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スズキ、“マイルドハイブリッド”で燃費27.8km/Lを実現した新型「ソリオ」
新開発プラットフォームの採用で全車1t以下。「デュアルカメラブレーキサポート」も設定
(2015/8/26 10:30)
- 2015年8月26日発表
- ソリオ:145万4760円~196万7760円
- ソリオ バンディット:182万5200円~195万1560円
スズキは8月26日、小型乗用車「ソリオ」「ソリオ バンディット」をフルモデルチェンジして発売した。価格はソリオが145万4760円~196万7760円、ソリオ バンディットが182万5200円~195万1560円。
ソリオ
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | エコカー減税(取得税/重量税) |
---|---|---|---|---|---|
G | 直列4気筒DOHC 1.2リッター直噴 | CVT | 2WD(FF) | 1,454,760円 | 60%/50% |
4WD | 1,581,120円 | 20%/25% | |||
ハイブリッド MX | 直列4気筒DOHC 1.2リッター直噴+WA05A型モーター | 2WD(FF) | 1,695,600円 | 80%/75% | |
4WD | 1,821,960円 | 60%/50% | |||
ハイブリッド MZ | 2WD(FF) | 1,841,400円 | 80%/75% | ||
4WD | 1,967,760円 | 60%/50% |
ソリオ バンディット
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 | エコカー減税(取得税/重量税) |
---|---|---|---|---|---|
ハイブリッド MV | 直列4気筒DOHC 1.2リッター直噴+WA05A型モーター | CVT | 2WD(FF) | 1,825,200円 | 80%/75% |
4WD | 1,951,560円 | 60%/50% |
ソリオシリーズは、同社の軽自動車「ワゴンR」をベースに1.0リッターエンジンの搭載などによって5人乗りの小型車とした派生モデル「ワゴンR ワイド」として1997年にデビュー。その後、モデルチェンジなどのタイミングで「ワゴンR +(プラス)」「ワゴンR ソリオ」と車名を変更。2011年1月に発売された先代モデルからソリオの車名を採用している。また、2012年6月に、内外装デザインの方向性が異なる派生モデルとして追加されたソリオ バンディットは、今回のモデルチェンジでは同時デビューしている。
新しいソリオは新開発プラットフォームを採用し、ボディーサイズは3710×1625×1745mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2480mm。先代から全幅を5mm増やし、全高は20mm低下。全長は変わっていないものの、ホイールベースは30mm伸び、これによって室内長は400mm増えた2515mmを実現。クラストップクラスの室内長を生かして前後乗員間距離と荷室長を拡大している。また、全幅の増加は5mmだが、フロントシートの左右間を10mm増やし、スムーズにセンターウォークスルーできる使い勝手のよい室内空間とした。
エクステリアデザインは基本的なデザインテイストを先代から踏襲しつつ、ヘッドライトを横方向に長いデザインとしてボンネットを広げ、ワイド感を強調。前後のフェンダーをキャラクターラインなどによって際立たせ、15インチのタイヤ&ホイール(Gグレードを除く)との組み合わせによって安定感を演出している。また、全車でピラーをブラックアウトし、ルーフの存在感を高めて個性化した。
フロントマスクのデザインはソリオとソリオ バンディットで大きく異なり、ソリオではメッキ加飾のフロントアッパーグリルにLEDイルミネーションを内蔵。ヘッドライトとの連続性を持たせ、上質感を与えている。ソリオ バンディットではヘッドライトを上下分割のデザインに変更。さらにスズキ初のLEDヘッドライトを採用し、LEDポジションランプとの組み合わせで先進性をアピールしている。また、ブラックアウトしたアッパーグリルと左右を連続させてワイド感を高めたロアグリルなどによってスポーティテイストを強調している。
ボディーカラーは6種類の新色を用意し、ソリオ バンディットには一部のボディーカラーにブラック2トーンルーフを設定。全12バリエーションとなっている。
小型車は「マイルドハイブリッド」、軽自動車は「S-エネチャージ」
新型ソリオシリーズの大きなトピックとなるのがパワートレーン。新開発した「K12C型」の直列4気筒DOHC 1.2リッターデュアルジェットエンジンに同社が新たに「マイルドハイブリッド」と呼称するハイブリッドシステムの組み合わせにより、JC08モード燃費は最高で27.8km/Lを実現している。このマイルドハイブリッドは、助手席下に設置したリチウムイオンバッテリーとモーターアシスト機能を持つ「ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)」を組み合わせた同社の「S-エネチャージ」と基本コンポーネントは同じだが、重量の重い小型車向けにチューニングを実施。今後は同様のシステムを、軽自動車では「S-エネチャージ」、小型車では「マイルドハイブリッド」と呼び分けていくとのこと。なお、マイルドハイブリッドを採用する4WD車は23.8km/L、マイルドハイブリッドを持たないGグレードの2WD(FF)車は24.8km/L、同4WD車は22.0km/Lとなる。
新開発されたプラットフォームは、今後日本市場を含むグローバルのAセグメントコンパクトカーに投入を予定して開発に取り組み、軽量化と高剛性を両立させたもの。日本では新型ソリオシリーズから導入がスタートしている。
アンダーボディーは2014年12月にデビューした新型「アルト」などと同様に、フロアの前後、上下の連続性を高めて衝突時などの力の入力をなめらかに受け止める形状を採用。従来以上となる強度を確保しながら板厚を薄くすることが可能になり、ほかの部分でも高張力鋼板、超高張力鋼板の採用を拡大することで軽量化を追究。前後サスペンションも新設計して軽量化に貢献しており、車両重量は930kg~990kgと全車で1t以下に抑えられている。
新設計となったサスペンションでは、フレームのフラット化で軽量・高剛性を実現し、フレームと車体メンバーの固定点を増やしてサスペンションの横剛性を高めた。前後サスペンションともにストローク幅を増やして乗り心地の向上を図り、スタビライザーを装着している。リアサスペンションは先代では全車でI.T.L式を採用していたが、今回から2WD(FF)はトーションビーム式に変更。また、ハブユニットをリアベアリングと一体構造にして軽量化と転がり抵抗の低減を図っている。
インテリアではインパネのメーターをセンターメーターとして、左右対称なシンメトリーデザインを採用。横方向への広がりによって視覚的な開放感を演出し、左右に連続するシルバー加飾などを使って上質感を表現している。ソリオではセンターガーニッシュにシルバーを使い、チャコールグレーのシート表皮を採用。ソリオ バンディットではセンターガーニッシュがピアノブラック調となり、黒基調のシート表皮にダークパープルのアクセントが施される。
シートではリアシートのシートバック上側両サイドに2つの操作レバーを設置。それぞれでシート角度調節&前方格納、シート前後位置調整を操作できるようになった。また、リアシートの後方に向けたリクライニング角度は先代の28°から56°に拡大。前後シートを使ったフルフラットなどのシートアレンジが可能になっている。
装備面では、軽乗用車の「スペーシア」「スペーシア カスタム」に続いて衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」をGグレード以外にオプション設定。「車線逸脱警報機能」「ふらつき警報機能」「先行車発進お知らせ機能」などとセットになっているこのオプションを選択すると、「前方衝突警報機能」「前方衝突警報ブレーキ機能」「前方衝突被害軽減ブレーキアシスト機能」といった衝突事故の回避をアシストする機能に加え、回避操作が十分に行われなかった場合でも衝突の回避、または衝突被害を軽減する「自動ブレーキ機能」が作動するようになる。
このほか、電動開閉する「ワンアクションパワースライドドア」には、作動中に開閉操作するとその位置でスライドが停止する「一時停止機能」をスズキ車として初採用。ソリオ ハイブリッド MZ、ソリオ バンディット ハイブリッド MVで採用しているフルオートエアコンでは「ナノイー」発生機能が与えられている。また、Gグレード以外にオプション設定となるメモリーナビゲーションには、ボディーの前後左右の4個所に設置したカメラで撮影した映像を使い、車両を真上から見下ろしたような俯瞰映像などを表示する「全周囲モニター」がセットになる。