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今年のル・マン24時間、昨年に続きアウディが制す

トム・クリステンセン、ロイック・デュバル、アラン・マクニッシュ組の2号車が優勝

決勝スタートは1号車(アウディR18 e-tron クワトロ)が先行する展開になったが、7号車(トヨタ TS030 HYBRID)はこの後2位でストレートに戻ってきた
2013年6月22日~23日決勝

 6月19日(現地時間)の予選に先立ち、同日16時から2013年の「ル・マン24時間レース」のフリープラクティスが始まった。

クラッシュ続発、波乱の予選を制したアウディ2号車

 朝から降り続いた雨も1時間ほど前にやみ、路面はドライ。各車一斉にピットを飛び出していった。しかし1時間ほどで再び雨が降り出し、第2シケインのクラッシュにより赤旗中断、再開後トップタイムをマークしたのは2号車(アウディR18 e-tron クワトロ)で、そのタイムは3分25秒415。4位に入った7号車(トヨタ TS030 HYBRID)との差は4秒だった。そしてチェッカー20分前に起きた事故によりまたしても赤旗が提示され、そのまま走行は中止となった。

 予選はわずか3周目で3分22秒349のトップタイムを2号車(アウディR18 e-tron クワトロ)がマーク。2位の3号車(アウディR18 e-tron クワトロ)に2秒差、3連覇を目指す1号車(アウディR18 e-tron クワトロ)はようやく25秒台、8号車(トヨタ TS030 HYBRID)は駆動系のトラブルによりコース上にストップしてしまいアタックを断念。7号車(トヨタ TS030 HYBRID)はアウディとの4秒差は詰めることができなかった。再び大きなクラッシュにより赤旗中断され、1回目の予選は1時間で終了することになった。

 そして予選2回目は、朝から晴天で気温も上がっていたが予選開始30分前に大粒の雨を降らしコース上はウエットとなった。一応コースインしたものの、上位クラスはマシンをピットに入れ天候が変わるのを待った。

 1時間ほどでコースが乾き、「さあタイムアタック開始」と言ったタイミングでまたもや雨が降り出し、その影響からクラッシュするマシンが増え、40分を残して予選は終了した。昨日を含め、時間が短縮されていることを考慮し、急遽30分前倒しの9時30分から3回目の予選がスタートすることになった。

 ラストアタックは雨に見舞われることなく順調に行われたが、なかなかタイムアップする車は現れなかったが、ようやく8号車(トヨタ TS030 HYBRID)がタイムアップし4位に浮上した。その後1号車(アウディR18 e-tron クワトロ)のアンドレ・ロッテラーが渾身のアタックで2位まで順位をあげたが残念ながらポールポジションを奪うことはできなかった。その結果、最初の予選でトップタイムをマークしたトム・クリステンセン、ロイック・デュバル、アラン・マクニッシュ組の2号車(アウディR18 e-tron クワトロ)がポールポジションを獲得した。

予選開始わずか3周でポールを決めたトム・クリステンセン、ロイック・デュバル、アラン・マクニッシュ組の2号車(アウディR18 e-tron クワトロ)
アウディとの差が4秒に開いたトヨタは苦しい展開となった
頻繁に出される赤旗で走行時間は短縮された
本番も雨が予想され、タイヤチェックを繰り返す
久々にル・マン24時間レースに帰ってきたSRTバイパーGTS-R
突然の雨に翻弄された予選

ポール・トゥ・ウィンで2号車が優勝

終始ペースを守った2号車(アウディR18 e-tron クワトロ)がトップを守りきった

 決勝はまったく天候が読めない状況でレースはスタートした。

 スタート直後からトヨタは果敢に攻めトップに迫ろうとした矢先、テルトルルージュで起きた事故のため、最初のセーフティカーが出た。この後、頻繁にセーフティカーが出るが、終始アウディのペースでレースは進んだ。

 中盤にトヨタが2位、3位に上がりトップを追うが、序盤から無理をせず淡々とレースを戦った2号車(アウディR18 e-tron クワトロ)がポールポジションから見事優勝を果たした。2位にはアンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミ、ステファン・サラザン組の8号車(トヨタ TS030 HYBRID)、3位はゴール1時間前に7号車(トヨタ TS030 HYBRID)がポルシェコーナーでクラッシュしたことにより順位を上げた3号車(アウディR18 e-tron クワトロ)が入った。

 そのほか、LMGT2クラスはベルトラン・バゲット、リカルド・ゴンザレス、マーティン・プロウマン組の35号車(モーガン・ニッサン)が、LMGTEクラスはマルク・リーブ、リヒャルト・リエツ、ロマン・デュマ組の92号車(ポルシェ911 RSR)がデビューレースを優勝で飾っている。

中盤から2位を確保しゴールまでトップを追った8号車(トヨタ TS030 HYBRID)
終盤の7号車(トヨタ TS030 HYBRID)のクラッシュで3位に入賞した3号車(アウディR18 e-tron クワトロ)
トヨタ勢はモーター発進により無音でピットを後にしていた
LMP2クラス優勝のベルトラン・バゲット、リカルド・ゴンザレス、マーティン・プロウマン組の35号車(モーガン・ニッサン)
LMGTEクラスはマルク・リーブ、リヒャルト・リエツ、ロマン・デュマ組の92号車(ポルシェ911 RSR)はチームメートと1-2でデビューレースを飾った
コース上で雨の場所があったため、今年は隊列を組んでのゴールとはならなかった
あとわずかのところで表彰台を逃した7号車(トヨタ TS030 HYBRID)
優勝のトム・クリステンセン、ロイック・デュバル、アラン・マクニッシュ
歴代の優勝車がコースを走行した
マツダのプログラムにより東日本大震災の被災地からル・マンを見学しにきた子供たち。ル・マン24時間レースを運営するACO(フランス西部自動車クラブ)は、1990年代を代表するもっとも印象に残るレーシングカーとして「マツダ 787B」を選出。同車両はデモ走行を行った

(Photo:中野英幸)