4月14日15時、新東名高速道路が開通した。今回開通した区間は、御殿場JCT（ジャンクション）～三ヶ日JCT間約162km。1度に開通する高速道路の区間としては、史上最長距離となる。

新東名高速道路開通区間

　すでにCar Watch本誌でも何度かお届けしているとおり、この新東名は既存の東名高速道路と平行に走り、御殿場JCT、三ヶ日JCTのほか新清水JCT（東名側は清水JCT）で東名高速と接続する。

　開通式典は新富士IC（インターチェンジ）で、商業施設のオープニング式典はNEOPASA（ネオパーサ）駿河湾沼津（上り）で開催された。本記事では、NEOPASA駿河湾沼津の模様をお届けする。

　NEOPASA駿河湾沼津は、NEOPASA静岡、NEOPASA清水、NEOPASA浜松と並ぶ大規模商業施設の1つ。新東名のSA（サービスエリア）の中では、もっとも東京側に位置する。

　オープニング式典では、新東名を運営するNEXCO中日本（中日本高速道路）東京支社長 高城一俊氏、NEOPASAなどNEXCO中日本管内の商業施設を運営する中日本エクシス 代表取締役社長 勝美雄次氏、地元沼津市を代表して沼津市長 栗原裕康氏が挨拶。

NEXCO中日本 東京支社長 高城一俊氏	中日本エクシス 代表取締役社長 勝美雄次氏	沼津市長 栗原裕康氏

　NEXCO中日本 高城支社長は、新富士ICでの開通式が終わったことを参列者に報告した後、勝美社長ともども、新東名そしてNEOPASAなどの商業施設が無事オープンとなったことに感謝の言葉を述べた。

　栗原沼津市長は、このNEOPASA駿河湾沼津が眺望抜群の施設であると紹介。NEOPASA駿河湾沼津から南を見ると、左に伊豆半島、正面に駿河湾が見える。「このNEOPASA駿河湾沼津から見える個所は、ほとんどが沼津市です」と市長は言い、大規模なSAができることへの期待を述べた。

　NEOPASA静岡、NEOPASA沼津には、新東名に出入り可能なスマートICが設けられているが、このNEOPASA駿河湾沼津にはスマートICが設けられていない。栗原沼津市長はそのことにも触れ、「関係者の皆様に、ぜひスマートICの開設をお願いしたい」と挨拶を結んだ。

NEOPASA駿河湾沼津には新東名のプロモーションカー「アランチア」が展示され、記念撮影スポットとなっていた

　すべてのNEOPASAには、一般道からも商業施設が利用可能な「ぷらっとパーク」と呼ばれる駐車場が用意される。ただ、ICがあるのとないのでは地元に対する経済効果が異なるだけに、市長の要望にも熱がこもっていた。

　その後、来賓によるテープカットが行われ、15時に新東名ともどもNEOPASA駿河湾沼津はオープンした。

来賓によるテープカット

オープニングセレモニーに訪れていた、本誌でもおなじみの日下部保雄氏

　このオープニング式典を訪れていた日下部保雄氏は、「新東名が開通するのは災害対策上もよいことだ。自分としては、ゆるやかなコーナーとなり、高低差が縮小された、新世代の高速道路であることに注目している。経済的なエコ運転がしやすい道路が開通することで、多くの人の運転が変わっていくのではないだろうか」と語ってくれた。なお日下部氏は、「ただ、残念なのは、設計速度が140km/hの高速道路であるのに、開通時は100km/hにとどまったこと。いずれ最高速度を引き上げていただきたい。最高速度が120km/hになるだけでも、物流を含めたの経済の効率は今までよりも上がるのではないか」と言う。そもそも日下部氏が免許を取得したころは東名高速道路が東京（用賀）IC～厚木ICまでしか開通しておらず、区間によって異なるものの、その頃から最高速度は100km/h。その時代から自動車の進歩をリアルタイムに見てきた氏ならではの思いがあるのだろう。

　14日15時にオープンしたNEOPASA駿河湾沼津だが、30分後には駐車場がほぼ満車状態に。この新東名が一部区間とはいえ開通したことにより、新たな日本の動脈が加わったと言える。

　本来の予定より前倒しで、ゴールデンウイーク前に開通した新東名。以下にNEOPASA内覧会のリンクを掲載する。行楽時のプランニングに役立ててほしい。

晴天時のNEOPASA駿河湾沼津からの眺め（内覧会時）	オープン日に配られていたパンフレットと、トランプ

●NEOPASA駿河湾沼津
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120413_526277.html

●NEOPASA静岡、NEOPASA清水
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120411_525445.html

●NEOPASA浜松
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20120409_525159.html