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日産、ダイムラー製直列4気筒2.0リッターターボ搭載の「スカイライン 200GT-t」発表会

ハイブリッドに加え200GT-tの2本柱でプレミアムセダン市場で存在感を高める

日産自動車 代表取締役副社長、チーフ コンペティティブ オフィサー 西川廣人氏(左)、副社長 片桐隆夫氏(右)とダイムラー製直列4気筒2.0リッターターボエンジンを搭載する「スカイライン 200GT-t」
2014年5月26日開催

「スカイライン」の新グレード「200GT-t」の発表会は日産自動車追浜工場のテストコース「GRANDRIVE」で行われた

 日産自動車は5月26日、日産自動車追浜工場のテストコース「GRANDRIVE(グランドライブ)」で、6月5日に発売する「スカイライン」の新グレード「200GT-t」の発表会を開催した。

 同モデルの詳細は関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20140526_650214.html)に詳しいが、これまで現行スカイラインはV型6気筒DOHC 3.5リッター「VQ35HR」エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドモデルを中心に展開(ハイブリッドの発売後も、ガソリン車としてV型6気筒DOHC 2.5リッターエンジンを搭載する先代の「250GT」系を併売)していたが、新たにダイムラー製の直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンを搭載する200GT-tをラインアップに追加。グレード体系はハイブリッドと同様で、標準グレードの「200GT-t」(383万4000円)に加え「200GT-t Type P」(421万2000円)「200GT-t Type SP」(456万8400円)の3グレードを展開する。ハイブリッドとはパワートレーン系以外に装備面における大きな違いはなく、外観上での見分け方はリアの「200GTt」バッヂ程度となっている。

ダイムラー製の直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジン。最高出力155kW(211PS)/5500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1250-3500rpmを発生

 ダイムラー製ターボエンジンの搭載は、2010年に発表されたルノー・日産およびダイムラーの業務提携に基づき実現したもの。ダイムラーからは、大きくエンジンおよびトランスミッションが供給されており、基本的には「E 250」で採用されるものと同様となる。ただし、最高出力/最大トルクは200GT-tおよびE 250ともに155kW(211PS)/350Nm(35.7kgm)となるが、最大トルクの発生域はE 250が1200-4000rpmなのに対し、200GT-tは1250-3500rpmとなる。また、JC08モード燃費はE 250が15.5km/Lとなるが、200GT-tでは13.6km/L(Type SP/Type Pは13.0km/L)とした。

2WD(FR)車のみの展開となる200GT-tのボディーサイズは4790(Type SPは4800)×1820×1440mmと、ハイブリッド車と比べ全高のみ10mm高い設定(写真はType SP)
LEDヘッドランプ(ハイ/ロービーム、オートレベライザー付)はハイブリッド車を含め全車標準装備
Type SPは切削光輝の19インチアルミホイール(19×8.5J/タイヤサイズ:245/40 RF19)を標準装備
リアコンビネーションランプ下に「200GTt」バッヂが備わる
マフラーエンドはハイブリッド車と同様の左右2本出し
Type SPのインテリア
トランスミッションはダイムラー製の7速ATを採用
メーターまわり
上部に8インチワイド、下部に7インチワイドモニターを配置するツインディスプレイ
ハイブリッド車と同様ドライブモードセレクターを備えるが、200GT-tのPERSONALモードの設定パターンはハイブリッドモデルの96通りから12通りへと変更になった
ペダルまわり
Type SPおよびType Pは本革シートを標準装備
こちらはType Pのインテリア
ガソリンエンジンの採用に伴い、ハイブリッド車のリアシートとトランクの間に設置されていたハイブリッドシステム用のバッテリーが不要となり、荷室容量は400Lから500Lに拡大された

日本を代表するプレミアムセダンに育てたい

 発表会には、日産自動車 代表取締役副社長、チーフ コンペティティブ オフィサー 西川廣人氏、副社長 片桐隆夫氏とともに、商品企画本部 日本商品企画室 リージョナル・プロダクト・マネージャーの遠藤智実氏、インフィニティ事業本部 ものつくり・クオリティ本部 チーフ・ビークル・エンジニアの長谷川聡氏が200GT-tの概要などについて説明した。

西川氏と片桐氏を載せてテストコース「GRANDRIVE」を疾走、発表会会場に登場した200GT-t。ドライバーは同社のテストドライバーとして有名な加藤博義氏
日産自動車 代表取締役副社長、チーフ コンペティティブ オフィサー 西川廣人氏
副社長 片桐隆夫氏
発表会の司会を務めたジョン・カビラ氏

 発表会の冒頭、西川氏は2月に発売した現行スカイラインの販売台数について触れ、2〜4月の販売台数は5000台を超えたと紹介するとともに、「出だしとして非常に好調だったが、それ以上に我々はプレミアムセダン市場で大きな存在感のあるクルマにしたい」と語る。その理由には、日本市場におけるプレミアムセダンの販売台数がここ10年で伸長していることにあり、「2004年に約2万8000台だったところ、2013年度は約4万7000台と約65%ほど伸びている。残念ながら、そのうち半分以上はドイツ車であり、日産の存在感はゼロに近かった」と西川氏は悔しさをにじませる。

 一方、発表会会場に展示された歴代スカイラインについて、「時代背景や経済環境、為替、セグメントなどはまったく異なるが、我々にとって(歴代スカイラインは)日本を代表するクルマで販売台数云々は関係なく存在感がある。ハイブリッドと合わせ、ダイムラー製の2.0リッターターボエンジンを搭載するスカイラインはハードウェアとして十分に存在感のあるモデルに仕上がっている。日本を代表するプレミアムセダンに育てたい」と語った。

 また、片桐氏は現行スカイライン ハイブリッドの現況について、「安全性能・走行性能ともに、日産の英知を結集したプレミアムセダンであり、おかげさまで2014年4月時点で目標台数を上回る5289台(ハイブリッド車の販売目標台数は200台/月)を受注し、大変ご好評をいただいている」と紹介するとともに、今回投入される200GT-tは「ダイムラーとのアライアンスから生まれた新しいパワートレーンを搭載し、欧米、中国をはじめとした全世界のプレミアムセグメントのど真ん中に投入するモデル」とし、「目標販売台数はミニマム5000台を掲げたい」と意気込みを語った。

 車両の概要については遠藤氏と長谷川氏が紹介した。西川氏、片桐氏が触れたとおり、現行スカイライン ハイブリッドおよび200GT-tは、プレミアムセダン市場での高いポジショニングを目指して開発されたモデルとなる。現行スカイラインの商品コンセプトを今一度振り返ると「走るたびに胸躍る、新時代のプレミアムアスリートセダン」となっており、ドイツ勢を含め世界のプレミアセダンと真正面から互して戦えるクルマを開発するべく、パッケージング、静粛性、乗り心地、操縦安定性といったクルマの基本性能を徹底的に磨いたという。

商品企画本部 日本商品企画室 リージョナル・プロダクト・マネージャーの遠藤智実氏
インフィニティ事業本部 ものつくり・クオリティ本部 チーフ・ビークル・エンジニアの長谷川聡氏

 200GT-tを含めた現行スカイラインのアピールポイントは「あなたの気持ちに呼応する、上質のドライビングプレジャー」「走るために作り込まれた躍動感、高級感あるデザイン」「全方位世界最高峰の安全性能」の3点。200GT-tは、このアピールポイント3点はそのままに、より多くのユーザーに向け選択肢を広げるために設定されたモデルとなる。

 その200GT-tに搭載される直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンは、先に触れたとおり最高出力155kW(211PS)/5500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1250-3500rpmを発生する。現行スカイラインと併売される先代スカイライン(V36)が搭載するV型6気筒DOHC 2.5リッターエンジンが最高出力165kW(225PS)/6400rpm、最大トルク258Nm(26.3kgm)/4800rpmであるのと比べると、最大トルクが異なるとともに、低速から大トルクを発生することが可能になっている。

 このほか、長谷川氏は現行スカイラインが生産される栃木工場での製造品質への取り組みについて紹介。現行スカイラインではフードとフェンダー間、フロントドアとリアドア間といった隙間が狭く造られていることを挙げ、フードとフェンダー間を約2.5mm、フロントドアとリアドア間などを約3.0mmに仕上げたとし、「これは部品の精度などを上げていかないとできない。こういうところをしっかりと作り込んである」と解説。また、現行スカイラインは同社のフラグシップモデル「シーマ」並みの鮮映性を持った新塗装技術を採用していることに触れ、「シーマは塗装の途中で磨きを入れて鮮映性を高めているが、それでは1日10台程度しか造れない。そこで新技術である『高微粒子化塗装』を採用し、大量生産モデルのスカイラインでもシーマの輝きが持てるようにした」と紹介を行った。

 こうした特徴を備え、新たに新グレードを追加した現行スカイラインについて、長谷川氏は「200GT-tはかなり俊敏な動きになり非常によいスカイラインになった。先に登場したハイブリッドも圧倒的なパワーと非常によい燃費を両立したモデルであり、スカイラインの基本性能のよさをぜひ体感いただきたい」と語っている。

現行スカイラインの商品コンセプト
現行スカイラインでは基本性能を徹底的にブラッシュアップ
ドイツのニュルブルクリンクサーキットなどで実走テストを重ねた
現行スカイラインのアピールポイントは3点
200GT-tに搭載する“次世代ターボエンジン”を称する直列4気筒DOHC 2.0リッター直噴ターボエンジンによりパワートレーンの選択肢が拡充された
次世代ターボエンジンは動力性能と環境性能を高レベルで両立したとする
現行スカイラインのグレード体系
現行スカイラインのハイブリッド車は2月26日に発売、4月末までに5289台を受注
次世代ターボエンジンの諸元表
次世代ターボエンジンの特徴は「ドライビングプレジャー」「燃費の向上」「排出ガスのクリーン化」の3点
200GT-tはハイブリッド車に搭載されるステア・バイ・ワイヤの「ダイレクトアダプティブステアリング」ではなく、電動ポンプで油圧を制御する車速感応式の「電動油圧パワーステアリング」を採用
現行スカイラインの品質への取り組み
現行スカイラインでは部品&治具精度などが高められるとともに、塗装に新技術が採用された
現行スカイラインではフードとフェンダー間、フロントドアとリアドア間といった隙間が狭く造られている
塗装はシーマ並みの鮮映性を誇る
発表会後に200GT-tのミニ試乗会が開かれた
発表会会場には歴代スカイラインが展示された。写真は1957年4月に登場した「スカイライン デラックス」(ALSID-1型)。ボディーサイズは4280×1675×1535mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2535mm。直列4気筒OHV 1.5リッターエンジンの最高出力は44kW(60PS)/4400rpm、最大トルクは105Nm(10.75kgm)/3200rpm
1965年2月に登場した「スカイライン 2000GT」(S54B-2型)。ボディーサイズは4255×1495×1410mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2590mm。ウェーバー製3連キャブレターを採用した直列6気筒SOHC 2.0リッターエンジンの最高出力は92kW(125PS)/5600rpm、最大トルクは167Nm(17.0kgm)/4400rpm
1969年2月に販売を開始した「スカイライン 2000GT-R」(PGC10型)。4ドアセダンのボディーサイズは4395×1610×1385mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2640mm。搭載する直列6気筒DOHC 2.0リッターエンジンは最高出力118kW(160PS)/7000rpm、最大トルク177Nm(18.0kgm)/5600rpmをマーク。0-400mタイムは16.0秒、最高速は200km/hとなっている
「ケンとメリーのスカイライン」で有名な「スカイライン H/T 2000GTX-E」(KGC111型)は1976年にデビュー。ボディーサイズは4460×1625×1385mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2610mm。搭載する直列6気筒OHC 2.0リッターエンジンの最高出力は96kW(130PS)/6000rpm、最大トルク167Nm(17.0kgm)/4400rpmを発生した
5代目スカイラインとなるC210型は1977年に登場。写真はマイナーチェンジ後の1980年製「スカイライン 2000GT-E・L」(HGC211型)。ボディーサイズは4600×1625×1390mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2615mm。直列6気筒OHC 2.0リッターエンジンは最高出力96kW(130PS)/6000rpm、最大トルク167Nm(17.0kgm)/4000rpmというスペック
ポール・ニューマンをCMキャラクターに起用したことから「ニューマン・スカイライン」として愛された1983年製の「スカイライン 4ドアセダン DOHC TURBO RS」(DR30型)。ボディーサイズは4595×1665×1385mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2615mmで、直列4気筒DOHC 2.0リッターターボ「FJ20ET」エンジンの最高出力は139.7kW(190PS)/6400rpm、最大トルクは225.5Nm(23.0kgm)/4800rpmを発生
7代目スカイライン(通称:セブンス)の「スカイライン 4ドアH/T GT ツインカム24Vターボ」(HR31型)。ボディーサイズは4650×1690×1385mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2615mm。搭載する直列6気筒DOHC 2.0リッターターボ「RB20DET」エンジンは最高出力154kW(210PS)/6400rpm、最大トルク245Nm(25.0kgm)/3600rpmを発生した
「超感覚スカイライン」のキャッチコピーで登場したR32型スカイライン。写真は1991年に行われたマイナーチェンジ時に登場した「スカイライン GTS25 4ドアセダン」で、自然吸気の直列6気筒DOHC 2.5リッター「RB25DE」エンジンの最高出力は132.3kW(180PS)/6000rpm、最大トルクは225.6Nm(23.0kgm)/5200rpmとなっている。ボディーサイズは4580×1695×1340mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2615mm
9代目となるR33型スカイラインは、「本流グランドツーリングカー」のキャッチコピーを引っ提げて1993年8月にデビュー。写真は1997年式の「スカイライン 4ドアセダン」(ECR33型)で、ボディーサイズは4640×1720×1340mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2720mm。直列6気筒DOHC 2.5リッターターボ「RB25DET」エンジンの最高出力は184kW(250PS)/6400rpm、最大トルクは294Nm(30.0kgm)/4800rpmを発生
こちらは1999年1月に登場した「スカイライン R34 GT-R」(R34型)をベースにする特別仕様車「M-SpecNur」(2001年)。ボディーサイズは4600×1785×1360mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2665mm。直列6気筒DOHC 2.6リッターツインターボ「RB26DETT」エンジンの最高出力は206kW(280PS)/6800rpm、最大トルクは392Nm(40.0kgm)/4400rpmを発生
2001年6月に登場した11代目の「スカイライン 4ドアセダン」(V35型。写真は2005年式)。搭載エンジンはV型6気筒DOHC 3.5リッターの「VQ35DE」で、最高出力は200kW(272PS)/6000rpm、最大トルクは253Nm(36.0kgm)/4800rpm。ボディーサイズは4750×1750×1470mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2850mmとなっている
先代モデル(V36型)の「スカイライン 250GT Type V」。V型6気筒DOHC 2.5リッター「VQ25HR」エンジンは最高出力165kW(225PS)/6400rpm、最大トルク258Nm(26.3kgm)/4800rpmというスペック。ボディーサイズは4780×1770×1450mm(全長×全幅×全高)

【お詫びと訂正】記事初出時、「スカイライン R34 GT-R」のスペック表記に誤りがありました。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:小林 隆)