マクラーレン・オートモーティブ・アジアは6月4日、2015年ニューヨーク国際オートショーで世界初公開した「マクラーレン 570S(ファイブセブンティ エス)」、第16回上海モーターショーで世界初公開した「マクラーレン 540C(ファイブフォーティ シー)」の2台を日本で初公開。それぞれの日本市場における販売価格も同時に公開し、570Sが2556万円、540Cが2188万円となっている。
マクラーレン 570S(展示車は量産前の最終試作車) ボディーサイズは4530×2095×1202mm(全長×全幅×全高)、車両重量は1344kg V型8気筒DOHC 3.8リッターツインターボの「M838TE」をミッドシップレイアウト。最高出力419kW(570PS)/7500rpm、最大トルク600Nm/5000-6500rpmを発生し、デュアルクラッチトランスミッションの7速SSGで後輪を駆動する。0-100km/h加速は3.2秒、最高速は328km/hとなる ピレリのP ZERO Corsaを採用し、タイヤサイズはフロントが225/35 R19、リアが285/35 R20 空気抵抗とダウンフォースのバランスを最適化したというインテグレーテッド・スポイラーをリアエンドに設定 ボディーのフロア下は完全にフラットな形状となり、さらに後端にカーボン製のディフューザーを設定。エキゾーストエンドパイプはディフューザーより上に配置され、エアロダイナミクスに影響しない設定となっている ボディー後方に設置したエアインテーク内のラジエターに気流を導く通路であり、外観上の大きな特徴ともなる「“フローティング”ドア・シェル」を採用 上下のインテークからエアフローを効率的に採り入れることが可能になり、サイドインテークの小型化を実現して空気抵抗を低減させている 570Sのインテリア。最終試作車であるため、細部のブラッシュアップが行われる可能性もあるとのこと センターコンソールに集約されたスイッチ類で走行モードなどを選択。前方側にはドリンクホルダーも設定されている シャシーの基本構成となるカーボンファイバー製「モノセルII」の採用により、形状の自由度が向上。ドア開口部の前方側を下げることで、乗降性を高めている サポート性と快適さを両立させる新型シートを採用。運転席側が6ウェイ、助手席側が4ウェイの電動調整となる マクラーレン 540C(展示車は量産前の最終試作車) ボディーサイズは、4530×2095×1202mm(全長×全幅×全高)、車両重量は1350kg フロントバンパーの下側に、フロア下にフレッシュエアーを送り込む「エアロブレード」を設定。ヘッドライトはLED式 フロントバンパーのインテークから取り込まれた外気は、オイルクーラーを冷却してフロントタイヤハウスの前方から側面に向けて排出される 570S同様に「M838TE」ツインターボエンジンをミッドシップレイアウト。最高出力397kW(540PS)/7500rpm、最大トルク540Nm/3500-6500rpmを発生し、デュアルクラッチトランスミッションの7速SSGで後輪を駆動する。0-100km/h加速は3.5秒、最高速は320km/hとなる ピレリのP ZERO Corsaを採用し、タイヤサイズはフロントが225/35 R19、リアが285/35 R20。ホイールのカラーは「ステルス」(写真)とシルバーの2種類 スーパーカーの体験そのものを、スポーツカーのカテゴリーで得ることができるモデル
マクラーレン オートモーティブ アジア リージョナル ディレクター デイビッド・マッキンタイヤ氏 東京都港区の虎の門ヒルズで開催された2台を日本初公開するプレスカンファレンスでは、マクラーレン オートモーティブ アジア リージョナル ディレクターのデイビッド・マッキンタイヤ氏が冒頭で挨拶を実施。マッキンタイヤ氏は「マクラーレン オートモーティブは、3年前に『12C』を発表してから強くなる一方です。昨年は世界全体で1600台強の車両を販売いたしました。アジア・太平洋地域はマクラーレンにとって世界で2番目に大きな市場となっており、日本は世界で5番目の市場です」と語り、日本とマクラーレン オートモーティブの関係性を紹介。
さらに「本日ご紹介するこちらの2台は、スーパーカーの体験そのものを、スポーツカーのカテゴリーで得ることができるモデルになります。また、価格についても発表したいと思っており、570Sが2556万円、そして540Cが2188万円です」とマッキンタイヤ氏はコメントした。
マクラーレン オートモーティブ チーフデザイナー ロバート・メルヴィル氏 また、車両の解説をマクラーレン オートモーティブ チーフデザイナーのロバート・メルヴィル氏が実施。
メルヴィル氏は「私はこのような事業に携わることができ、非常に誇りに思っています。こちらにあるコンセプトスケッチから製造用のデザインに移行するなかで、最初のスケッチで現れていた冗長性や感覚といったものを完全に捉えることができたことを嬉しく思っております。また、過去のマクラーレンモデルと同様、新しい“スポーツシリーズ”も非常に美しく、しかも機能的に設計されています」とコメント。
さらにデザインのコンセプトについて「私たちデザインチームは、自然のなかで見られる非常に効率のよい形態、フォルムなどからインスピレーションを受けています。そのため私たちは、外装のボディーパネルをパッケージ化し、そのプロファイルを最適化されたエンジニアパッケージで実現しています」と語っている。
キャビン後方に設定されたマクラーレンモデルの特徴的な装備「フライング・バットレス」は、下を通過した空気の流速が増し、ミッドシップレイアウトのエンジンルームから負圧によって熱気を外部に排出させるほか、さらにリアセクションのダウンフォースも向上させると解説 「フロントバンパーは空気を切るような形状になっており、設計上、空気がクルマに対して最大限の冷却効果、ダウンフォースを実現するためにデザインされています」と語るメルヴィル氏 スペシャルゲストとして、ブルース・マクラーレン氏の娘であるアマンダ・マクラーレン氏がプレスカンファレンスに参加。現在はマクラーレン オートモーティブのブランドアンバサダーとして活躍している マクラーレン オートモーティブ アジア リージョナル オペレーション マネージャー ジャパン 名取雅裕氏は、ニューヨーク国際オートショー、そして上海モーターショーでのワールドプレミア後、両モデルに予約注文をはじめ多くの問い合わせがあったことを紹介