8月15日 | 658.3km | 36.17L | 4485円 | 18.2km/L |
結果、7月半ばから8月半ばにかけては、1Lあたり18.2kmの走行、18.2km/L。決してわるいものではないのだが、個人的にはもう少し伸ばしたかった。できれば19km/Lの大台に乗せたかったし、そうすれば最終的な目標である20km/Lが見えてくる。しかもこの最新データは、ある特定の条件で得たものである。それは「エコドライブモードに設定してそれを解除せず、普通に走る」というものだ。要するにエコドライブモードが、どれぐらい効果的なものかを知りたかったのである。
新型プリウスのエコドライブモードでは、主にアクセル操作における駆動力、そしてエアコンの動作などを省エネに最適化する。実際、エコドライブモードに入っていると、発進時の加速が通常走行モードよりも鈍くなる。だが、走行中には意識するほどの違いはないし、エアコンの効きがわるくなるということもない。通常走行モードとの一番の違いは、やっはり発進時の加速である。
この最新データを、7月19日のデータと比較してみよう。6月26日~7月19日のデータは主に通常走行モードで走り、パワーモードを試したり、エコドライブモードを試したりと、まったく自由に運転した結果である。ちなみに最新データも7月19日のデータも、ほとんど街乗りの通勤がメインである。ストップ&ゴーを繰り返し、夏場だったのでエアコンは常時冷房でONになっている。
もちろん好き放題度は、前回データを取ったときのほうが上だった。「どれぐらい加速するのか?」といったようなことを考えつつ、モードをあれこれ切り替えたりしていたのだから。だが、走行環境という点では大きな違いはない。むしろ最新データを取ったときのほうが気温は高く、エアコンの稼働率も高くなっている。その上で7月19日と8月15日のデータを比較した場合、エコドライブモードには効果があると結論づけてもいいのではと思う。
■省燃費への近道はあるのか?
例えば省燃費の一般的なポイントに、発進時にアクセルをそっと踏むというのがある。これはハイブリッドカーに限った話ではないと思うが、発進する際にはクリープでスタートし、アクセルを踏みすぎないことが大切だ。それをエコドライブモードは、自動でやってくれると思っていい。加速がわるくなるのではなく、加速をマイルドにして省燃費を実現してくれているのである。
あとはユーザーが回生エネルギーを意識してうまく活用したり、こまめに「スイッチを切る」といったことに配慮すればいい。荷物の積み卸し、あるいは送迎の際などの駐停車。ほんの数十秒、ほんの数分だからといって、パワースイッチをONにしておくのはもったいない(エンジン車の場合は、エンジンをかけ続けておくという意味)。そんなときはこまめに、パワースイッチをOFFにする。
新型プリウスの場合、停車しているとエンジンが停止し、省エネになっているような気がする。しかし、仮にエンジンが停止していたとしても、エアコンなどで電力は着実に消費されている。そしてバッテリー残量が少なくなれば、エンジンが自動的にかかって燃料が消費されるのである。ほかにも一般的な注意点として、タイヤの空気圧を適正にしておくといったこともあるだろう。
もちろん新型プリウスならではの省燃費術もある。とりあえず注目すべきは、センターメーターのエコドライブメーターだろう。私の場合、新型プリウスでどのようにエネルギーが使われているかチェックするため、エネルギーモニターを活用した。言うまでもなく新型プリウスはエンジンとモーターがあり、さらに巨大なバッテリーを搭載している。エンジンのパワーは駆動だけでなく、発電にも使われる。そしてモーターも駆動だけでなく、発電も行う。
どういったタイミングでモーターが発電するのか? どういったタイミングでエンジンがかかるのか? 周囲の状況とエネルギーモニターを見比べれば、なとんなく新型プリウスの「クセ」が見えてくる。また、バッテリー残量によってもエンジンが動き出すタイミングが変化するのだが、それもエネルギーモニターでチェックすることが可能だ。
エコドライブモードに入ると、エコドライブメーターは自動的に「ハイブリッドシステムインジケーター」へと切り替わる。この表示が一番、エコドライブに適しているということなのだろう |
一方、とにかく省燃費を追求したいというなら、ハイブリッドシステムインジケーターを表示しておけばいい。ちなみに通常走行モードをエコドライブモードに切り替えると、エコドライブメーターは自動的にハイブリッドシステムインジケーターに切り替わる。省燃費を追求するなら、この画面が最適ということなのだろう。
実際、アクセルの踏み具合が、どれだけ燃費に影響を与えるかが、この画面ならすぐに把握できる。アクセルを踏みすぎるとメーターはエコエリアを外れ、パワーエリアに入ってしまう。さらにエコエリア内であっても、その中央から左に位置するようにすれば、省燃費度は高いということだ。この左側維持というのが、想像以上に難しい。
そしてエコドライブインジケーター、エネルギーモニターの両方でチェックしたいのが「回生エネルギーがどういったタイミングで発生するか」である。基本的にはブレーキをかけたり、坂道を惰性で下っているときなど、新型プリウスのモーターは発電機として機能し、バッテリーを充電する。充電したエネルギーは当然、走行などに活用されて省燃費に役立つのである。
当然、運転中にメーターを注視する訳にはいかないのだから、ある程度時間をかけてチョコチョコと調べていくしかない。なんとなくでも構わないので、「この状況なら、バッテリーを充電するはずだ」とか、「こうした運転では、エコエリアに入っていないだろう」などと分かるようにしたい。新型プリウスへの理解度を高めることこそ、省燃費実現への着実な一歩だと思う。
■新型プリウスにまつわる小ネタ集 その1
さて、新型プリウスに関して調べていると、いろいろ楽しげな小ネタが集まってくる。連載本文へ入れるには半端なのだが、かといって捨てるのももったいないような気がする。そんなプリウスにまつわる小ネタを、少し取り上げておきたい。決して役立つものではないので、読み飛ばしていただいても構わないし……と書くつもりだったが、連載の本文だってたいして役立つものではないのだから、いいか、気にしなくて(涙)。
●連載1回目に登場した、謎のリンクの正体
リンクの冒険……はいいとして。連載1回目で新型プリウスの裏というか、底面の写真を紹介したが、その中に「謎のリンク」というのがあった。東京トヨタの担当営業、太田さんに訪ねてみたら、あっさりその正体が判明した。ヘッドランプのオートレベリングに使用するリンクだそうだ。車体後部が重くなって前部が持ち上がった際に、ヘッドランプの光軸を自動的に調整する、その角度を計測するためにあるリンクだった。
このリンクの正体は、ヘッドランプのオートレベリング用だった。聞いてみるもんだ、やっぱり。ほかにもいくつか謎のパーツがあるので、この調子で解明して行こう |
●2代目と3代目を見分けるポイントは?
さすがに初代を見る機会は減ったが、今やプリウスは普通の車である。路上を見ればあっちにプリウス、こっちにプリウス、プリウスだらけと言ってもいいような状況である。そこで登場するのが、本当にどうでもいい話、2代目と3代目の見分け方である。
我が家の支配者、ポニョ嫁曰く「新型プリウスはつり目じゃ!」、そして「新型プリウスのおしりは角張ってるじゃ!」ということである。大変アバウトな意見だが、なとんなく区別できるところが面白いので小ネタとして採用。
●ヘッドランプクリーナーがあるのはなぜ?
新型プリウスの特徴の一つに、LEDヘッドランプがある。LEDの省電力性は新型プリウスにピッタリだし、長寿命という点でコスト面をカバーしている。照度も十分に確保されているし、今までにない外観も魅力的だ。ただ1つ不思議なのは、なぜか新型プリウスのLEDヘッドランプには、ポップアップ式ヘッドランプクリーナーがセットになっているのである。
主に都市部を走る新型プリウスにとって、このヘッドランプクリーナー、過剰装備じゃないかとも思ったのだが、理由を聞いて納得した。要するにヘッドランプの「雪対策」なのである。従来方式のヘッドランプは、使用している最中にはかなりの熱を持つ。このため雪が付着しても溶けるのだが、LEDランプは発熱も小さい。このためそのままだと、雪が付着してしまい照度が落ちる可能性があるのだ。そこで装備されたのが、ポップアップ式ヘッドランプクリーナー。まあ、私にとっては“たぶん”不要である(異常気象とかで、東京が豪雪地域になれば話は別だが)。
新型プリウスの特徴でもある「つり目」ヘッドランプ。ツーリングセレクションなのでLEDタイプである | クリーナー稼働! クリーナー液の噴出は、相当勢いがある。ちなみにクリーナーはヘッドランプが点灯していないと動作しない |
●マイルドエンジン君、マイルドモーターちゃんはどこへ行った?
新型プリウスのカタログがリニューアルされたのだが、その新カタログで驚くべき事態が発生した! あの国民的大人気キャラクター、マイルドエンジン君とマイルドモーターちゃんが、姿を消したのである! 新カタログのページを隅から隅まで探しても、マイルドコンビを見つけることができない。相変わらずストロングエンジン君とストロングモーター君は大活躍なのだが、マイルドコンビは失踪してしまったのだ。
ちなみにストロングコンビとマイルドコンビの比較イラストは、トヨタのストロングハイブリッドと、他社のマイルドハイブリッドを分かりやすく説明するためのものだ。当然、イラストを見れば、ストロングハイブリッドのほうが優れているように感じる。まあ、筆者個人で言う分には問題ないだろう。ぶっちゃけプリウスのストロングハイブリッドのほうが、インサイトのマイルドハイブリッドより優れてますよ、そう言いたい訳だ。
そんな重要な使命を持った比較イラストから、愛すべきマイルドコンビが姿を消し、残ったのはストロングコンビのみ。果たしてこのリニューアルには、いったいどんな意図があるのだろうか? 不肖・高橋、謀略と策略に生きてきた者として、邪推だけは得意である。思うにトヨタは近い将来、マイルドハイブリッドカーをリリースするのではなかろうか?
ヴィッツなどの小型車をベースにして、より購入しやすい低価格なハイブリッドカーを作ろうと思えば、マイルドハイブリッドのほうがコスト的に有利なことは素人の私でも分かる。あくまで予定ということでも、自社でマイルドハイブリッドをリリースするとなれば、その方式を比較対象としておくのはよろしくない。そんな流れではないかと、個人的には考えているのだが、どんなもんかね?
一見すると同じカタログなのだが、その内容に驚愕の変化が | 上になっている右のカタログが旧バージョン、左が新バージョン。そう、マイルドコンビが新バージョンのカタログからはいなくなってしまったのだ! | 今はもういない、マイルドエンジン君とマイルドモーターちゃん。「架空のクルマ」のキャラクターなのだから、決して誤解しないように! |
(高橋敏也)
2009年 9月 25日