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STI、ミシュランを装着したSUBARU BRZ GT300を岡山サーキットでシェイクダウン

2013年仕様は、GT500サイズのタイヤを装着

ミシュランタイヤを装着したSUBARU BRZ GT300
2013年3月8日実施

 STI(スバルテクニカインターナショナル)は3月7日~8日、岡山国際サーキット(岡山県美作市)で、SUPER GT300クラスに参戦する「SUBARU BRZ GT300」のシェイクダウンを行った。

 2013年シーズンのSUPER GTの参戦体制は、例年同様東京オートサロンで発表。昨年と同様に、監督は辰己英治氏、ドライバーは山野哲也選手、佐々木孝太選手となる。車両は、JAF GT仕様のSUBARU BRZ GT300で、タイヤを昨年までのヨコハマからミシュランにスイッチした。

2013年仕様のSUBARU BRZ GT300
8日の走行は、わずか数周で終わってしまった

 シェイクダウンは、3月7日に10周ほど走行。8日の午前中も走行したものの、トラブルが発生したため、数周の走行にとどまりテストを打ち切った。この時期のテストは、トラブルなどの要素を減らしていくための意味合いもあるので、仕方のないところだろう。

左から辰己英治監督、山野哲也選手、佐々木孝太選手
レースクイーンのコスチュームも2013年仕様に
辰己監督は、今年から花粉症デビュー。手前は、佐々木選手

名前こそ同じもののまったく別のマシンとなったBRZ GT300

 BRZ GT300は、マシンの名称こそ昨年と同様だが、タイヤサイズをGT500のサイズに変更。それもあって、よりワイドな印象を受けるボディーデザインとなっている。

日本ミシュランタイヤの小田島広明氏(左)と、辰己監督(右)

 辰己監督によると、「今年のマシンは、軽量化、重心の集中、低重心化を行っている。エンジンの位置は、できる限り後ろに持ってきた」とのこと。また、タイヤサイズの変更については、「BRZは、重配(重量配分)など、GT500のマシンに近いものがある。そのため、GT500のタイヤサイズがあうと思っている」と言い、ミシュランへのタイヤメーカー変更も、このタイヤサイズの変更が関係している。

 タイヤメーカー変更は、STIからミシュランに働きかけたとのことで、GT500のサイズのタイヤを使いたかったことと、開発過程でのさまざまな仕様変更をしたかったため。日本ミシュランタイヤでSUPER GT参戦を統括する小田島広明氏は、「STIさんから話があり、GT500のタイヤサイズであるなら経験も豊富なのでやりましょうということになった。まだクルマの特性も分からない状態なので、現在は通常スペックのものとなっている。今後、(BRZ GT300の)ダウンフォースの出方などを見ながら戦っていくことになる」と語った。

山野哲也選手

 すでにミシュランタイヤでのドライブを行った山野哲也選手は、「昨年までのタイヤと比べて軽い感じがする」と言い、すでに昨年のタイムを上回るタイムを記録しているとのこと。ただ、現在はサスペンションなどのセッティングも決まっておらず、「すべてはこれから」となる。

 タイヤサイズの変更については、「タイヤサイズが太くなるのは、長距離を走る上での負担が減る。また、SUPER GTの場合ウエイトを積むことになるが、ウエイトを積んだ場合のキャパシティも増える」と語り、パワーがタイヤに食われてしまうというデメリットはあるものの、サイズの変更によるメリットのほうが大きいと判断しているようだ。ポイントを獲得するとクルマに課せられるウエイトへの言及もあり、今年はそれだけ大きくポイントを稼ぐ意欲が感じられた。

空力的な変更点について

 辰己監督によると、すべてを作り直しているとのことだが、外観からはタイヤサイズの変更に伴うボディーの変更が分かりやすい。とくに新規パーツについては、カーボンブラックになっており、青いカラーのボディーパーツは、昨年から流用もあるとのことだ。

 空力的なポイントは、タイヤサイズが太くなったことに伴って、フロントまわりをスムーズな空気の流れとしたこと。昨年型ではオーバーフェンダー気味だったところを、一体形状とした。

 また、リアまわりでは、リアフェンダーの上面をフラットにして、リアウイング下部へとスムーズに空気を導く形状とした。これにより、リアウイング下部の流速が上がり、空気の圧力がより低下する。つまり、より大きなダウンフォースの発生につながるわけだ。

 SUPER GTの第1戦は、4月6日~7日に岡山国際サーキットで開催される。また、3月16日~17日には、同じ岡山国際サーキットで開幕前の公式テストが行われる。多数のGTマシンの参加が予定されているので、開幕が待ちきれない方は、この公式テストを見に行くというのもありだろう。

(編集部:谷川 潔)