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三菱自動車、「アウトランダーPHEV」の電池セルと駆動用バッテリーパックの一部が溶損

水島製作所ではEV用バッテリーパックの火災が発生

アウトランダーPHEV
2013年3月27日発表

 三菱自動車工業は3月27日、プラグインハイブリッド(PHV)「アウトランダー PHEV」に搭載するリチウムイオン電池から発熱し、電池セルと駆動用バッテリーパックの一部が溶損する事象が1件発生したと発表した。

 また、同社の水島製作所(岡山県倉敷市)内にある電気自動車(EV)用バッテリーパック組立工場において、3月18日にバッテリーパック1個の火災があったことを明らかにした。

外部充電およびチャージモードによる利用を控えるよう呼びかけ

 アウトランダー PHEVの不具合については、「今回のバッテリー溶損は、販売会社にて登録前に発生した事象です。なお、本件以外で3月21日現在まで溶損及び火災に至る事象は発生しておりません」としているが、原因究明が終わるまでは外部充電およびチャージモードによる利用を控えるよう呼びかけている。

 以下、リリースの原文を記載する。

1.発生状況
3月20日当社販売会社において、登録前の在庫車両を納車準備の為、普通充電にて満充電し、翌3月21日まで放置したのち、車両を移動させようとしたところ、当該車両が動かず車両周りで異臭がしたため、車両下回りを確認した結果、駆動用バッテリーパックの一部に溶損跡がみられました。

溶損したバッテリーの現物をバッテリーサプライヤーにて確認したところ、搭載されている80セルの電池のうち一つのセルが何らかの原因で過熱し、周辺セルが溶損していました。溶損の範囲は、バッテリーパックの中では80セルを3ブロックに分け配置しているうちの、1ブロックのみに溶損跡がみられました。

2.被害状況
本事象に関係したケガや店舗建屋の損傷などはありませんでした。また、車両についても3.項に記載のバッテリーパックの溶損を除き、車体には損傷はありませんでした。

3.原因究明状況
当該バッテリーについては、バッテリーサプライヤーへ搬入し、サプライヤーと共同で原因究明に全力をあげておりますが、溶損の原因として、電池サプライヤーの電池製造ラインにおける、不具合の可能性があり、確認・調査を進めております。

今回のバッテリー溶損は、販売会社にて登録前に発生した事象です。なお、本件以外で3月21日現在まで溶損及び火災に至る事象は発生しておりません。

4.現在のお使いのお客様へ
今回の溶損は、最初の満充電後放置している間に発生しました。現在、原因究明活動を鋭意進めておりますが、今回の事象を踏まえ、原因究明が終わるまでは、外部充電及びチャージモードによるご利用はお控え下さい。

なお、販売会社よりお客様にご連絡させて頂きますので、個別にご使用方法などにつき、ご相談させて頂きます。

水島製作所ではEV用バッテリーパック1個から発火

 水島製作所でのEV用バッテリーパックの火災は、3月18日に発生。

 充電中だった「i-MiEV」用16kWhバッテリーパック(リチウムイオン電池)1個が過熱し発煙、約1時間後に発火したと言う。原因についてはサプライヤーのバッテリー製造ラインにおいて工程変更があり、これに関連して発生した不具合の可能性があるとしており、サプライヤーと共同で確認調査を行っていると言う。

 以下、リリースの原文を記載する。

1.発生状況
水島製作所のEV用バッテリーパック組立工場バッテリー検査室で3月18日午後8時15分ごろ、完成品検査のため充放電検査装置に接続され充電中だった『i-MiEV』用16kWhバッテリーパック(リチウムイオン電池)1個が過熱し発煙、約1時間後に発火にいたりました。地元消防署に通報しご協力を頂いた上で消火活動を行い、同日午後9時53分ごろ、鎮火しました。

2.当社の被害
関係者の怪我等はありませんでした。また、バッテリーパック1個および、充放電設備のケーブルを焼損したものの、工場建屋や設備本体への被害はありませんでした。ただし、消防署のご指示により、充放電検査装置5基のうち火災に関連する1基を停止中です。

3.原因
サプライヤーのバッテリー製造ラインにおいて工程変更があり、これに関連して発生した不具合の可能性があり、サプライヤーと共同で確認調査を進めております。なお、同工程変更が反映された同サプライヤー電池を搭載した車両は、国内向けに68台(特定法人向け)、補用品として45台を出荷しております。

4.今後の対応
現在、原因究明を進めております。

対象車両を出荷した特定法人に対しては、状況説明並びに車両チェックなど、対応させていただきます。補用品についても使用状況の確認を行います。

(編集部:小林 隆)