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ダイハツ、「コペン エクスプレイ」のキャンペーンでボカロPとコラボ

クルマの擬人化コンテストなど秋葉原系の文化を取り入れて若年層への認知を図る

秋葉原で行われた発表会には、コペン エクスプレイを擬人化したキャラクターに扮するコスプレイヤーが登場
2014年11月19日開催

 ダイハツ工業は11月19日、コペンのバリエーションモデル「コペン エクスプレイ(COPEN XPLAY)」を発売。東京 秋葉原のベルサール秋葉原で発表会を開催した。なお、コペン エクスプレイの価格などの詳細は、関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141119_676489.html)を参照してほしい。

 発表会では、コペン エクスプレイの若年層向けキャンペーン「COPEN XPLAY PROJECT」が発表された。キャンペーンは以下の3要素を柱として展開される。

XPLAYをモチーフにしたイラストや「擬人化」のイラストを募集する「XPLAYイラストコンテスト」はイラスト投稿サイト「pixiv」とコラボして12月16日から行われる

1 初音ミクなどの人工音声ソフトを用いて楽曲を作るミュージシャン「ボカロP」や、ボカロPが制作した曲を歌う「歌い手」とコラボし、コペン エクスプレイをテーマにした楽曲を配信する「XPLAYミュージック」

2 コペン エクスプレイをモチーフにしたイラストやコペン エクスプレイのキャラクターを作る「擬人化」イラストを募集する「XPLAYイラストコンテスト」

3 コペン エクスプレイをモチーフにしたゲームの配信

 いずれも、アニメやゲームを好む秋葉原系の若者を対象にしたもので、クルマ離れが進むと言われている若年層に対し、新しいコペン エクスプレイを認知させようという狙いがある。なお、2のXPLAYイラストコンテストについては、イラスト投稿サイト「pixiv」とコラボして12月16日から作品の募集が行われる。

ユーザーとともに歩む「3つのX」

ダイハツ工業 製品企画部 チーフエンジニア 藤下修氏

 発表会の冒頭に、ダイハツ工業 製品企画部 チーフエンジニア 藤下修氏からコペン エクスプレイの製品コンセプトが解説された。

「コペン エクスプレイ」の名称は顧客と新しい関係を作るために2014年の東京オートサロンから公募をスタートし、1カ月間で378案の応募があった。「もっと楽しい」という思いを届けたいという発想から「エクスプレイ(XPLAY)」に決定したという。XPLAYのXには、コペンの外装・内装が交換できるという特徴から、交換するという意味の「Exchange」、お客様とともにコペンを展開していきたいという思いから、展開/拡張の「Expansion」、クルマの魅力をジェンダーやジェネレーションを超えて伝えていきたいという願いの「Extract」という、3つのXから成り立っている。

 コペン エクスプレイのコンセプトは「タフ&アグレッシブ」。頑健さを確保するため、前後のフェンダーと一体になった構造体でチューブ状のボディーを支える仕組みを採用。また、コペン ローブと基本構造をはじめ走行性能、標準装備の電動ルーフなどは同じだが、外装デザインはローブと異なる多面体のブロックがデザインとして採り入れられており、ドアの材質や構造も異なる。ダイハツはお客様に一番近い会社になりたいというテーマを掲げており、コペンシリーズでこのテーマを実現させる新しい取り組みを行っていくと藤下氏は語った。

コペン エクスプレイの車名の由来
3つのXにこめた思い
デザインコンセプト
コペン エクスプレイの車両概要
カラーラインアップ
トランスミッション別の車両価格

初代コペンのイメージを根本的に変えるプロジェクト

ダイハツ工業 デザイン部 デザイナー 池内淳氏

 次に、ダイハツ工業 デザイン部 デザイナー 池内淳氏と同 国内営業部 コペンプロジェクトリーダー 松居康彦氏が加わり、クロストーク形式でコペン エクスプレイのデザインコンセプトと、キャンペーン「COPEN XPLAY PROJECT」の解説が行われた。

 デザイン面でこだわった点としては、遊び心を入れつつ、レーシングカーのように必要最低限の構造に凝縮することでアグレッシブさを表現。タフさはクロスオーバーの手法を用いてタイヤを強調することで表現していると紹介した。また、開発自体もコンセプト同様にタフ&アグレッシブに行うため、若い社員だけで社内プロジェクトのチームを発足。1台に対して、通常は1案のみのモデル案を2チーム体制で2案制作し、コンペを行ったという。そこから、さらに初代コペンから「スタイルを変える」「セオリーを変える」「ジャンルを変える」という3つのデザイン案を打ち立て、「ジャンルを変える」デザイン案がエクスプレイになり、「スタイルを変える」デザイン案がローブとして結実したとのこと。初代コペンを根本から変えたデザインだけに、当初は批判が出るかと心配したが、ユーザーの反応は良好で今回の発売まで至ることができたという。

デザインコンセプト
社内に若手を起用したチームを発足
デザインの変遷
ダイハツ工業 国内営業部 コペンプロジェクトリーダー 松居康彦氏

「COPEN XPLAY PROJECT」発足のきっかけは、コペンの遊び心あるデザインと、お客様とクルマの関わりかたを変えたいという会社としてのテーマが背景にあった。音楽とイラストのカルチャーをクロスさせ、コペンを軸にした遊び場を作りたいという思いからプロジェクトが発足したという。また、「LOVE LOCAL、LOVE AKIHABARA」をテーマに、Jポップカルチャー発祥の地である秋葉原から、コペン エクスプレイの魅力を伝えていきたいと語った。

「COPEN XPLAY PROJECT」のロゴ
「COPEN XPLAY PROJECT」の概要
「XPLAYミュージック」では、コペン エクスプレイをイメージした楽曲を人気のボカロPと歌い手の組み合わせで5曲リリースする
イラストコンテストは画像投稿サイトの「pixiv」とコラボして実施
イラストコンテストのカーデザイン部門の例。コペン エクスプレイをモチーフにしたイラストを募集する
イラストコンテストの擬人化部門の例。コペン エクスプレイを人物のキャラクターとして擬人化したイラストを募集
イラストコンテストの応募要項。募集期間は2015年1月29日まで
活動のテーマは「LOVE LOCAL、LOVE AKIHABARA」

ボカロP「八王子P氏」と歌い手「伊東歌詞太郎氏」によるライブで300人のファンが熱狂

ボカロPの八王子P氏。2012年にリリースしたメジャー1stアルバム「electric love」はオリコン11位を記録。台湾でも人気のあるボカロPだ

 発表会の締めくくりとして、ボカロP、歌い手としてそれぞれ人気の高い八王子P氏と伊東歌詞太郎氏による音楽ライブが行われ、300人のファンが集まり歓声を上げた。曲目は、八王子P氏が「Baby Maniacs(intro付き)」「Sweet Devil」「Carry Me Off」「Weekender Girl」「エレクトリック・ラブ(Remix)」をDJプレイ。伊東歌詞太郎氏はオリジナル曲「ヒーローマスク」を熱唱。さらにコペンのイメージソングとして新たに制作された「By Your Side」を両氏が披露した。

 両氏とも若い男性ということから、ファンのうち8割前後は10代~30代の女性で占められ、本キャンペーンが想定する対象と見事に合致していた。「XPLAYミュージック」は両氏ほか、4組のボカロPと歌い手によって曲が配信される予定で、第2弾はボカロP samfree氏、歌い手 柿チョコ氏、第3弾はボカロP 蝶々P氏、歌い手 rairu氏が決定しており、12月に配信予定。2015年1月配信の第4弾と第5弾の組み合わせは未定とのこと。

歌い手 伊東歌詞太郎氏。2014年リリースの1stフルアルバム「一意専心」はオリコン4位。ニコニコ動画の「歌ってみた」カテゴリーで人気のボーカリスト
イベントでの両氏の衣装は、コペン エクスプレイの赤と黒をイメージしたものとのこと
両氏のファン300人が会場につめかけた
「XPLAYミュージック」のキャンペーン詳細
会場内のステージには「マタドールレッドパール」のコペン エクスプレイを展示
会場の外には「オフビートカーキメタリック」のコペン エクスプレイが置かれ、通りすがりの人が足を止めて興味深そうに見ていた

(シバタススム)