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【特別企画】「SUBARU BRZ R&D SPORT」SUPER GT開幕直前リポート
2シーズン目を迎えた最新のBRZ GT300に迫る
(2013/4/4 00:00)
昨シーズン大きな話題とともにデビューしたSUBARU BRZ GT300だが、シリーズ中はその速さを見せつけるシーンが多々ありながらも、一度も表彰台に登ることなく年間チームランキング12位で幕を閉じた。ニュルブルクリンク24Hレースに参戦するインプレッサとともにスバルモータースポーツの中核を担うBRZの最新情報を、3月14~15日に行われた岡山国際サーキットでの合同テストのリポートとともにお届けしよう。
2012年同様、年初の東京オートサロンでマシンとチーム体制のお披露目
マシンとチーム体制の発表は2012年同様、今年の1月に開催された東京オートサロンで行われた。辰己英治総監督、ドライバーの山野哲也選手、佐々木孝太選手とともにマシンも初お披露目となった。しかしながらちょうど2カ月後に行われた合同テストでのマシンと見比べると違いも多く、ショー用の外板を纏ったモデルであったであろうことも昨年同様だ。
2013年シーズンを戦うマシン詳細
基本的なデザインは2012年シーズンと大きな差はなく、エンジンそのほかの基本構造も含め昨シーズンのマシンの正常進化版だ。そのマシンについてR&Dスポーツの澤田氏、そして山野、佐々木両ドライバーにうかがってみた。
●R&Dスポーツ 澤田稔テクニカルコーディネーター
元々昨年のマシンが大きな問題を抱えていた訳ではないので、新調した部品も多いとはいえ基本的には昨年からの正常進化版です。変更点といえば今年からはタイヤが、メーカーはもとよりサイズが大きく変わりましたのでそれに伴ない、タイヤを活かすためのセッティングを中心に煮詰めています。また剛性を確保しながら軽量化をも達成するために様々な部分を改良しています。
●山野哲也選手
パッと見て分かるのはタイヤと外から見たエアロの一部。でも僕は形は一緒でも中身は違うと捉えています。フレームワークやサスペンションのレイアウト、エンジンの搭載位置、燃料タンクの搭載位置など見えない所が相当変わっています。レーシングカーというのは1個パーツを変えただけでもの凄く変わるので、変更したパーツの数を考えると4~5年分アップデートした感じです。運転していると相当進化していると感じます。
●佐々木孝太選手
筋が1本通ったしっかりとした剛性を感じます。一言でいうと車がシャキッとしてレーシングカーっぽくなりました。まだピーキーなところもあるのですが、その辺を煮詰めればFIA-GT勢に対抗する速さをアピールできると思います。
その表現方法は三者三様だが、確実に進化し、「速さ」に磨きがかかっていることは間違いなさそうだ。3月14日~15日に行われた岡山国際サーキットでの合同テストでもBOP(車両ごとの性能調整)適用前だったとはいえ、両日ともに3~4位の好タイムで終えている。
写真で見る2013年型SUBARU BRZ GT300
ミシュランタイヤについて山野選手は「ライバルたちが困っているようなコンディションで強さを発揮できるのではないかと感じています。そこがシリーズ全体を考えると大きな力になると考えています」と語っていた。
STI 辰己総監督、R&Dスポーツ 本島監督をはじめドライバー、スタッフともに大きな変更は無く、昨年と同じ体制で2013年シーズンに望む。
レースクイーンは新体制に
レースクイーンはメンバーの変更があり、名称も「SUBARU BRZ GT GALS」から「BREEZE」となった。メンバーはレガシィB4時代からスバルチームのレースクイーンを務める春菜めぐみさん、昨シーズンから引き続き上條かすみさん、そして今シーズンから新たに、青山めぐさん、森江朋美さんの2人が加わり4人でBRZのピットに華を添える。すでにオフィシャルWebサイトやFacebookページも開設されているのでチェックしてみよう。
辰己英治総監督より
「今シーズンのマシンは今までの延長線上にある正常進化版です。それはウチ(スバル)の得意な所をもっと伸ばそうという方向です。2リッターエンジンのBRZが大排気量エンジンのマシンとパワー勝負するのは無理がありますので徹底的な軽量化と低重心化、そして重量物を徹底的に車体の中心に集め、より旋回能力を高めコーナーリングスピードで勝負します。それは市販のBRZと同じFRレイアウトで2リッターエンジンでのチャレンジにこだわっているということでもあるのです」(辰己総監督)
辰己総監督のこだわりに、かつて富士重工業 車両研究実験部で初代レガシィをはじめ数多くの量産車の開発に携わってきた顔、そしてかつて全日本ダートトライアルのトップドライバーであった選手の顔、その2つの顔が見え隠れする。
コーナーリングマシンとして進化を続けるBRZにとって、開幕戦の舞台となる岡山国際サーキットは相性のよいサーキットだ。また第2戦の富士もストレートスピードの速いマシンが有利なようで、実はホームストレート以外はコーナーが連続するコースで相性はわるくないと辰己氏は語る。
開幕戦岡山、第2戦富士、ともにスバルファンシートがすでに設定されているのでサーキットに足を運んでみるのもいいだろう。BRZの初勝利は案外近いのではなかろうか。