BMW、新しいミドルクラスの4ドアクーペ「4シリーズ グラン クーペ」発表

　ビー・エム・ダブリューは、ミドルクラスの新型4ドアクーペ「4シリーズ グラン クーペ」を6月21日に発売する。価格は516万円～803万円。ステアリング位置は全グレードとも右の設定で、「435i」のみ左も選択できる。

　4シリーズ グラン クーペでは、直列4気筒DOHC 2.0リッターターボを搭載する「420i」（184PS/27.5kgm）と「428i」（245PS/35.7kgm）に加え、直列6気筒DOHC 3.0リッターターボの「435i」（306PS/40.8kgm）を展開。それぞれ標準車とともに、専用のアルミホイールやレザーシート、ウッドトリムなどを装備した「Luxury」、ダイナミックなスタイリングを強調するM エアロダイナミクス パッケージやMライト・アロイホイール、Mスポーツサスペンションなどを採用する「M Sport」という性格の異なる仕様を用意し、さらに「420i」では4WDモデル「420i xDrive」も設定する。

　5月21日に、この4シリーズ グラン クーペについての発表会が都内で開催され、アラン・ハリス社長が登壇するとともにBMW マーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 御舘康成氏が車両概要について解説した。

BMWのアラン・ハリス社長

BMW マーケティングディビジョン プロダクト・マネジメント 御舘康成氏

4シリーズ グラン クーペのボディーサイズは4640（M Sportのみ4670）×1825×1395mm、ホイールベース2810mm。写真の435i グラン クーペ M Sportの重量は1690kgとなっている

　4シリーズ グラン クーペは、2ドアのクーペ、カブリオレに続く4シリーズ第3弾モデル。ボディーサイズは4シリーズ クーペの4640×1825×1375mm（全長×全幅×全高）に対し、4640（M Sportのみ4670）×1825×1395mmと、全高のみ20mm高くなったサイズだが、ルーフラインはルーフエンドにかけて長くなめらかな線を描き、よりエレガンスさを感じさせるシルエットとした。

　エクステリアでは、4シリーズ特有のワイド化されたキドニーグリルや丸型4灯ヘッドライト、大型のエアインテークを備えたフロントバンパーなどを装備し、サイドビューではサッシュレスのサイドウインドー、ハイグロス・ブラック仕上げのBピラー、4ドアクーペらしいルーフラインにより美しいサイドビューを実現した。

　また、4シリーズ グラン クーペのホイールベース/トレッド比は4シリーズ クーペと同じ1.8を切る数値としており、「FRの4ドアモデルで1.8を切るクルマは非常に少なく、BMWが嗜好する約50：50の理想的な前後重量配分と相まって、より俊敏でダイレクトなスポーツドライビングのための優れた基本性能を約束する」と御舘氏は解説する。

4シリーズ特有のワイド化されたキドニーグリルやバイキセノンヘッドライト（光軸自動調整機構、LEDスモールライト・リング、LEDアクセント・ライン付）、大型のエアインテークを備えたフロントバンパーなどを装備

追突が不可避な場合にブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」（歩行者検知機能付き）といった安全装備を標準で装備しており、フロントウインドーに備わるカメラで前方の監視を行う

435i グラン クーペ M SportはMライト・アロイホイールを装着。タイヤサイズはフロント225/40 R19、リア255/35 R19

リアクォーターガラスに「Gran Coupe」のバッヂが備わる

テールランプ上部に435iのバッヂが付く

マフラーエンドは両側2本出し

435iは最高出力225kW（306PS）/5800rpm、最大トルク400Nm（40.8kgm）/1200-5000rpmを発生する直列6気筒DOHC 3.0リッターツインパワーターボエンジンを搭載

　インテリアにおいても独自のコンセプトが盛り込まれ、4シリーズ グラン クーペでのドライビングをドライバー、パッセンジャーともに楽しめるものにしたというインテリアデザインでは、「センターコンソールがドライバーに向けてわずかに角度がつけられたドライバー・オリエンテッドなコックピットはもちろん、ダッシュボードから始まりドアの上部、そしてリアシートサイドへと包み込むように流れるドアトリムの美しいラインによって、後席との一体感のあるインテリア空間が演出されている」（御舘氏）。

　リアシートでは、4シリーズ クーペと比べヘッドルームを27mm、エルボールームを44mm拡大して居住性を高めるとともに、ドアトリムとの間にワイドなサイドサポートを設置したことなどにより、「まるでプレジャーボートのデッキでクルージングを楽しんでいるかのような、非日常的なスタイリッシュさを感じさせる独自デザインのインテリアで、実際のスペース以上に楽しく快適なドライビング体験を提供する」と、御舘氏は独特の表現で4シリーズ グラン クーペのインテリアの特長を紹介した。

　リアセクションではこのほか、ラゲッジルーム容量を4シリーズ クーペよりも35L増の480Lとし、さらにリアシートのシートバックをすべて倒すことで最大1300Lまで拡大することができ、日常での使い勝手を高めた。また、ボタン操作でテールゲートを電動開閉する「オートマチック・テール・ゲート・オペレーション」や、リアバンパー下に足をかざすとトランクが開くトランクリッド・スマート・オープナー機能といった利便性の高い装備が標準で付いている。

435i グラン クーペ M Sportのインテリア。リアシートでは4シリーズ クーペと比べヘッドルームを27mm、エルボールームを44mm拡大して居住性を高めた

　パワートレーンについては先に触れたとおりで、420i/428iは出力の異なる直列4気筒DOHC 2.0リッターターボを、435iは直列6気筒DOHC 3.0リッターターボを搭載。全グレードとも高速走行中にアクセルを離すことでトランスミッションとエンジンが自動的に切り離され、惰性走行を行うことで燃費性能を高める「コースティング機能」やアイドリングストップ機能などを備え、JC08モード燃費は420iが16.4km/L、428iが15.2km/L、435iが12.7km/Lを達成している。

　そのほかフロントウインドーに前方の監視を行うカメラを備え、車線の逸脱をドライバーに警告する「レーン・ディパーチャー・ウォーニング」、衝突の危険性が高まった際にドライバーに警告を発する「前車接近警告機能」、追突が不可避な場合にブレーキをかけ衝突を回避・被害の軽減を図る「衝突回避・被害軽減ブレーキ」（歩行者検知機能付き）の3つの機能を備えた「ドライビング・アシスト」や、万が一の事故発生時に車両の通信機能を介してSOSコールセンターに接続する「BMW SOSコール」などを全グレードに標準装備している。

4シリーズ グラン クーペのプロダクト・ハイライト

4シリーズはエレガントなスタイルや、ダイレクトなハンドリング性能が特徴

エレガントで美しいクーペスタイリングを実現した

ボタン操作でテールゲートを電動開閉する「オートマチック・テール・ゲート・オペレーション」や、リアバンパー下に足をかざすとトランクが開くトランクリッド・スマート・オープナー機能といった利便性の高い装備が標準で装備される

4シリーズ クーペ、3シリーズ セダンとのホイールベース/トレッド比について

リアシートでは、4シリーズ クーペと比べヘッドルームを27mm、エルボールームを44mm拡大して居住性を高めた

ラゲッジルーム容量を4シリーズ クーペよりも35L増の480Lとし、リアシートのシートバックをすべて倒すと最大1300Lまで拡大することが可能

燃費に貢献するさまざまな装備・機能が備わる

パワートレーンの主要諸元

安全運転支援システム「ドライビング・アシスト」を全グレード標準装備

420iに4WDモデルを設定した

4シリーズ グラン クーペのターゲット層

420i、428i、435iそれぞれ標準車に加えLuxury、M Sportを展開する

価格表

　御舘氏は最後に、「4シリーズ グラン クーペの革新的でユニークなコンセプトが、クルマへの強い美意識やカーライフのさらなる充実を求める多くのお客様にとってもっともふさわしい1台となり、より豊かで喜びにあふれる新しいドライビング体験を提供していくことを強く願っている」と述べ、説明を締めくくった。

4シリーズ グラン クーペ主要諸元