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三菱自動車、「MiEV Evolution III」がパイクスピーク2014 電気自動車改造クラス初優勝

グレッグ・トレーシー選手が9分08秒188で優勝。増岡浩選手も2位でワンツーフィニッシュ

「MiEV Evolution III」が電気自動車改造クラスを制覇
2014年6月23日~29日(現地時間)レース開催

電気自動車改造クラスのチャンピオンとなったグレッグ・トレーシー選手(左)と、監督兼ドライバーの重責を担いつつ同クラス2位となった増岡浩氏(右)

 三菱自動車工業は、6月23日~29日(現地時間)に米国コロラド州で開催された「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」の電気自動車改造クラスに参戦した同社の「MiEV Evolution III」が初優勝したと発表した。

 同社は2012年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに、市販車の「i-MiEV」からEVコンポーネントを受け継いだプロトタイプ車両「i-MiEV Evolution」で初参戦。今年度で3回目の挑戦となり、監督兼ドライバーの増岡浩氏、グレッグ・トレーシー選手の「MiEV Evolution III」2台体制で参戦した。

 6月29日(現地時間)に行われた決勝レースでは、グレッグ・トレーシー選手が9分08秒188のタイムでクラス優勝(総合2位)を果たし、さらに増岡浩選手も9分12秒204でクラス2位(総合3位)を獲得。電気自動車改造クラスで「MiEV Evolution III」がワンツーフィニッシュを飾る結果となっている。

優勝ドライバー グレッグ・トレーシー選手のコメント
「三菱自動車に電気自動車改造クラス初優勝をもたらすことができてとても嬉しいです。私はこれで2輪と4輪の両カテゴリーで優勝したことになりますが、私が4輪に転向したのは電気自動車でこのレースに出場したかったからです。三菱自動車チームは今回のレースで完璧なマシンを準備してくれました。素晴らしいスタッフと車両のセッティングをしてくれた増岡選手のおかげで優勝することができました。この勝利はチーム全員で勝ちとったものです。今日は路面コンディションがとても滑りやすかったのですが、マシンがスライドするのをS-AWC(Super All Wheel Control:車両運動統合制御システム)によって防ぐことができたので、安心してアタックすることができました。ひとつ残念だったのは、私の力が少し入りすぎて練習の時よりもブレーキングをハードに行ってしまったことです。そのため後半ブレーキが少しフェード気味となりタイムをロスしてしまったと思います。それさえなければ総合優勝も十分に可能だったと思いますので、マシンはまだまだポテンシャルがあると感じました。三菱自動車の一員として『MiEV Evolution III』で電気自動車改造クラス優勝を実現できたことは、私にとって大きな誇りです」

増岡浩 監督兼ドライバーのコメント
「まずは、電気自動車改造クラスで優勝したグレッグ選手におめでとうと言いたいですね。彼は『MiEV Evolution III』を完全に乗りこなし、ウイナーにふさわしい素晴らしい走りをしました。チームメイトとして、そして監督として心から嬉しく思います。今日は天気がよく、雨の心配をすることなく思い切り走ることができました。自分の走りに点数をつけるとするならば95点ぐらいでしょうか。優勝には手が届きませんでしたが、チームの一員として1-2フィニッシュに貢献できたことを誇りに思います。我々は電気自動車で3年間パイクスピークを戦い、最先端のレーシングマシンを開発する過程で非常に高度な技術を学ぶことができました。また、その開発の過程で若いエンジニアが大きく成長していくのを目にしました。電気自動車やプラグインハイブリッドの技術開発において、パイクスピーク参戦が果たした役割はとても大きいと思います」

(編集部:佐久間 秀)