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初の大阪開催となった「カロッツェリア エクスペリエンス 2015(大阪会場)」リポート

新型「サイバーナビ」の機能をいち早く体験

2015年5月12日開催

関西圏で初開催となった「カロッツェリア エクスペリエンス」

 パイオニアは5月12日、に阪急うめだホール(大阪府大阪市 阪急うめだ本店9階)で、「AVIC-ZH0999W」などの新型「サイバーナビ」を中心とした最新カロッツェリア製品の体験展示会「カロッツェリア エクスペリエンス 2015」を開催した。

 これは、5月8日にシリーズ初の8V型ラージサイズをラインアップに追加した新型「カロッツェリア サイバーナビ」が発表されたことを受けて開催されたもの。同日夕方に東京 ヒカリエホール(東京都渋谷区渋谷 ヒカリエホール9階)でも開催され、その大阪開催版となるものだ。

 カロッツェリア エクスペリエンスは、2014年10月の新型「楽ナビ」発表から始まった新しい取り組みで、今回が2日目。パイオニアがカロッツェリア エクスペリエンスという取り組みを始めたのは、「よりユーザーの声を聞きたい」という意識があり、新型サイバーナビでは関東圏に次いで大きな市場である関西圏での開催を行ったとのことだ。

会場となった阪急うめだ本店9階にある阪急うめだホール
新型サイバーナビのナビゲーターであるきゃりーぱみゅぱみゅさん(のパネルと映像)がお出迎え
受付
受付では、新型サイバーナビのカタログがもれなくもらえる
イベントの様子などをSNSに投稿し、アンケートに答えた人には、非売品のオリジナルグッズなどがプレゼントされていた
受付脇にある新型サイバーナビのデモ機
受付の向かいに設置されたカロッツェリアナビの歩み
初代GPSナビ「AVIC-1」
最新のサイバーナビ、1DIN+1DINの「AVIC-VH0999」

大阪駅至近の阪急うめだ本店内で開催

 展示会は、JR大阪駅、阪急 梅田駅と地下で直結する阪急うめだ本店 9階にある阪急うめだホールで実施。開催日はあいにくの台風接近日となったため来場者の出足が心配されたが、17時の開場時刻前から数名が並び、開場後は徐々に来場者が増え、18時頃にはデモ機やデモカーの前はそれぞれ来場者で埋まっていた。

 展示内容は東京会場のものをベースに、阪急うめだホールがヒカリエホールより狭いことから会場の広さにあわせてアレンジしたもの。サイバーナビ 0999系モデルの最大の特徴である「ミュージッククルーズコントロール」の体験デモ機は変わらないものの、デモカーは東京会場の7台から、アウディ「R8」、トヨタ自動車「86」、トヨタ「ヴォクシー」、ランドローバー「イヴォーク」、本田技研工業「N-BOX」の5台となっていた。東京会場と重複する部分もあるので、詳細は東京会場の記事を参照してほしい。

「カロッツェリア エクスペリエンス 2015(東京会場)」リポート

http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150511_701194.html

フローリングの床が美しい展示会場
トヨタ「ノア」「ヴォクシー」「エスクァイア」向けにオートバックスと共同開発したコンプリートモデルを用意
装備内容。価格は130万円で、サイバーナビを含むが工賃は含まず
アウディ「R8」
トヨタ「86」
ランドローバー「イヴォーク」
会場には多数の新型サイバーナビが展示されていた。もちろん自由に操作できる
デモ機の近くにはモニターがあり、そしてそこでは歌詞が流れていることが多かった
ヴォクシーのカスタム提案
タントのカスタム提案
各種オプション製品を展示。AR HUDユニットは同梱モデルがなくなり、別途購入が必要
新型サイバーナビと同日発表されたカスタムフィットスピーカー「TS-C1720A II」
TS-C1720A IIに同梱される、新開発のクロスオーバーネットワーク。バイアンプ接続を可能としている
同じく同日発表されたデジタルアンプ「GM-D1400 II」。100W×4chの出力を持ち、ブリッジ接続で200W×2chのアンプとしても使える

 来場者の興味は、レコチョクとパイオニアの協業で実現した音楽ストリーミング機能ミュージッククルーズコントロールに集中。スタッフにさまざまな質問をしている姿を見かけ、その質問内容もサイバーナビの機能を理解した上でのものが多く、0999系モデルをより深く理解しようとする積極的な姿勢が印象的だった。

参考機能である“カラオケ”搭載のデモカー「N-BOX」

東京会場と展示仕様が異なった「N-BOX」。大阪では“カラオケ”仕様に

 ミュージッククルーズコントロールでは、音楽ストリーミングをスマートフォン経由で受信するが、その際に歌詞表示も可能となっている。現在は、約130万曲のストリーミング曲のうち、約半分ほどを歌詞データベースサービスから受け取れ、その歌詞も日々増え続けている。音楽が流れ、歌詞を表示できるとなれば、当然“カラオケができる”となるわけだが、パイオニアはN-BOXのデモカーにおいて、カラオケを意識したデモを実施。ミキサーとマイクを参考展示し、新型サイバーナビと同時発表されたフリップダウンモニターを見ながらリアシートでカラオケができる環境を提案していた。

軽自動車ながら、大画面8V型のラージサイズモデル「AVIC-ZH0999LS」を搭載
天井にはフリップダウンモニターを装備
参考展示のマイク

 これは東京会場ではN-BOXで行っていなかった展示で、大阪会場での展示用にセッティングしたもの。ミュージッククルーズコントロールには、音楽を切れ目なくノンストップミックスで再生するMIXTRAXモードや、ボーカル帯域の音量を低減するBGMモードが用意されており、カラオケへの親和性も高い。来場者の反応も良好で、“おもしろそう”との声も聞くことができた。

 とくに会場のあちこちで歌詞がフリップダウンモニターを流れていくのを見ていると、記者自身も「レーザーカラオケで一世を風靡したパイオニアだけに、ミニバンによる車内カラオケの普及を狙っているのか?」と思った次第。ただ、実際に製品レベルでリリースするには車種ごとに異なるハウリングの問題があるとのこと。そのため、ミキサーやマイクは参考展示であるし、N-BOXの仕様も「あくまで参考レベル」とのことだ。

音楽とともに歌詞が流れ、マイクもある。マイクを握りしめて歌いたくなるのは仕方のないところ

サイバーナビの進化の方向性

 カロッツェリア エクスペリエンスの東京会場、大阪会場を見て思ったのは、サイバーナビがさらに進化していこうとする姿勢だ。カロッツェリアのもう1つのナビシリーズである「楽ナビ」が、スマートループ対応、AR HUD対応と進化を続け、クルーズスカウター機能こそないものの、一般的なナビ用途には十分以上のカーナビに育ったし、ナビ機能としてはトップクラスの製品になっている。

 かつて両製品の大きな違いとなっていた、HDDの有無による音楽ストレージとしての能力も、半導体の進歩とiPodやスマートフォンに代表される外部デバイスの高機能化により、それほど問題とならなくなってきた(オーディオ回路や機能については、サイバーナビがより高音質仕様となっている)。そのため新型サイバーナビでは、音楽ストリーミングによる約130万曲という膨大な曲数と、リコメンド機能によるインテリジェンスを導入し、圧倒的な差別化を図ったと思われる。この進化がユーザーにどう響くかがポイントとなるが、来場者は好意的に評価していたようだ。

 これまでサイバーナビの進化は、ナビはもちろん、AR HUDやクルーズスカウター機能など、ドライバーの運転環境を充実&便利にする方向性を強く志向していたように思われる。それがこの新型サイバーナビである0999系モデルは、運転中にドライバーが読むことのできない歌詞表示が前面に訴求されているように、より同乗者と楽しめるという側面が強くなった。先進の音楽ストリーミング機能をドライバーだけでなく、同乗者も一緒に楽しめるように配慮した新型サイバーナビ。今後は順次、大型カー用品店でのデモも増えるので、楽ナビと新型サイバーナビのコンセプトの違いを確認してみてほしい。

(編集部:谷川 潔)