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新型アテンザなどが加わった「クリーンディーゼル実車体験試乗会」
秋晴れの中、最新クリーンディーゼル6台を一気乗り
(2012/12/6 15:49)
クリーンディーゼル普及促進協議会は11月24日、25日、ボッシュの塩原試験場(栃木県那須塩原市)で「クリーンディーゼル実車体験試乗会」を開催した。この試乗会は、これまで3回開催した試乗会が好評だったため、引き続き開催されたもの。前回から2日間、午前・午後の4プログラム(各20組、計80組)開催となっている。
試乗会の参加者は、同協議会のWebサイト(http://www.cleandiesel.gr.jp/)で事前に募集。最も倍率の高かった24日の午前の組では、20組の募集に20倍の応募があったと言う。前回の最高倍率が15倍だったので、さらに人気が高まっていることになるが、これは今回の試乗車に11月20日発売されたばかりの新型「アテンザ」に加え、BMW「523d ブルーパフォーマンス」、「X3 ブルーパフォーマンス」、メルセデス・ベンツ「ML 350 ブルーテック」が加わっているためだろう。前回は4台のクリーンディーゼル車を試乗できたが、今回は6台の試乗となっていた。
コースは、クリーンディーゼル実車体験試乗会でおなじみとなった、塩原試験場内にある周回路。35度バンクを持つこの周回路を1台につき2周走ることができ、計12周も走ることになる。各区間の最高速度は、表のストレートが100km/hで、35度バンクは75km/h。裏のストレートは120km/hまで出すことができ、最終コーナーは50km/hでの走行となる。35度バンクを抜け、国内の法定最高速度を超える120km/hを目指す裏ストレートが、どこまでも伸びていくトルクフルなディーゼル車らしい加速を味わえるポイントになる。
また、このクリーンディーゼル実車体験試乗会では、実車解説者としてモータージャーナリストも参加。初日は川端由美さんが、2日目は藤島知子さんが登場した。
新型アテンザを含め、6台ものクリーンディーゼル車を一気に試乗できる機会は、自動車業界の関係者でもそうあるものではない。まして、バンク付きのコースとなるとなおさらだ。参加者は次々にクリーンディーゼル車に乗り、ガソリン車と異なるパワー感を楽しんでいた。
感想を何人かに聞いてみたところ、それぞれのクルマのキャラクターは異なるとの声が返ってきた。マツダやBMWはスポーティな感じがし、メルセデス・ベンツは豪華でそしてしっかりした感じを受けるとの声が聞かれた。話題のクルマであるアテンザでは、「内装も決して欧州車に見劣りしない」との感想もあり、プレミアムブランドのディーゼル車との戦いが楽しみな1台だ。また、共通して聞かれたのが「メルセデス・ベンツ ML 350 ブルーテックは、さすがに豪華」との声。とくに女性同乗者からの評判がとてもよかったようだ。
初回からこのイベントを取材しているが、初回のイベントは「クリーンディーゼル」という技術に興味のある方を多く見かけたのに対し、前回からは「クリーンディーゼル車を買いたい」という人が増えていることだ。とくにマツダ CX-5、そしてアテンザの登場はクリーンディーゼル車を身近なモノとしており、「アテンザを買ったのだが納車がまだなので試乗に訪れた」という人もいたほど。試乗後の感想を聞くと「(アテンザを購入したという)判断は間違っていなかった」と満足気に語ってくれたのが印象的だった。
若干気になったのは、6台×2周をこなすために、進行が速くなったのかなというところ。前回、前々回同様クリーンディーゼル車の構造説明用のクルマが置かれていたものの、それをゆっくり見る時間はあまりないように思えた。この辺りについては、参加者アンケートが行われているので、アンケートの結果を踏まえつつ変化していくのかもしれないし、わずか1年でクリーンディーゼル車を知る時代から、買う時代へ劇的に変化したのかもしれない。
いずれにしろ、回を重ねる度にクリーンディーゼル車の人気が上昇しているのは間違いなく、試乗会の性格や位置づけも変化せざるを得ないのだろう。クリーンディーゼル普及促進協議会は、次回の開催も検討しており、参加してみたい方は同協議会のWebサイトをマメにチェックしてみてほしい。
次回も同様の募集方法となるか分からないが、倍率が高かったのは初日の午前中、次に2日目の午後とのこと。この結果は、那須という観光地にあるため、観光のついでに立ち寄ることを予定している人が多いことを示している。観光よりクリーンディーゼル車試乗のプライオリティが高い人には、初日の午後、2日目の午前が狙い目と言えるだろう。