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トヨタ、ビッグデータを活用したスマートフォン向け新サービス「smart G-BOOK」
トヨタ独自の「Tプローブ交通情報」などを「ビッグデータ情報サービス」として提供
(2013/5/29 21:30)
トヨタ自動車は5月29日、G-BOOK対応カーナビなどのテレマティクスサービスを通じて収集・蓄積した車両位置や車速、走行状況などのプローブ情報「Tプローブ交通情報」と連携するスマートフォン向け新サービス「smart G-BOOK」と同プローブデータを含むビッグデータを自治体や企業向けに提供する「ビッグデータ情報サービス」を開発し、6月3日からサービスの提供を開始すると発表した。
スマートフォン向けサービスの新「smart G-BOOK」
新しい「smart G-BOOK」では、これまでトヨタ純正カーナビにしか配信していなかった「Tプローブ交通情報」を利用できるようになった。これにより、きめ細かい最新情報による渋滞回避ルート案内などが可能になったほか、クラウド上の「トヨタスマートセンター」を活用し、音声入力によるセンター型音声認識サービス「エージェント機能」を追加。「一番近くにあるコンビニ」といったような会話形式の入力によって地図検索が可能になり、利便性が格段に向上している。また、現在値の周辺にある避難所情報などとも連携して災害発生時にルート案内できるようになったほか、ユーザーのGPS情報を「通れた道マップ」に反映させて情報精度の向上も図れるようになった。
このほか、ユーザーによる投稿機能「交通情報SNS」を新設。道路上に障害物があったり、事故・渋滞などを発見したときにsmart G-BOOKの地図上に内容ごとのスタンプを投稿でき、内容をSNSメンバーと共有できる。この投稿スタンプはルート案内などのさいにも利用され、ユーザーが近づくと音声ガイダンスで警告してくれる。
新「smart G-BOOK」は、Android版は6月3日、iOS版は6月中旬から提供予定となっており、目的地までのルート検索、周辺情報、ヘルプネット、災害関連情報などは誰でも無料で利用できる。さらに、ナビゲーション機能、エージェント機能、オペレーターサービス、交通情報SNSなどは、年間2500円の有料サービスとなる。さらに、VICS交通情報も追加で年間1000円を支払えば利用できる。サービス提供直後は特別価格キャンペーンが実施予定で、Android版、iOS版各1万人の合計先着2万人まで1年間の利用料金が1000円になる。
●提供サービス
種別 | サービス | サービス内容 | |
---|---|---|---|
無料 | 災害対策サービス | 通れた道マップ | 車両の通行実績を常時表示 |
関連施設検索 | 避難所等の施設検索や現在地からのルート表示・案内を提供。 | ||
ルート案内機能は8月以降追加予定。自治体等が追加した情報を表示(8月以降) | |||
ヘルプネット | 位置情報を自動送信、警察や消防へ取次ぎ | ||
ルート確認 | Tプローブ交通情報 | トヨタのプローブ交通情報を地図に表示 | |
スポット検索 | 施設や店舗等の位置を検索 | ||
ルート表示(クルマ/徒歩) | 現在地から検索した地点までのルートを表示 | ||
有料(2500円/年) | ナビゲーション | クルマナビ/徒歩ナビ | 通信型ナビ(センターでルート検索、地図とルートを配信)3Dランドマーク、固有地名・高速分岐案内等に対応 |
通信圏外でも利用可能な新方式(通信+ローカルの組み合せ)へのバージョンアップ、およびターンバイターンモードの追加を予定(8月以降) | |||
Tプローブ交通情報 | トヨタのプローブ交通情報をルート探索・案内に反映 | ||
近接情報の読み上げ | GAZOOのバーチャルバスガイドと連携(今秋以降) | ||
車載ディスプレイとの連携 | スマホナビ対応ディスプレイ[DAN-W62](販売店装着オプション)で表示・操作(対応機種はiPhone4、4S) | ||
センター型音声認識サービス「エージェント」 | 自然発話や曖昧な指示で目的地を検索 | ||
オペレーターサービス | オペレーターと直接対話をして要望を伝える | ||
交通情報SNS | 道路状況に応じたスタンプをワンタッチで投稿。他のユーザーが投稿地点に接近すると、投稿内容を自動で読み上げ(今秋以降) | ||
自治体・企業向けサービス「ビッグデータ交通情報サービス」
自治体や企業向けに実施される「ビッグデータ交通情報サービス」は、トヨタ独自の「Tプローブ交通情報」を使うクラウドサービス。主に災害発生時の対策や、交通・物流システムなどに利用することが想定され、災害時には避難所の施設情報、登録したスマートフォン端末を持つ防災職員、緊急車両、災害支援車両などの活動状況をマップ上に表示。自治台ごとに持っているハザードマップ、「Tプローブ交通情報」が収集する「通れた道マップ」の情報などと照合し、被災状況の確認や復旧活動をアシストする。基本利用料金は、月額20万円からと設定されている。
クルマを通じてユーザーや地域社会と長期的な信頼関係を築きたい
5月29日~31日に東京ビッグサイトで開催中の次世代エネルギー総合展「スマートコミュニティJAPAN2013」の会場で行われた発表会では、トヨタ自動車の友山茂樹常務取締役が登壇。今回発表した「ビッグデータ交通情報サービス」が生み出された経緯、サービスの概要などを解説し、「これからのトヨタにとってクルマという接点を通じ、お客様や社会との信頼関係、補完関係を構築していくことが重要です。ビッグデータ交通情報サービスの提供によって、より便利で環境に優しく、安全で災害に強い都市作りに貢献したいと考えています」とコメントした。
また、スマートコミュニティJAPAN2013のトヨタブースでは、「ビッグデータ交通情報サービス」の情報紹介、デモ機の展示に加え、IT技術活用のコンセプトモデル「Smart INSECT」の車両展示も行われている。