米GM、次世代シボレー「EN-V」コンセプトカー公開
大都市での実証試験プログラムを検討

次世代シボレー「EN-V(Electric Networked-Vehicle)」

2011年10月12日発表(現地時間)



 米GM(ゼネラルモーターズ)は10月12日(現地時間)、次世代シボレー「EN-V(Electric Networked-Vehicle)」コンセプトカーを公開し、世界各国の大都市での実証試験プログラムを検討中であることを発表した。

 EN-Vは、Electric Networked-Vehicle(ネットワーク化された電動車両)の略で、2人乗りの都市向け電動コンセプトカー。個人の移動手段の基本原則である「自由性」を維持しながら、世界中の大都市の渋滞や環境配慮などの問題に対応するとしている。バッテリーにはリチウムイオン電池を使用し、従来の一般家庭用コンセントからの充電が可能。1回の充電で、40km以上の航続距離を持つ。

 この次世代のEN-Vでは、2010年の上海万博で展示されたEN-Vにクライメート・コントロール(空調制御)や全天候・全道路状況型の操作、また、パーソナル収納スペースなど、新機能を追加。最初のEN-Vの主要な要素である小型性や操作性は保持している。

 GMの先進技術車両コンセプトのディレクターであるクリス・ボローニ=バードは、「シボレーEN-Vは、電動化と接続性を収束した新種の車両を創造することで、主要市場での交通機関(機能)に改革を起こす可能性があります。EN-Vは、石油を使用せず、ゼロ エミッションであり、渋滞や衝突事故も回避できるため、これまでにないほどファッショナブルで快適な、理想の都市交通のソリューションを提供します」と述べており、今年4月、GMと中新天津eco-シティ投資開発 (SSTEC) は、電力、通信、物的なインフラの面から次世代EN-Vを天津eco-シティに統合するために協力体制に合意。「シボレーは、試験実証プログラムの実施(参加)場所として、米国を含め、世界各地を検討する」(ボローニ=バード)と言う。

 ネットワーク機能として、GPSを車両間通信および距離検出技術と組み合わせることで、手動走行、自律走行の両方を可能とし、自律走行モードは、通常は車両を運転できない人でも移動が可能となる。ドライバーや乗員は、無線通信を利用して、走行中でもハンズフリーで友人や同僚と通信が行える。ほかの車両やインフラとも通信できるため、車両衝突事故の数を大幅に減少すると同時に、駐車スペースもより簡単に見つけることができる。リアルタイムの交通情報に基づき最速ルートを選択することで、交通渋滞も自動的に緩和する機能を持つ。

 GMのグローバル・シボレー・ マーケティング兼戦略バイス・プレジデントのクリス・ペリーは、「2030年までに、80億の世界人口の実に60%が都市部で暮らすようになり、シボレー EN-Vは、代替となる交通手段が必要な世界市場のお客様に、新しいソリューションの可能性を提供する」と述べている。

(編集部:谷川 潔)
2011年 10月 13日